JPH0668231U - 導電ゴム部材およびこれを用いた耐腐食性異方導電ゴムコネクタ - Google Patents

導電ゴム部材およびこれを用いた耐腐食性異方導電ゴムコネクタ

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JPH0668231U
JPH0668231U JP741793U JP741793U JPH0668231U JP H0668231 U JPH0668231 U JP H0668231U JP 741793 U JP741793 U JP 741793U JP 741793 U JP741793 U JP 741793U JP H0668231 U JPH0668231 U JP H0668231U
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conductive
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conductive rubber
resistance
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勝久 相沢
野上隆
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本考案は導電性、耐湿性、非腐食性がすぐ
れていることから、高温多湿雰囲気、硫化雰囲気におい
ても抵抗値上昇率が低く、抵抗値の均一性、長期安定性
のすぐれた導電部材およびこれを用いた非腐食性異方導
電ゴムコネクタの提供を目的とするものである。 【構成】 本考案の導電部材は、少なくともその表面
がAuからなる非腐食性導電粉と、少なくともその表面
がAu以外の導電性材料からなり、体積固有抵抗が 0.1
Ω・cm以下である低抵抗導電粉とを絶縁ゴムに分散させ
た導電ゴムからなることを特徴とするものであり、この
非腐食性異方導電ゴムコネクタはこの導電部材を、絶縁
ゴムからなる絶縁シートを厚さ方向に配置するか、また
はこの導電層と絶縁ゴムからなる絶縁層とを交互に多数
配列してなることを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は導電ゴム部材およびこれを用いた耐腐食性異方導電ゴムコネクタ、特 には電気回路の接続などに使用される、導電性、耐湿性、非腐食性がすぐれた導 電ゴム部材およびこれを用いた耐腐食性異方導電ゴムコネクタに関するものであ る。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(LCD)とプリント基板(PCB)との接続、PCB−PCB 間の接続などの電気回路間の接続には、従来から導電ゴムと絶縁ゴムとを交互に 多数積層した構造の異方導電ゴムコネクタが多用されており、ここに使用されて いる導電ゴムはシリコーンゴムなどの電気絶縁性を有する絶縁ゴム中にいろいろ な導電性粉末を混合、分散させたもので、この導電性粉末としてカーボンブラッ クなどを配合したカーボン系導電ゴム、Ni、Agなどの金属粉を配合した金属 粉系導電ゴムなどが上げられる。
【0003】 しかし、このカーボン系導電ゴムは廉価であるけれどもその体積固有抵抗が1 Ω・cm程度にしかならず、電気回路間の接続抵抗が高くなるという欠点があり、 一方の金属粉系導電ゴムには使用する金属粉の種類によって体積固有抵抗は異な るけれども一般にカーボン系のものよりも低抵抗化が可能で、特にAg粉を使用 すると10-4Ω・cm台まで低抵抗化することができるので、電極間の接続抵抗を低 くすることができるという長所があるが、これには反面、金属粉が耐湿性、耐腐 食性に劣るので導電ゴムの貯蔵時、加硫硬化時、回路組み込み後の使用時に接続 抵抗が上昇し、安定した導電性が得られないなどの欠点がある。
【0004】 そのため、このような金属粉のもつ欠点を解決するためには、これに酒石酸に 例示されるような有機酸などの特殊処理剤で金属粉を表面処理したり、カップリ ング剤などの種々の添加剤を導電ゴムに添加することも提案されているが、いず れも長期な安定性が得られないという不利があり、これについては耐腐食性のす ぐれたAu粉を配合することも考えられるけれども、Au粉は非常に高価である し、Auは展延性が大きいために絶縁ゴムとの混合時に粉末の形状が変化してし まい、実用可能な導電ゴムが得られにくいという問題点がある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
他方、上記したカーボン系または金属粉系の導電ゴムと絶縁ゴムからなる異方 導電性ゴムコネクターはLCDと駆動回路との接続に多用されているが、LCD については近年、カラー画像表示、階調性画像表示が採用されるようになるに伴 なって接続抵抗の安定性、均一性、電圧降下の小さいことなどが要求されるよう になってきている。 そのため、この階調性画像表示については、各フレームの点灯/非点灯を制御 して階調をとるフレーム間引き方式、画素の集合密度を変えるハッチング方式、 フレームの印加電圧レベルを変えるレベル階調方式などが提案されているが、L CDと駆動回路との接続抵抗が1kΩを超える高いレベルでは、抵抗がバラック とコネクタ部における電圧降下(抵抗に比例する)が一電極ごとに大きく異なり 、LCDパネルに白と黒の線が走る表示となってしまって設計通りの階調性画像 表示とならず大きな問題となっている。
【0006】 しかし、接続抵抗が数Ω以下の低いレベルであれば、抵抗値自体にバラツキが あっても階調性画像表示用途には全く問題なく使用できるので、これについては 接続抵抗が低く、すなわち体積固有抵抗が低く、耐湿性、耐腐食性のすぐれた改 良された導電ゴム部材およびこれを用いた異方導電ゴムコネクタの提供が期待さ れている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような不利、欠点、問題点を解決した導電ゴム部材およびこれを 用いた耐腐食性異方導電コネクタに関するもので、これは少なくともその表面が Auからなる非腐食性導電粉と、少なくともその表面がAu以外の導電性材料か らなり、体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以下である低抵抗導電粉とを絶縁ゴムに均一 に分散させた導電ゴムからなる導電部材が、絶縁ゴムからなる絶縁シートの厚さ 方向に多数配置してなること、またはこの導電部材と絶縁ゴムからなる絶縁層と を交互に多数配列してなることを特徴とするものである。
【0008】 すなわち、本考案者らは60℃、95%RHなどの高温多湿雰囲気や H2S3ppm 、 40℃、80%RHのような硫化雰囲気に長時間放置後においても、耐湿性、耐腐食 性にすぐれており、抵抗値上昇率が低く、低抵抗接続が可能な導電部材およびこ れを用いた異方導電ゴムコネクタを開発すべく種々検討した結果、これについて は金属粉系導電ゴムが抵抗上昇するのは導電ゴムと対向基板との接触界面におけ る金属粉の腐食が抵抗値上昇の主な原因であるが、導電ゴム内部は導電ゴム表面 ほど腐食が進行していないことを見出すと共に、表面の接続抵抗を安定化させる ためには導電粉の種類やその配合比率などの導電ゴムの組成を検討した結果、導 電ゴムに対向基板との接触界面に常に非腐食性の導電粉、例えばAu粉などが存 在していれば良好な接続抵抗を長期間安定して得られることを見出し、この非腐 食性の導電粉と低抵抗導電粉とを均一に分散させた導電ゴムからなる導電部材と 絶縁ゴムからなる絶縁シート、あるいは絶縁層との配置方法についての研究を進 めて本考案を完成させた。 以下にこれをさらに詳述する。
【0009】
【作用】
本考案は導電部材およびこれを用いた耐腐食性異方導電ゴムコネクタに関する ものであり、これは前記したように少なくともその表面がAuからなる非腐食性 導電粉と、少なくともその表面がAu以外の導電性材料からなり、体積固有抵抗 が 0.1Ω・cm以下である低抵抗導電粉とを絶縁ゴムに分散させた導電ゴムからな ることを特徴とする導電部材と、その導電部材を絶縁ゴムからなる絶縁シートの 厚さ方向に配位してなることを特徴とするもの、またはこの導電部材と絶縁ゴム からなる絶縁層を交互に多数配列してなることを特徴とするものであり、このも のはいずれも導電性、耐湿性、非腐食性のすぐれた異方導電ゴムコネクタになる という有利性をもつものである。
【0010】 本考案の導電部材およびこれを用いた異方導電ゴムコネクタは少なくともその 表面がAuからなる非腐食導電粉と少なくともその表面がAu以外の導電性材料 からなる体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以下の低抵抗導電粉とを絶縁ゴムに分散させ た導電ゴムからなる導電部材およびこの導電部材と絶縁ゴムからなる絶縁シート 、あるいは絶縁層とからなるものとされる。 ここに使用される非腐食性導電粉は少なくともその表面がAuで被覆されてい るものであれば特に制限はなく、これには例えばAu粉、Auコート樹脂粉、A uコート金属粉、Auコートガラスビーズなどが好ましいものとされる。
【0011】 しかし、このものもその粒径が 100μmを超えると、導電ゴムから粉末が脱落 し易くなり、導電性が安定しなくなるので、これは粒径が 0.1〜 100μm、特に は 0.5〜30μmのものとすることがよいが、高温多湿雰囲気中などで導電ゴムの 表面に存在する低抵抗導電粉が腐食しても、対向電極と内部の非腐食層との電気 的導通路を確保するためには、この非腐食性導電粉の粒径は表面腐食層の厚さ以 上であることが必要であることから 0.1μm以上とすることがよい。
【0012】 また、ここに使用される低抵抗導電粉は少なくともその表面がAu以外の導電 材料からなるものとされるが、これはその体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以下のもの とすることが必要とされる。 この低抵抗導電粉としてはAg、Cu、Ni、Alなどの金属の電解粉、還元 粉、粉砕粉、アトマイズ粉などが好ましいものとして例示されるが、特には導電 率の低いAg、Cuを使用することが好ましい。このものの粒径はこれが0.01μ m以下では低抵抗導電粉を絶縁ゴムに混合させる際に低抵抗導電粉が飛散して作 業性が悪くなるし、また粉末同志が凝集して2次粉末を形成して絶縁ゴムへの混 合分散性が悪くなり、50μmを超えると粉末間の接触機会が減って抵抗が安定せ ず、粉末が脱落し易くなるので、これは0.01〜50μm、特には0.05〜20μmのも のとすることがよい。
【0013】 また、この低抵抗導電粉はAu以外の金属、例えばAgをコートした樹脂粉や セラミックス粉、ガラスビーズなどとしてもよく、このコート方法は非腐食性導 電粉と同様に無電解法によるメッキが一般的であるが、これは蒸着、スパッタ、 CVDなどの手法を用いてもよい。なお、この金属コート粉は安定した低抵抗の 導電性を与えるためにこのコート厚さは0.05μm以上、さらには 0.2μm以上と することが好ましく、この上限には特に制限はないがこの低抵抗導電粉の粒径で ある50μm以下とすることが望ましい。
【0014】 この核となる材料には非腐食性導電粉と同様に樹脂粉、金属粉、ガラスビーズ などが例示され、この樹脂粉としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコー ン樹脂、ウレタン樹脂などが、金属粉としてはAg、Ni、Cu、SUSなどが 挙げられるが、これは黄銅、ステンレス鋼、カーボンファイバーなどの導電繊維 、SnO2などの金属酸化物の粉末なども使用することができ、必要に応じこれらの なかから複数種を利用することも任意とされる。
【0015】 なお、この低抵抗導電粉はその体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以上であるとカーボ ン系導電ゴムに対して価格や抵抗値レベルなどの点で低抵抗導電粉を使用するメ リットがなくなるので、前記したように 0.1Ω・cm以下のものとされるが、本考 案の異方導電ゴムコネクタを得るためにはさらに0.01Ω・cm以下のものとするこ とが好ましい。ただし、得られる導電ゴムの抵抗値を安定させたり、低抵抗導電 粉の配合量を減らして低コスト化を計るなどのために、これにカーボンブラック 系導電粉やシリカ、タルクなどの無機質充填剤を添加するのは任意とされる。
【0016】 本考案における導電部材は上記した非腐食性導電粉と低抵抗導電粉を絶縁ゴム に分散させることによって得ることができるが、この絶縁ゴムとしてはシリコー ンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムなど の架橋ゴム、スチレン−エチレン−スチレン共重合体、ポリエステルエラストマ ーなどの熱可塑性エラストマーなどが例示されるが、これらの中では耐熱性、圧 縮永久歪み加工性のすぐれたシリコーンゴムとすることが好ましい。 なお、この絶縁ゴムについてはこれに耐熱性、老化防止性、引張り強度、圧縮 永久歪み、加工性などの各種物性を向上させる目的で、各種添加剤、シリカなど の補強剤などを添加するのは任意であり、これらの添加剤や上記した非腐食性導 電粉および低抵抗導電粉を絶縁ゴムに混合、分散させるにはオープンロール、3 本ロール、擂潰器などの混練・分散装置を使用すればよい。
【0017】 上記した非腐食性導電粉と低抵抗導電粉とを絶縁ゴムに混合、分散してなる導 電ゴム中における非腐食性導電粉と低抵抗導電粉との容量比率は、非腐食性導電 粉と低抵抗導電粉とを合計した全導電粉量中の非腐食性導電粉の割合が容量比率 で1%未満では、実用化に際して要求される対向基板との接続抵抗の長期安定性 が得にくく、短期間で接続抵抗が上昇し易く、逆にこれが20%を超えると抵抗値 は安定するが高価なAuを多量に使用するのでこの導電部材が高価なものになる ため、この容量比率は1/99〜20/80 、特には2/98〜10/90 の範囲とすることが望 ましい。
【0018】 なお、この全導電粉量はその配合量が30容量%未満では低抵抗導電粉を配合し たにも拘らず導電性が充分に発現されず、本考案の目的とする低い接続抵抗を達 成することが不可能となり、逆に70容量%を超えると導電ゴムとしての各種物性 、例えば引張り強度、圧縮永久歪み、弾性率などに悪影響が及ばされるので、こ れは30〜70容量%、特には40〜60容量%とすることがよい。
【0019】 本考案の異方導電ゴムコネクタは上記したように導電ゴムからなる導電部材と 絶縁ゴムからなる絶縁層あるいは絶縁シートからなるものであるが、ここに使用 する絶縁層あるいは絶縁シートの材料は上記した絶縁ゴムから作られたものとす ればよく、これは導電ゴム作製時に使用したものと同一であっても、別のもので あってもよいが、導電部材と絶縁シートとは互いに分離することがないように密 着一体化していることが必要とされるので、これらは同一の材料のものを使用す ることが好ましい。
【0020】 つぎに本考案の導電部材およびこれを用いた異方導電ゴムコネクタを添付の図 面について説明する。図1は本考案で用いられる導電部材の縦断面図を示したも のであるが、この導電部材は図示されているように絶縁ゴム4の中に非腐食性 導電粉2と低抵抗導電粉3が分散されたものとされる。 図2、図3、図4は本考案の耐腐食性異方導電ゴムコネクタの斜視図を示した ものであるが、図2の異方導電ゴムコネクタは図1に示されている導電部材 からなる導電層6を絶縁シート9で挟持したものである。
【0021】 また図3の異方導電ゴムコネクタは導電部材6と絶縁層7が交互に多数配列 されたもの(以下ゼブラ本体と略記する)であるが、この導電部材の厚さは0.01 〜 0.5mm、導電部材と絶縁層の厚さの比が 2/8〜8/2 でこの異方導電ゴムコネク タは幅2〜20mm、高さ1〜50mm、長さ10〜300mm とされるものである。これは図 4に示されているようにこのゼブラ本体の左右両側面に好ましくは絶縁ゴムから なる側材を貼付した構造のものであってもよく、さらに厚み、材質が異なっても よい。 この異方導電ゴムコネクタは対向基板間に挿入され、圧縮して使用されるの で、ゼブラ本体の圧縮荷重が高い場合には低硬度の絶縁ゴムからなる側材を使用 することで異方導電ゴムコネクタ全体の圧縮荷重を低減させることができるがこ の側材は低硬度化を計るためにゴム硬度が50°Hs(ショア硬度)、さらには40 °Hs以下とすることがよい。
【0022】 このようにして作られた本考案の非腐食性異方導電ゴムコネクタは表面がAu からなる非腐食性の導電粉を絶縁ゴム中に配合した導電部材をもっており、水分 や腐食ガスにより接触界面の低抵抗導電粉が腐食しても導電部材と対向基板との 接触界面に常に非腐食性の導電粉が存在するので、対向電極との接続抵抗が上昇 せず、表面層の接続抵抗が長期間にわたって安定する。 また、このものは導電部材内部が導電部材表面ほど腐食が進行しないことから 、腐食性のある低抵抗導電粉でも充分に電気的導通路を形成することができるの で、高価なAu粉やAuコート樹脂粉などを多重に使用する必要がなく、この低 抵抗導電粉としてはAg、CuのほかにNiなどの 金属も使用することができ る。
【0023】 また、この導電部材と絶縁層とから構成される本考案の異方導電ゴムコネクタ は、例えば60℃、95%RHの高温高湿雰囲気中や、 H2S3ppm 、40℃、80%RH の硫化雰囲気中に長時間放置後でも抵抗値上昇率が低く、耐湿性、耐腐食性にす ぐれているので、従来公知のカーボン系導電ゴムを使用したものに比べてより低 抵抗の接続ができるし、これは数Ω以下の低い接続抵抗が得られ、抵抗値自体の バラツキはあってもその変動幅は小さいもので、これは近年採用されているLC Dの階調性画像表示にも問題なく使用することができる。
【0024】
【実施例】
つぎに本考案の実施例、比較例をあげる。 実施例1 付加タイプ架橋の絶縁性シリコーンゴム・KE1940[信越化学工業(株) 製商品名](以下シリコーンゴムAと略記する) 100重量部に、平均粒径20μm で厚さ 0.7μmのAuコートを施したCu粉50重量部と平均粒径10μmの球状A g粉 400重量部を均一に配合し、加熱架橋して厚さ 0.1mmの導電ゴムを作り、こ の導電ゴムと厚さ 0.1mmの未架橋の絶縁性シリコーンゴムAとを交互に多数積層 したのち加熱し、絶縁性シリコーンゴムAを架橋させると共に、導電ゴムとこの 絶縁性シリコーンゴムAとを密着一体化させて図3の形状の異方導電ゴムコネク タを作製した。
【0025】 ついで、これを幅10mm、高さ3mm、長さ50mmに切断し、 0.5mm幅の電極が 1.0 mmピッチで配列されたAuメッキ銅張基板間にこの異方導電ゴムコネクタを挿入 し、20%圧着接続させてその接続抵抗を測定し、これについてはつぎにこれを80 ℃での高温試験、60℃、95%RHの高温多湿試験、 H2S3ppm 、40℃、80%RH での硫化試験で 1,000時間放置後の接続抵抗を測定したところ、後記する表1に 示したとおりの結果が得られ、このものは抵抗値の上昇が極く僅かであった。
【0026】 実施例2 エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDMゴム)とその架橋剤をシクロヘ キサノンとキシレンの混合溶剤に溶解させたのち、この 100重量部に平均粒径10 μmで厚さ 0.2μmのAuコートをしたフェノール樹脂粉10重量部と平均粒径15 μmの樹枝状Cu粉 600重量部を均一に配合し、これをポリエステルシート上に 厚さ 0.2mmで導電部材幅 0.2mm、ピッチ 0.5mmのライン状に印刷し、溶剤を蒸発 させ加熱架橋して導電部材を作った。
【0027】 また、これとは別に未架橋のEPDMゴムで厚さ3mmのシート状側材を作り、 この側材に上記のライン状導電部材を転写したのち、その上側に未架橋EPDM ゴム製の側材を貼合し、この2枚の側材間にライン状導電部材が挟持された構造 体を加熱してEPDMゴムを架橋させて同時に一体化して図2の形状の異方導電 ゴムコネクタを作製し、これを幅 6.2mm、高さ1mm、長さ50mmに切断し、これに ついて実施例1と同様にその抵抗値を測定したところ、後記する表1に示したと おりの結果が得られ、このものの抵抗値の上昇は極く僅かであった。
【0028】 実施例3 スチレン−エチレン−スチレン共重合体(S−E−B−S) 100重量部に平均 粒径5μmのAu粉30重量部と平均粒径50μmのSnコート樹脂粉75重量部を均 一に混合して厚さが0.05mmの導電ゴムを作り、この導電ゴムと厚さ0.05mmの絶縁 性S−E−B−S共重合体を熱ラミーしてゼブラ本体を作成し、これを厚さ 1.0 mmに切断した。さらにこの左右両面に厚さが 1.0mmのS−E−B−S製側材を熱 ラミーし、高さ10mm、長さ 100mmに切断して図4の形状の異方導電ゴムコネクタ を作製し、これについて実施例1と同様の試験を行なったところ、後記する表1 に示したとおりの結果が得られ、このものの初期値に対する抵抗値の上昇は僅か であった。
【0029】 比較例1 実施例1においてAuコートCu粉を添加しなかったほかは実施例1と同様に 処理して異方導電ゴムコネクタを作製し、これについて実施例1と同様の試験を 行なったところ、このものの接続抵抗は初期値は実施例1とほとんど同等であっ たが、高湿試験、高温多湿試験では表1に示したように抵抗値が上昇し、硫化試 験では 240時間後ですでに 105Ω以上になってしまった。
【0030】
【表1】
【0031】
【考案の効果】
本考案は導電ゴム部材およびこれを用いた非腐食性異方導電ゴムコネクタに関 するものであり、これは前記したように少なくともその表面がAuからなる非腐 食性導電粉と、少なくともその表面がAu以外の導電性材料からなり、体積固有 抵抗が 0.1Ω・cm以下である低抵抗導電粉とを絶縁ゴムに分散させた導電ゴムか らなることを特徴とする導電部材およびこの導電部材を絶縁ゴムからなる絶縁シ ートの厚さ方向に配置するか、この導電部材と絶縁ゴムからなる絶縁層を交互に 多数配列してなることを特徴とするものであるが、このものは導電ゴム中に非腐 食性導電粉が添加されており、異方導電ゴムコネクタの表面にこの非腐食性導電 粉が存在するので、接触界面で低抵抗導電粉が腐食しても対向電極との接続抵抗 は上昇せず、これが長期間にわたって安定したものとなり、これはまた高温多湿 雰囲気さらには硫化雰囲気中でも抵抗値上昇率が低く、したがって抵抗値の均一 性、電圧降下に小さいなどの要求に応えることができ、近年採用されているLC Dの階調性画像表示にも対応できるという有利性をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の導電部材の縦断面図を示したものであ
る。
【図2】本考案の非腐食性異方導電ゴムコネクタの斜視
図を示したものである。
【図3】本考案の非腐食性異方導電ゴムコネクタの他の
例の斜視図を示したものである。
【図4】本考案の非腐食性異方導電ゴムコネクタのさら
に他の例の斜視図を示したものである。
【符号の説明】 …導電部材、 2…非腐食性導
電粉、3…低抵抗導電粉、 4…絶縁
ゴム、…非腐食性異方導電ゴムコネクタ、 6…導電
部材、7…絶縁層、 8…側
材、9…絶縁シート。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともその表面がAuからなる非腐食
    性導電粉と、少なくともその表面がAu以外の導電性材
    料からなり、体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以下である低抵
    抗導電粉とを絶縁性ゴムに分散させた導電性ゴムからな
    ることを特徴とする導電ゴム部材。
  2. 【請求項2】少なくともその表面がAuからなる非腐食
    性導電粉と、少なくともその表面がAu以外の導電性材
    料からなり、体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以下である低抵
    抗導電粉とを絶縁性ゴムに均一に分散させた導電性ゴム
    からなる導電部材を、絶縁ゴムからなる絶縁シートの厚
    さ方向に配置してなることを特徴とする耐腐食性異方導
    電ゴムコネクタ。
  3. 【請求項3】少なくともその表面がAuからなる非腐食
    性導電粉と、少なくともその表面がAu以外の導電性材
    料からなり、体積固有抵抗が 0.1Ω・cm以下である低抵
    抗導電粉とを絶縁性ゴムに均一に分散させた導電ゴムか
    らなる導電部材と、絶縁性ゴムからなる絶縁層とを交互
    に多数配列してなることを特徴とする耐腐食性異方導電
    ゴムコネクタ。
  4. 【請求項4】非腐食性導電粉と低抵抗導電粉との和であ
    る全導電粉量が導電ゴムの30〜70容量%であり、全導電
    粉量 100容量部に対する非腐食性導電粉の量が1〜20容
    量%である請求項2または3に記載した耐腐食性異方導
    電ゴムコネクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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