JPH0669731B2 - 炭素繊維補強熱可塑性樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

炭素繊維補強熱可塑性樹脂成形物の製造方法

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JPH0669731B2
JPH0669731B2 JP62292560A JP29256087A JPH0669731B2 JP H0669731 B2 JPH0669731 B2 JP H0669731B2 JP 62292560 A JP62292560 A JP 62292560A JP 29256087 A JP29256087 A JP 29256087A JP H0669731 B2 JPH0669731 B2 JP H0669731B2
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carbon
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庸介 平尾
裕一 山田
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Showa Denko KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維を混紡して得られ
るヤーン、或いはこのヤーンを用いた織物を成形・加熱
して得られる炭素繊維複合材料の製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] 炭素繊維は耐食性、耐熱性、導電性に優れ、強度、弾性
率が極めて高いため多くの分野に使用されている。
使用方法としては単独に断熱材などの用途にも用いる
が、多くは用途に応じて選択されたマトリックスと複合
化して用いる。
マトリックスを無機系と有機系に大別すると、無機系と
しては金属、セラミックスいずれもが用いられ、特に近
年は炭素繊維補強セメント(CFRC)が注目を集めてい
る。また有機系としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂い
ずれもが用いられ、エポキシ樹脂をマトリックスとした
炭素繊維補強プラスチック(CFRP)は宇宙航空用、レジ
ャー用品などに広く利用されて炭素繊維複合材料として
代表的なものである。その他に有機物であるピッチ中に
炭素繊維を含浸後炭化して得る炭素繊維/炭素複合材料
(c/cコンポジット)も広い用途をもった材料である。
このようにあらゆる材料がそのマトリックスとして対象
となり得ると言っても過言ではないが熱可塑性樹脂をマ
トリックスとする炭素繊維複合材料も近年注目を集めて
いる。特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を始め
各種の高性能エンジニアリングプラスチックとの複合化
研究は多数報告されている。
またフィラーの炭素繊維としては従来から知られている
ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン
系の他、近年気相成長法による炭素繊維が開発され、そ
の構造及び電子物性などからその用途が大きく期待され
ている。しかし気相成長法による繊維で短時間で得られ
るコストの安いものはそのほとんどが繊維長は1mm以
下、繊維径が1μm以下であり、その形状が従来の炭素
繊維と大きく異なるため熱可塑性樹脂との複合化に際
し、通常の短繊維の複合化に用いられる混練‐押出しあ
るいはインジェクション等の手法では必ずしも期待され
る効果が得られない場合があった。
[発明が解決しようとする問題点] 熱硬化性樹脂を炭素繊維に含浸する場合と比較して、一
般的に熱可塑性樹脂はその複合化において粘度がはるか
に高いため、繊維表面にマトリックスがいきわたりにく
く、かつ均一な分散および充分なぬれが得られにくい。
またこれらを改善するために混練度を高めることは一つ
の手段ではあるが、繊維の切断および損傷により炭素繊
維本来の性能を低下させる可能性があり、必ずしも複合
化性能を向上させないばかりではなく、逆に低下させる
場合もある。特に微細な炭素繊維の場合この傾向は顕著
に現われる。
本発明は炭素繊維補強熱可塑性樹脂成形物(以下CFRTP
という)を製造する際、特に均一な分散状態及び十分な
ぬれ性が得られにくい微細な短繊維をフィラーとして用
いても、繊維の切断、損傷による性能低下を極力おさ
え、均一な分散を可能にする高性能なCFRTPの製造方法
を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は上記の目的を達成するために鋭意研究を行っ
た結果、微細な炭素繊維とキャリアとなる熱可塑性樹脂
繊維を混紡して得られたヤーン、或いはこのヤーンを用
いた織物を成形・加熱すると性能の優れたCFRTPが得ら
れることを発見して本件発明を完成させるに至った。
すなわち本願発明の要旨は微細炭素繊維と熱可塑性樹脂
繊維との混紡ヤーン、或いは当該混紡ヤーンを用いた織
物を、単独又は併用して、所定の形状に成形したのち加
熱、又は加熱とプレスによる成形をともに実施すること
により熱可塑性樹脂繊維を溶融することを特徴とする炭
素繊維補強熱可塑性樹脂成形物の製造方法にある。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明に用いる炭素繊維は微細な繊維径、特に1μm以
下であることが好ましい。その理由は炭素繊維は原料、
製造法を問わず、熱可塑性樹脂と比較すれば、はるかに
高弾性であるため、従来の6〜15μmの径の炭素繊維を
用いる場合、その弾性率の差により熱可塑性樹脂繊維と
十分にからみ合いにくく、不均一となり易いと同時に毛
羽立ちがおきやすいからである。これに対して繊維径が
1μm以下の炭素繊維は単位面積当りの弾性率が高くと
も、微細な繊維は全体として性状がしなやかであるの
で、熱可塑性樹脂繊維との混紡に際してからみ合いも容
易であり、単繊維の集合体であるヤーンの均一性は良好
である。そして炭素繊維の長さは0.1〜50mm、直径は1
μm以下が好ましい。
微細な炭素繊維としては特に気相成長法により得られた
ものが好ましい。この製造方法については各種の方法が
提案されており、2,3例を挙げれば特公昭62−242号,特
開昭61−132630号に開示されている方法による炭素繊維
なども使用可能である。気相成長法で得られる炭素繊維
は、多大なコストをかけて得られるもの以外は、そのほ
とんどが繊維径が1μm以下であり、製造条件の選択に
より直線状のみならず、からみ合い性のよい形状を任意
に得ることができるので本発明の炭素繊維として好適に
使用される。
本発明で用いる熱可塑性樹脂繊維には特に制限がない
が、なかでもナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド
類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル類、ポリビスフェノールA
カーボネートなどのポリカーボネート類、ポリアミドイ
ミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオ
キシド、ポリスルホン、ポリオレフィン、スチレン系樹
脂、およびアクリル系樹脂などよりなる繊維が好ましく
使用される。
混紡するにあたってはカード機その他通常の紡績方法に
よることができる。但し、紡績するにあたっては一般に
10mm以上、好ましくは20mm以上の繊維を少くとも一部含
むことが望まれているが、この点気相成長法による繊維
はほとんどが1mm以下であり、単独での紡績は難しい。
しかし、本発明では混紡する熱可塑性樹脂繊維の少くと
も一部を10mm以上の繊維とし、それをキャリアとして使
用することにより、炭素繊維はこのキャリアにからみ付
く、あるいは挾みこまれるようになるので容易に混紡繊
維であるヤーンを作ることができる。
混紡は例えばナイロン繊維と気相法炭素繊維の場合を例
にとって説明すると次のようにする。まずナイロン繊維
をカード機にかけてナイロン繊維のスライバーを作る。
そしてヘンシェルミキサーによって十分にほぐされた炭
素繊維をサンドイッチ構造になるように両側から前記の
ナイロン繊維のスライバーで挾みこむようにして再びカ
ード機のフィードローラーにからみ込ませて供給する。
こうしてナイロン繊維と炭素繊維のスライバーが出来る
が、一回のカーディングで炭素繊維のすべてをからみ合
わせることは難しく、残りはからみつく前にアンダーケ
ーシングの網目から落ちてしまう。この場合は十分にほ
ぐされた新たな炭素繊維の両側に再びサンドイッチ構造
にナイロン繊維と炭素繊維のスライバーで挾み込みカー
ディングする。これを数回繰り返すと、所定量の炭素繊
維を含むナイロン繊維と炭素繊維の混合スライバーを得
ることができる。次にこの混合スライバーを通常のドラ
フトで紡績して混紡ヤーンとする。
このヤーンはこのままでもCFRTPに供することができる
が、ヤーンを平織、二重織、綾織、朱子織、など製織し
た織物となすことができ、この方が樹脂繊維を溶融した
際、良好なぬれ性を示す高性能な複合材となる場合もあ
る。
ヤーンは成形、加熱するとヤーンを構成している熱可塑
性樹脂が溶融して、微細炭素繊維のしなやかさを保持し
た、均一分散性の優れたCFRTPとなる。使い方の1例と
してヤーンを一方向に引きそろえ、プレスで樹脂繊維を
加熱溶融することによる炭素繊維を一方向に配向したシ
ートとすることもできるし、ヤーンをランダムに配向さ
せ不織布として加熱溶融したシートも得ることができ
る。
又、ヤーンや織物を所望の形状にプレス等により成形し
たのち、樹脂繊維を加熱、溶融あるいはスタンパブルシ
ートの成形のように加熱とプレスによる成形をともに実
施することにより、ヤーンの方向又は織物の織り方を適
宜選択したものを用いれば任意の方向に炭素繊維を配向
させたCFRTPを得ることができる。
炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維の比率はCFRTPにしたとき
に要求される特性及び紡績時の加工性から決められるの
で炭素繊維量の下限には制限がなく用途に応じて決めら
れる。一方炭素繊維が多いと、紡績の生産性が低くなる
と同時にフィラー間に樹脂がいきわたりにくく、CFRTP
の性能を低下させるので総量中炭素繊維が70重量%以下
が好ましい。
[実施例] 気相成長法にて、ベンゼンを熱分解して炭素繊維を得
た。ヘンシェルミキサーを用い、十分にほぐした後の繊
維は径が0.05〜0.8μm、長さが500μm以下であった。
この炭素繊維30重量%に対し、ポリアミド66繊維(繊度
0.225デニール)を約30mmに切断した短繊維70重量%を
混合し、カード機により得られたスライバーをドラフト
にかけ太さ1mmのヤーンを得た。
得られたヤーンを100mmに切断し、金型(100mm×100mm
×3mm)に一方向にそろえて充填後260℃でプレスして炭
素繊維30重量%のポリアミド66のCFRTPを得た。得られ
たCFRTPの評価試験結果を第1表の実施例の欄に示す。
尚第1表の繊維長はサンプルの特性測定後600℃で焼い
てマトリックスを分解させ残った炭素繊維を顕微鏡で写
真をとり200本程度の平均長さである。
[比較例] 実施例と同様にして得られた炭素繊維30重量%と形状2
φmm×3mmのポリアミド66のペレット70重量%をドライ
ブレンドした後、ホッパーに投入しエクストルーダーに
て290℃で混練した。マトリックス中に炭素繊維がほぼ
均一に分散するまで3回の繰り返し混練が必要であっ
た。その後射出成形機にて成形し、炭素繊維30重量%の
ポリアミド66のCFRTPを得た。得られたCFRTPの評価試験
を第1表の比較例の欄に示す。
[発明の効果] 第1表より明らかなように本発明に係るCFRTPは炭素繊
維の分散性が良いのと、繊維の切断、損傷がないので、
従来のCFRTPに比べて優れた特性を有している。又織物
にして使用した場合は織り方の選択により任意の方向に
配向したCFRTPを得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細炭素繊維と熱可塑性樹脂繊維との混紡
    ヤーン、或いは当該混紡ヤーンを用いた織物を、単独又
    は併用して、所定の形状に成形したのち加熱、又は加熱
    とプレスによる成形をともに実施することにより熱可塑
    性樹脂繊維を溶融することを特徴とする炭素繊維補強熱
    可塑性樹脂成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】微細炭素繊維は直径1μm以下であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の炭素繊維補強
    熱可塑性樹脂成形物の製造方法。
JP62292560A 1987-11-19 1987-11-19 炭素繊維補強熱可塑性樹脂成形物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0669731B2 (ja)

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JPH07138838A (ja) * 1993-11-17 1995-05-30 Nec Corp カーボンナノチューブを用いた織布とシート
GB2477531B (en) * 2010-02-05 2015-02-18 Univ Leeds Carbon fibre yarn and method for the production thereof

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