JPH0670151B2 - 車輌外板パネル構造体の製造方法 - Google Patents

車輌外板パネル構造体の製造方法

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JPH0670151B2
JPH0670151B2 JP30619886A JP30619886A JPH0670151B2 JP H0670151 B2 JPH0670151 B2 JP H0670151B2 JP 30619886 A JP30619886 A JP 30619886A JP 30619886 A JP30619886 A JP 30619886A JP H0670151 B2 JPH0670151 B2 JP H0670151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輌外板パネルの製造方法に関し、さらに詳し
くは、断熱性と、補強性に優れた車輌外板パネル構造体
の製造方法に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 近年、車輌の外板パネルにおいては、次の観点から品質
の向上が望まれている。
(1) 高断熱化による車室内の居住性の向上、 (2) 高剛性化によるしっかり感の向上。
まず外板パネルの高断熱化の意義を説明する。
一般に車室内への熱の流入および、車室外への熱の流出
は、ドア、フェンダ、フロア、ルーフ、ダッシュ等の外
板パネルを通して起こる割合が高い。
このため、熱の流出入を緩和するために、外板パネルの
裏面にフェルト、ガラスマット等の各種の断熱材が使用
されている。例えば、ルーフパネルは、太陽光の熱を受
け易い部位で、夏季80〜100℃の高温にさらされ、熱流
入の多い所である。この対策として一般には第2図およ
び第3図に示すような断熱構造が採られている。第2図
および第3図は吊り天井構造の例で、ルーフパネル1の
裏面の構造は断熱材6とこの断熱材6を前記ルーフパネ
ル1の裏面に取り付けるために両者間に介在させた両面
テープ5とから成り、更にその下面に張設したリスティ
ングワイヤ3に懸吊保持されたヘッドライニング4から
成るものである。上記断熱材6としては、天然あるいは
合成の繊維からなるフェルト、ガラス繊維マット等が使
用されている。他のフロア・ダッシュ等の外板パネルに
も同類の断熱材が使われ、車室内の断熱が図られてい
る。
次に、外板パネルの高剛性化の必要性について述べる。
自動車において、省資源、省エネルギーのため軽量化が
進められている。これに関して材料の板厚を下げあるい
は構造部材を減らして軽量化を進めると、強度が低下
し、自動車のドアであれば、該部位の強度低下により面
の張り剛性不足を引き起こし、部品としてのしっかり感
が足りない等の問題点があらわれる。この問題点を解決
するために、実開昭55-101659号公報ではドアパネルに
補強材を用いる方法が提案されている。第4図にその補
強構造を示す。第4図において7はドアパネル、8は熱
硬化性補強材である。これら外板パネルの部材のうち、
断熱材は予め成形された成形品であり、人手により取り
付けられているが、大型であるため作業に時間を要する
という問題がある。かつまた断熱材は、例えば、合成繊
維あるいはガラス繊維等を単に縦横に積層した成形品の
ため、断熱性が必ずしも十分とは言えず、性能が満足さ
れていない。また、従来は断熱材と補強材とを別々に取
り付けていたので作業性が悪かった。このような状況か
ら、施工性の良好な、高断熱の材料開発が望まれてい
た。
本発明の目的は、施工が容易であり、かつ断熱性と補強
性に優れた車輌外板パネル構造体の製造方法を提供する
ことにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、塩化ビニルの発泡性を低下させることな
く、硬質化する方法を検討した結果、ペースト用塩化ビ
ニル樹脂、可塑剤、高温発泡型発泡剤、エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂用加熱活性型硬化剤を必須成分として必要
に応じてこれに熱安定剤、発泡促進剤、充填剤、着色
剤、粘着剤等を配合してなる組成物を、予め発泡剤が発
泡しないような、温度で成形してシート化したのち、車
輌外板パネルの裏面に貼付し、次いで加熱して発泡・硬
化させることにより、施工が容易であり、かつ、高倍率
で、硬質の発泡体が得られるので、断熱性と補強性の向
上ができることを見い出し、本発明の目的を達成するに
至った。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に供する発泡性樹脂組成物は、少なくとも、ペー
スト用塩化ビニル樹脂、可塑剤、高温発泡型発泡剤、エ
ポキシ樹脂およびエポキシ用加熱活性型硬化剤を含存
し、その他、任意に気泡調整剤、充填剤、顔料剤、熱安
定剤、粘度調整剤等から成る組成物であり、予め、発泡
剤の発泡温度以下でシート状に成形加工されたものであ
って、更に120℃〜200℃の加熱により、発泡剤が発泡
し、エポキシ樹脂の架橋により硬化しうるものである。
塩化ビニル樹脂は、ペースト用加工用に乳化重合、乳懸
濁重合で製造されたもので、ホモポリマー単独又は塩化
ビニルと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、
マレイン酸エステルなどの公知の共重合体単独あるいは
塩化ビニルホモポリマーとのブレンドで使用することが
できる。さらに、懸濁重合で製造された、塩化ビニル又
は塩化ビニル共重合体がブレンドして使用できる。
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタ
レートなどのフタル酸エステル、トリクレジルフオスフ
ェートなどのリン酸エステル、ジオクチルアジペート、
ジオクチルセバケートなどの脂肪酸エステル、例えばア
ジピン酸と、エチレングリコールの縮合体であるような
ポリエステル、トリオクチルトリメリテートなどのトリ
メリット酸エステル、塩素化パラフィン、アルキルベン
ゼン、高分子量アロマチックなど公知の塩化ビニル用可
塑剤が、単独又は、混合して使用できる。可塑剤の配合
量は、とくに限定するものではないが、塩化ビニル100
重量部に対して、10重量部より多く150重量部以下の範
囲で配合するのが好ましい。配合量が10重量部以下で
は、発泡倍率が、向上せず、150重量部を超えると、硬
度が上らないため補強効果が小さくなる。
発泡剤は、高温分解型の有機又は無機発泡剤、高温膨張
型マイクロカプセルなどが用いられる。有機発泡剤とし
ては、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスホニルヒ
ドラジッド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,
4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッドなど
が用いられる。有機発泡剤の分解温度は、尿素や亜鉛化
合物、鉛化合物等で任意に調製しうる。無機発泡剤は、
重炭酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどがあげ
られる。高温膨張型マイクロカプセルとしては、ビニリ
デンで低沸点炭化水素をカプセル化したものなどが使用
できる。本発明ではいずれの発泡剤も適用できるが、特
に分解温度が100℃以上の有機発泡剤がシート化のし易
さや、発泡体の外観、発泡の均一化や緻密性からみてよ
り好ましい。100℃以下の分解温度であれば、シート化
するときに発泡が始まったり加熱炉での発泡時に、樹脂
の溶融が不充分でガスが抜け発泡倍率が上がらなかった
り、均一な発泡体を得にくい。また無機発泡剤、マイク
ロカプセルでも使用することは出来るが、発泡倍率や、
経済性の点で、難点がある。発泡剤の配合量は塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部とするのが好ま
しい。配合量が0.5重量部未満では発泡不足で、15重量
部を超えても発泡倍率は変わらず、過度に加えるのは経
済的に無駄である。
本発明に適用しうるエポキシ樹脂の例としは、通常のグ
リシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジ
ルアミン型、線状脂肪族エポキサイド型、脂肪族エポキ
サイド型などのエポキシ樹脂があげられ、所望の発泡体
の物性に応じて単独又は組合せて使用することができ
る。エポキシ樹脂の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、20〜500重量部の範囲で加える。配合量が20
重量部未満では硬質の発泡体が得がたく、500重量部を
超えると、硬化反応時の発熱が大きいため、塩化ビニル
の分解を生じたり、発泡剤の分解ガスによる膨張を抑制
し、高倍率の発泡体を得にくいなどの問題を生じる。
エポキシ樹脂用の加熱活性型硬化剤としては、加熱によ
り硬化作用を発揮する通常の硬化剤が使用できる。好ま
しい硬化剤としては、エポキシ樹脂との組合せで、発熱
ピーク温度が100℃〜200℃の範囲にある硬化剤がある。
硬化剤としては例えば、ジシアンジアミド、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミ
ダゾールのよなイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒ
ドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N−ジアルキ
ルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸のような
酸無水物、イソホロンジアミン、メタフェニレンジアミ
ン、N−アミノエチルピペラジン、三フッ化ホウ素錯化
合物、トリスジメチルアミノメチルフェノールなどが挙
げられる。硬化剤は所望に応じて、単独又は組合せて使
用することができる。硬化剤の配合量はエポキシ樹脂10
0重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましい。配
合量が1重量部未満では硬化不足で発泡体の剛性が不足
し、一方20重量部より多く配合しても発泡体の剛性は変
わらず、過度に加えるのは経済的に無駄である。
ここで言う硬化温度とは、エポキシ樹脂と硬化剤を室温
で混合したものをオイルバス、ヒーターなどで昇温させ
たとき、硬化によって発生する発熱がピークとなるよう
な媒体の温度を言う。
加熱条件に応じて好ましいエポキシ樹脂と硬化剤の組合
せ及び量は予め試験することにより容易に決定すること
ができる。
本発明では、これら配合剤のほか、例えば炭酸カルシウ
ム、タルク、クレーのような充填剤、熱安定剤、気泡
剤、気泡調整剤および、着色剤などが配合できる。上記
各添加剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、充填剤は0〜200重量部、熱安定剤は0〜10重量
部、気泡調整剤は0〜10重量部の範囲とする。各添加剤
を添加する場合、充填剤は200重量部より多くなると発
泡の微細性が失われたり、発泡倍率が上らず、熱安定剤
及び気泡調整剤は10重量部より多くしても効果はあがら
ない。
本発明の方法に適用される発泡性樹脂組成物は、ペース
ト用塩化ビニル樹脂に可塑剤、発泡剤、エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂用硬化剤のほか、必要に応じ、気泡調整
剤、充填剤、熱安定剤、着色剤等を加え、通常知られて
いる混合機で、混合撹拌し、調製する。
次に、上記組成物から、未発泡シートを作成する方法に
ついて述べる。上記組成物が液状である場合は、例え
ば、離型紙やスチールベルト上に膜状に均一な厚みに塗
布後、加熱することにより、シート化することができ
る。ペースト用塩化ビニル樹脂は加熱により容易に可塑
剤やエポキシ樹脂を吸収し、ゲル化するので有利であ
る。加熱条件は、発泡剤の分解発泡や、エポキシ樹脂の
反応が起らない温度条件を選ぶ必要がある。発泡やエポ
キシ樹脂の反応がこのシート化の工程で起こると車輌外
板パネルに貼付後の加熱発泡工程で、異常な発泡状態を
示したり、倍率が向上しないという問題が起こるので、
注意を要する。シート化条件は加熱によるシート内部温
度が、発泡剤の発泡温度を超えないことが必要である。
しかしシート化条件が弱すぎる場合は成形後のシートの
強度が弱すぎ、パネルに貼付時に、破損したり、脱落す
る可能性が出てくるので、出来るだけ充分に加熱し、成
形シートの引張強さを1kg/cm2(JISK-6301にて)以上は
上げておく必要がある。例えば発泡剤の分解温度が150
℃の場合、厚み1mmのシートの作製条件は140℃×2分前
後が好適である。170℃であっても1分程度なら発泡を
起こさないのでよい。最適なシート作製条件は予めその
組成物を予備的に試験することにより容易に選定するこ
とが出来る。その他のシート化する方法として、混合さ
れた組成物をカレンダーや、押出しなど、一般のシート
化成形機を使う方法や、溶剤に塩化ビニル樹脂、エポキ
シ樹脂その他の配合剤を溶解、混合したのち、膜状に成
形し、溶剤を揮発させシート化する方法もとりうる。こ
れらは、シート化前の混合組成物が固体である場合など
に有利である。しかしながら、最も好ましいのは液状組
成物となし、離型紙等基材上に塗布、成形する方法であ
る。シート化された組成物は薄くて弾性に富む柔軟なシ
ートであり、巻取、切断、運搬が容易である。
次にシート化されて組成物を車輌外板パネルの内面に貼
付ける方法について述べる。シート化された組成物は自
己粘着性を示し、何ら粘着処理や、接着剤を使用するこ
となく、外板に押しつけるだけで容易に密着しうる。
これはエポキシ樹脂が、成形シート化の工程で、塩化ビ
ニル樹脂に吸収されるが、吸収されきらないエポキシ樹
脂が、シート中に残留し、粘着性を示すものと考えられ
る。このような現象は当初全く予想されていなかった
が、シート化条件探索の過程で、偶然見出されたもので
あり、本発明が実用的に優れており、画期的なものであ
るということができる。もちろん、より粘着性を高める
ために、配合組成物中にエポキシ樹脂以外の粘着付与剤
を付加的に添加することも可能であるし、成形シート表
面又は、外板パネルに接着剤を適用することも可能であ
る。
いずれにしても、従来、発泡した成形品やフェルトの如
き断熱剤を粘着剤を使用して貼付ける方法に比べ、薄く
て柔軟なシートを、圧着するだけであるので、極めて容
易に施工でき、しかも、外板パネル形状に合わせて、均
一に全面貼付することが可能となる。
次に、上記シート化組成物を、発泡、硬化させる方法に
ついて述べる。外板パネルに貼付けられたシート化した
組成物は、加熱炉を通し、発泡、硬化することにより、
断熱性と強度が改善された外板パネル構造体が得られ
る。なお、車輌外板パネルの内面に貼付けた後加熱する
際使用する加熱炉としては、既設の塗装焼付炉を用いる
のが最も合理的である。塗装焼付炉は、大別して下塗り
焼付炉、中塗り焼付炉および上塗り焼付炉があるが、本
発明で好ましく用いることができるのは、中塗り焼付炉
あるいは上塗り焼付炉である。
第1図は、上述の成形方法により作製された第3図に示
したのと同様の自動車の吊天井構造の例を示すもので、
ルーフパネル1の裏面の構造は第3図の場合と異なり、
パネル1に塩化ビニル発泡体が直接密着し、更にその下
面に張設したリスティングワイヤ3に懸吊保持されたヘ
ッドライニング4から成るものである。
エポキシ樹脂配合による発泡と硬質化の機構は、有機発
泡を例にとれば、次のように考えられる。まず、加熱に
より、塩化ビニルが溶融し、次いで発泡剤が分解してガ
スを発生する。発生ガスにより、系は発泡しセルを形成
する。続いて、組成物に含有、分散しているエポキシ樹
脂が、硬化剤の活性化により硬化反応を起こし発泡体が
硬質化する。したがって形成される発泡体の特性は塩化
ビニル樹脂のゲル化速度、発泡剤の分解速度、そしてエ
ポキシ樹脂の硬化速度に影響され、目標とする発泡密
度、硬化度等に基づき、材料を選定する必要がある。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の方法によれば容易に
目的とする断熱性と補強性の優れた車輌外板パネル構造
体を得ることができる。本発明の方法に供せられるシー
ト状組成物は自己粘着性を有する薄くて、柔軟な弾性シ
ートであり、自動車等の製造工程で、容易に貼付けるこ
とができる。従来の方法では、外板用補強材および断熱
材を、個別に接着剤等を使用し、人手をもって取付けね
ばならず、作業者の負担が大であったが、本発明の方法
によれば、極めて簡易に、施工することができ、人手を
削減することができるばかりでなく、従来の断熱材と補
強材の双方の特性を有する構造体が単一の材料で得ら
れ、省資源、省エネルギー化を果しうる。
発泡体の断熱性は、発泡倍率と密接な関係があり発泡倍
率が高い程、空気等のガスを多く包含し熱伝導率が小さ
くなるため、断熱性が向上する。第1表は、本発明によ
って得られる塩化ビニル発泡体の発泡倍率と、発泡体の
熱伝導率を断熱性の指標として測定し、従来の断熱材と
比較したものであり、従来ルーフへの適用では施工法、
耐熱など物性面の制約から発泡倍率を4倍以上にするの
は難あしかったのに対して発泡倍率を4倍以上とするこ
とにより従来の断熱材の断熱性の水準を超えることがで
きることがわかる。本発明の方法によれば、容易に高倍
率の発泡体を得ることができる。
発泡体の硬度と、外板パネルの補強性とは密接な関係が
あり、硬度が高くなるほど、発泡体の弾性率は高くな
り、外板パネル構造体の補強性が増し、特にルーフの張
り剛性が補完される効果が大となる。本発明者らは本発
明の方法に係る発泡体の硬度と、補強性の指標としての
パネル構造体の曲げ剛性を測定したところ、第2表のよ
うな結果となり、硬度が40以上であれば、曲げ剛性比が
1.2以上になるので補強効果があることを把んだ。
本発明の方法によれば、車輌外板パネルの断熱および補
強効果が著しく向上する。
(実施例) 以下、本発明を実施例および比較例により説明する。尚
実施例及び比較例中の部及び%はとくに断りのない限り
重量基準である。また各例の組成物の物性は次に示す試
験法に従って評価した。
試験法 (イ)粘着性 離型紙上で1mm厚に塗布し、所定温度で成形したシート
組成物の表面同志を2cm×2cmの面積で密着し、引張剪断
剥離強さを測定し、粘着性の指標とした。
(ロ)発泡倍率 1mm厚に、シート化した発泡性組成物をパネル上に貼付
けて、150〜160℃で30分熱風加熱炉で、発泡硬化させ、
発泡体の厚みa(mm)を計測し、発泡倍率aとした。
(ハ)断熱性 熱伝導率計(英弘精機社製HC-071 H)で発泡体の熱伝導
率を計測し、断熱性の指標とした。
(ニ)硬度 ラバーステターC(高分子計器社製)で発泡体の硬度を
測定した。
(ホ)補強性 厚さ0.8mmの鋼板に1mm厚のシート状に成形した発泡性組
成物を貼付け、ついで150〜160℃で30分、熱風加熱炉で
発泡硬化させ、JIS K-6911の曲げ強さ測定装置を使用
し、支点間距離100mm、荷重速度5mm/minで曲げ強さを測
定し、2mm変位時の荷重(y1)を求める。鋼板単独の2mm
変位時の荷重(y0)とy1から曲げ剛性比y1/y0を求め、
補強性の指標とした。
実施例1〜5、比較例1〜3 第3表に示す配合比の発泡性樹脂組成物を、ホバート型
ミキサーで20分間混合して作製したのち、離型紙上に約
1mm厚に塗布し、熱風加熱炉で、150℃で2分間加熱し、
未発泡シートとした。この未発泡シートを0.8mm厚鋼板
上に貼付けたのち、離型紙を除去し、熱風加熱炉で150
℃で30分加熱し、発泡体を得、前記方法で、発泡倍率、
断熱性、硬度、補強性を測定した。また、未発泡シート
より、粘着性を測定した。得た結果を第3表に示す。
未発泡シートの引張強さは、いずれも、5〜10kg/cm2
あった。
エポキシ樹脂が20重量部未満ではシートの粘着性が不充
分であり、また、硬化後の補強の効果が小さい。また50
0重量部を超えると、エポキシ樹がブリードし、粘着性
が不充分である。また、エポキシ脂の硬化時の発熱が大
きく、発泡体が熱分解した。
実施例6〜11、比較例4〜5 第3表の実施例3の発泡性樹脂組成物をホバート型ミキ
サーで20分間混合して作製したのち、離型紙上に約1mm
厚に塗布し、熱風加熱炉で、第4表に示す各温度条件
で、加熱し、未発泡シートとした。この未発泡シート
を、前記方法で発泡させ、特性を測定した。その結果を
第4表に示す。
シート化のときの加熱が充分であって、シート化されて
いる場合は、施工が極めて良好であるのに対し、加熱が
過大であって、発泡剤の分解温度条件を越した場合は、
シート化段階で、発泡を起こしてしまい、このようなシ
ートを金属に貼付し発泡させたときは、粘着性がなく
て、貼付しにくいばかりでなく、発泡状態が不均一で断
熱性、硬化性の劣るものとなってしまった。
実施例12 前記実施例9の未発泡シートを幅400mm、長さ1,000mmに
切断し、車輌のルーフパネルの内面4ケ所に貼付した。
これを設定条件160℃の塗装焼付オーブンに30分間通
し、第1図に示す断熱補強構造とした。硬化後の厚みは
約6mmとなった。ルーフパネルで荷重と変位の関係を評
価したところ、第5図の関係が得られ、補強効果が確認
された。第5図において曲線Aは本発明によるルーフパ
ネルの荷重と変位の関係を示し、曲線Bは従来のルーフ
パネルの同様の関係を示す。また図中判定基準線より上
は合格、下は不合格である。また熱伝導率は、0.038(k
cal/m.Hr.℃)であった。
実施例1〜11に示したごとく、本発明の方法に依り、高
断熱化、高補強化に依る商品性の向上をはかる事ができ
る。かつ、施工が容易である特性を兼備する為、車輌製
品に於ける艤装作業の省力化に大いに寄与するという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法により断熱、補強した一例のルー
フ断熱、補強構造体の斜視図、 第2図は従来のルーフ構造体の断面図、 第3図は従来の自動車のルーフ断熱構造の説明図、 第4図は従来の自動車のドアパネル補強構造の説明図、 第5図は、本発明のルーフ構造と、従来型ルーフ構造と
の補強性能を示す曲線図である。 1……ルーフパネル、2……塩化ビニル発泡体 3……リスティングワイヤ 4……ヘッドライニング、5……両面テープ 6……断熱材、7……ドアパネル 8……熱硬化性補強材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペースト用塩化ビニル樹脂、可塑剤、高温
    発泡型発泡剤、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用加熱活性
    型硬化剤を必須成分とし、かつ上記塩化ビニル樹脂100
    重量部に対し、上記エポキシ樹脂を20〜500重量部とし
    た発泡性樹脂組成物を予め発泡剤が発泡しない温度で加
    熱成形し、成形品の引張強さが1kg/cm2以上となるよう
    にシート化したのち、車両外板パネルの裏面に貼付し、
    ついで加熱して発泡・硬化させる車輌外板パネル構造体
    の製造方法。
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