JPH0667539A - トナー供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送中のトナーに含まれるトナー塊を粉砕
し、現像器において未帯電トナーが残存することを防止
する。 【構成】 トナー受入用ホッパー部３から落下投入され
たトナーを一方向へ回転駆動する搬送用スプリングスパ
イラル５によりハウジング１の他端側へ向かって搬送し
つつ、トナー供給口４からトナーを排出するもので、回
転中のスパイラル５の先端部５ａがハウジング１の他端
側壁面１３に設けた突条１４を通過する際のスラスト方
向への伸縮振動による衝撃力により弱い結合力で粒子間
結合している搬送中のトナー塊を粉砕する構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子複写機、プリンタ
ーなどの電子写真装置において現像器へトナーを供給す
る装置に関し、特に撹拌不良によって生じるトナー塊の
排出防止策を講じたトナー供給装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より電子複写機においては、機内上
方に配置される補給用トナーカートリッジと、下方に配
置された現像器との間にトナーカートリッジのトナーを
現像器に供給するトナー供給装置が介装されており、現
像器に設けたトナーコントロールセンサにより現像器中
のトナー量の不足が検知されたとき、その検知信号によ
りトナー供給装置が駆動制御され、現像器に適量のトナ
ーが補給されるように構成されている。

【０００３】上記のような目的で使用されるトナー供給
装置は、横長形状のハウジングの一端部側にトナー受入
用ホッパー部が設けられており、このホッパー部をトナ
ーカートリッジの補給口に臨ませてある。ハウジング内
にはその中心軸方向に沿って搬送用スパイラルが装填さ
れている。前記トナーコントロールセンサから信号が出
力されたとき、搬送用スパイラルがモータによって回転
駆動され、トナーカートリッジから補給されたトナーが
一方向に回転するスパイラルによって撹拌されながら同
時にハウジングの他端側へ搬送されるものであり、この
搬送動作に伴ってハウジング側面部に軸方向に沿って設
けた長孔状のトナー供給口から現像器へトナーが補給さ
れる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、トナーは本
来、搬送に必要な流動性を付与されており、例えば気温
２０°Ｃ、湿度４５％の条件下ではトナー粒子間で粘着
を起こすことは全くなく、搬送に際してトナー供給口か
ら適量ずつ落下排出されるものであるが、高湿度条件下
では、粒子間で粘着による粉体結合を起こしてトナー塊
が形成されやすくなる。このトナー塊はスパイラルの回
転による撹拌動作によって殆ど粉砕されず、塊形状を保
ったままトナー供給口から落下するため、トナーが現像
器に均等に供給されなくなるという不具合が生じる。

【０００５】また、このように現像器内へ撹拌不良のト
ナー塊が落下すると、現像器内における撹拌動作によっ
ても粉砕されず、塊のまま未帯電状態で感光体ドラム面
側に搬送されることになり、そのトナー塊が未帯電トナ
ーとして前記ドラム面に付着して、被複写物に現出され
てしまうという問題点があった。更に、トナー塊が現像
器内のトナーコントロールセンサ上に落下した場合、セ
ンサはトナー塊を検知して、その検知値を正常値と誤判
断して制御信号を出力してしまうため、トナー量が適量
に至らない時点でトナー補給が中断され、被複写物に濃
度むらが発生するという不都合を招く虞れがあった。

【０００６】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、トナー塊をトナー供給装置におい
て、現像器内に落下する前に未然に粉砕し、現像器にお
いて未帯電トナー塊が残存することを確実に防止するこ
とを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、ほぼ水平に設置される横長なハウジング
を有し、このハウジングの一端部側にトナー受入用ホッ
パー部を配設すると共に、ハウジング側面部にハウジン
グ中心軸に沿う長孔状のトナー供給口を形成する一方、
前記ハウジング内にその中心軸方向に沿ってスラスト方
向に伸縮性を有する搬送用スプリングスパイラルをその
先端部がハウジングの他端側壁面に常時接触する状態で
装填して、この搬送用スプリングスパイラルの一方向へ
の回転駆動により、前記ホッパー部から供給されたトナ
ーをハウジングの他端側へ向かって搬送しつつ、前記ト
ナー供給口からトナーを排出するように構成してあり、
更に前記ハウジングの他端側壁面における前記搬送用ス
プリングスパイラルの先端部と接触する周回部分の単一
または複数箇所に該搬送用スプリングスパイラルをスラ
スト方向に振動させるための段差部を形成している。

【０００８】

【作用】このような構成によると、搬送用スプリングス
パイラルは一方向への回転駆動時、その先端がハウジン
グの他端側壁面に形成された段差部を通過する度にスラ
スト方向へ伸縮振動し、その振動による衝撃力が搬送用
スプリングスパイラルの全体に及んで、弱い結合力で粒
子間結合している搬送中のトナー塊を粉砕する。これに
よってハウジング内に投入されたトナー中にトナー塊が
存在していても、そのトナー塊は搬送用スプリングスパ
イラルに発生するスラスト方向の衝撃によって粉体化さ
れ、且つ振動によってトナー粒子間に空気が送り込まれ
てトナーの良好な流動性が付与される。

【０００９】

【実施例】図１〜図３は本発明を実施した電子写真装置
のトナー供給装置を示している。これらの図において、
１は合成樹脂により成形された筒軸状のハウジングであ
って、このハウジング１は縦方向の短軸部１ａから円弧
状の屈曲軸部１ｂを介して短軸部１ａと直角な横方向の
長軸部１ｃが延びる横長Ｌ字状を成し、これら短軸部１
ａ、屈曲軸部１ｂ、長軸部１ｃ内に一連のトナー搬送路
２を形成したものである。

【００１０】ハウジング短軸部１ａの一端部側上面には
トナー搬送路２と連通するトナー受入用ホッパー部３が
設けられており、ハウジング長軸部１ｃの側面部にはハ
ウジング中心軸に沿う長孔状のトナー供給口４が設けら
れている。このトナー供給口４はホッパー部３からトナ
ー搬送路２へ連続して送給されるトナーの排出を可及的
に均等配分するために、一端側から他端側へかけて次第
に広くなる末広がり状に形成されている。なお、ハウジ
ング１をＬ字状としたのは機体内スペースの有効利用を
図るためであり、直線状その他任意の態様に設計変更可
能である。

【００１１】５は搬送用スプリングスパイラルであっ
て、このスパイラル５はスラスト方向に伸縮性を有する
コイルばね状に形成され、ハウジング１の中心軸方向に
沿ってＬ字状に撓曲させた状態で回転自在に装填されて
いる。この装填状態において、スパイラル５は基端部が
ハウジング１内の一端側壁面に臨ませた駆動ユニット６
の出力軸７に連動連結され、駆動ユニット６が図外のト
ナーコントロールセンサからの制御信号によって駆動し
たとき、一方向、つまりトナーを搬送路２の一端側から
他端側へ向かって搬送する方向に回転駆動されるもので
ある。

【００１２】駆動ユニット６は図４に示すように、モー
タ８とギア減速機構９とを備え、該減速機構９の最終段
のギア軸が前記出力軸７としてスパイラル５の基端部に
連結されるものである。なお、減速機構９としては、ギ
ア式の他、タイミングベルトを使用したものなど周知の
手段を適宜選択することができる。

【００１３】図５は電子写真装置の機体内におけるトナ
ー供給装置１０の配置を示しており、トナー供給装置１
０は、電子写真装置の機体内において、上部に配された
着脱交換自在なトナーカートリッジ１１と下方に配され
た現像器１２との間に介装され、ハウジング１を現像器
１２の上面に固定ビス１３（図１参照）により取り付
け、取り外し可能に固定することによりほぼ水平に設置
される。この設置状態において、トナー供給装置１０は
トナーカートリッジ１１の排出口１１ａにホッパー部３
の開口端が連続し、トナー供給口４が現像器１２のトナ
ー補給口１２ａと対面する。

【００１４】前述のトナーコントロールセンサは現像剤
の透磁率を検知して現像剤のＴ／Ｄ（但しＴはトナー
量、Ｄは現像剤量）を検出する透磁率センサであって、
現像器補給口１２ａの下方に構成された撹拌路内の底部
の適所に配設されて、該撹拌路内の現像剤のＴ／Ｄを検
出している。

【００１５】いま、現像器１２においてトナー補給の必
要が生じると、トナーコントロールセンサからモータ８
へ制御信号が出力され、該モータ８の起動によりスパイ
ラル５が一方向に回転駆動される。なお、スパイラル５
はコイルばね状に形成されていることから、Ｌ字状に屈
曲したトナー搬送路２に沿って弾性変形し、その形状を
保持しつつ全長に亙って円滑に回転する。このスパイラ
ル５の回転駆動によりトナーカートリッジ１２からホッ
パー部３を経て搬送路２へ落下供給されたトナーが該搬
送路２の一端側から他端側へ向かって搬送される。この
搬送途中において、トナーはスパイラル５に撹拌されな
がらトナー供給口４から適量ずつ排出され、現像器１２
の撹拌路へ落下投入される。この現像器１２の撹拌路に
投入されたトナーは未帯電状態にあるが、現像剤と撹拌
される間にキャリアと混合して例えばマイナス極性に帯
電し、図示しない感光体ドラムの表面に電着される。

【００１６】以上の構成は従来と同様であるが、本実施
例ではトナー供給装置の搬送用スプリングスパイラル５
をその回転駆動時にスラスト方向に振動させる構成を設
けている点で大きく相違している。即ち図６に示すよう
に、搬送路２へ回転自在に装填されたスパイラル５は、
先端部５ａをハウジング１の他端側壁面、つまり搬送方
向の終端部でスパイラル５と対面する壁面１３に常時接
触させるように構成し、且つ前記壁面１３におけるスパ
イラル５の先端部５ａと接触する周回部分複数箇所に段
差部１４ｂを形成したものであり、これによってスパイ
ラル５の先端部５ａが回転駆動時に段差部１４ｂを通過
する度にスラスト方向へ伸縮振動するようにしている。

【００１７】図７〜図９はハウジング１の他端側壁面１
３に形成した段差部１４ｂの一例を示しており、この図
に示されたものでは、正面視細幅扇形でスパイラル回転
方向の手前側から同回転方向に向かって立ち上がる傾斜
面１４ａを有し、この傾斜面１４ａの回転方向端部から
ほぼ垂直に切り立つ直立面１４ｂを有する断面直角三角
形状の突条１４をほぼ一定間隔毎に放射状に形成し、こ
れら各突条１４の直立面１４ｂを段差部としたものであ
る。この段差部１４ｂを有する突条１４はハウジング壁
面１３と一体成形されているが、突条１４を構成する別
部品を作製して前記壁面１３に固着するようにしてもよ
い。

【００１８】図８、図９はハウジング１の他端側壁面１
３の要部拡大断面図であり、図８はスパイラル先端部５
ａが突条１４に乗り上がった状態を、図９はスパイラル
先端部５ａが段差部１４ｂを越えた状態をそれぞれ示し
ている。図８に示すように、スパイラル５が一方向に定
速度で回転駆動しているとき、該スパイラル５は先端部
５ａが突条１４の傾斜面１４ａと干渉することにより強
制的にスラスト方向への圧縮を受けて縮む。次いで、図
９に示すように、スパイラル先端部５ａが傾斜面１４ａ
を通過し直立段差部１４ｂに至ると、スパイラル５は弾
性復元力によって急激に伸長し他端側壁面１３に衝突す
る。この壁面１３への衝突による衝撃によって発生する
振動がスパイラル５全体に伝播するものであり、搬送ト
ナー中にトナー塊が存在していると、弱い結合力で粒子
間結合しているトナー塊はその振動衝撃力によって確実
に粉砕されるものである。従って、現像器１２にトナー
塊が塊のまま補給される虞れがなく、現像器１２の撹拌
によるトナーの帯電処理が支障なく施されて、未帯電ト
ナーの残存による種々の不都合が解消される。

【００１９】図８に戻って、突条１４の直立面１４ｂの
高さ、つまり段差部１４ｂの落差Ｈはトナー粒子径との
兼合いで決定されるが、通常は１〜３mm程度が適当と考
えられる。また、段差部１４ｂを構成する突条１４の形
成個数は図示例のように１０〜２０個程度が適当である
が、この場合、スパイラル先端部５ａが段差部１４ｂを
通過したとき、隣接する突条１４にスパイラル先端部５
ａ近傍部分が当接して壁面１３まで達しないため、衝撃
力の大きさに制約がある。衝撃力を特に大きくする必要
がある場合は突条１４の個数を単一乃至４個程度にまで
減らし、スパイラル先端部５ａが段差部１４ｂを通過後
におけるスパイラル５の伸長によって先端部５ａが確実
に壁面１３まで達するようにするとよい。更に、段差部
１４ｂを形成した壁面１３の態様は前述のような突条１
４に限られるものでなく、放射状に配列し鋸歯状のもの
など、諸種の変形態様を採用できる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、トナ
ー受入用ホッパー部から始まるトナー搬送路の終端とな
るハウジングの他端側壁面における搬送用スプリングス
パイラルの先端部と接触する周回部分の単一または複数
箇所に、該スパイラルをスラスト方向に振動させるため
の段差部を形成したことにより、一方向へ回転駆動して
いるスパイラルの先端部が段差部を通過する度にスラス
ト方向へ伸縮振動し、その振動による衝撃力がスパイラ
ルの全体に及んで、弱い結合力で粒子間結合している搬
送中のトナー塊が粉砕し、且つ、トナー粒子間に十分な
空気を送り込んでトナー塊の形成を阻害すると共に流動
性を向上させるので、ハウジング内に投入されたトナー
中にトナー塊が存在していても、そのトナー塊はスパイ
ラルの振動によって発生するスラスト方向の衝撃によっ
て確実に粉体化できて、現像器へ流動性に優れた良好な
トナーを補給することができる。

【００２１】従って、例えば２成分現像剤を使用した電
子写真装置においては、現像器における現像剤との撹拌
混合時に、トナー塊の存在による未帯電トナーの発生を
なくすことができ、トナー濃度の変化を一定に保つこと
ができる。

【００２２】また、ハウジングの端部壁面への段差部の
形成は、ハウジング作製時に同時成形することができ、
その構造も簡単であることから比較的低コストで製造で
きるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示すトナー供給装置の斜
視図。

【図２】 その一部を破断して示す背面図。

【図３】 その底面図。

【図４】 図３における切断線Ａ−Ａに沿う端面図。

【図５】 トナー供給装置周辺の配置を模式的に示す正
面図。

【図６】 ハウジングの他端側部分を示す一部切欠拡大
図。

【図７】 ハウジングの他端側壁面に形成した段差部の
一例を示す正面図。

【図８】 スパイラル先端部が突条に乗り上がった状態
を示す図６におけるＡ’部拡大断面図。

【図９】 スパイラル先端部が段差部を越えた状態を示
す要部拡大断面図。

【符号の説明】

１ ハウジング ３ トナー受入用ホッパー部 ４ トナー供給口 ５ 搬送用スプリングスパイラル ５ａ スパイラル先端部 １３ ハウジングの他端側壁面 １４ｂ 段差部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ水平に設置される横長なハウジング
   を有し、このハウジングの一端部側にトナー受入用ホッ
   パー部を配設すると共に、ハウジング側面部にハウジン
   グ中心軸に沿う長孔状のトナー供給口を形成する一方、
   前記ハウジング内にその中心軸方向に沿ってスラスト方
   向に伸縮性を有する搬送用スプリングスパイラルをその
   先端部がハウジングの他端側壁面に常時接触する状態で
   装填し、この搬送用スプリングスパイラルの一方向への
   回転駆動により、前記ホッパー部から供給されたトナー
   をハウジングの他端側へ向かって搬送しつつ、前記トナ
   ー供給口からトナーを排出するように構成したトナー供
   給装置であって、前記ハウジングの他端側壁面における
   前記搬送用スプリングスパイラルの先端部と接触する周
   回部分の単一または複数箇所に該搬送用スプリングスパ
   イラルをスラスト方向に振動させるための段差部を形成
   したことを特徴とするトナー供給装置。