JPH0670499A - 高圧回転機の固定子コイル - Google Patents
高圧回転機の固定子コイルInfo
- Publication number
- JPH0670499A JPH0670499A JP4212793A JP21279392A JPH0670499A JP H0670499 A JPH0670499 A JP H0670499A JP 4212793 A JP4212793 A JP 4212793A JP 21279392 A JP21279392 A JP 21279392A JP H0670499 A JPH0670499 A JP H0670499A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stator coil
- tape
- coil
- slot
- high voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高圧回転電機の固定子コイル1のスロット挿
入部Aにおける含浸性を向上し、含浸時間を短縮できる
工法を提供する。 【構成】 導体2にフィルム基材のドライマイカテープ
3を卷回し対地絶縁を形成する。この対地絶縁上のスロ
ット挿入部Aに、多数の微小な孔を有する半導電性テー
プ5を卷回し、スロット挿入・結線後、樹脂注入,真空
引き,加圧含浸を行う。
入部Aにおける含浸性を向上し、含浸時間を短縮できる
工法を提供する。 【構成】 導体2にフィルム基材のドライマイカテープ
3を卷回し対地絶縁を形成する。この対地絶縁上のスロ
ット挿入部Aに、多数の微小な孔を有する半導電性テー
プ5を卷回し、スロット挿入・結線後、樹脂注入,真空
引き,加圧含浸を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧回転機の固定子コ
イルのスロット内コロナ防止装置に関する。
イルのスロット内コロナ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】3kV以上で、中形機までの発電機及び誘
導電動機などの固定子コイルの全含浸方式による対地絶
縁方法は、ドライマイカテープを導体に卷回し、スロッ
ト挿入・結線後、樹脂を真空・加圧含浸し、加熱硬化さ
せて行う。
導電動機などの固定子コイルの全含浸方式による対地絶
縁方法は、ドライマイカテープを導体に卷回し、スロッ
ト挿入・結線後、樹脂を真空・加圧含浸し、加熱硬化さ
せて行う。
【0003】ドライマイカテープの裏打ち材は、ガラス
クロス,フィルム及び不織布などがあるが、テーピング
マシンを使用する機械巻きには、適度に伸びがあり、破
壊電圧が高く、比較的安いという理由で、フィルム裏打
ち材のドライマイカテープが多く使用されている。
クロス,フィルム及び不織布などがあるが、テーピング
マシンを使用する機械巻きには、適度に伸びがあり、破
壊電圧が高く、比較的安いという理由で、フィルム裏打
ち材のドライマイカテープが多く使用されている。
【0004】なお、ドライマイカテープの裏打ち材とマ
イカテープは、少量の接着剤で貼られている。
イカテープは、少量の接着剤で貼られている。
【0005】図5は、従来の全含浸方式の亀甲形固定子
コイル1である。図6は、図5におけるア−ア断面図を
表している。図6において、導体2にフィルム基材のド
ライマイカテープ(以下フィルムマイカテープと称す
る)3を、定格電圧に応じた厚みになるように卷回し、
対地絶縁を牽制する。所定の厚さに卷回されたフィルム
マイカテープ層のスロット挿入部分Aに、固定子コイル
と鉄心スロットとの間で生じる部分放電を抑制するため
の半導電性テープ4を卷回する。
コイル1である。図6は、図5におけるア−ア断面図を
表している。図6において、導体2にフィルム基材のド
ライマイカテープ(以下フィルムマイカテープと称す
る)3を、定格電圧に応じた厚みになるように卷回し、
対地絶縁を牽制する。所定の厚さに卷回されたフィルム
マイカテープ層のスロット挿入部分Aに、固定子コイル
と鉄心スロットとの間で生じる部分放電を抑制するため
の半導電性テープ4を卷回する。
【0006】ところでフィルムマイカテープ3は、フィ
ルム面と直角方向からは樹脂が浸透できず、図6の矢印
のように、フィルムマイカテープ3の重なり部分からの
み浸透する。従って、ある寸法範囲に収めるために、張
力をかけて卷回すると、テープ間の隙間は緩く巻いた時
より更に少なくなり、樹脂の浸透に時間がかかる。
ルム面と直角方向からは樹脂が浸透できず、図6の矢印
のように、フィルムマイカテープ3の重なり部分からの
み浸透する。従って、ある寸法範囲に収めるために、張
力をかけて卷回すると、テープ間の隙間は緩く巻いた時
より更に少なくなり、樹脂の浸透に時間がかかる。
【0007】半導電性テープ4は、ワニスにグラファイ
トカーボンの粒子を混ぜた液をガラスクロス,不織布,
フィルムなどの基材に塗布したもので、これも一般的に
はテープの面と直角方向からは樹脂が浸透できず、フィ
ルムマイカと同様にテープの重なり部分から浸透するた
め、スロット挿入部分は他の部分よりも含浸に時間を要
する。
トカーボンの粒子を混ぜた液をガラスクロス,不織布,
フィルムなどの基材に塗布したもので、これも一般的に
はテープの面と直角方向からは樹脂が浸透できず、フィ
ルムマイカと同様にテープの重なり部分から浸透するた
め、スロット挿入部分は他の部分よりも含浸に時間を要
する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
方式は含浸作業に時間を必要とする。本発明は、スロッ
ト挿入部分の含浸性を向上させ、含浸時間短縮が適用で
きる高圧回転機の固定子コイルを提供することを目的と
する。
方式は含浸作業に時間を必要とする。本発明は、スロッ
ト挿入部分の含浸性を向上させ、含浸時間短縮が適用で
きる高圧回転機の固定子コイルを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、導体の周
囲にフィルム基材のドライマイカテープを卷回し、対地
絶縁層を形成した高圧回転機の固定子コイルをスロット
に挿入し、熱硬化性樹脂を含浸して絶縁層を構成する高
圧回転機の固定子コイルにおいて、前記コイルのスロッ
ト挿入部分に、予め多数の微小な孔をあけた半導電性テ
ープを卷回したことを特徴とする固定子コイルによって
達成される。
囲にフィルム基材のドライマイカテープを卷回し、対地
絶縁層を形成した高圧回転機の固定子コイルをスロット
に挿入し、熱硬化性樹脂を含浸して絶縁層を構成する高
圧回転機の固定子コイルにおいて、前記コイルのスロッ
ト挿入部分に、予め多数の微小な孔をあけた半導電性テ
ープを卷回したことを特徴とする固定子コイルによって
達成される。
【0010】
【作用】半導電性テープに多数の孔をあけたものを使用
すると、図1に示すように、樹脂が浸透する経路が多数
でき、しかも下のフィルムマイカテープ層の重なり目へ
の距離も短くなることにより、従来のテープで阻害され
ていた含浸性が改善されて、スロット挿入部分の含浸が
不十分になる危険性を下げることができる。
すると、図1に示すように、樹脂が浸透する経路が多数
でき、しかも下のフィルムマイカテープ層の重なり目へ
の距離も短くなることにより、従来のテープで阻害され
ていた含浸性が改善されて、スロット挿入部分の含浸が
不十分になる危険性を下げることができる。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施例
を説明する。図1は図5の直線部を取り出した本発明の
実施例の断面図、図2は本発明の実施例に使用した半導
電性テープを示す。
を説明する。図1は図5の直線部を取り出した本発明の
実施例の断面図、図2は本発明の実施例に使用した半導
電性テープを示す。
【0012】図1において、導体2の上に、フィルムマ
イカテープ(基材:ポリイミドフィルム)3を定格電圧
6.6kV クラス相当の厚さに半重ね巻きで6回卷回し、対
地絶縁を形成する。次に図1のスロット挿入部分Aにの
み、図2に示すように微小な孔あけ加工した、厚さ0.1m
m ,幅12.5mmの本発明の半導電性テープ5をテープの端
が約1mm重なるように卷回する。このときの孔の径は1
mm以下が望ましく、個数は4〜5個/cm2が好ましい。図
2に示した本実施例では、長さ方向及び幅方向にそれぞ
れ6mmの間隔で微小な孔をあけ、且つそれらの孔位置の
構成する正方形の中心に、すなわち縦列及び横行からそ
れぞれ3mmの距離の位置にも微小な孔をあけた。この半
導電性テープ5を卷回後、モデル鉄心に挿入して、 110
℃の乾燥炉で予備乾燥する。乾燥炉から取り出し、真空
含浸タンクに移す。このとき、樹脂の浸透状況を静電容
量の変化で監視するため、予めコイルの導体2及び半導
電性テープ5(従来のコイルの場合は4)からリード線
を出し、真空含浸タンクの端子台を経由して、外部のC
メータに接続しておく。次に10mmHg以下で脱気を行って
後、樹脂の注入、真空引き及び5kg/cm2 の加圧を行う。
それぞれの作業時間は図3に示す。
イカテープ(基材:ポリイミドフィルム)3を定格電圧
6.6kV クラス相当の厚さに半重ね巻きで6回卷回し、対
地絶縁を形成する。次に図1のスロット挿入部分Aにの
み、図2に示すように微小な孔あけ加工した、厚さ0.1m
m ,幅12.5mmの本発明の半導電性テープ5をテープの端
が約1mm重なるように卷回する。このときの孔の径は1
mm以下が望ましく、個数は4〜5個/cm2が好ましい。図
2に示した本実施例では、長さ方向及び幅方向にそれぞ
れ6mmの間隔で微小な孔をあけ、且つそれらの孔位置の
構成する正方形の中心に、すなわち縦列及び横行からそ
れぞれ3mmの距離の位置にも微小な孔をあけた。この半
導電性テープ5を卷回後、モデル鉄心に挿入して、 110
℃の乾燥炉で予備乾燥する。乾燥炉から取り出し、真空
含浸タンクに移す。このとき、樹脂の浸透状況を静電容
量の変化で監視するため、予めコイルの導体2及び半導
電性テープ5(従来のコイルの場合は4)からリード線
を出し、真空含浸タンクの端子台を経由して、外部のC
メータに接続しておく。次に10mmHg以下で脱気を行って
後、樹脂の注入、真空引き及び5kg/cm2 の加圧を行う。
それぞれの作業時間は図3に示す。
【0013】図3は、本発明と従来方式の樹脂浸透によ
る静電容量の変化の比較である。図3から、本発明の場
合は従来方式より短い時間で静電容量が飽和するのがみ
られる。
る静電容量の変化の比較である。図3から、本発明の場
合は従来方式より短い時間で静電容量が飽和するのがみ
られる。
【0014】上記で製作した本発明によるコイルと従来
方式のコイルとに、 200℃で50Hz,12kVの正弦波電圧を
印加し、絶縁破壊するまでの時間を測定した。図4はそ
の比較データを示す。従来方式のコイルが約2400〜3200
時間で破壊したのに対し、本発明のコイルは4800時間で
1本が破壊し、2本が未破壊である。
方式のコイルとに、 200℃で50Hz,12kVの正弦波電圧を
印加し、絶縁破壊するまでの時間を測定した。図4はそ
の比較データを示す。従来方式のコイルが約2400〜3200
時間で破壊したのに対し、本発明のコイルは4800時間で
1本が破壊し、2本が未破壊である。
【0015】また、半導電性テープにあけられた微小な
孔は、含浸樹脂で完全に埋まっており、4800時間で破壊
したコイルを観察したが、特にこの部分が劣化している
とは認められなかった。
孔は、含浸樹脂で完全に埋まっており、4800時間で破壊
したコイルを観察したが、特にこの部分が劣化している
とは認められなかった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、半導電性テープに多数
の微小な孔をあけることにより、含浸性が向上したこと
で、含浸時間が短縮でき、しかも絶縁の信頼性を向上さ
せることができた。なお、半導電性のテープの幅は、導
体サイズに合わせて実施例より広くしても支障はない。
の微小な孔をあけることにより、含浸性が向上したこと
で、含浸時間が短縮でき、しかも絶縁の信頼性を向上さ
せることができた。なお、半導電性のテープの幅は、導
体サイズに合わせて実施例より広くしても支障はない。
【図1】亀甲形コイルの直線部を取り出した本発明の実
施例の断面図である。
施例の断面図である。
【図2】本発明の実施例に使用した半導電性テープの平
面図である。
面図である。
【図3】本発明のコイルと従来方式のコイルとの樹脂浸
透による静電容量の変化を比較したグラフである。
透による静電容量の変化を比較したグラフである。
【図4】本発明によるコイルと従来方式のコイルと課電
寿命比較試験結果を示すグラフである。
寿命比較試験結果を示すグラフである。
【図5】従来の全含浸方式の亀甲形固定子コイルの平面
図である。
図である。
【図6】図5におけるア−ア断面図を表している。
1 従来の全含浸方式の亀甲形固定子コイル 2 導体 3 フィルム基材のドライマイカテープ(フィルムマイ
カテープ) 4 半導電性テープ 5 本発明の半導電性テープ A コイルのスロット挿入部分
カテープ) 4 半導電性テープ 5 本発明の半導電性テープ A コイルのスロット挿入部分
フロントページの続き (72)発明者 土屋 真 神奈川県大和市上草柳字扇野338番地1 東洋電機製造株式会社技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】導体の周囲にフィルム基材のドライマイカ
テープを卷回し、対地絶縁層を形成した高圧回転機の固
定子コイルをスロットに挿入し、熱硬化性樹脂を含浸し
て絶縁層を構成する高圧回転機の固定子コイルにおい
て、 前記コイルのスロット挿入部分に、予め多数の微小な孔
をあけた半導電性テープを卷回したことを特徴とする高
圧回転機の固定子コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212793A JPH0670499A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 高圧回転機の固定子コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212793A JPH0670499A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 高圧回転機の固定子コイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0670499A true JPH0670499A (ja) | 1994-03-11 |
Family
ID=16628478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4212793A Pending JPH0670499A (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 高圧回転機の固定子コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0670499A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1079500A1 (de) * | 1999-08-20 | 2001-02-28 | Alcatel | Isolation eines Mehrfachparallelleiters für Ölgekühlte Wicklungen |
JP2019520029A (ja) * | 2016-04-25 | 2019-07-11 | シーメンス アクティエンゲゼルシャフト | 電気機械並びに電気機械を分解及び製造するための方法 |
-
1992
- 1992-08-10 JP JP4212793A patent/JPH0670499A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1079500A1 (de) * | 1999-08-20 | 2001-02-28 | Alcatel | Isolation eines Mehrfachparallelleiters für Ölgekühlte Wicklungen |
US6657122B1 (en) | 1999-08-20 | 2003-12-02 | Nexans | Multiple parallel conductor for windings of electrical devices and machines |
JP2019520029A (ja) * | 2016-04-25 | 2019-07-11 | シーメンス アクティエンゲゼルシャフト | 電気機械並びに電気機械を分解及び製造するための方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101179212B (zh) | 旋转电机绕组和旋转电机及其中利用的半导电性绝缘基材 | |
US4207482A (en) | Multilayered high voltage grading system for electrical conductors | |
US7893357B2 (en) | Roebel winding with conductive felt | |
US6420812B1 (en) | High voltage generator stator coils and methods of forming same | |
KR20010080595A (ko) | 고전압 고정자 코일의 뢰벨 충전재내에서의 부분 방전을감소시키는 방법 | |
CA2861321C (en) | High voltage stator coil with reduced power tip-up | |
JPH0670499A (ja) | 高圧回転機の固定子コイル | |
US3801392A (en) | Method for insulating electrical conductor components of an electrical apparatus utilizing mica tape impregnated with a hardenable synthetic resin | |
JP3284593B2 (ja) | 高圧回転電機の固定子コイル | |
JPS5899249A (ja) | 回転電機用コイルの製造方法 | |
JPH08237916A (ja) | 高圧回転機の固定子コイル製造方法 | |
JP2004201417A (ja) | 回転電機の固定子コイル | |
JPH10210694A (ja) | 回転電機の絶縁線輪 | |
JPS605747A (ja) | 絶縁コイル | |
JP3711800B2 (ja) | 回転電機 | |
JPH0471346A (ja) | 高圧回転機コイル | |
JP4069560B2 (ja) | 回転電機の巻線 | |
Hill | Improvements in Insulation for High-Voltage AC. Generators | |
JPS62104449A (ja) | 高圧回転電機のコイル | |
JPH0640727B2 (ja) | 高圧回転電機の乱巻コイルの製造方法 | |
JPS6028757A (ja) | 回転電機用コイルの絶縁処理方法 | |
JPS6059951A (ja) | 回転電機のコイル絶縁処理方法 | |
JPH1169686A (ja) | 固定子巻線 | |
JPS63257428A (ja) | 回転電機の巻線 | |
JPS62196052A (ja) | 電気絶縁線輪の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |