JP2831341B2 - 天井埋め込み式エアコンなどの吊り下げ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば天井埋め込
み式エアコン、天井埋め込み式照明器具、天井埋め込み
式ダクト類などを天井仕上げ材の上方の桁材などに対し
て吊り下げ支持するための天井埋め込み式エアコンなど
の吊り下げ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、天井埋め込み式エアコンを天井仕
上げ材の上方の桁材などに対して吊り下げ支持する場
合、例えば図８および図９に示すように下端が開口する
長尺状部材１を用い、この長尺状部材１を２本互いに平
行に並べて各長尺状部材１の長さ方向両端をＨ型鋼など
の桁材２，２の下端フランジ３，３上に載せ、各長尺状
部材１の長さ方向の適当位置２箇所にナット部材４を介
して全ねじ棒５の上端を連結させ、合計４本の全ねじ棒
５の下端を天井埋め込み式エアコン６から張り出すブラ
ケット７の孔に差し込み、全ねじ棒５の下端にナット８
を螺合させることにより行なっている。さらに詳しく
は、前記長尺状部材１を予め前記桁材２，２間の寸法に
合うようにカットしておき、天井仕上げ材９に前記天井
埋め込み式エアコン６を埋め込むために形成された開口
部10より前記長尺状部材１を差し込んで長尺状部材１の
長さ方向両端を桁材２，２の下端フランジ３，３上に載
せるのである。前記長尺状部材１は長さ方向に沿って下
端が開口し、側面形状において左右の側板部11の下端に
内向きに鋭角に折れ曲がる爪片12を備えており、前記ナ
ット部材４を各長尺状部材１の長さ方向の適当位置２箇
所に位置せしめて、両側の爪片12上に載せた状態とし、
各ナット部材４に対し各全ねじ棒５の上端を螺入させ
る。その際、各全ねじ棒５の上端が長尺状部材１の上端
の板部13内面に強く当たるとともに、各ナット部材４が
爪片12に強く当たるまで全ねじ棒５を締め付ける。これ
により全ねじ棒５は長尺状部材１に連結されるのであっ
て、４本の全ねじ棒５の下端で天井埋め込み式エアコン
６を吊り下げ支持するのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の天井埋め込み式エアコンを吊り下げ支持する構造で
は、長尺状部材１を予め前記桁材２，２間の寸法に合う
ようにカットしておく必要があり、またこの長尺状部材
１を天井仕上げ材９に形成された開口部10より差し込ん
で長尺状部材１の長さ方向両端を桁材２，２の下端フラ
ンジ３，３上に載せる作業が手間取るという問題があっ
た。その理由として長尺状部材１の長さは桁材２，２の
下端フランジ３，３の先端間の長さより長く、長尺状部
材１の長さ方向両端を桁材２，２の下端フランジ３，３
上に載せるに際し、長尺状部材１を前記開口部10より斜
めに差し込みながら作業を行なわねばならず、一般的に
前記開口部10の内側には配管などが数多く存在すること
から、長尺状部材１の長さ方向両端を桁材２，２の下端
フランジ３，３上に載せる作業が非常に手間取るという
問題があった。

【０００４】本発明はこのような課題を解決するもの
で、天井埋め込み式エアコン、天井埋め込み式照明器
具、天井埋め込み式ダクト類などを天井仕上げ材の上方
の桁材などに対して容易に吊り下げ支持するための天井
埋め込み式エアコンなどの吊り下げ装置を提供すること
を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、一方の筒状部材と、この一方の筒状部材内
に出入自在に嵌入する他方の筒状部材とを備え、天井仕
上げ材の上方の桁材などの支持部材に対して支持される
長さ調整自在な長尺状部材と、各筒状部材にそれぞれ長
さ方向に沿って摺動可能に外嵌して設けられた摺動部材
と、前記摺動部材の側部に雌ねじ孔が上下方向に向くよ
うに溶接にて固着されたナット部材と、このナット部材
の雌ねじ孔に上端部が螺合する棒状体の下端を天井埋め
込み式エアコンなどの被吊り下げ体に結合させて被吊り
下げ体を吊り下げるように構成したことを要旨とするも
のである。また本発明は、他方の筒状部材の出入側であ
る一方の筒状部材の一端近傍に設けた雌ねじ孔に螺入す
る締め付けねじを締め付けることにより長尺状部材を必
要な長さで固定するようにしたことを要旨とするもので
ある。また本発明は、一方の筒状部材の他端および一方
の筒状部材に対する出入側である他方の筒状部材の一端
とは反対側の他端には下面に設置板を取り付けてなるこ
とを要旨とするものである。さらに本発明は、一方の筒
状部材の他端および他方の筒状部材の他端には上面を形
成する板部に貫通孔を形成してなることを要旨とするも
のである。

【０００６】この構成により、天井仕上げ材の上方の桁
材などに対して支持される長尺状部材を予め長さを縮め
た状態で桁材などの支持部材間に位置させることがで
き、前記従来例に比べて桁材などに対する長尺状部材の
支持が容易に行なえ、その結果、天井埋め込み式エアコ
ン、天井埋め込み式照明器具、天井埋め込み式ダクト類
などを天井仕上げ材の上方の桁材などに対して容易に吊
り下げ支持することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて説明する。先ず、図１〜図４に基づ
き、第１の実施の形態について説明すると、21は本実施
の形態における長尺状部材で、この長尺状部材21は一方
の筒状部材22と、この一方の筒状部材22内に出入自在に
嵌入する他方の筒状部材23とからなり、一方の筒状部材
22に対する他方の筒状部材23の突出長さを調整後、他方
の筒状部材23の出入側である一方の筒状部材22の一端近
傍に設けた雌ねじ孔24に螺入する締め付けねじ25を締め
付けることにより締め付けねじ25の先端が他方の筒状部
材23の外面に強く当たって長尺状部材21は必要な長さに
設定されるように構成されている。

【０００８】前記長尺状部材21を構成する一方の筒状部
材22と他方の筒状部材23は共に鉄などの金属製で、断面
形状が４角形であり、一方の筒状部材22の内面と他方の
筒状部材23の外面が摺接しながら長さ調整されるように
作られている。

【０００９】前記一方の筒状部材22の他端および一方の
筒状部材22に対する出入側である他方の筒状部材23の一
端とは反対側の他端には下面に鉄などの金属製の設置板
26が溶接にて取り付けられている。また、設置板26の下
面には滑り止めおよび防振用のゴム板27が接着剤により
装着されている。ところで、前記ゴム板27の下面は凹凸
状となっている。

【００１０】また、一方の筒状部材22の他端および他方
の筒状部材23の他端には上面を形成する板部に貫通孔28
および29が形成されている。さらに、前記一方の筒状部
材22および他方の筒状部材23にはそれぞれ長さ方向に沿
って摺動可能な摺動部材30が外嵌して設けられている。

【００１１】各筒状部材22，23に対しそれぞれ２つづつ
の摺動部材30が設けられており、各摺動部材30には内面
に筒状部材22，23の上面および下面に当接する滑り止め
用のゴム板31が接着剤により装着され、また一方の側面
にはナット部材32がその雌ねじ孔32ａが上下方向に向く
ように溶接にて固着されている。

【００１２】上記構成の吊り下げ装置によって、天井仕
上げ材33に形成された開口部34に天井埋め込み式エアコ
ン35を埋め込んだ状態で吊り下げて取り付けるに際し、
先ず長尺状部材21の長さ方向両端をＨ型鋼などの桁材3
6，36の下端フランジ37，37上に載せる。その場合、長
尺状部材21の全長が前記桁材36，36間の間隔よりはるか
に短くなるように一方の筒状部材22に対し他方の筒状部
材23を嵌入させておき、この状態で長尺状部材21を前記
開口部34内に下側から挿入するとともに前記桁材36，36
間に位置せしめ、この状態で長尺状部材21の長さ方向両
端の設置板26が前記桁材36，36の下端フランジ37，37上
に載るように一方の筒状部材22に対する他方の筒状部材
23の突出長さを調整後、前記締め付けねじ25を締め付け
て長尺状部材21の長さを固定する。この要領で長尺状部
材21を天井埋め込み式エアコン35の取り付け幅に合わせ
て２本互いに平行に並べる。長尺状部材21の一方の筒状
部材22および他方の筒状部材23には前述のようにそれぞ
れ２つづつの摺動部材30が設けられているが、各筒状部
材22，23の何れか一方の摺動部材30を天井埋め込み式エ
アコン35の吊り下げ位置に移動させておき、その摺動部
材30のナット部材32の雌ねじ孔32ａに全ねじ棒38の上端
を螺合させ、その状態において天井埋め込み式エアコン
35を前記開口部34内に位置させるとともに全ねじ棒38の
下端を天井埋め込み式エアコン35から張り出すブラケッ
ト39の孔に差し込み、全ねじ棒38の下端にナット40を螺
合させることにより天井埋め込み式エアコン35の支持が
行なわれるようになっている。天井埋め込み式エアコン
35の支持が完了した後は天井埋め込み式エアコン35を動
作させるに必要な他の工事を行なうとともに、天井埋め
込み式エアコン35の下部を化粧材（図示せず）で覆い隠
すようになっている。

【００１３】図３および図４に天井埋め込み式エアコン
35を吊り下げ支持した状態を示しており、他方の筒状部
材23の残りの摺動部材30を用いてドレン配管41が吊り下
げ支持されている。具体的には残りの摺動部材30のナッ
ト部材32の雌ねじ孔32ａに前記全ねじ棒38とは別の全ね
じ棒42の上端を螺合させ、この全ねじ棒42の下端に螺合
して連結されるホルダー43を介してドレン配管41が吊り
下げ支持されている。

【００１４】以上、第１の実施の形態について説明した
が、次に図５および図６に示す第２の実施の形態につい
て述べる。第２の実施の形態では、長尺状部材21の長さ
方向両端をＨ型鋼などの桁材36，36の下端フランジ37，
37上に載せずに、一方の筒状部材22および他方の筒状部
材23の長さ方向適所を、桁材36，36の下端フランジ37，
37にボルト44の締め付けにより固定される連結用部材45
に各筒状部材22，23の何れか一方の摺動部材30をボルト
46を介して連結することにより長尺状部材21を桁材36，
36に支持している。具体的には連結用部材45の上下方向
に向く貫通孔47に上端よりボルト46を挿入し、このボル
ト46の下端を何れか一方の摺動部材30のナット部材32の
雌ねじ孔32ａに螺合させることにより連結用部材45に摺
動部材30が連結されている。なお、ボルト46の上下には
緩み止め用のナット48が螺合されている。

【００１５】このように桁材36，36に支持しれた長尺状
部材21の各筒状部材22，23の残りの摺動部材30に第１の
実施の形態と同様に全ねじ棒38を介して天井埋め込み式
エアコン35の支持が行なわれるものである。

【００１６】さらに、図７に示す第３の実施の形態のよ
うに、長尺状部材21の長さ方向両端を桁材36，36の下端
フランジ37，37にボルト44の締め付けにより固定される
連結用部材45にボルト46、ナット48を介して連結するこ
とも可能である。この場合、各筒状部材22，23の他端上
面に形成された貫通孔28，29に連結用部材45の上下方向
に向く貫通孔47に上端より挿入されたボルト46の下端を
差し込み、各筒状部材22，23の他端内側でボルト46の下
端にナット48を螺合させることにより連結用部材45に長
尺状部材21が連結されている。なお、ボルト46の上端に
は緩み止め用としてナット48が螺合される。この第３の
実施の形態においても以下第１の実施の形態と同様に天
井埋め込み式エアコン35の吊り下げ支持が行なわれる。

【００１７】ところで、以上述べた各実施の形態では天
井埋め込み式エアコン35を吊り下げ支持しているが、天
井埋め込み式エアコンの他、天井埋め込み式照明器具、
天井埋め込み式ダクト類などを天井仕上げ材の上方の桁
材などに対して吊り下げ支持したり、天井仕上げ材の下
方でエアコンや照明器具を吊り下げ支持したりすること
も可能である。

【００１８】また、各筒状部材22，23は断面形状が４角
形であるが、４角以外の他の角形、あるいは円形などで
あっても良い。さらに、前記全ねじ棒38，42の代わり
に、上下両端に雄ねじ部が形成された棒状体を用いるこ
とも可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、天井仕上
げ材の上方の桁材などに対して支持される長尺状部材を
予め長さを縮めた状態で桁材などの支持部材間に位置さ
せることができ、前記従来例に比べて桁材などに対する
長尺状部材の支持が容易に行なえ、その結果、天井埋め
込み式エアコン、天井埋め込み式照明器具、天井埋め込
み式ダクト類などを天井仕上げ材の上方の桁材などに対
して容易に吊り下げ支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態における長尺状部材
の平面図である。

【図２】同長尺状部材の要部拡大斜視図である。

【図３】同天井埋め込み式エアコンの支持状態を示す正
面図である。

【図４】同天井埋め込み式エアコンの支持状態を示す平
面図である。

【図５】本発明の第２の実施の形態における天井埋め込
み式エアコンの支持状態を示す正面図である。

【図６】同桁材に対する長尺状部材の連結部の要部拡大
正面図である。

【図７】本発明の第３の実施の形態における桁材に対す
る長尺状部材の連結部の要部拡大正面図である。

【図８】従来例における天井埋め込み式エアコンの支持
状態を示す正面図である。

【図９】同要部拡大側面図である。

【符号の説明】

２１ 長尺状部材 ２２ 一方の筒状部材 ２３ 他方の筒状部材 ２４ 雌ねじ孔 ２５ 締め付けねじ ２６ 設置板 ２７ ゴム板 ２８ 貫通孔 ２９ 貫通孔 ３０ 摺動部材 ３１ ゴム板 ３２ ナット部材 ３２ａ 雌ねじ孔 ３３ 天井仕上げ材 ３４ 開口部 ３５ 天井埋め込み式エアコン ３６ 桁材 ３７ 下端フランジ ３８ 全ねじ棒 ３９ ブラケット ４０ ナット ４１ ドレン配管 ４２ 全ねじ棒 ４３ ホルダー ４４ ボルト ４５ 連結用部材 ４６ ボルト ４７ 貫通孔 ４８ ナット

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の筒状部材と、この一方の筒状部材
   内に出入自在に嵌入する他方の筒状部材とを備え、天井
   仕上げ材の上方の桁材などの支持部材に対して支持され
   る長さ調整自在な長尺状部材と、各筒状部材にそれぞれ
   長さ方向に沿って摺動可能に外嵌して設けられた摺動部
   材と、前記摺動部材の側部に雌ねじ孔が上下方向に向く
   ように溶接にて固着されたナット部材と、このナット部
   材の雌ねじ孔に上端部が螺合する棒状体の下端を天井埋
   め込み式エアコンなどの被吊り下げ体に結合させて被吊
   り下げ体を吊り下げるように構成したことを特徴とする
   天井埋め込み式エアコンなどの吊り下げ装置。
2. 【請求項２】 他方の筒状部材の出入側である一方の筒
   状部材の一端近傍に設けた雌ねじ孔に螺入する締め付け
   ねじを締め付けることにより長尺状部材を必要な長さで
   固定するようにしたことを特徴とする請求項１記載の天
   井埋め込み式エアコンなどの吊り下げ装置。
3. 【請求項３】 一方の筒状部材の他端および一方の筒状
   部材に対する出入側である他方の筒状部材の一端とは反
   対側の他端には下面に設置板を取り付けてなることを特
   徴とする請求項１または２記載の天井埋め込み式エアコ
   ンなどの吊り下げ装置。
4. 【請求項４】 一方の筒状部材の他端および他方の筒状
   部材の他端には上面を形成する板部に貫通孔を形成して
   なることを特徴とする請求項１または２記載の天井埋め
   込み式エアコンなどの吊り下げ装置。