JPH0667579U - 排水用鋳鉄管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排水用鋳鉄管の配管工事を容易にし、作業能
率を向上する。 【構成】 管体外周部のフランジまたはフランジ近傍に
管と一体構造の管支えを形成する。 【効果】 管と一体的に管支えが設けられているので、
配管施工時に管支えの取付作業を不用にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

従来よる、排水用鋳鉄管は、建築物および敷地内の排水などに広範に使用され ており、直管および異形管の管形態が知られている。 このような鋳鉄管は一般に、直管、異形管に係わらず一個につき少なくとも一 つの管支えで支持して配管されねばならない。従来技術に於いて、例えば図５に 示すような異形管１０を支持する場合、管胴部１１の適宜個所に、図６に例示す るような吊バンド１２を嵌着し、ボルト・ナット１３で管胴部を緊締した後、前 記吊バンド１２をターンバックルに取り付けるなどして行っている。 処で、前記吊バンドの如き管支えは通常、使用条件に応じて適当に配置されか つ配管に無理が生じないように設けられるが、特に管の方向を変える箇所・分岐 する箇所、他管との接続を行う管端部およびバルブ近くなどに配置され、熱膨張 や機械振動および流体振動などによる配管の移動または振動を拘束あるいは制限 するために用いられている。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】

しかしながら、既述したような管支えの配置箇所は、例示した図からも容易に 推察されるように、管の変形部もしくは管端部のために管支えなどの配管用品を 取り付けるための取付作業が行い難く、従って、配管作業のために過大な労力を 必要とした。また、配管作業時にこれら配管用品の取り揃えを怠ることがあった り、必要個数を間違えることがあったりして、準備作業に手間を要した。 本考案は、上記実情に基づいてなされたもので、取付作業を不用にして配管作 業を容易にすると共に、準備のための煩わしさも開放できる排水用鋳鉄管を提供 することを目的とする。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案の上記目的は、フランジまたはフランジ近傍の管体外周面か ら一体化構造によって突設する支持片を介して釣支可能に設けられる排水用鋳鉄 管によって達成される。 また、本考案の上記目的は、管体外周面から一体化構造によって突設しかつ軸 線方向に沿って配列される複数個の支持片の少なくも一つを介して釣支可能に設 けられる排水用鋳鉄管により達成される。

【０００４】

【作用】

管体を支持するための支持片を管体と一体に製造することにより、管支えなど の取付作業を不用にして配管作業が簡単化でき、かつ準備作業も省略できる。特 に支持片が配管のために重要な箇所に一体化して設けられることにより、完全な 配管作業を確実かつ容易に実施できる。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の排水用鋳鉄管の実施例を添付図面に基づいて詳説する。 図１は、本考案の一実施例による排水用鋳鉄管の支持状態を示す図である。 図において、排水用鋳鉄管１は、フランジ近傍の管体外周面に一体化構造によ り設けられた管支えとしての支持片２を備えている。前記支持片２は管の軸線に 沿って平板状に突設した耳部の中心に吊ボルト用の孔（図４参照）５を穿設した 構成からなっており、前記排水用鋳鉄管１は、柱梁などに固定して垂下された市 販のターンバックル３に、前記孔５を通した吊ボルト４をナット締めすることに より釣支される。 なお、前記支持片２は鋳造により管と一体に製造される。 上記の如く支持片２を構成することにより、例えば図２に示すように、配管作 業時に前記ターンバックル３と支持片２の取付位置に多少の位置ずれが生じた場 合にも、吊ボルト４の締め付け位置を調整して対応することができ、汎用性があ る。

【０００６】 図３は、本考案の他の実施例を図示しており、この実施例では、先の実施例と 同様の一体構造の支持片２が管体外周面を軸線方向に沿って複数個設けられてい る。更に、前記支持片２はその間隔が、配管の質量などに応じてその支持位置を 任意に選択できるように、互いに異なる間隔を有する複数個がグレープ化して配 列されており、配管時に各グループ内の少なくとも一つが用いられて釣支される 。また、このように配列することにより、ターンバックルとの位置ずれにも対応 できる。

【０００７】 図４は、前記支持片２が管フランジ６に設けられた様子を示している。前記支 持片２の中心には、上記各実施例と同様、吊ボルト用の孔５が設けられている。 このように支持片２をフランジ６に設けることにより、配管時の移動や振動を拘 束あるいは制限して、例えば他管との接続を確実に維持できる。

【０００８】 なお、上記各実施例では、平板状の支持片２を管の軸線方向に沿って配置する ように記載したが、軸線と直交する方向に配置しても良いことは当然である。し かし、熱膨張などの管の移動に対しては、軸線方向に沿った平板状として構成し た方が拘束力を増すことができる。 また、上記構成の各排水用鋳鉄管は、従来と同様、下水道、浄化装置および送 電線用として適用することができる。

【０００９】

【考案の効果】

以上記載したとおり、本考案の排水用鋳鉄管によれば、管と管支えが一体構造 により製造されているので、管支えの取付作業が省略されて配管作業を極めて容 易にしかつ工期短縮が図れる。また、一体化構造により、管支えの用意を忘れる ことがないため、準備作業を軽減しかつ後掛かり工事を不用にして作業能率が向 上する。更に、管支えが予め配管の重要な箇所に設けられているので、配管を確 実にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による排水用鋳鉄管の正面図
である。

【図２】図１の排水用鋳鉄管が釣支される様子の一例を
示した図である。

【図３】本考案の他の実施例による排水用鋳鉄管の正面
図である。

【図４】図１の支持片がフランジに設けられた様子を示
す図である。

【図５】従来構造による異型管の一つを示した斜視図で
ある。

【図６】従来構造による配管用品の一つを示した斜視図
である。

【符号の説明】

１ 排水用鋳鉄管 ２ 支持片 ３ ターンバックル ４ 吊ボルト ５ 孔 ６ 管フランジ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フランジまたはフランジ近傍の管体外周
   面から一体過構造によって突設する支持片を介して釣支
   可能に設けられている排水用鋳鉄管
2. 【請求項２】 管体外周面から一体化構造によって突設
   しかつ軸線方向に沿って配列される複数個の支持片の少
   なくも一つを介して釣支可能に設けられる排水用鋳鉄管
3. 【請求項３】 前記支持片が中央部に孔を形成した略平
   板状からなる請求項１または２記載の排水用鋳鉄管