JPH0667863B2 - 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法 - Google Patents

2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法

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JPH0667863B2
JPH0667863B2 JP61081043A JP8104386A JPH0667863B2 JP H0667863 B2 JPH0667863 B2 JP H0667863B2 JP 61081043 A JP61081043 A JP 61081043A JP 8104386 A JP8104386 A JP 8104386A JP H0667863 B2 JPH0667863 B2 JP H0667863B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2,6−ジイソプロピルナフタレンを酸化し、酸
分解して2,6−ジヒドロキシナフタレンを製造する方法
に関する。
〔従来技術〕
2,6−ジイソプロピルナフタレンを酸化して2,6−ジイソ
プロピルナフタレンジヒドロペルオキシドとし、これを
酸性触媒にて酸分解することによつて、2,6−ジヒドロ
キシナフタレンを得ることができる。この2,6−ジヒド
ロキシナフタレンは、例えば、合成樹脂、合成繊維、医
薬品、農薬、染料等の原料として産業上有用である。
米国特許第4,503,262号明細書には2,6−ジイソプロピル
ナフタレンを有機溶剤に溶解し、重金属塩触媒、例えば
有機酸コバルトの存在下に分子状酸素にて酸化して、2,
6−ジイソプロピルナフタレンジヒドロペルオキシドを
製造する方法において、特に、上記有機溶剤として炭素
数5〜14の脂肪族炭化水素溶剤、例えばn−ヘプタンを
用いることによつて、反応速度、目的とするジヒドロペ
ルオキシドの収率及び純度を向上させ得ることが記載さ
れている。
しかし、従来、塩基水溶液の存在下に2,6−ジイソプロ
ピルナフタレンを分子状酸素によつて酸化してジヒドロ
ペルオキシドとし、これを酸性触媒の存在下に酸分解す
ることによつて2,6−ジヒドロキシナフタレンを得るた
めの工業的な方法は知られておらず、僅かに2,6−ジイ
ソプロピルナフタレンの類縁化合物であるβ−イソプロ
ピルナフタレンを塩基水溶液の存在下に分子状酸素にて
酸化してβ−イソプロピルナフタレンヒドロペルオキシ
ドを製造する方法が特開昭51-34138号公報や英国特許第
654,035号に記載されているにすぎない。
しかしながら塩基水溶液の存在下での2,6−ジイソプロ
ピルナフタレンの分子状酸素による酸化においては、例
えば、β−イソプロピルナフタレンに比較して、厳しい
酸化条件を必要とし、その結果、酸化反応を阻害するナ
フトキノン類の生成も増大するので、β−イソプロピル
ナフタレンの酸化方法を2,6−ジイソプロピルナフタレ
ンにそのまま適用することは困難である。他方ジイソプ
ロピルベンゼン類を塩基水溶液の存在下で酸化してジイ
ソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシドとし、これを
酸性触媒の存在下に分解してヒドロキノン又はレゾルシ
ンを製造する方法も既によく知られている。しかし2,6
−ジイソプロピルナフタレンは、前記パラジイソプロピ
ルベンゼンやメタジイソプロピルベンゼンに比較して
も、その反応性が異なるので、前記ジイソプロピルベン
ゼンの反応に関する先行技術に基づいて、2,6−ジイソ
プロピルナフタレンの酸化及びその後の酸分解によつて
高収率にて目的とする2,6−ジヒドロキシナフタレンを
製造し得る条件を予測することは極めて困難である。
〔発明の目的〕
本発明者等は2,6−ジイソプロピルナフタレンの酸化及
びその後の酸分解反応による2,6−ジヒドロキシナフタ
レンの製造について、工業的に実施し得る方法、すなわ
ち、2,6−ジイソプロピルナフタレンの酸化反応混合物
を酸性触媒の存在下に効率良く酸分解して2,6−ジヒド
ロキシナフタレンを高収率で製造することの出来る工業
的な方法について検討した。
〔発明の概要〕
その結果、下記方法を採用すれば前記目的を達成できる
ことを見出し本発明を完成するに到つた。すなわち、本
発明の方法によれば、2,6−ジイソプロピルナフタレン
をアルカリの存在下に分子状酸素で酸化して得られる酸
化反応混合物に炭素数5ないし10の非水溶性ジアルキル
ケトンを加えて油相及び水相からなる二液相を形成させ
た後油相を分離し、これにアセトンを加えて酸性触媒の
存在下に酸分解することを特徴とする2,6−ジヒドロキ
シナフタレンの製造方法が提供される。
〔発明の構成〕
本発明では2,6−ジイソプロピルナフタレンを塩基水溶
液の存在下に分子状酸素で酸化して得られる酸化反応混
合物が酸性触媒の存在下に酸分解されて2,6−ジヒドロ
キシナフタレンが製造される。この場合の2,6−ジイソ
プロピルナフタレンの酸化反応については、本出願人に
係る特願昭59-220549号、特願昭59-214275号及び特願昭
60-31565号において示された酸化方法を採用することが
できる。すなわち、酸化をハロゲン化炭化水素などの特
定の溶媒の存在下に行う方法、あるいはクメンなどの第
2級アルキル基置換芳香族炭化水素の存在下に共酸化し
ながら酸化を行う方法、あるいは無溶媒下に強撹拌条件
のものと酸化する方法などいずれの方法を用いてもよ
い。以下に無溶媒下における酸化反応の場合を例として
具体的に示す。
2,6−ジイソプロピルナフタレンの酸化反応は、塩基水
溶液中に2,6−ジイソプロピルナフタレンを加え、機械
的に混合して乳化状態とし、これに分子状酸素を含む気
体を吹き込むことによつて行うことができる。
上記塩基としてはアルカリ金属化合物が好ましく用いら
れる。このアルカリ金属化合物としては、具体的には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等を例示することができる。これらアルカ
リ金属化合物の水溶液における濃度は20重量%以下が好
ましい。また、反応混合物における塩基水溶液の使用量
は、通常、反応混合物の5〜80重量%を占めるのが好ま
しく、特に、20〜70重量%の範囲にあることが好まし
い。塩基水溶液の使用量が反応混合物の5重量%よりも
少ないときは、油状の未反応2,6−ジイソプロピルナフ
タレン及びその酸化生成物と、塩基水溶液からなる反応
液の分散状態がよくなく、乳化状態が不十分となつて、
酸化反応に不利な影響を及ぼす。他方、塩基水溶液の使
用量が80重量%よりも多く場合も、反応系の乳化状態が
悪くなるので好ましくない。また、酸化反応において
は、塩基水溶液のpHは通常は7以上、好ましくは13以上
に保持される。
尚、2,6−ジイソプロピルナフタレン及びその酸化生成
物と、塩基水溶液は、通常、機械的な撹拌によつて十分
に乳化させることができるが、必要に応じて、例えば、
ステアリン酸等の従来より知られている乳化剤の存在下
に撹拌してもよい。
前記塩基として、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化
物も用いることができる。特に、水酸化カルシウムが好
ましい。これらアルカリ土類金属水酸化物は、単独で用
いてもよく、また、前記アルカリ金属化合物と併用して
もよい。
分子状酸素としては、酸素ガスを単独で用いてもよい
が、通常、空気で十分である。分子状酸素の所要量は、
通常、酸化反応のための仕込み2,6−ジイソプロピルナ
フタレン100g当り、酸素ガス換算にて5〜15Nl/時の範
囲であるが、特に、制限されるものではない。
反応温度は、通常、80〜150℃、好ましくは90〜130℃で
あり、反応時間は反応温度等の条件によつても異なる
が、通常は6〜40時間である。本発明においては2,6−
ジイソプロピルナフタレンの反応率を80%以上、好まし
くは90%以上、より一層好ましくは95%以上となる迄酸
化を行うことが好ましい。尚、反応は、普通、常圧下に
行われるが、必要に応じて加圧下又は減圧下に行うこと
もできる。
2,6−ジイソプロピルナフタレンの上記酸化反応におい
ては、好ましくは反応開始剤が用いられる。例えば、
α,α′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)や、後述するDHP、MHP等を反応開始剤として用い
ることができる。これらを用いることによつて、反応の
誘導期間を短縮することができる。その使用量は、通
常、原料2,6−ジイソプロピルナフタレンを含む仕込み
反応混合物100重量部当たり0.005〜1重量部の範囲であ
る。
上に説明したような2,6−ジイソプロピルナフタレンの
酸化反応によつて、2,6−ジイソプロピルナフタレンジ
ヒドロペルオキシド(以下、DHPという。)のほかに、
副生物として、2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
−6−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ナフタ
レン(以下、HHPという。)、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ナフタレン(以下、DCAとい
う。)、2−イソプロピル−6−(2−ヒドロキシ−2
−プロピル)ナフタレン(以下、MCAという。)のよう
なカルビノール類が生成し、また、2−イソプロピル−
6−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ナフタレ
ン(以下、MHPという。)のようなモノヒドロペルオキ
シドが生成する。
上記酸化反応による反応生成物の組成を求めるには、反
応後に有機相と水相とを分離し、この水相をエーテル等
で抽出し、有機相及びエーテル抽出液を液体クロマトグ
ラフイーにて分析すれば、未反応2,6−ジイソプロピル
ナフタレンと酸化反応生成物であるDHP、HHP、DCA、MH
P、MCA等を定量することができる。
本発明では上記の2,6−ジイソプロピルナフタレンの反
応生成物を含有する酸化反応混合物(アルカリ水溶液含
有)に炭素数5ないし10の非水溶性ジアルキルケトンを
加えて油相及び水相からなる二液相を形成させた後油相
を分離する。この場合、本発明では先の酸化反応をハロ
ゲン化炭化水素などの特定の溶媒の存在下に、あるいは
クメン等の第2級アルキル基置換芳香族炭化水素の存在
下に共酸化する方法を採用した場合には、酸化終了後の
酸化反応混合物中にはこれら溶媒あるいは該芳香族炭化
水素が混合されているが、本発明ではこれらのものは必
要に応じて本発明に係わる非水溶性ジアルキルケトンを
加える前に蒸留等によつて適宜量除去しても差し支えな
い。
本発明では該酸化反応混合物に前述の如く炭素数5ない
し10の非水溶性ジアルキルケトンが加えられて二液相を
形成させた後油水分離が行われるが、この点について説
明すると、特に本発明のように2,6−ジイソプロピルナ
フタレンの酸化反応において前述した如く反応率が80%
以上となる迄高度に酸化した場合には、酸化反応混合物
中には反応時の高温では液状を呈するが常温迄冷却する
とDHPやこの他の酸化生成物のように固化するものの量
的割合が増大するので、この場合には酸化反応器を出て
冷却を受けた酸化反応混合物はアルカリ水溶液を取り込
んで固化しているため、このままでは酸化反応混合物か
らアルカリ水溶液を除去することは容易でない。従つ
て、2,6−ジイソプロピルナフタレンを酸化して2,6−ジ
ヒドロキシナフタレンを工業的に製造するプロセスにお
いては、酸化反応混合物が冷却を受けても、酸化反応生
成物を溶解し固化を防止して取り扱いを容易にならしめ
る方法を施す必要がある。該方法としては酸化反応混合
物に溶媒を加えることが考えられる。そこで本発明者等
はこれについて検討したところ、本発明の場合には以下
の理由から炭素数5ないし10の非水溶性ジアルキルケト
ンが特に優れていることを見出したものである。すなわ
ち溶媒として本発明に係わる非水溶性ジアルキルケトン
以外の有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン
等の本発明に係わる非水溶性ジアルキルケトンを除くケ
トン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢
酸、プロピオン酸等の低級脂肪族カルボン酸あるいはベ
ンゼン、トルエン、ヘプタン等の炭化水素を用いた場合
には、本発明に係わる非水溶性ジアルキルケトンを使用
した場合に比べて油水分離操作がそれ程簡単でなく酸化
反応生成物の溶解性の点からも油水分離の効率が好まし
くないことの他に更に重要なことには分離された油相中
にアルカリが多量残存して除去されにくいために次の酸
分解反応を行う上で好ましくないという問題がある。そ
してこのような脱アルカリの不完全な油相を酸分解の原
料として使用した場合にはDHPの酸分解によつて生成す
る2,6−ジヒドロキシナフタレンの収率が低下する。こ
のような理由から本発明では炭素数5ないし10の非水溶
性ジアルキルケトンが使用される。
本発明で使用される炭素数5ないし10の非水溶性ジアル
キルケトンとして具体的にはメチルプロピルケトン、メ
チルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケト
ン、エチルイソブチルケトン、プロピルブチルケトン、
ジイソブチルケトン、アミルブチルケトンを例示できる
が、これらの中ではMIBKが好ましい。炭素数5未満のジ
アルキルケトンでは非水溶性とならないので、又炭素数
が10を越えたジアルキルケトンの場合には酸化反応生成
物の溶解性が悪くなるので好ましくないことから本発明
では上記範囲のジアルキルケトンが使用される。
本発明では該非水溶性ジアルキルケトンの使用量につい
ては、酸化反応混合物(アルカリ水溶液含有)の1重量
部に対して通常前記非水溶性ジアルキルケトンは0.2〜
5重量部、好ましくは0.5〜3重量部であり、このMIBK
を加えた酸化反応混合物を通常30〜90℃の温度範囲に保
持して水相及び油相よりなる二液相を形成させた後DHP
を含有する酸化反応生成物を含むMIBK層からなる油層が
分離される。この場合、酸化反応時に使用されたアルカ
リ水溶液は水相として除去される。油相は必要に応じて
水で適宜洗浄しても差し支えない。本発明に係るMIBKを
使用する方法によれば、分離後の油相中に混入するアル
カリ量をMIBKを用いない場合に比べて容易に通常20ppm
以下と少なくすることができる。油相中のアルカリ濃度
は原子吸光法や中和滴定法によつて求めることができ
る。
本発明では前記方法によつて分離された油相は、これに
アセトンが加えられて酸性触媒の存在下に酸分解するこ
とにより目的とする2,6−ジヒドロキシナフタレンが製
造される。
本発明では先の油相にアセトンを加えないで酸分解を行
つた場合には2,6−ジヒドロキシナフタレンの収率が低
下するので好ましくない。
本発明では前記方法によつて分離された油相の1重量部
当たりアセトンは通常0.2〜2、好ましくは0.5〜1重量
部加えられる。
酸分解反応における酸性触媒としては、硫酸、塩酸、リ
ン酸等の無機酸、強酸性イオン交換樹脂、シリカゲル、
シリカアルミナ等の固体酸、クロロ酢酸、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有
機酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテ
ロポリ酸等が好ましく用いられる。酸性触媒の使用量
は、その種類及び反応条件にもよるが、通常、全反応混
合物に対して0.05〜10重量%の範囲である。本発明では
酸分解反応は0〜100℃、好ましくは20〜80℃の範囲で
行われる。
本発明ではDHPを酸性触媒によつて酸分解する場合、必
要に応じて2,6−ジヒドロキシナフタレンを得ると同時
にこの酸分解反応に際して過酸化水素を共存させて、上
記副生物であるカルビノール類のうち、HHPとDCAとをジ
ヒドロペルオキシド類に酸化し、このジヒドロペルオキ
シドをも同時に酸性触媒にて酸分解する方法を採用する
こともでき、この場合には高収率にて2,6−ジヒドロキ
シナフタレンを得ることができるので好ましい。
上記過酸化水素としては、過酸化水素又は過酸化水素水
溶液のほかに、反応条件下で過酸化水素を発生する物
質、例えば、過酸化ナトリウムや過酸化カルシウム等を
用いることができるが、過酸化水素水溶液を用いること
が好ましい。特に、本発明の方法においては、酸分解反
応に際して、過酸化水素を前記カルビノール類のアルコ
ール性水酸基1モル当り、0.9〜2モル、好ましくは1.0
〜1.5モルの割合にて用いることによつて、目的とする
2,6−ジヒドロキシナフタレンを高収率にて得ることが
できる。また、かかる条件にて過酸化水素を用いること
によつて、同時にカルビノール類の縮合に基づく副生物
の生成を著しく制御することができるので好ましい。
本発明では酸分解するに先立つて先の分離された酸化反
応生成物を含む油相は必要に応じて蒸留して油相に残存
する水を除去しても差し支えない。該方法を採用する場
合には蒸留は通常、圧力50〜200mmHg、温度50〜90℃で
蒸留することにより、水はMIBKと共沸して留出し、水分
濃度を1000ppm以下にすることができる。
反応終了後に反応混合物から2,6−ジヒドロキシナフタ
レンを分離するには、何ら限定されるものではないが、
例えば、次の方法によることができる。即ち、反応混合
物中の酸性触媒を中和し、次いで、反応混合物から減圧
下に溶剤を除去して濃縮した後、この濃縮物を例えばク
メンのような熱芳香族炭化水素と混合し、冷却すれば、
2,6−ジヒドロキシナフタレンの粗結晶が析出する。未
反応2,6−ジイソプロピルナフタレンや望ましくない副
生物は、クメン中に溶解されて除去される。
上記粗結晶は必要に応じて再結晶や昇華等によつて高純
度の結晶とすることができる。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば酸化反応混合物を溶液として扱う
ことができるために取扱いが非常に容易となりしかもア
ルカリ水溶液を容易に油水分離することができ、かつ油
相に混入するアルカリの量を極力少なくすることができ
るためとアセトンを含有させたことにより、DHPを効率
良く酸分解できるために、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ンを高収率で製造することができる。
〔実施例〕
以下本発明の方法を実施例によつて具体的に説明する。
実施例1 回転撹拌機、ガス吹き込み管、温度計及び還流冷却器を
備えた500ml容量オートクレーブ(SUS 316L製)に2,6−
ジイソプロピルナフタレン50g、4.5%水酸化ナトリウム
水溶液100g及びα,α′−ビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)0.1gを仕込み、反応温度100℃、圧力5
kg/cm2Gにて内容物を強力に撹拌しながら、空気を20
/時の割合で吹き込んで、9時間反応を行つた。2,6−
ジイソプロピルナフタレンの反応率は99.3%であつた。
得られた酸化反応生成物にメチルイソブチルケトン(MI
BK)100gを加えた後、油相(メチルイソブチルケトン
相)と水相を分離した。
この酸化反応を同時にしてその後3回行つて、得られた
酸化反応生成物を含むMIBK層からなる油相を合体した。
それぞれの反応における2,6−ジイソプロピルナフタレ
ンの反応率は99.5%、99.4%及び99.2%であつた。この
合体した油相に含まれる酸化反応生成物の組成は、液体
クロマトグラフイー分析の結果、 DHP 5.6重量% HHP 12.3重量% DCA 6.4重量% MHP 2.8重量% MCA 1.7重量% その他(分子量を212とする。) 7.6重量% であつた。また該油相の水分含量はカールフイツシヤ法
による分析によると3.0%であり、アルカリの量は15ppm
であつた。
次に上記方法によつて得られた油相の100重量部当たり
アセトンを60重量部加えて(MIBK/アセトン)混合油相
をつくり、以下の方法によつて酸分解して2,6−ジヒド
ロキシナフタレンを得た。回転撹拌機、還流冷却器、酸
分解原料供給管及び酸性触媒溶液供給管を備えた300ml
容量ガラス製反応容器に1.7重量%硫酸を含むアセトン
溶液6.6gを仕込んだ。温度を常に65℃に保つた湯浴上に
この反応容器を載置した。加熱によつてアセトンが還流
し始めたとき、酸分解原料供給管から前記酸化生成物の
(MIBK/アセトン)混合油相72g、60%過酸化水素水4.0
gの混合物の供給を開始した。この酸分解原料の供給開
始と同時に酸性触媒溶液供給管から1.7%硫酸を含むア
セトン溶液10gの供給をも開始し、1時間後に供給を終
えた。尚、分解原料及び硫酸のアセトン溶液の供給量は
小型定量ポンプにて求めた。この後、更に3時間反応を
行つた。
反応終了後、液体クロマトグラフイー及びガスクロマト
グラフイー分析の結果、酸分解反応生成物には9.6重量
%の2,6−ジヒドロキシナフタレンが含まれていた。従
つて、この場合の反応成績は、酸分解原料に含まれるDH
P、HHP及びDCAを基準として、2,6−ジヒドロキシナフタ
レン収率99.5モル%であつた。また、このときの仕込み
の2,6−ジイソプロピルナフタレンを基準とした2,6−ジ
ヒドロキシナフタレンの総合収率は62モル%であつた。
実施例2 実施例1において得られた酸性反応生成物を含むMIBK層
からなる油相を最終的に100mmHg、80℃の条件で蒸留し
て、油相に残存する水をMIBKと共に共沸留出させて油相
中の水分濃度をカールフイツシヤー法で測定して1000pp
m以下にしてから実施例1と同様にして酸分解を行つた
結果を表1に示した。
比較例1〜4 実施例2において酸化反応生成物にMIBKを加える代わり
にアセトン(比較例1)、メチルエチルケトン(比較例
2)、エタノール(比較例3)、又はベンゼン(比較例
4)を同様に加えた以外は実施例2と同様にして酸分解
反応を行つた。この場合の酸化反応終了後に行う油水分
離操作の難易、分離された油相中のアルカリ量、蒸留処
理後の油相の水分含有率及び2,6−ジヒドロキシナフタ
レンの酸分解原料に含まれるDHP、HHP及びDCAを基準と
する収率を表1に示す。
比較例5 実施例1において、酸分解反応を実施するに当たつてア
セトンを添加しなかつた以外は該実施例と同様にして行
つた結果を表1に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,6−ジイソプロピルナフタレンをアルカ
    リの存在下に分子状酸素で酸化して得られる酸化反応混
    合物に炭素数5ないし10の非水溶性ジアルキルケトンを
    加えて油相及び水相からなる二液相を形成させた後油相
    を分離し、これにアセトンを加えて酸性触媒の存在下に
    酸分解することを特徴とする2,6−ジヒドロキシナフタ
    レンの製造方法。
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CN115490578B (zh) * 2022-09-23 2023-12-22 江苏理工学院 一种碳同位素标记的三氯生的制备方法

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