JPH0669713A - 整相周波数ステアリング形アンテナアレイ - Google Patents

整相周波数ステアリング形アンテナアレイ

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Publication number
JPH0669713A
JPH0669713A JP2419327A JP41932790A JPH0669713A JP H0669713 A JPH0669713 A JP H0669713A JP 2419327 A JP2419327 A JP 2419327A JP 41932790 A JP41932790 A JP 41932790A JP H0669713 A JPH0669713 A JP H0669713A
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JP
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phase
frequency
phase shift
time delay
array
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Application number
JP2419327A
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English (en)
Inventor
Stanley V Birleson
ブイ.バーレソン スタンリィ
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Texas Instruments Inc
Original Assignee
Texas Instruments Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/22Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the orientation in accordance with variation of frequency of radiated wave

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】位相ステアリング形アンテナに匹敵する瞬時帯
域幅パーフォーマンスが可能であり、移相器要素数をか
なり減少し、かつサイドローブレベルの著しい増大、ま
たは角精度の著しい劣化を避ける。 【構成】このアンテナは、移相/時間遅延モジュール2
2〜25の直線的アレイ10を含み、それぞれのモジュ
ールは、移相器PSを有する移相素子PSEと、それぞ
れの時間遅延フィーダTDFを経て移相器PSに結合せ
しめられたいくつかの時間遅延素子TDEと、を含む。
通常のアンテナパターン加重方式により、これらの位相
器は、アレイ10の中央部に集中せしめられ、移相/時
間遅延モジュール内の時間遅延素子の数は、アレイの端
部近くに位置するモジュールにおけるほど増大せしめら
れ、それによって移相器の所望の「まばら化」が行なわ
れる。それぞれの移相/時間遅延モジュールの移相器
は、走査周波数に対し協働的に整定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には電子的にス
テアリングされるアンテナアレイに関し、特に、整相周
波数ステアリング形アンテナアレイおよび移相安定化を
伴う周波数ステアリングを用いる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無線周波数用アンテナアレイを電子的に
ステアリングするための2種類の通常の技術として、位
相ステアリングおよび周波数ステアリングがある。一般
に、位相ステアリング形アレイは、角精度に著しい影響
を与えることなく瞬時周波数を比較的に大きく変化させ
ることができるが、通常それぞれの放射素子に対し移相
器または能動移相モジュールを用いている。これと対照
的に、周波数ステアリング形アンテナは、移相要素の経
費は必要としないが、瞬時周波数の変化が角精度にも影
響を与えるので、一定の走査角における瞬時帯域幅が小
さいことが要求される。例えば、あるレーダの応用にお
いては、(典型的なレベルのサイドローブが要求される
とき)複雑さの少ない周波数ステアリング形アンテナに
おいて用いうる瞬時帯域幅よりも、周波数可変動作およ
び/またはFMチャープパルス圧縮の支持のためなど
に、大きい瞬時帯域幅が必要とされる。これらの応用に
おいて、角精度を維持しつつ所望の瞬時帯域幅を実現す
る唯一の実際的な解決法は、位相ステアリング形アンテ
ナを用いることである。
【0003】それぞれの放射素子における移相器または
能動モジュールの要求は、これらのアンテナ装置におい
てかなりの経費増大因子となる。例をあげると、(約3
cmの波長を有する10GHz付近の)X帯域における
2次元走査を行う位相ステアリング形アンテナにおいて
は、典型的な1/2波長の放射素子間隔は、約1.5c
m毎の放射素子を必要とする。
【0004】位相ステアリング形アンテナアレイの経費
削減のための通常の方法は、(イ)移相器の除去(サン
プリングのまばら化)によるか、または、(ロ)1次元
の周波数走査の使用により、アレイを間引く方法であ
る。サンプリングのまばら化は、サイドローブレベルを
著しく上げないためには、移相器の5から15%を除去
しうるのみである。これと対照的に、1次元の周波数走
査を使用すると、サイドローブレベルに著しい影響を与
えることなく、移相器数を、行または列毎に1つ、また
はモノパルスシステムに対して2つ(行または列のそれ
ぞれの半分に対して1つ)まで、減少せしめうる。しか
し、その次元における角精度は、瞬時周波数の変化に起
因する増分的ビーム走査によって劣化し、アンテナの広
帯域的能力を制約する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、位相ステアリ
ング形アンテナに匹敵する瞬時帯域幅パーフォーマンス
が可能な、改良された広帯域電子ステアリング形アンテ
アレイであって、移相器要素数がかなり減少せしめら
れ、かつ(イ)(まばら化サンプリングから起こるよう
な)サイドローブレベルの著しい増大、または(ロ)
(1次元の周波数走査から起こるような)角精度の著し
い劣化、のない、広帯域電子ステアリング形アンテナア
レイが要求される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の改良された電子
ステアリング形アンテナアレイは、移相安定化を伴う周
波数走査を用い、位相ステアリング形アレイに比し比較
的に小数の移相素子を用いて、広帯域周波数ステアリン
グアレイに比し角精度を著しく犠牲にすることなく、広
帯域パーフォーマンスを実現している。
【0007】本発明の1特徴は、整相周波数ステアリン
グ形アンテナアレイが多重移相/時間遅延モジュールを
含むことである。それぞれの移相/時間遅延モジュール
は、(イ)選択された移相を導入するための移相要素、
(ロ)関連する移相開口素子、および(ハ)選択された
時間遅延移相を導入するための少なくとも1つの時間遅
延開口素子を含む。この移相要素は、移相素子と、時間
遅延素子との双方にRF結合せしめられている。
【0008】送信モードにおいては(受信モードでは逆
になる)、電磁エネルギーはそれぞれの移相/時間遅延
モジュールへ供給され、そこで移相要素は選択された移
相を導入する。移相された電磁エネルギーは、関連する
移相開口素子によって、また選択された時間遅延移相を
導入する時間遅延素子によって、放射される。
【0009】好ましくは、一定の走査角周波数に対し、
移相/時間遅延モジュールにおける移相要素により導入
される移相は、それぞれのモジュールに起因する同位相
波面部分に対し対応した移相偏移量を与えるように協働
的に選択され、それによって同位相波面の諸部分は整列
せしめられて、同位相波面を通じて実質的に連続的な位
相傾斜が得られる。2次元走査は、移相/時間遅延モジ
ュールの直線的アレイを堆積し、走査のための堆積次元
における位相ステアリングを用いることによって行なわ
れうる。
【0010】本発明のさらに特殊な特徴は、整相周波数
ステアリング形アンテナが、移相および時間遅延素子の
選択された分布を有する、選択された間隔をもつ開口素
子の直線的アレイを備えた、移相/時間遅延モジュール
の直線的アレイを含むことである。一定の走査角周波数
において、移相/時間遅延モジュール内の移相要素が与
える移相偏移量は、協働的に選択されることによって、
瞬時帯域幅の中央周波数(走査角周波数)における対応
する同位相波面部分を整列せしめる。
【0011】多重移相/時間遅延モジュールを用いる整
相周波数ステアリング技術は、移相素子または時間遅延
素子の種類によらず、そのいずれもが能動的なものであ
っても、受動的なものであってもよい。一定の瞬時帯域
幅が指定された場合、アンテナの構造は、移相/時間遅
延素子の割合(まばら化)とサイドローブレベルとの間
のコスト/パーフォーマンスに関する妥協を含む。一般
に、移相素子数を減少せしめ、時間遅延素子数を増大せ
しめると、一定の瞬時帯域幅に対してサイドローブレベ
ルが増大するが、全ての場合に、瞬時帯域幅とサイドロ
ーブパーフォーマンスとは、対応するまばら化された位
相ステアリング形アレイにおけるよりもかなり向上す
る。
【0012】このように、本発明の整相周波数ステアリ
ング技術においては、時間遅延素子の周波数ステアリン
グ形アレイ内に、選択された数の移相素子が挿入され
る。これらの移相素子は、移相偏移量を与えることによ
り、位相傾斜の整列を維持して周波数走査を安定化し、
それによって、瞬時周波数の変化が角精度に与える影響
を減殺する。以下、添付図面を参照しつつ、本発明とそ
の特徴および利点について詳述する。
【0013】
【実施例】本発明の整相周波数ステアリング形アンテナ
アレイおよびステアリング方法の実施例の詳細な説明
は、次のように構成される。 1.移相の安定化を伴う周波数走査 2.整相周波数ステアリング形アレイ 2.1.位相傾斜の整列 2.2.アレイの構成 3.2次元アレイ 4.例としてのマイクロ波モジュール 5.結論
【0014】整相周波数ステアリング技術の実施例は、
レーダへの応用例に関連して説明され、その例において
は、周波数走査のために用いうる全帯域幅内に、それぞ
れの走査角(およびこの角に関連する走査周波数)にお
いて、周波数可変動作および/またはFMチャープパル
ス圧縮を支持するための瞬時帯域幅が得られる。さら
に、時間遅延開口素子への供給のために蛇行導波管を用
いるマイクロ波モジュール構造の例も説明される。
【0015】詳細な説明は、この応用例に関連して行な
われるが、本発明は、瞬時周波数の変化中における走査
角の移相安定化を伴う周波数走査を利用して整相周波数
ステアリングを行なう場合に対し、一般的に適用されう
る。特に、本発明は、電子ステアリング形広帯域アンテ
ナアレイに対し、一般的に適用されうる。
【0016】簡単にするために、ここで行なわれる詳細
な説明は、例である整相周波数アンテナの送信モードに
おける使用に集中される。整相周波数アンテナの受信モ
ードにおける動作(受動方向発見装置のためのものを含
む)は、逆になる。すなわち、送信モードにおいては、
給電回路網からのRF(無線周波数)エネルギーは、
(直接的または時間遅延移相により)移相された後、開
口素子のアレイから放射されるが、受信モードにおいて
は、開口素子を経て受信されたRFエネルギーは、移相
された後に給電回路網にRF結合せしめられる。
【0017】1.移相安定化を伴う周波数走査 本発明
の整相周波数ステアリング技術は、移相素子を用いて、
周波数走査アンテナアレイの走査角を安定化する。直線
的な整相周波数アレイは、それぞれのモジュールが移相
器と、関連する移相開口素子および選択された数の時間
遅延開口素子の組合せと、を含む該モジュールから構成
される。
【0018】これらの移相素子は、周波数可変動作およ
び/またはFMチャープパルス圧縮の期間中におけるよ
うな、瞬時周波数の変化期間中において、周波数により
選択される走査角を安定化する。移相の安定化は第2.
1節に説明するように、主として位相傾斜の整列から起
こる。
【0019】現在の移相器の応答時間に関する一定の制
約下においては、移相安定化の整定を行なっても、瞬時
帯域幅の1つの周波数(通常は中央周波数)においての
み位相傾斜の正確な整列が達成されるだけである。従っ
て、広帯域パルスを送信すると、サイドローブレベルを
いくらか高める位相傾斜の不整列が起こる(第2.1節
参照)。しかし、この効果は、受信信号が通常送信パル
ス上において積分されるために小さくなる。例えば、F
Mチャープの場合には、受信における通常の整合フィル
タ処理が、そのような積分を行なう。
【0020】その結果、本発明の整相周波数ステアリン
グ技術によれば、周波数走査のために構成されたアレイ
は、位相ステアリング形アレイに匹敵する瞬時帯域幅を
実現できるが、移相器数は1/5またはそれ以下でよ
い。分布された移相素子は、広帯域パルス中に瞬時周波
数が変化する時、走査角に対して周波数に無関係な安定
化を行なう。
【0021】一定の瞬時帯域幅において、整相周波数ス
テアリング技術は、移相器数とサイドローブレベルとの
間のコスト/パーフォーマンスの直接的な妥協点を与え
る。
【0022】2.整相周波数ステアリング形アレイ
発明の整相周波数ステアリング技術は、移相/時間遅延
モジュールの直線的アレイを用い、それぞれの該モジュ
ールは移相素子と選択された数の時間遅延素子とを含
む。
【0023】図1aには、整相周波数アレイ構造の例が
示されている。整相周波数アレイ(10)は、40個の
等距離の放射素子から成る直線的アレイとして構成さ
れ、それぞれの対称的な半部分内には20個の放射素子
が含まれている。
【0024】それぞれの半部分内には、本発明による一
連の移相/時間遅延モジュールが含まれ、このアレイの
中央には、時間遅延素子を含まない1つの移相モジュー
ルが配置されている。図1bの拡大図に示されているよ
うに、それぞれの移相/時間遅延モジュールは、(イ)
移相開口素子PSEにRF結合され、かつ(ロ)それぞ
れの時間遅延フィーダTDFを経て少なくとも1つの時
間遅延開口素子TDEにRF結合された、移相器PSを
含む。
【0025】整相周波数アレイ(10)の左半部分にお
いて、移相モジュール(21)は、中央給電点に配置さ
れている。その外方へ進むと、アレイは、2つの2素子
移相/時間遅延モジュール(22)と、2つの3素子移
相/時間遅延モジュール(23)と、1つの4素子移相
/時間遅延モジュール(24)と、アレイの外端部の1
つの5素子移相/時間遅延モジュール(25)と、を含
む。
【0026】整相周波数アレイ(10)は、送信モード
においてはアレイ内にRFエネルギーを注入し、受信モ
ードにおいてはアレイからRFエネルギーを抽出する、
TX/RX給電回路網(30)にRF結合されている。
このRF給電動作は通常のものであり、RFエネルギー
をアレイ(10)に、またアレイ(10)から結合させ
るように構成された、マジックT(31)により示され
ている。送信モードにおいては、送信増幅器(34)か
らの送信RFは、サーキュレータ(32)を経てアレイ
(10)に結合せしめられる。受信モードにおいては、
マジックT(31)は、受信RFの周波数差成分を、サ
ーキュレータを経て低雑音増幅器(36)に結合させ、
受信RFの周波数和成分を、サーキュレータを経て低雑
音増幅器(38)に結合させる。
【0027】それぞれの移相/時間遅延モジュール、お
よびそれぞれの移相モジュールは、特定の移相φを導入
するように選択的に整定された移相器を含む。アレイの
平面内における所望の走査角は、走査周波数を適切に選
択することにより実現される。アレイ内のそれぞれのモ
ジュールにおける個々の移相φは、選択された走査角に
おいて連続的な位相傾斜を生じるように、走査周波数と
の協働的関連において選択される(第2.1節参照)。
このようにして、送信モードにおいては、TX/RX給
電回路網(30)からの特定周波数のRF信号は、直線
的アレイ内のそれぞれの移相/時間遅延および移相モジ
ュールに供給される。左からいうと、5素子移相/時間
遅延モジュール(25)は、選択された移相φを導入
し、移相されたRFは、(イ)移相開口素子を経て放射
され、さらに(ロ)それぞれの時間遅延開口素子に、関
連する時間遅延フィーダを経て順次結合せしめられ、対
応する選択された時間遅延移相を導入される。同様にし
て、1つの4素子移相/時間遅延モジュール(24)
は、移相φ(および関連する時間遅延移相)を導入
し、2つの3素子モジュール(23)は、それぞれの移
相φおよびφ(および関連する時間遅延移相)を導
入し、2つの2素子モジュール(22)は、それぞれの
移相φおよびφ(および関連する時間遅延移相)を
導入する。最後に、移相モジュール(21)は、移相φ
を導入する。
【0028】移相/時間遅延および移相モジュールの直
線的アレイの右半部分の動作は、全く同様である。7個
のモジュールは、それぞれの移相φ−φ13、および
関連する時間遅延移相を導入する。
【0029】それぞれの移相/時間遅延および移相モジ
ュールにおける特定の移相φ−φ13、および関連す
る時間遅延移相を選択する方法は、第3節において説明
される。
【0030】本発明の特定の整相周波数アンテナアレイ
における移相/時間遅延および移相モジュールの選択
は、動作周波数、全帯域幅(周波数可変帯域)、瞬時帯
域幅、およびサイドローブレベルが明確化されれば、設
計選択の問題となる。図1aに示されている整相周波数
アンテナの構造は単に説明用のものであり、実際の装置
の構造を示しているわけではない。むしろ、この説明用
のアレイは、本発明の整相周波数ステアリング技術によ
るアレイ構造の2つの重要な特徴、すなわち、(イ)選
択された数の時間遅延素子を有する移相/時間遅延モジ
ュールを用い、かつ移相モジュールを用いて、選択され
た移相器分布を実現していること、および(ロ)通常の
アンテナパターンにおける加重の考慮により、アンテナ
アレイの端部へ向かって移相素子に対する時間遅延素子
の比を増大させていること(すなわち、移相器の「まば
ら化」を増大させていること)、を示している。
【0031】2.1位相傾斜の整列 本発明の整相周波
数ステアリング形アンテナにおいては通常の周波数走査
が用いられ、周波数可変動作および/またはFMチャー
プパルス圧縮におけるように、瞬時周波数が送信パルス
の帯域上で変化する時、走査角を安定化させるよう、選
択的に分布せしめられた移相器が用いられる。
【0032】詳述すると、一定の走査周波数において、
相次ぐ移相/時間遅延モジュール内の時間遅延移相が位
相傾斜を整列させるように、移相器は協働的に整定され
る。それぞれの移相器は、それぞれの移相偏移量を導入
し、整相周波数アンテナアレイを横切って、すなわちモ
ジュールからモジュールへ、連続的な位相傾斜を生ぜし
める。
【0033】図1cには、図1aの整相周波数アレイ
(10)との関連において、位相傾斜整列技術が示され
ている。送信モードにおいて、走査角θを実現するため
には(この段階では、瞬時周波数の変化は無視する)、
TX/RX給電回路網(30)は適切な走査周波数のR
Fを、整相周波数アレイ(10)へ供給する。すなわ
ち、その走査周波数においては、整相周波数アンテナ
は、その直線的アンテナアレイに対し角θをなす同位相
波面(50)を有する波形を放射する。
【0034】図1bの3素子移相/時間遅延モジュール
においては、時間遅延開口素子TDEは、このモジュー
ルが所望の位相傾斜θを発生するように、時間遅延移相
を導入する。すなわち、図示されている3素子モジュー
ルにおいては、それぞれの時間遅延フィーダTDFは、
このモジュールを横切る同位相波面が所望の走査角θを
なすように、対応する移相(すなわち、時間遅延)を導
入する。それぞれの移相/時間遅延モジュールに関連す
る同位相波面は、同位相波面部分として示されている。
【0035】図1cにおいて、整相周波数アンテナ(1
0)から放射された同位相波面(50)は、同位相波面
部分S−S13のシーケンスによって形成され、これ
らはそれぞれ対応する移相/時間遅延または移相モジュ
ールに関連している。すなわち、左から見て行くと、5
素子モジュール(25)は同位相波面部分Sを放射
し、その隣りの4素子モジュールは同位相波面部分S
を放射し、その隣りの3素子モジュール(23)は同位
相波面部分Sを放射し、以下同様に進んで、アンテナ
アレイの最も右方にある5素子モジュール(25)は同
位相波面部分S13を放射する。
【0036】それぞれの移相/時間遅延または移相モジ
ュールにおいて、関連の移相器は、同位相波面部分の位
相傾斜を整列せしめるように、走査周波数に関連して協
働的に選択された移相φを導入し、同位相波面(50)
全体にわたり連続的な位相傾斜を作り出す。すなわち、
連続的な同位相波面は、それぞれの移相/時間遅延およ
び移相モジュールにおける同位相波面部分Sが、それぞ
れの移相φ−φ13により整列せしめられた時発生す
る。
【0037】従って、移相器は、関連モジュールのそれ
ぞれの同位相波面部分に対し移相偏移量を導入するもの
として見ることができる。一定の走査周波数において、
それぞれの移相偏移量は、移相/時間遅延または移相モ
ジュールが放射する対応する同位相波面部分を整列さ
せ、連続的位相傾斜を有する同位相波面(50)を発生
せしめる。これらの移相偏移量φ−φ13は一定の走
査周波数においては固定され、瞬時周波数の変化にはよ
らないので、それらは、瞬時帯域幅上において走査角を
安定化するのに役立つ(第1節参照)。
【0038】通常の広帯域動作においては、それぞれの
走査角において整相周波数アンテナは(FMチャープに
おけるような)広帯域パルスを送信し、瞬時周波数の変
化を生じる。個々の移相器により与えられる移相偏移量
φ−φ13は一定に保たれるが、特定の移相/時間遅
延モジュールに関連する同位相波面部分の位相傾斜はそ
うでない。むしろ、それぞれの部分に関連する時間遅延
移相は周波数によって変化し、モジュールにおける位相
傾斜を変化せしめる。
【0039】従って、同位相波面部分が連続的に整列せ
しめられて所望の同位相波面(50)になることは、特
定の走査周波数(すなわち、移相器が整定された周波
数)においてのみ可能である。例えば、FMチャープパ
ルス圧縮においては、一定の走査角における走査周波数
は、通常チャープパルス帯域幅の中央周波数付近に存在
する。従って、一定の走査角において、TX/RX給電
回路網(30)から供給される送信周波数は、瞬時帯域
幅の下端のチャープ周波数から、走査周波数を経て、瞬
時帯域幅の上端のチャープ周波数まで変調される。前述
のように、移相偏移量φ−φ13は、走査周波数にお
いてのみ同位相波面部分を同位相波面に整列させるよう
に選択される。
【0040】走査周波数から移動した瞬時周波数におい
ては、それぞれの移相/時間遅延モジュールに関連する
同位相波面部分の位相傾斜は、その移動に対応して、ア
ンテナアレイにおける同位相波面の所望の連続的傾斜と
は異なったものとなる。その結果、同位相波面部分の、
所望の同位相波面に対する不整列を反映してサイドロー
ブレベルが増大する。サイドローブレベルに対するこの
効果は、第1節において説明されたように反射受信信号
を積分することにより減殺される。
【0041】一定の瞬時帯域幅において、瞬時周波数の
変化のサイドローブレベルに対する影響は、移相素子の
置換比(すなわち、周波数依存性時間遅延素子の代わり
に導入された周波数偏移不依存性移相素子の数)によ
る。特定の瞬時帯域幅において所望のサイドローブレベ
ルのパーフォーマンスを実現するための、適切な移相器
分布(アレイ内における個数と位置の双方)の選択は、
やはり、コスト/パーフォーマンスの直接的妥協に関連
する設計上の選択となる(第2.2節参照)。
【0042】選択された走査角において整列せしめられ
た同位相波面部分を発生させるための、それぞれの走査
周波数における移相偏移量φ−φ13の協働的選択
は、通常のビームステアリング解析を用いて行なわれ
る。同様に、一定の走査周波数において移相偏移量φ
−φ13の所望のシーケンスを発生させるための移相器
の制御も、通常のように行なわれる。通常は、整相周波
数アレイ内のそれぞれの移相/時間遅延および移相モジ
ュールにおける移相器は、レーダパルス間の不動時間内
に選択された移相のずれに整定される。
【0043】この点に関して、瞬時帯域幅の中央(走査
周波数)においてのみ同位相波面部分の位相傾斜が所望
の同位相波面に整列せしめられるように、移相/時間遅
延モジュールにおける移相偏移量φ−φ13を調節す
るこの方式は、装置要素の応答時間の限界から生じたも
のであり、整相周波数ステアリング技術に固有の限界か
ら生じたものではない。すなわち、現在の技術において
は、移相器の整定を瞬時帯域幅全体を通じて連続的に調
節することは実際的ではない……代表的な50マイクロ
秒の走査時間に適応するためには、移相器はナノ秒単位
で応答する必要がある。少なくとも送信モードにおいて
は、もし装置要素に関する技術が改善されて移相器がナ
ノ秒単位で調節されうるようになれば、個々の移相器に
おける移相偏移量φ−φ13を変更して瞬時周波数の
変化を反映することにより、連続的位相傾斜を所望の同
位相波面に対し整合状態に保つことができる。 2.2 アレイの構成 本発明の整相周波数アンテナア
レイは、移相/時間遅延および移相モジュールの移相器
の使用による移相の安定化を伴う、通常の周波数ステア
リングを行ないうるように構成されている。特定の全お
よび瞬時帯域幅において、この整相周波数ステアリング
形アンテナは、アレイ内の移相器数と、瞬時帯域幅上に
おける関連するサイドローブレベルとの間の、コスト/
パーフォーマンスに関する妥協に従って構成される。
【0044】特定の移相/時間遅延開口素子比を有する
アレイの構成に当っては、最適構成(すなわち、移相お
よび時間遅延素子の最適シーケンス)を決定するため
に、通常の加重解析が用いられる。移相素子の加重分布
は、図1aの例示用整相周波数アレイ(10)(やは
り、説明の目的のみのために構成されたものである)に
よって示されている。
【0045】通常の加重解析によると、アレイの中央に
おけるアンテナのパーフォーマンスは、アレイの端部に
おけるよりも重要である。このことは、例示的構成を有
する整相周波数アレイ(10)においては、アンテナ開
口の中央部へ移相器を集中せしめ、移相器の「まばら
化」をアレイ端部に向かって増大させて行くことによっ
て示されている。すなわち、アレイ(10)の対称的な
左半部分において、最も中央部にある放射素子は、全く
時間遅延素子を含まない移相モジュール(21)によっ
て構成される。この移相モジュールの隣りには、2つの
2素子移相/時間遅延モジュール(22)があり、これ
らはそれぞれ1つの時間遅延素子を有する。移相器比は
次第に減少し、2つの3素子モジュール、1つの4素子
モジュールが用いられ、最後に、アレイの左端において
は、1つの移相素子に対して4つの時間遅延素子を含
む、1つの5素子移相/時間遅延モジュール(25)が
用いられている。
【0046】整相周波数ステアリング形アンテナアレイ
の詳細な構成、特に、アンテナ開口の寸法および開口素
子の間隔は、通常のように決定される。移相および時間
遅延の諸素子間の適切な間隔は、動作周波数の要求およ
び走査の限界により決定される。アレイの全体的大き
さ、すなわち移相器の分布に無関係な、移相および時間
遅延素子の総数、は、実際のビームの分解能および所望
の電力開口積による。全体的な開口の構造パラメータ
は、通常、個々の移相/時間遅延モジュールの構成とは
無関係に選択される。すなわち、本発明の整相周波数ス
テアリング技術は、選択されたアレイの大きさおよび動
作周波数範囲の下に、自由に構成されたアンテナ構造に
対し、広く適用されうる。
【0047】移相および時間遅延素子の種類の選択は、
設計上の問題である。本発明の整相周波数技術は、受動
または能動または受動/能動アレイのいずれにも適用さ
れうる。すなわち、個々の移相器は、(巻線付きフェラ
イトコアなどの)受動性のものでも、(TX/RX M
MICソリッドステートモジュールなどの)能動性のも
のでもありうる。時間遅延素子としては、第4節に通常
の蛇行導波管フィーダの例が説明されるが、(ソリッド
ステートの時間遅延素子などの)他の方式のものも使用
できる。
【0048】開口素子の構造の選択は、設計上の問題で
ある。第4節には、方向性結合器を用いた通常の導波管
開口の例が示されている。
【0049】3.2次元アレイ 本発明の整相周波数ス
テアリング形アンテナは、図1aの例示用アレイ(1
0)のような直線的整相周波数アレイを選択された数だ
け堆積することにより、2次元走査が可能なように構成
される。堆積方向の次元における走査は位相ステアリン
グによって行なわれるので、直線形アレイの平面内にお
ける周波数走査に影響を及ぼした、瞬時帯域幅およびサ
イドローブレベルの問題を含まない。
【0050】図2には、10×20の2次元アレイが示
されている。2次元アレイ(100)は、図1aに示さ
れた例示的構成を有する、全く同じ構成の直線的整相周
波数アレイの堆積により形成されている。すはわち、2
次元アレイ(100)は、10個の直線的アレイ(10
1)−(110)の堆積を含む。直線的アレイの平面を
水平(方位)とし、堆積平面を鉛直(高度)とすると、
2次元アレイ(100)は40鉛直列の(移相または時
間遅延いずれかの)放射素子により形成されている。
【0051】例えば、アレイの左端部においては、5素
子移相/時間遅延モジュールの堆積は、移相素子の列
(121)と、これに隣接する時間遅延素子の列(12
2)−(125)と、を含み、それぞれの素子は、それ
ぞれの移相器による給電を受ける。隣接する4素子移相
/時間遅延モジュールの堆積は、移相素子の列(13
1)と、これに隣接する時間遅延素子の列(132)−
(134)と、を含む。
【0052】図2に示された例示的構成においては、そ
れぞれの直線的アレイ(101)−(110)は13個
の移相素子を含み、そのそれぞれが関連の移相φ−φ
13を与える。これらの移相器は、対応する移相開口素
子、ならびに総計で27個のそれぞれの時間遅延開口素
子に給電する。従って、2次元アレイ(100)は、直
線的アレイ(101)−(110)内に分布する移相/
時間遅延素子に対応して、水平に分布する13列の移相
素子を含み、40列の開口素子を含む。
【0053】2次元整相周波数ステアリングアレイ(1
00)は、通常の位相ステアリングを用いて高度走査を
行なう。すなわち、方位(水平)走査角は、第2.1節
に説明したように、周波数と、直線的(水平)アレイ内
のそれぞれの移相素子における移相偏移量φ−φ13
と、の双方を協働的に選択し、相次ぐ移相偏移量の間
(すなわち、相隣る移相器の整定の間)に対応する位相
差を生ぜしめることによって決定される。その走査角に
おいて、高度(鉛直)走査は、それぞれの直線的アレイ
における移相偏移量φ−φ13の組を適切に選択し、
選択された走査角に関連するそれぞれの組内の位相差を
維持することによって行なわれる。
【0054】すなわち、鉛直走査は位相ステアリングに
よって、それぞれの直線的アレイ(101)−(11
0)における移相偏移量φ−φ13の組を、他の組の
移相偏移量φ−φ13に対して、所望の高度走査角を
実現するように、適切に選択すると共に、移相偏移量の
それぞれの組における移相の差を、所望の方位走査角に
対応するように維持することにより、行なわれる。高度
走査中においては、ある列内のそれぞれの時間遅延素子
は、関連する移相素子における移相の変化に応じて位相
を変える(が、周波数は変えない)。
【0055】鉛直高度走査は、周波数ステアリングでは
なく、位相ステアリングによって行なわれるので、瞬時
周波数の変化は、高度走査の角精度またはサイドローブ
レベルに対して影響を与えない。従って、高度走査にお
ける瞬時帯域幅およびサイドローブレベルは、それぞれ
の直線的アレイ(101)−(110)内の移相/時間
遅延素子の相対分布を定めるコスト/パーフォーマンス
に関する妥協による影響は受けない。
【0056】従って、2次元整相周波数ステアリング形
アンテナアレイの構成の選択は、直線的アレイの平面内
における走査で所望の瞬時帯域幅およびサイドローブレ
ベル・パーフォーマンスを実現するための、移相/時間
遅延および移相モジュールの直線的アレイの構成に関連
する設計上の選択が要点となる。直線的整相周波数アレ
イの2次元的拡張は、選択された数の直線的アレイを鉛
直に堆積して、所望の高度方向ビーム幅および2次元電
力開口積を実現する問題となる。
【0057】4.例としてのマイクロ波モジュール
発明の整相周波数ステアリング技術は、さまざまなアン
テナ開口構造、TX/RX給電回路網、および移相およ
び時間遅延素子を用いたアンテナアレイ構造に対して、
一般に適用可能である。図3には、例としてのマイクロ
波モジュール構造が示されている。
【0058】整相周波数アレイの部分(200)には、
2つのマイクロ波移相/時間遅延モジュール(201)
および(202)が含まれている。これらのモジュール
は、一連の等間隔に形成された、アンテナの放射スロッ
ト開口を有するアンテナ開口導波管(205)に結合せ
しめられている。また、これらのマイクロ波モジュール
は、フィーダチャネル(208)および(209)を経
てTX/RX RF給電回路網(図示されていない)に
結合せしめられている。
【0059】マイクロ波モジュール(201)において
は、RFエネルギーは、モジュール(212)によって
表わされる移相器を経て結合せしめられ、この移相器は
選択された移相量を導入する。送信モードにおいては、
移相器(212)を経て供給されたRFエネルギーは、
蛇行フィーダ導波管回路網(213)内へ導入され、こ
の回路網は、移相されたRFエネルギーを関連するアン
テナ開口導波管(205)内へ、蛇行フィーダを経ての
伝送による選択された時間遅延をもってRF結合せし
め、それによって関連する時間遅延移相を生ぜしめる。
【0060】すなわち、移相されたRFは、方向性結合
器(221)を経て直ちに移相開口導波管(231)内
へ結合せしめられる。選択された時間遅延の後、それに
対応して移相されたRFは、方向性結合器(222)を
経て、最初の時間遅延開口導波管(232)内へ結合せ
しめられる。同様にして、適切な時間遅延(およびそれ
に対応する移相)の後、移相されたRFは方向性結合器
(223)−(225)を経て、それぞれの時間遅延開
口導波管(233)−(235)内へ結合せしめられ
る。
【0061】例としてのこのマイクロ波モジュールは、
通常の設計のものである。移相要素は受動性のもので
も、(TX/RX MMICモジュールのような)能動
性のものでもよい。蛇行フィーダ導波管は、それぞれの
時間遅延素子において所望の時間遅延移相量を与えるよ
うに構成されている。方向性結合器は、選択されたRF
エネルギー量をそれぞれの開口導波管内へ結合せしめる
ように構成されている。
【0062】5.結論 本発明の整相周波数ステアリン
グ技術は、走査角に対する移相安定化を行なうことによ
って、FMチャープなどの広帯域の応用において、周波
数ステアリングを用いる。安定化に必要な移相素子の数
は、一定の瞬間帯域幅上において同程度のサイドローブ
レベルを与えるまばらにサンプリングを行なう(まばら
化された)位相ステアリング形アレイにおけるよりも、
かなり少ない。瞬時周波数の変化に起因する角走査誤差
の相対的減殺度は、移相安定化を行なわない周波数ステ
アリング形アレイに比し、顕著に改善される。従って、
一定の瞬時帯域幅において、移相器数とサイドローブレ
ベルとの間の直接的なコスト/パーフォーマンスに関す
る妥協が可能となる。
【0063】この整相周波数ステアリング技術は、移相
器、関連する移相開口素子および1つまたはそれ以上の
時間遅延開口素子を含む、移相/時間遅延モジュールを
用いる。さらに、アレイの諸部分に、時間遅延素子をも
たない移相モジュールを用いて、所望の加重機能を実現
することがある。これらのモジュールは、直線的アレイ
をなして配列され、時間遅延素子に対する移相素子の所
望の分布が実現される……一般に、一定の瞬時帯域幅に
おいて、移相素子数を減少させると、サイドローブレベ
ルは増大する(しかし、サイドローブレベルパーフォー
マンスは、同様にまばら化した位相ステアリング形アレ
イにおけるよりも著しく改善される)。一定の走査周波
数において、諸移相器は、直線的アレイに沿って時間遅
延移相による位相傾斜を整列させるような、対応する移
相偏移量を生じるように整定され、それによって所望の
走査角を有する連続的同位相波面を発生する。2次元ア
レイは、選択された数の直線的整相波数アレイを堆積す
ることによって得られる。
【0064】
【発明の効果】本発明の技術上の利点には、次のものが
含まれる。整相周波数ステアリング形アンテナアレイ
は、(周波数可変性動作および/またはFMチャープに
おけるような)瞬時帯域幅の要求が、周波数ステアリン
グ形アレイを非実用的なものとする応用面において、位
相ステアリング形アンテナに代わりうる経済的有効性を
示す。整相周波数ステアリングにおいては、移相素子を
用いて周波数走査の角の安定化を行ない、位相ステアリ
ング形アレイにおけると同程度のサイドローブレベルお
よび瞬時帯域幅のもとで、該アレイにおけるよりも高い
実効まばら化比が達成される。整相周波数ステアリング
は、一定の瞬時帯域幅において、必要な移相素子数とサ
イドローブレベルとの間のコスト/パーフオーマンスに
ついての比較的直接的な妥協を与える。まばら化が行な
われる平面内でのアンテナのサイドローブは、瞬時帯域
幅が広くなるとある程度増大するが、直交平面内におけ
るサイドローブレベルは劣化せず、主ビームのモノパル
スパーフォーマンスが著しく劣化することはない。さら
に、この技術は、レーダの断面積に著しい影響を与えな
い。整相周波数ステアリング技術は、地表、航空機、宇
宙分野において用いられる。能動性または受動性の、電
子ステアリング形アンテナアレイに対し、一般的適用性
を有する。この技術によって与えられる移相の安定化に
より、モノパルスヌルおよび主ビームは、瞬時周波数が
変化しても著しい走査は行なわず、通常の周波数ステア
リング形アンテナアレイによって得られる以上の瞬時帯
域幅の、それに対応した増大が可能となる。
【0065】以上においては、本発明を実施例について
説明してきたが、本技術分野に精通した者に対してはさ
まざまな改変が可能であることが示唆されたはずであ
り、それらは特許請求の範囲によって定められた本発明
の範囲内に含まれる。
【0066】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1)RF信号の送信および/または受信用の整相周波
数ステアリング形アンテナアレイであって、それぞれの
移相要素が入力されたRF信号に対し選択されたそれぞ
れの移相を導入するようになっている多重移相要素を含
み、それぞれの該移相要素が、関連する移相開口素子に
RF結合せしめられていると共に、該開口素子へのRF
信号入力に対し選択された時間遅延移相を導入するため
の少なくとも1つの関連する時間遅延開口素子にもRF
結合せしめられており、それによって前記アレイが移相
および時間遅延開口素子の選択された分布を含み、それ
ぞれの移相要素および関連する移相および時間遅延開口
素子が移相/時間遅延モジュールをなしている、整相周
波数ステアリング形アンテナアレイ。
【0067】(2)関連する移相開口素子にRF結合せ
しめられた移相要素を含む少なくとも1つの移相モジュ
ールをさらに含み、該移相要素が該要素へのRF信号入
力に対し選択された移相を導入するようになっている、
第1項記載の整相周波数ステアリング形アレイ。
【0068】(3)前記RF信号が瞬時帯域幅を有する
ことを特徴とし、前記移相および時間遅延素子の分布が
所望のサイドローブレベルパーフォーマンスを実現する
ように選択されている、第1項記載の整相周波数ステア
リング形アレイ。
【0069】(4)アンテナパターンが振幅加重されて
おり、前記移相および時間遅延素子の分布がこの振幅加
重を考慮して行なわれている、第3項記載の整相周波数
ステアリング形アレイ。
【0070】(5)前記多重移相/時間遅延モジュール
が、移相および時間遅延開口素子の選択された直線的分
布を有する少なくとも1つの直線的アレイをなして配列
されている、第1項記載の整相周波数ステアリング形ア
レイ。
【0071】(6)前記多重移相/時間遅延モジュール
が、多重堆積された移相/時間遅延モジュールの直線的
アレイにより形成される2次元アレイをなして配列され
ている、第5項記載の整相周波数ステアリング形アレ
イ。
【0072】(7)前記2次元アレイが、前記直線的ア
レイの平面内において周波数ステアリングを受け、前記
堆積方向の次元内において位相ステアリングを受けるよ
うになっている、第6項記載の整相周波数ステアリング
形アレイ。
【0073】(8)前記RF信号が瞬時帯域幅を有する
ことを特徴とし、前記移相要素により導入されるそれぞ
れの移相が該RF信号の周波数に対し協働的に選択され
ることによって、前記移相/時間遅延モジュールにおけ
る対応した移相偏移量を与え、それによって該諸モジュ
ールにおけるそれぞれの同位相波面部分を、前記瞬時帯
域幅内の少なくとも所定の整列周波数において整列せし
めるようになっている、第1項記載の整相周波数ステア
リング形アレイ。
【0074】(9)RF信号を送信および/または受信
するアンテナアレイの整相周波数ステアリング方法であ
って、多重移相開口素子および多重時間遅延開口素子の
それぞれの移相素子が少なくとも1つの時間遅延素子に
RF結合せしめられている該多重移相開口素子および該
多重時間遅延開口素子の選択された分布を有するアレイ
を構成する段階と、それぞれの該移相開口素子において
該素子へのRF信号入力に対し選択された移相を導入す
る段階と、それぞれの前記時間遅延開口素子において該
素子へのRF信号入力に対し時間遅延移相を導入する段
階と、前記移相素子により導入されるそれぞれの移相
を、これらの素子へのRF信号入力の周波数に関連して
選択することにより前記アンテナアレイを選択的にステ
アリングする段階と、を含む、アンテナアレイの整相周
波数ステアリング方法。
【0075】(10)前記構成する段階が、前記移相お
よび時間遅延開口素子の選択された分布を直線的アレイ
として構成する段階を含む、第9項記載の整相周波数ス
テアリング方法。
【0076】(11)前記アレイを選択的にステアリン
グする段階が、前記直線的アレイの平面内において所定
の走査方向から到着するRF信号を受信するために、前
記多重移相素子により導入されるそれぞれの移相を、こ
れらの素子への該RF信号入力の周波数に対し協働的に
選択することによって前記アレイを選択的にステアリン
グする段階を含む、第10項記載の整相周波数ステアリ
ング方法。
【0077】(12)前記アレイを選択的にステアリン
グする段階が、前記直線的アレイの平面内において所定
の走査方向へRF信号を送信するために、前記多重移相
素子により導入されるそれぞれの移相を、これらの素子
への該RF信号入力の周波数に対し協働的に選択するこ
とによって前記アレイを選択的にステアリングする段階
を含む、第10項記載の整相周波数ステアリング方法。
【0078】(13)前記ステアリングする段階が、前
記2次元アレイを前記直線的アレイの平面内において周
波数ステアリングする段階と、該2次元アレイを堆積方
向の次元内において位相ステアリングする段階と、を含
む、第9項記載の整相周波数ステアリング方法。
【0079】(14)前記RF信号が瞬時帯域幅を有す
ることを特徴とし、該RF信号の周波数に対して前記移
相素子のそれぞれの移相を協働的に選択することにより
それぞれの移相偏移量を生ぜしめ、それによって少なく
とも所定の整列周波数においてそれぞれの移相および関
連する時間遅延素子における同位相波面部分を整列せし
める段階をさらに含む、第1項記載の整相周波数アレ
イ。
【0080】(15)前記整列周波数がほぼ前記瞬時帯
域幅の中央周波数である、第8項記載の整相周波数アレ
イ。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは本発明の整相周波数ステアリング形アンテ
ナアレイの構成の例示図で、直線的アレイをなして配列
された多重移相/時間遅延モジュールを示す。bは3素
子移相/時間遅延モジュールの詳細図。cは移相/時間
遅延モジュールの直線的アレイに沿った同位相波面のグ
ラフで、移相素子を使用して対応する移相偏移量を導入
することによる、同位相波面部分の整列および連続的同
位相波面の実現を示す。
【図2】直線的整相周波数アレイの堆積により形成され
た2次元整相周波数アンテナの構成の例示図。
【図3】整相周波数アレイの一部をなす、マイクロ波導
波管構造の例示図。
【符号の説明】
10 整相周波数ステアリング形アンテナアレイ 21 移相モジュール 22−25 移相/時間遅延モジュール PS 移相器 PSE 移相開口素子 TDE 時間遅延開口素子 S−S13 同位相波面部分 φ−φ13 移相偏移量 100 2次元整相周波数ステアリング形アンテナアレ
イ 101−110 直線的アレイ 201、202 マイクロ波移相/時間遅延モジュール 212 移相器 231 移相開口導波管 232−235 時間遅延開口導波管
【手続補正書】
【提出日】平成3年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 整相周波数ステアリング形アンテナア
レイ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には電子的にス
テアリングされるアンテナアレイに関し、特に、整相周
波数ステアリング形アンテナアレイおよび移相安定化を
伴う周波数ステアリングを用いる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無線周波数用アンテナアレイを電子的に
ステアリングするための2種類の通常の技術として、位
相ステアリングおよび周波数ステアリングがある。一般
に、位相ステアリング形アレイは、角精度に著しい影響
を与えることなく瞬時周波数を比較的に大きく変化させ
ることかできるが、通常それぞれの放射素子に対し移相
器または能動移相モジュールを用いている。これと対照
的に、周波数ステアリング形アンテナは、移相要素の経
費は必要としないが、瞬時周波数の変化が角精度にも影
響を与えるので、一定の走査角における瞬時帯域幅が小
さいことが要求される。例えば、あるレーダの応用にお
いては、(典型的なレベルのサイドローブが要求される
とき)複雑さの少ない周波数ステアリング形アンテナに
おいて用いうる瞬時帯域幅よりも、周波数可変動作およ
び/またはFMチャープパルス圧縮の支持のためなど
に、大きい瞬時帯域幅が必要とされる。これらの応用に
おいて、角精度を維持しつつ所望の瞬時帯域幅を実現す
る唯一の実際的な解決法は、位相ステアリング形アンテ
ナを用いることである。
【0003】それぞれの放射素子における移相器または
能動モジュールの要求は、これらのアンテナ装置におい
てかなりの経費増大因子となる。例をあげると、(約3
cmの波長を有する10GHz付近の)X帯域における
2次元走査を行う位相ステアリング形アンテナにおいて
は、典型的な1/2波長の放射素子間隔は、約1.5c
m毎の放射素子を必要とする。
【0004】位相ステアリング形アンテナアレイの経費
削減のための通常の方法は、(イ)移相器の除去(サン
プリングのまばら化)によるか、または、(ロ)1次元
の周波数走査の使用により、アレイを間引く方法であ
る。サンプリングのまばら化は、サイドローブレベルを
著しく上げないためには、移相器の5から15%を除去
しうるのみである。これとは対照的に、1次元の周波数
走査を使用すると、サイドローブレベルに著しい影響を
与えることなく、移相器数を、行または列毎に1つ、ま
たはモノパルスシステムに対して2つ(行または列のそ
れぞれの半分に対して1つ)まで、減少せしめうる。し
かし、その次元における角精度は、瞬時周波数の変化に
起因する増分的ビーム走査によって劣化し、アンテナの
広帯域的能力を制約する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、位相ステアリ
ング形アンテナに匹敵する瞬時帯域幅パーフォーマンス
が可能な、改良された広帯域電子ステアリング形アンテ
ナアレイであって、移相器要素数がかなり減少せしめら
れ、かつ(イ)(まばら化サンプリングから起こるよう
な)サイドローブレベルの著しい増大、または(ロ)
(1次元の周波数走査から起こるような)角精度の著し
い劣化、のない、広帯域電子ステアリング形アンテナア
レイが要求される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の改良された電子
ステアリング形アンテナアレイは、移相安定化を伴う周
波数走査を用い、位相ステアリングアレイに比し比較的
に少数の移相素子を用いて、広帯域周波数ステアリング
アレイに比し角精度を著しく犠牲にすることなく、広帯
域パーフォーマンスを実現している。
【0007】本発明の1特徴は、整相周波数ステアリン
グ形アンテナアレイが多重移相/時間遅延モジュールを
含むことである。それぞれの移相/時間遅延モジュール
は、(イ)選択された移相を導入するための移相要素、
(ロ)関連する移相開口素子、および(ハ)選択された
時間遅延移相を導入するための少なくとも1つの時間遅
延開口素子を含む。この移相要素は、移相素子と、時間
遅延素子との双方にRF結合せしめられている。
【0008】送信モードにおいては(受信モードでは逆
になる)、電磁エネルギーはそれぞれの移相/時間遅延
モジュールへ供給され、そこで移相要素は選択された移
相を導入する。移相された電磁エネルギーは、関連する
移相開口素子によって、また選択された時間遅延移相を
導入する時間遅延素子によって、放射される。
【0009】好ましくは、一定の走査角周波数に対し、
移相/時間遅延モジュールにおける移相要素により導入
される移相は、それぞれのモジュールに起因する同位相
波面部分に対し対応した移相偏移量を与えるように協働
的に選択され、それによって同位相波面の諸部分は整列
せしめられて、同位相波面を通じて実質的に連続的な位
相傾斜が得られる。2次元走査は、移相/時間遅延モジ
ュールの直線的アレイを堆積し、走査のための堆積次元
における位相ステアリングを用いることによって行なわ
れうる。
【0010】本発明のさらに特殊な特徴は、整相周波数
ステアリング形アンテナが、移相および時間遅延素子の
選択された分布を有する、選択された間隔をもつ開口素
子の直線的アレイを備えた、移相/時間遅延モジュール
の直線的アレイを含むことである。一定の走査角周波数
において、移相/時間遅延モジュール内の移相要素が与
える移相偏移量は、協働的に選択されることによって、
瞬時帯域幅の中央周波数(走査角周波数)における対応
する同位相波面部分を整列せしめる。
【0011】多重移相/時間遅延モジュールを用いる整
相周波数ステアリング技術は、移相素子または時間遅延
素子の種類によらず、そのいずれもが能動的なものであ
っても、受動的なものであってもよい。一定の瞬時帯域
幅が指定された場合、アンテナの構造は、移相/時間遅
延素子の割合(まばら化)とサイドローブレベルとの間
のコスト/パーフォーマンスに関する妥協を含む。一般
に、移相素子数を減少せしめ、時間遅延素子数を増大せ
しめると、一定の瞬時帯域幅に対してサイドローブレベ
ルが増大するが、全ての場合に、瞬時帯域幅とサイドロ
ーブパーフォーマンスとは、対応するまばら化された位
相ステアリング形アレイにおけるよりもかなり向上す
る。
【0012】このように、本発明の整相周波数ステアリ
ング技術においては、時間遅延素子の周波数ステアリン
グ形アレイ内に、選択された数の移相素子が挿入され
る。これらの移相素子は、移相偏移量を与えることによ
り、位相傾斜の整列を維持して周波数走査を安定化し、
それによって、瞬時周波数の変化が角精度に与える影響
を減殺する。以下、添付図面を参照しつつ、本発明とそ
の特徴および利点について詳述する。
【0013】
【実施例】本発明の整相周波数ステアリング形アンテナ
アレイおよびステアリング方法の実施例の詳細な説明
は、次のように構成される。 1.移相の安定化を伴う周波数走査 2.整相周波数ステアリング形アレイ 2.1.位相傾斜の整列 2.2.アレイの構成 3.2次元アレイ 4.例としてのマイクロ波モジュール 5.結論
【0014】整相周波数ステアリング技術の実施例は、
レーダへの応用例に関連して説明され、その例において
は、周波数走査のために用いうる全帯域幅内に、それぞ
れの走査角(およびこの角に関連する走査周波数)にお
いて、周波数可変動作および/またはFMチャープパル
ス圧縮を支持するための瞬時帯域幅が得られる。さら
に、時間遅延開口素子への供給のために蛇行導波管を用
いるマイクロ波モジュール構造の例も説明される。
【0015】詳細な説明は、この応用例に関連して行な
われるが、本発明は、瞬時周波数の変化中における走査
角の移相安定化を伴う周波数走査を利用して整相周波数
ステアリングを行なう場合に対し、一般的に適用されう
る。特に、本発明は、電子ステアリング形広帯域アンテ
ナアレイに対し、一般的に適用されうる。
【0016】簡単にするために、ここで行なわれる詳細
な説明は、例である整相周波数アンテナの送信モードに
おける使用に集中される。整相周波数アンテナの受信モ
ードにおける動作(受動方向発見装置のためのものを含
む)は、逆になる。すなわち、送信モードにおいては、
給電回路網からのRF(無線周波数)エネルギーは、
(直接的または時間遅延移相により)移相された後、開
口素子のアレイから放射されるが、受信モードにおいて
は、開口素子を経て受信されたRFエネルギーは、移相
された後に給電回路網にRF結合せしめられる。
【0017】1.移相安定化を伴う周波数走査 本発明
の整相周波数ステアリング技術は、移相素子を用いて、
周波数走査アンテナアレイの走査角を安定化する。直線
的な整相周波数アレイは、それぞれのモジュールが移相
器と、関連する移相開口素子および選択された数の時間
遅延開口素子の組合せと、を含む該モジュールから構成
される。
【0018】これらの移相素子は、周波数可変動作およ
び/またはFMチャープパルス圧縮の期間中におけるよ
うな、瞬時周波数の変化期間中において、周波数により
選択される走査角を安定化する。移相の安定化は第2.
1節に説明するように、主として位相傾斜の整列から起
こる。
【0019】現在の移相器の応答時間に関する一定の制
約下においては、移相安定化の整定を行なっても、瞬時
帯域幅の1つの周波数(通常は中央周波数)においての
み位相傾斜の正確な整列が達成されるだけである。従っ
て、広帯域パルスを送信すると、サイドローブレベルを
いくらか高める位相傾斜の不整列が起こる(第2.1節
参照)。しかし、この効果は、受信信号が通常送信パル
ス上において積分されるために小さくなる。例えば、F
Mチャープの場合には、受信における通常の整合フィル
タ処理が、そのような積分を行なう。
【0020】その結果、本発明の整相周波数ステアリン
グ技術によれば、周波数走査のために構成されたアレイ
は、位相ステアリング形アレイに匹敵する瞬時帯域幅を
実現できるが、移相器数は1/5またはそれ以下でよ
い。分布された移相素子は、広帯域パルス中に瞬時周波
数が変化する時、走査角に対して周波数に無関係な安定
化を行なう。
【0021】一定の瞬時帯域幅において、整相周波数ス
テアリング技術は、移相器数とサイドロープレベルとの
間のコスト/パーフォーマンスの直接的な妥協点を与え
る。
【0022】2.整相周波数ステアリング形アレイ
発明の整相周波数ステアリング技術は、移相/時間遅延
モジュールの直線的アレイを用い、それぞれの該モジュ
ールは移相素子と選択された数の時間遅延素子とを含
む。
【0023】図1aには、整相周波数アレイ構造の例が
示されている。整相周波数アレイ10は、40個の等距
離の放射素子から成る直線的アレイとして構成され、そ
れぞれの対称的な半部分内には20個の放射素子が含ま
れている。
【0024】それぞれの半部分内には、本発明による一
連の移相/時間遅延モジュールが含まれ、このアレイの
中央には、時間遅延素子を含まない1つの移相モジュー
ルが配置されている。図1bの拡大図に示されているよ
うに、それぞれの移相/時間遅延モジュールは、(イ)
移相開口素子PSEにRF結合され、かつ(ロ)それぞ
れの時間遅延フィーダTDFを経て少なくとも1つの時
間遅延開口素子TDEにRF結合された、移相器PSを
含む。
【0025】整相周波数アレイ10の左半部分におい
て、移相モジュール21は、中央給電点に配置されてい
る。その外方へ進むと、アレイは、2つの2素子移相/
時間遅延モジュール22と、2つの3素子移相/時間遅
延モジュール23と、1つの4素子移相/時間遅延モジ
ュール24と、アレイの外端部の1つの5素子移相/時
間遅延モジュール25と、を含む。
【0026】整相周波数アレイ10は、送信モードにお
いてはアレイ内にRFエネルギーを注入し、受信モード
においてはアレイからRFエネルギーを抽出する、TX
/RX給電回路網30にRF結合されている。このRF
給電動作は通常のものであり、RFエネルギーをアレイ
10に、またアレイ10から結合させるように構成され
た、マジックT31により示されている。送信モードに
おいては、送信増幅器34からの送信RFは、サーキュ
レータ32を経てアレイ10に結合せしめられる。受信
モードにおいては、マジックT31は、受信RFの周波
数差成分を、サーキュレータを経て低雑音増幅器36に
結合させ、受信RFの周波数和成分を、サーキュレータ
を経て低雑音増幅器38に結合させる。
【0027】それぞれの移相/時間遅延モジュール、お
よびそれぞれの移相モジュールは、特定の移相φを導入
するように選択的に整定された移相器を含む。アレイの
平面内における所望の走査角は、走査周波数を適切に選
択することにより実現される。アレイ内のそれぞれのモ
ジュールにおける個々の移相φは、選択された走査角に
おいて連続的な位相傾斜を生じるように、走査周波数と
の協働的関連において選択される(第2.1節参照)。
このようにして、送信モードにおいては、TX/RX給
電回路網30からの特定周波数のRF信号は、直線的ア
レイ内のそれぞれの移相/時間遅延および移相モジュー
ルに供給される。左からいうと、5素子移相/時間遅延
モジュール25は、選択された移相φを導入し、移相
されたRFは、(イ)移相開口素子を経て放射され、さ
らに(ロ)それぞれの時間遅延開口素子に、関連する時
間遅延フィーダを経て順次結合せしめられ、対応する選
択された時間遅延移相を導入される。同様にして、1つ
の4素子移相/時間遅延モジュール24は、移相φ
(および関連する時間遅延移相)を導入し、2つの3
素子モジュール23は、それぞれの移相φおよびφ
(および関連する時間遅延移相)を導入し、2つの2素
子モジュール22は、それぞれの移相φおよびφ
(および関連する時間遅延移相)を導入する。最後
に、移相モジュール21は、移相φを導入する。
【0028】移相/時間遅延および移相モジュールの直
線的アレイの右半部分の動作は、全く同様である。7個
のモジュールは、それぞれの移相φ−φ13、および
関連する時間遅延移相を導入する。
【0029】それぞれの移相/時間遅延および移相モジ
ュールにおける特定の移相φ−φ13、および関連す
る時間遅延移相を選択する方法は、第3節において説明
される。
【0030】本発明の特定の整相周波数アンテナアレイ
における移相/時間遅延および移相モジュールの選択
は、動作周波数、全帯域幅(周波数可変帯域)、瞬時帯
域幅、およびサイドローブレベルが明確化されれば、設
計選択の問題となる。図1aに示されている整相周波数
アンテナの構造は単に説明用のものであり、実際の装置
の構造を示しているわけではない。むしろ、この説明用
のアレイは、本発明の整相周波数ステアリング技術によ
るアレイ構造の2つの重要な特徴、即ち、(イ)選択さ
れた数の時間遅延素子を有する移相/時間遅延モジュー
ルを用い、かつ移相モジュールを用いて、選択された移
相器分布を実現していること、および(ロ)通常のアン
テナパターンにおける加重の考慮により、アンテナアレ
イの端部へ向かって移相素子に対する時間遅延素子の比
を増大させていること(すなわち、移相器の「まばら
化」を増大させていること)、を示している。
【0031】2.1 位相傾斜の整列 本発明の整相周
波数ステアリング形アンテナにおいては通常の周波数走
査が用いられ、周波数可変動作および/またはFMチャ
ープパルス圧縮におけるように、瞬時周波数が送信パル
スの帯域上で変化する時、走査角を安定化させるよう、
選択的に分布せしめられた移相器が用いられる。
【0032】詳述すると、一定の走査周波数において、
相次ぐ移相/時間遅延モジュール内の時間遅延移相が位
相傾斜を整列させるように、移相器は協働的に整定され
る。それぞれの移相器は、それぞれの移相偏移量を導入
し、整相周波数アンテナアレイを横切って、すなわちモ
ジュールからモジュールへ、連続的な位相傾斜を生ぜし
める。
【0033】図1cには、図1aの整相周波数アレイ1
0との関連において、位相傾斜整列技術が示されてい
る。送信モードにおいて、走査角θを実現するためには
(この段階では、瞬時周波数の変化は無視する)、TX
/RX給電回路網30は適切な走査周波数のRFを、整
相周波数アレイ10へ供給する。すなわち、その走査周
波数においては、整相周波数アンテナは、その直線的ア
ンテナアレイに対し角θをなす同位相波面50を有する
波形を放射する。
【0034】図1bの3素子移相/時間遅延モジュール
においては、時間遅延開口素子TDEは、このモジュー
ルが所望の位相傾斜θを発生するように、時間遅延移相
を導入する。すなわち、図示されている3素子モジュー
ルにおいては、それぞれの時間遅延フイーダTDFは、
このモジュールを横切る同位相波面が所望の走査角θを
なすように、対応する移相(すなわち、時間遅延)を導
入する。それぞれの移相/時間遅延モジュールに関連す
る同位相波面は、同位相波面部分として示されている。
【0035】図1cにおいて、整相周波数アンテナ10
から放射された同位相波面50は、同位相波面部分S
−S13のシーケンスによって形成され、これらはそれ
ぞれ対応する移相/時間遅延または移相モジュールに関
連している。すなわち、左から見て行くと、5素子モジ
ュール25は同位相波面部分Sを放射し、その隣りの
4素子モジュールは同位相波面部分Sを放射し、その
隣りの3素子モジュール23は同位相波面部分Sを放
射し、以下同様に進んで、アンテナアレイの最も右方に
ある5素子モジュール25は同位相波面部分S13を放
射する。
【0036】それぞれの移相/時間遅延または移相モジ
ュールにおいて、関連の移相器は、同位相波面部分の位
相傾斜を整列せしめるように、走査周波数に関連して協
同的に選択された移相φを導入し、同位相波面50全体
にわたり連続的な位相傾斜を作り出す。すなわち、連続
的な同位相波面は、それぞれ移相/時間遅延および移相
モジュールにおける同位相波面部分Sが、それぞれの移
相φ−φ13により整列せしめられた時発生する。
【0037】従って、移相器は、関連モジュールのそれ
ぞれの同位相波面部分に対し移相偏移量を導入するもの
として見ることができる。一定の走査周波数において、
それぞれの移相偏移量は、移相/時間遅延または移相モ
ジュールが放射する対応する同位相波面部分を整列さ
せ、連続的位相傾斜を有する同位相波面50を発生せし
める。これらの移相偏移量φ−φ13は一定の走査周
波数においては固定され、瞬時周波数の変化にはよらな
いので、それらは、瞬時帯域幅上において走査角を安定
化するのに役立つ(第1節参照)。
【0038】通常の広帯域動作においては、それぞれの
走査角において整相周波数アンテナは(FMチャープに
おけるような)広帯域パルスを送信し、瞬時周波数の変
化を生じる。個々の移相器により与えられる移相偏移量
φ−φ13は一定に保たれるが、特定の移相/時間遅
延モジュールに関連する同位相波面部分の位相傾斜はそ
うでない。むしろ、それぞれの部分に関連する時間遅延
移相は周波数によって変化し、モジュールにおける位相
傾斜を変化せしめる。
【0039】従って、同位相波面部分が連続的に整列せ
しめられて所望の同位相波面50になることは、特定の
走査周波数(すなわち、移相器が整定された周波数)に
おいてのみ可能である。例えば、FMチャープパルス圧
縮においては、一定の走査角における走査周波数は、通
常チャープパルス帯域幅の中央周波数付近に存在する。
従って、一定の走査角において、TX/RX給電回路網
30から供給される送信周波数は、瞬時帯域幅の下端の
チャープ周波数から、走査周波数を経て、瞬時帯域幅の
上端のチャープ周波数まで変調される。前述のように、
移相偏移量φ−φ13は、走査周波数においてのみ同
位相波面部分を同位相波面に整列させるように選択され
る。
【0040】走査周波数から移動した瞬時周波数におい
ては、それぞれの移相/時間遅延モジュールに関連する
同位相波面部分の位相傾斜は、その移動に対応して、ア
ンテナアレイにおける同位相波面の所望の連続的傾斜と
は異なったものとなる。その結果、同位相波面部分の、
所望の同位相波面に対する不整列を反映してサイドロー
ブレベルが増大する。サイドローブレベルに対するこの
効果は、第1節において説明されたように反射受信信号
を積分することにより減殺される。
【0041】一定の瞬時帯域幅において、瞬時周波数の
変化のサイドローブレベルに対する影響は、移相素子の
置換比(すなわち、周波数依存性時間遅延素子の代わり
に導入された周波数偏移不依存性移相素子の数)によ
る。特定の瞬時帯域幅において所望のサイドローブレベ
ルのパーフォーマンスを実現するための、適切な移相器
分布(アレイ内における個数と位置の双方)の選択は、
やはり、コスト/パーフォーマンスの直接的妥協に関連
する設計上の選択となる(第2.2節参照)。
【0042】選択された走査角において整列せしめられ
た同位相波面部分を発生させるための、それぞれの走査
周波数における移相偏移量φ−φ13の協同的選択
は、通常のビームステアリング解析を用いて行なわれ
る。同様に、一定の走査周波数において移相偏移量φ
−φ13の所望のシーケンスを発生させるための移相器
の制御も、通常のように行なわれる。通常は、整相周波
数アレイ内のそれぞれの移相/時間遅延および移相モジ
ュールにおける移相器は、レーダパルス間の不動時間内
に選択された移相のずれに整定される。
【0043】この点に関して、瞬時帯域幅の中央(走査
周波数)においてのみ同位相波面部分の位相傾斜が所望
の同位相波面に整列せしめられるように、移相/時間遅
延モジュールにおける移相偏移量φ−φ13を調節す
るこの方式は、装置要素の応答時間の限界から生じたも
のであり、整相周波数ステアリング技術に固有の限界か
ら生じたものではない。すなわち、現在の技術において
は、移相器の整定を瞬時帯域幅全体を通じて連続的に調
節することは実際的ではない・・・・代表的な50マイ
クロ秒の走査時間に適応するためには、移相器はナノ秒
単位で応答する必要がある。少なくとも送信モードにお
いては、もし装置要素に関する技術かせ改善されて移相
器がナノ秒単位で調節されうるようになれば、個々の移
相器における移相偏移量φ−φ13を変更して瞬時周
波数の変化を反映することにより、連続的位相傾斜を所
望の同位相波面に対し整合状態に保つことができる。 2.2 アレイの構成 本発明の整相周波数アンテナア
レイは、移相/時間遅延およひ移相モジュールの移相器
の使用による移相の安定化を伴う、通常の周波数ステア
リングを行ないうるように構成されている。特定の全お
よび瞬時帯域幅において、この整相周波数ステアリング
形アンテナは、アレイ内の移相器数と、瞬時帯域幅上に
おける関連するサイドローブレベルとの間の、コスト/
パーフォーマンスに関する妥協に従って構成される。
【0044】特定の移相/時間遅延開口素子比を有する
アレイの構成に当っては、最適構成(すなわち、移相お
よび時間遅延素子の最適シーケンス)を決定するため
に、通常の加重解析が用いられる。移相素子の加重分布
は、図1aの例示用整相周波数アレイ10(やはり、説
明の目的のみのために構成されたものである)によって
示されている。
【0045】通常の加重解析によると、アレイの中央に
おけるアンテナのパーフォーマンスは、アレイの端部に
おけるよりも重要である。このことは、例示的構成を有
する整相周波数アレイ10においては、アンテナ開口の
中央部へ移相器を集中せしめ、移相器の「まばら化」を
アレイ端部に向かって増大させて行くことによって示さ
れている。すなわち、アレイ10の対称的な左半部分に
おいて、最も中央部にある放射素子は、全く時間遅延素
子を含まない移相モジュール21によって構成される。
この移相モジュールの隣りには、2つの2素子移相/時
間遅延モジュール22があり、これらはそれぞれ1つの
時間遅延素子を有する。移相器比は次第に減少し、2つ
の3素子モジュール、1つの4素子モジュールが用いら
れ、最後に、アレイの左端においては、1つの移相素子
に対して4つの時間遅延素子を含む、1つの5素子移相
/時間遅延モジュール25が用いられている。
【0046】整数周波数ステアリング形アンテナアレイ
の詳細な構成、特に、アンテナ開口の寸法および開口素
子の間隔は、通常のように決定される。移相および時間
遅延の諸素子間の適切な間隔は、動作周波数の要求およ
び走査の限界により決定される。アレイの全体的大き
さ、すなわち移相器の分布に無関係な、移相および時間
遅延素子の総数、は、実際のビームの分解能および所望
の電力開口積による。全体的な開口の構造パラメータ
は、通常、個々の移相/時間遅延モジュールの構成とは
無関係に選択される。すなわち、本発明の整相周波数ス
テアリング技術は、選択されたアレイの大きさおよび動
作周波数範囲の下に、自由に構成されたアンテナ構造に
対し、広く適用されうる。
【0047】移相および時間遅延素子の種類の選択は、
設計上の問題である。本発明の整相周波数技術は、受動
または能動または受動/能動アレイのいずれにも適用さ
れうる。すなわち、個々の移相器は、(巻線付きフェラ
イトコアなどの)受動性のものでも,(TX/RX M
MICソリッドステートモジュールなどの)能動性のも
のでもありうる。時間遅延素子としては、第4節に通常
の蛇行導波管フィーダの例が説明されるが、(ソリッド
ステートの時間遅延素子などの)他の方式のものも使用
できる。
【0048】開口素子の構造の選択は、設計上の問題で
ある。第4節には、方向性結合器を用いた通常の導波管
開口の例が示されている。
【0049】3.2次元アレイ 本発明の整相周波数ス
テアリング形アンテナは、図1aの例示用アレイ10の
ような直線的整相周波数アレイを選択された数だけ堆積
することにより、2次元走査が可能なように構成され
る。堆積方向の次元における走査は位相ステアリングに
よって行なわれるので、直線形アレイの平面内における
周波数走査に影響を及ぼした、瞬時帯域幅およびサイド
ローブレベルの問題を含まない。
【0050】図2には、10×20の2次元アレイが示
されている。2次元アレイ100は、図1aに示された
例示的構成を有する、全く同じ構成の直線的整相周波数
アレイの堆積により形成されている。すなわち、2次元
アレイ100は、10個の直線的アレイ101−110
の堆積を含む。直線的アレイの平面を水平(方位)と
し、堆積平面を鉛直(高度)とすると、2次元アレイ1
00は40鉛直列の(移相または時間遅延いずれかの)
放射素子により形成されている。
【0051】例えば、アレイが左端部においては、5素
子移相/時間遅延モジュールの堆積は、移相素子の列1
21と、これに隣接する時間遅延素子の列122−12
5と、を含み、それぞれの素子は、それぞれの移相器に
よる給電を受ける。隣接する4素子移相/時間遅延モジ
ュールの堆積は、移相素子の列131と、これに隣接す
る時間遅延素子の列132−134と、を含む。
【0052】図2に示された例示的構成においては、そ
れぞれの直線的アレイ101−110は13個の移相素
子を含み、そのそれぞれが関連の移相φ−φ13与え
る。これらの移相器は、対応する移相開口素子、ならび
に総計で27個のそれぞれの時間遅延開口素子に給電す
る。従って、2次元アレイ100は、直線的アレイ10
1−110内に分布する移相/時間遅延素子に対応し
て、水平に分布する13列の移相素子を含み、40列の
開口素子を含む。
【0053】2次元整相周波数ステアリングアレイ10
0は、通常の位相ステアリングを用いて高度走査を行な
う。すなわち、方位(水平)走査角は、第2.1節に説
明したように、周波数と、直線的(水平)アレイ内のそ
れぞれの移相素子における移相偏移量φ−φ13と、
の双方を協働的に選択し、相次ぐ移相偏移量の間(すな
わち、相隣る移相器の整定の間)に対応する位相差を生
ぜしめることによって決定される。その走査角におい
て、高度(鉛直)走査は、それぞれの直線的アレイにお
ける移相偏移量φ−φ13の組を適切に選択し、選択
された走査角に関連するそれぞれの組内の位相差を維持
することによって行なわれる。
【0054】すなわち、鉛直走査は位相ステアリングに
よって、それぞれの直線的アレイ101−110におけ
る移相偏移量φ−φ13の組を、他の組の移相偏移量
φ−φ13に対して、所望の高度走査角を実現するよ
うに、適切に選択すると共に、移相偏移量のそれぞれの
組における移相の差を、所望の方位走査角に対応するよ
うに維持することにより、行なわれる。高度走査中にお
いては、ある列内のそれぞれの時間遅延素子は、関連す
る移相素子における移相の変化に応じて位相を変える
(が、周波数は変えない)。
【0055】鉛直高度走査は、周波数ステアリングでは
なく、位相ステアリングによって行なわれるので、瞬時
周波数の変化は、高度走査の角精度またはサイドローブ
レベルに対して影響を与えない。従って、高度走査にお
ける瞬時帯域幅およびサイドローブレベルは、それぞれ
の直線的アレイ101−110内の移相/時間遅延素子
の相対分布を定めるコスト/パーフォーマンスに関する
妥協による影響は受けない。
【0056】従って、2次元整相周波数ステアリング形
アンテナアレイの構成の選択は、直線的アレイの平面内
における走査で所望の瞬時帯域幅およびサイドローブレ
ベル・パーフォーマンスを実現するための、移相/時間
遅延および移相モジュールの直線的アレイの構成に関連
する設計上の選択が要点となる。直線的整相周波数アレ
イの2次元的拡張は、選択された数の直線的アレイを鉛
直に堆積して、所望の高度方向ビーム幅および2次元電
力開口積を実現する問題となる。
【0057】4.例としてのマイクロ波モジュール
発明の整相周波数ステアリング技術は、さまざまなアン
テナ開口構造,TX/RX給電回路網、および移相およ
び時間遅延素子を用いたアンテナアレイ構造に対して、
一般に適用可能である。図3には、例としてのマイクロ
波モジュール構造が示されている。
【0058】整相周波数アイレの部分200には、2つ
のマイクロ波移相/時間遅延モジュール201および2
02が含まれている。これらのモジュールは、一連の等
間隔に形成された、アンテナの放射スロット開口を有す
るアンテナ開口導波管205に結合せしめられている。
また、これらのマイクロ波モジュールは、フィーダチャ
ネル208および209を経てTX/RX RF給電回
路網(図示されていない)に結合せしめられている。
【0059】マイクロ波モジュール201においては、
RFエネルギーは、モジュール212によって表わされ
る移相器を経て結合せしめられ、この移相器は選択され
た移相量を導入する。送信モードにおいては、移相器2
12を経て供給されたRFエネルギーは、蛇行フィーダ
導波管回路網213内ヘ導入され、この回路網は、移相
されたRFエネルギーを関連するアンテナ開口導波管2
05内へ、蛇行フィーダを経ての伝送による選択された
時間遅延をもってRF結合せしめ、それによって関連す
る時間遅延移相を生せしめる。
【0060】すなわち、移相されたRFは、方向性結合
器221を経て直ちに移相開口導波管231内へ結合せ
しめられる。選択された時間遅延の後、それに対応して
移相されたRFは、方向性結合器222を経て、最初の
時間遅延開口導波管232内へ結合せしめられる。同様
にして、適切な時間遅延(およびそれに対応する移相)
の後、移相されたRFは方向性結合器223−225を
経て、それぞれの時間遅延開口導波管233−235内
へ結合せしめられる。
【0061】例としてのこのマイクロ波モジュールは、
通常の設計のものである。移相要素は受動性のもので
も、(TX/RX MMICモジュールのような)能動
性のものでもよい。蛇行フィーダ導波管は、それぞれの
時間遅延素子において所望の時間遅延移相量を与えるよ
うに構成されている。方向性結合器は、選択されたRF
エネルギー量をそれぞれの開口導波管内へ結合せしめる
ように構成されている。
【0062】5.結論 本発明の整相周波数ステアリン
グ技術は、走査角に対する移相安定化を行うことによっ
て、FMチャープなどの広帯域の応用において、周波数
ステアリングを用いる。安定化に必要な移相素子の数
は、一定の瞬間帯域幅上において同程度のサイドローブ
レベルを与えるまばらにサンプリングを行う(まばら化
された)位相ステアリング形アレイにおけるよりも、か
なり少ない。瞬時周波数の変化に起因する角走査誤差の
相対的減殺度は、移相安定化を行なわない周波数ステア
リング形アレイに比し、顕著に改善される。従って、一
定の瞬時帯域幅において、移相器数とサイドローブレベ
ルとの間の直接的なコスト/パーフォーマンスな関する
妥協が可能となる。
【0063】この整相周波数ステアリング技術は、移相
器、関連する移相開口素子および1つまたはそれ以上の
時間遅延開口素子を含む、移相/時間遅延モジュールを
用いる。さらに、アレイの諸部分に、時間遅延素子をも
たない移相モジュールを用いて、所望の加重機能を実現
することがある。これらのモジュールは、直線的アレイ
をなして配列され、時間遅延素子に対する移相素子の所
望の分布が実現される・・・・一般に、一定の瞬時帯域
幅において、移相素子数を減少させると、サイドローブ
レベルは増大する(しかし、サイドローブレベルパーフ
ォーマンスは、同様にまばら化した位相ステアリング形
アレイにおけるよりも著しく改善される)。一定の走査
周波数において、諸移相器は、直線的アレイに沿って時
間遅延移相による位相傾斜を整列させるような、対応す
る移相偏移量を生じるように整定され、それによって所
望の走査角を有する連続的同位相波面を発生する。2次
元アレイは、選択された数の直線的整相周波数アレイを
堆積することによって得られる。
【0064】
【発明の効果】本発明の技術上の利点には、次のものが
含まれる。整相周波数ステアリング形アンテナアレイ
は、(周波数可変性動作および/またはFMチャープに
おけるような)瞬時帯域幅の要求が、周波数ステアリン
グ形アレイを非実用的なものとする応用面において、位
相ステアリング形アンテナの代わりうる経済的有効姓を
示す。整相周波数ステアリングにおいては、移相素子を
用いて周波数走査の角の安定化を行ない、位相ステアリ
ング形アレイにおけると同程度のサイドローブレベルお
よび瞬時帯域幅のもとで、該アレイにおけるよりも高い
実効まばら化比が達成される。整相周波数ステアリング
は、一定の瞬時帯域幅において、必要な移相素子数とサ
イドローブレベルとの間のコスト/パーフォーマンスに
ついての比較的直接的な妥協を与える。まばら化が行な
われる平面内でのアンテナのサイドローブは、瞬時帯域
幅が広くなるとある程度増大するが、直交平面内におけ
るサイドローブレベルは劣化せず、主ビームのモノパル
スパーフォーマンスが著しく劣化することはない。さら
に、この技術は、レーダの断面積に著しい影響を与えな
い。整相周波数ステアリング技術は、地表、航空機、宇
宙分野において用いられる、能動性または受動性の、電
子ステアリング形アンテナアレイに対し、一般的適用性
を有する。この技術によって与えられる移相の安定化に
より、モノパルスヌルおよび主ビームは、瞬時帯域幅が
変化しても著しい走査は行なわず、通常の周波数ステア
リング形アンテナアレイによって得られる以上の瞬時帯
域幅の、それに対応した増大が可能となる。
【0065】以上においては、本発明を実施例について
説明してきたが、本技術分野に精通した者に対してはさ
まざまな改変が可能であることが示唆されたはずであ
り、それらは特許請求の範囲によって定められた本発明
の範囲内に含まれる。
【0066】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1) RF信号の送信および/または受信用の整相周
波数ステアリング形アンテナアレイであって、それぞれ
の位相要素が入力されたRF信号に対し選択されたそれ
ぞれの移相を導入するようになっている多重移相要素を
含み、それぞれの該移相要素が、関連する移相開口素子
にRF結合せしめられていると共に、該開口素子へのR
F信号入力に対し選択された時間遅延移相を導入するた
めの少なくとも1つの関連する時間遅延開口素子にもR
F結合せしめられており、それによって前記アレイが移
相および時間遅延開口素子の選択された分布を含み、そ
れぞれの移相要素および関連する移相および時間遅延開
口素子が移相/時間遅延モジュールをなしている、整相
周波数ステアリング形アンテナアレイ。
【0067】(2) 関連する移相開口素子にRF結合
せしめられた移相要素を含む少なくとも1つの移相モジ
ュールをさらに含み、該移相要素が該要素へのRF信号
入力に対し選択された移相を導入するようになってい
る、第1項記載の整相周波数ステアリング形アレイ。
【0068】(3) 前記RF信号が瞬時帯域幅を有す
ることを特徴とし、前記移相および時間遅延素子の分布
が所望のサイドローブレベルパーフォーマンスを実現す
るように選択されている、第1項記載の整相周波数ステ
アリング形アレイ。
【0069】(4) アンテナパターンが振幅加重され
ており、前記移相および時間遅延素子の分布がこの振幅
加重を考慮して行なわれている、第3項記載の整相周波
数ステアリング形アレイ。
【0070】(5) 前記多重移相/時間遅延モジュー
ルが、移相および時間遅延開口素子の選択された直線的
分布を有する少なくとも1つの直線的アレイをなして配
列されている、第1項記載の整相周波数ステアリング形
アレイ。
【0071】(6) 前記多重移相/時間遅延モジュー
ルが、多重堆積された移相/時間遅延モジュールの直線
的アレイにより形成される2次元アレイをなして配列さ
れている、第5項記載の整相周波数ステアリング形アレ
イ。
【0072】(7) 前記2次元アレイが、前記直線的
アレイの平面内において周波数ステアリングを受け、前
記堆積方向の次元内において位相ステアリングを受ける
ようになっている、第6項記載の整相周波数ステアリン
グ形アレイ。
【0073】(8) 前記RF信号が瞬時帯域幅を有す
ることを特徴とし、前記移相要素により導入されるそれ
ぞれの移相が該RF信号の周波数に対し協働的に選択さ
れることによって、前記移相/時間遅延モジュールにお
ける対応した移相偏移量を与え、それによって該諸モジ
ュールにおけるそれぞれの同位相波面部分を、前記瞬時
帯域幅内の少なくとも所定の整列周波数において整列せ
しめるようになっている、第1項記載の整相周波数ステ
アリング形アレイ。
【0074】(9) RF信号を送信および/または受
信するアンテナアレイの整相周波数ステアリング方法で
あって、多重移相開口素子および多重時間遅延開口素子
のそれぞれの移相素子が少なくとも1つの時間遅延素子
にRF結合せしめられている該多重移相開口素子および
該多重時間遅延開口素子の選択された分布を有するアレ
イを構成する段階と、それぞれの該移相開口素子におい
て該素子へのRF信号入力に対し選択された移相を導入
する段階と、それぞれの前記時間遅延開口素子において
該素子へのRF信号入力に対し時間遅延移相を導入する
段階と、前記移相素子により導入されるそれぞれの移相
を、これらの素子へのRF信号入力の周波数に関連して
選択することにより前記アンテナアレイを選択的にステ
アリングする段階と、を含む、アンテナアレイの整相周
波数ステアリング方法。
【0075】(10) 前記構成する段階が、前記移相
および時間遅延開口素子の選択された分布を直線的アレ
イとして構成する段階を含む、第9項記載の整相周波数
ステアリング方法。
【0076】(11) 前記アレイを選択的にステアリ
ングする段階が、前記直線的アレイの平面内において所
定の走査方向から到着するRF信号を受信するために、
前記多重移相素子により導入されるそれぞれの移相を、
これらの素子への該RF信号入力の周波数に対し協働的
に選択することによって前記アレイを選択的にステアリ
ングする段階を含む、第10項記載の整相周波数ステア
リング方法。
【0077】(12) 前記アレイを選択的にステアリ
ングする段階が、前記直線的アレイの平面内において所
定の走査方向へRF信号を送信するために、前記多重移
相素子により導入されるそれぞれの移相を、これらの素
子への該RF信号入力の周波数に対し協働的に選択する
ことによって前記アレイを選択的にステアリングする段
階を含む、第10項記載の整相周波数ステアリング方
法。
【0078】(13) 前記ステアリングする段階が、
前記2次元アレイを前記直線的アレイの平面内において
周波数ステアリングする段階と、該2次元アレイを堆積
方向の次元内において位相ステアリングする段階と、を
含む、第9項記載の整相周波数ステアリング方法。
【0079】(14) 前記RF信号が瞬時帯域幅を有
することを特徴とし、該RF信号の周波数に対して前記
移相素子のそれぞれの移相を協働的に選択することによ
りそれぞれの移相偏移量を生ぜしめ、それによって少な
くとも所定の整列周波数においてそれぞれの移相および
関連する時間遅延素子における同位相波面部分を整列せ
しめる段階をさらに含む、第1項記載の整相周波数アレ
イ。
【0080】(15) 前記整列周波数がほぼ前記瞬時
帯域幅の中央周波数である、第8項記載の整相周波数ア
レイ。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは本発明の整相周波数ステアリング形アンテ
ナアレイの構成の例示図で、直線的アレイをなして配列
された多重移相/時間遅延モジュールを示す。bは3素
子移相/時間遅延モジュールの詳細図。Cは移相/時間
遅延モジュールの直線的アレイに沿った同位相波面のグ
ラフで、移相素子を使用して対応する移相偏移量を導入
することによる、同位相波面部分の整列および連続的同
位相波面の実現を示す。
【図2】直線的整相周波数アレイの堆積により形成され
た2次元整相周波数アンテナの構成の例示図。
【図3】整相周波数アレイの一部をなす、マイクロ波導
波管構造の例示図。
【符号の説明】 10 整相周波数ステアリング形アンテナアレイ 21 移相モジュール 22−25 移相/時間遅延モジュール PS 移相器 PSE 移相開口素子 TDE 時間遅延開口素子 S−S13 同位相波面部分 φ−φ13 移相偏移量 100 2次元整相周波数ステアリング形アンテナアレ
イ 101−110 直線的アレイ 201,202 マイクロ波移相/時間遅延モジュール 212 移相器 231 移相開口導波管 232−235 時間遅延開口導波管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RF信号の送信および/または受信用の
    整相周波数ステアリング形アンテナアレイであって、 それぞれの移相要素が入力されたRF信号に対し選択さ
    れたそれぞれの移相を導入するようになっている多重移
    相要素を含み、それぞれの該移相要素が、 関連する移相開口素子にRF結合せしめられていると共
    に該開口素子へのRF信号入力に対し選択された時間遅
    延移相を導入するための少なくとも1つの関連する時間
    遅延開口素子にもRF結合せしめられており、 それによって前記アレイが移相および時間遅延開口素子
    の選択された分布を含み、 それぞれの移相要素および関連する移相および時間遅延
    開口素子が移相/時間遅延モジュールをなしている、整
    相周波数ステアリング形アンテナアレイ。
  2. 【請求項2】 RF信号を送信および/または受信する
    アンテナアレイの整相周波数ステアリング方法であっ
    て、 それぞれの移相開口素子が少なくとも1つの時間遅延開
    口素子にRF結合せしめられている多重移相開口素子お
    よび多重時間遅延開口素子の選択された分布を有するア
    レイを構成する段階と、 それぞれの該移相開口素子において該素子へのRF信号
    入力に対し選択された移相を導入する段階と、 それぞれの前記時間遅延開口素子において該素子へのR
    F信号入力に対し時間遅延移相を導入する段階と、 前記移相素子により導入されるそれぞれの移相を、これ
    らの素子へのRF信号入力の周波数に関連して選択する
    ことにより前記アンテナアレイを選択的にステアリング
    する段階と、を含む、アンテナアレイの整相周波数ステ
    アリング方法。
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