JPH0666609A - 空気質量流量センサーの応答時間テスト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気質量流量センサーの応答時間が所定の制
限値に入っていることを確認するための応答時間テスト
装置を提供すること。 【構成】 空気質量流量センサー（１０）を取付けてい
るセンサーマニホールド（１２）に取付けられたコネク
ター（２８）と、真空源（４６）とコネクターとの間で
連結された主マニホールド（３０）とからなる。主マニ
ホールドは並列的な第１ブランチ（３２）と第２ブラン
チ（３８）とを有し、前者は第１音速ノズル（３４）と
第１弁（３６）とを有し、後者は第２音速ノズル（４
０）と第２弁（４２）とを有する。電気制御器（５０）
が前記弁を連続的に付勢し、空気流にステップ状変化を
与え、そこからの出力信号を記録し、その応答時間を基
準値と比較して、所定の値より長い応答時間を有する空
気質量流量センサーを検出するための装置を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は空気質量流量センサーに
係り、特にセンサーマニホールド上に取付けられた空気
質量流量センサーの応答時間を測定するための応答テス
ト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】内燃機関のための電子式燃料制御装置が
出現したことによって、内燃機関によって吸入される空
気の量を検出するためのセンサーが要求される。この情
報は、機関に供給されるべき燃料の量を正確に制御する
ために、電子式燃料制御装置によって必要とされる。機
関の空気流路を通過する空気の空気質量流速を直接測定
するための空気質量流量センサーが開発されてきてい
る。前記空気質量流量センサーは機関の空気取入れマニ
ホールドを通過する空気質量流速を正確に測定すること
のみならず、機関に対して適切な量の燃料を確実に供給
するために、機関の空気取入れマニホールドにおける急
速変化あるいはステップ状変化に対して急速応答できる
ようにしなければならない。もし空気質量流量センサー
の応答時間が長すぎると、機関には多すぎる、あるいは
少なすぎる燃料が供給されることがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】自動車を急速加速させ
ている間は、運転者は機関のスロットルを急速に開き、
空気取入れマニホールドを通過する空気質量流速にステ
ップ状変化を生じさせるであろう。当業界で知られるよ
うに、電子式燃料制御装置の加速濃縮部分は、機関へ供
給される燃料の量を一時的に増加させるであろう。この
増加は、供給される空気の量のステップ状増加と、電子
式燃料制御装置の制御の下で供給される燃料の量との間
の時間遅れを自動的に補償する。

【０００４】機関に供給される空気の量が、供給すべき
燃料の量の計算において用いられる主要因の１つである
ので、空気質量流量センサーの応答時間を十分に短くし
て、機関に供給される空気の量のステップ状増加と対応
して供給される燃料の増加量との間に大きな時間遅れを
作り出してはならないということが重要である。

【０００５】通常の生産における品質管理工程の一部と
して、空気質量流量センサーの応答時間が試験され、そ
れが所定の制限値内に入っているかどうかが確認され
る。本発明は迅速、正確かつ高度に再現性のある自動化
された応答時間テスト装置を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、空気質量流量
センサーのための自動化された応答時間テスト装置を提
供し、空気質量流量センサーに対する空気流がステップ
状に変化させられ、その応答時間が電気制御器によって
正確に測定される。

【０００７】前記応答時間テスト装置の利点は、ステッ
プ状変化の前後において空気流量が、音速流量状態で作
動する音速ノズルによって正確に制御されるという点に
ある。

【０００８】前記自動化された応答時間テスト装置にお
いては、内燃機関の空気取入れマニホールドに連結可能
なセンサーマニホールド上に空気質量流量センサーが取
付けられる。前記応答時間テスト装置はセンサーマニホ
ールドを密封的に受留めるようになったコネクター部材
を有している。前記コネクター部材と真空源との間に主
マニホールドが連結されている。前記主マニホールドは
第１音速ノズルを有した第１ブランチを有する。前記第
１音速ノズルは主マニホールドの中に第１空気質量流速
を提供する。前記第１ブランチはまた第１ブランチを通
過する空気流を制御する弁を有する。前記主マニホール
ドはまた第１ブランチと並列的な第２ブランチを有す
る。前記第２ブランチは主マニホールドを通過する第２
空気質量流速を提供する第２音速ノズルと、第２音速ノ
ズルと第２ブランチとを通過する空気流を制御する第２
弁とを有する。前記第２空気質量流速は第１空気質量流
速よりもかなり大きい。

【０００９】電気制御器は第１弁および第２弁を連続的
に付勢して、主マニホールドとセンサーマニホールドと
を通過する空気質量流速にステップ状変化をつくり出す
ための装置を有する。前記電気制御器は、空気質量流量
センサーを付勢して、センサーマニホールドを通過する
空気質量流量に対応した空気質量流量信号を発生させる
ための装置と、前記空気質量流量信号を記録するための
装置と、空気質量流量センサーの応答時間を計算するた
めの装置と、この応答時間を基準応答時間と比較して、
応答時間が基準応答時間よりも長い場合に不合格信号を
発生させるための装置とを有する。

【００１０】前記応答時間テスト装置の詳細および他の
利点は、添付図面を参照しながら明細書を読むともっと
明らかになるであろう。

【００１１】

【実施例】応答時間テスト装置の詳細が図１に示されて
いる。このテストのために、空気質量流量センサー１０
が、内燃機関の空気取入れマニホールドに取付け可能な
センサーマニホールド１２上に取付けられている。前記
センサーマニホールド１２は直径方向に配置されたリブ
１６によって分割された主空気通路１４とセンサー空気
通路１８とを有している。前記空気質量流量センサー１
０は孔２２を介してセンサー空気通路１８の中へ延在し
たセンサーヘッド２０を有している。オーリング２４が
空気質量流量センサー１０とセンサーマニホールド１２
に設けられた凹所２６の底部との間のシールを形成し、
孔２２を効果的に密封している。

【００１２】前記センサーマニホールド１２は、センサ
ーマニホールドの主空気通路１４とセンサー空気通路１
８とを主マニホールド３０に連結しているコネクター２
８に取付けられている。前記主マニホールド３０は１対
の並列的なブランチ部を有している。第１の並列的なブ
ランチ３２は第１の音速ノズル３４と、電気制御器５０
からの信号に応じて閉位置から開位置へ切換可能な弁３
６とを有している。第２の並列的なブランチ３８は第２
の音速ノズル４０と弁４２とを有している。弁３６と同
様に、弁４２も電気制御器５０からの信号に応じて閉位
置から開位置へ切換可能である。

【００１３】第１および第２のブランチ３２、３８のそ
れぞれは、コネクターマニホールド４４を介して、真空
チェンバー４６のような真空源に連結されている。ある
いは、主マニホールドの第１および第２のブランチ３
２、３８は、個々に真空チェンバー４６に連結されてい
ても良い。真空ポンプ４８が真空チェンバー４６内の圧
力を特定の圧力以下に保持している。

【００１４】前記弁３６、４２は電気制御器５０からの
信号によって直接付勢されるソレノイド弁であっても、
あるいは、当業界で知られているような中間のソレノイ
ド弁を介して間接的に制御される空気圧式の弁であって
も良い。

【００１５】音速ノズル３４、４０を通過する空気質量
流速は大きく異なる。好ましい実施例においては、音速
ノズル３４を通過する空気質量流速は毎時１８０kgから
毎時２５０kgの範囲内にあり、好ましくは毎時２１０kg
という値を有する。音速ノズル４０を通過する空気質量
流速は毎時２kgから毎時１５kgの範囲内にあり、好まし
くは毎時約１０kgという値を有する。

【００１６】電気ケーブル５２が電気制御器５０を空気
質量流量センサー１０に連結している。前記電気ケーブ
ル５２がメスの電気コネクター（図示せず）を有し、こ
れが空気質量流量センサー１０のオスのコネクター５４
の中で受留められている。電気制御器５０は空気質量流
量センサーを付勢する装置と、センサーマニホールドを
通過する空気質量流速のステップ状変化に対する空気質
量流量センサーの応答時間を確定するために、空気質量
流量センサーによって発生される出力信号を記録するた
めの装置と、その応答時間が仕様範囲の中に入っている
ことを確認するために、空気質量流量センサーの応答時
間を参考値と比較するための比較装置とを有している。

【００１７】空気質量流量センサーマニホールド１２
は、センサーマニホールド１２の端部に設けられた三角
形状の外部ヘッドを、コネクター２８の内面に設けられ
たＶ字形の環状溝５８の中へのスナップ留めラッチによ
って、コネクター２８に取付けられる。前記コネクター
２８は、センサーマニホールドの三角形状ヘッドをコネ
クター２８のＶ字形溝の中で保持するのに、十分な弾性
を有した半剛的な構造プラスチック材でできていても良
い。図３は、三角形状ヘッド５６と環状Ｖ字形溝５８と
の間の関係の詳細を示している拡大断面図である。三角
形状ヘッド５６がＶ字形溝の中へロックされると、オー
リング６０が、コネクター２８に設けられた肩部６２
と、センサーマニホールド１２の端部６４との間で圧縮
され、コネクター２８とセンサーマニホールド１２との
間に空気シールを提供する。

【００１８】操作においては、空気質量流量センサー１
０を有したセンサーマニホールド１２がコネクター２８
に取付けられ、ケーブル５２が電気コネクター５４に連
結され、空気質量流量センサーが起動される。弁４２が
開放され、音速ノズル４０がセンサーマニホールドを通
過する第１の空気質量流速を与え、電気制御器５０が空
気質量流量センサーによって発生される出力信号の値を
記録する。短時間の後に、弁３６が開放され、音速ノズ
ル３４がセンサーマニホールドを通過する第２の空気質
量流速を与え、電気制御器が空気質量流量センサーの出
力信号が新しい安定化された値にまで上昇するのに要す
る時間を記録し、空気質量流量センサーの応答時間を確
定する。この応答時間テストはまた弁３６を閉じて、空
気質量流量センサー１０の出力信号がその初期値にまで
戻るのに要する時間を測定することからなっていてもよ
い。電気制御器はまた、この確定された応答時間を通常
は、最大許容応答時間である基準値と比較し、もし測定
された応答時間が基準値よりも大きい場合には不合格信
号が発生されるであろう。

【００１９】もし空気質量流速が零（毎時０kg）の状態
から開始されるステップ状応答時間が望みならば、テス
トは弁３６を開放することのみによって行うことがで
き、この場合は空気質量流速が零から毎時１８０kgない
し２４０kgの範囲までのステップ状変化が得られる。

【００２０】当業界で知られているように、臨界音速流
状態で操作されている時の、音速ノズルを通過する空気
質量流速は非常に安定的であり、再現性がある。関連す
る弁が開放された時には、音速ノズルもまた臨界音速流
状態をほぼ同時的に達成する。音速ノズルを通過する空
気流が一度音速状態に達すると、音速ノズルを通過する
空気質量流量は一定に保持される。代表的には、一定の
圧力、温度の下では、音速ノズルはセンサーマニホール
ドを通過する空気流を、望みの空気質量流量のプラスマ
イナス１．０％以内に制御するであろう。

【００２１】音速ノズル３４、４０の上流側における圧
力センサー６６と温度センサー６８、および真空チェン
バー４６内の圧力を監視している圧力センサー７０とを
有していることが図１に示されている。音速ノズル３
４、４０の上流側における空気の圧力、温度を正確に測
定することにより、電気制御器５０はセンサーマニホー
ルドを通過する実際の空気質量流量を、理論的精度０．
４％にまで正確に計算することができる。真空チェンバ
ー４６内の圧力を測定するのは音速ノズル３４、４０が
音速状態で作動していることを確認するためである。

【００２２】添付図面に示した特定の構造に関連した、
応答時間テスト装置の好ましい実施例について記載して
きたが、当業界では添付した特許請求の範囲内で変更お
よび改良を加えることが可能であることがわかる。

【図面の簡単な説明】

【図１】応答時間テスト装置の詳細を示す系統図。

【図２】センサーマニホールドの前面図。

【図３】連結要素の詳細を示すセンサーマニホールドと
コネクターとの部分断面図。

【符号の説明】

１０ 空気質量流量センサー １２ センサーマニホールド ２８ コネクター部材 ３０ 主マニホールド ３２ 第１ブランチ ３４ 第１音速ノズル ３６ 第１弁 ３８ 第２ブランチ ４０ 第２音速ノズル ４２ 第２弁 ４６ 真空チェンバー ５０ 電気制御器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 センサーマニホールドに取付けられた空
   気質量流量センサーの応答時間テスト装置において、 前記センサーマニホールドに連結可能な第１端部と第２
   端部とを有するコネクター部材と、 真空チェンバーと、 前記コネクター部材の前記第２端部と前記真空チェンバ
   ーとの間に連結され、第１ブランチと第２ブランチとを
   有している主マニホールドと、 前記第１ブランチに配置され、音速空気流状態の下で第
   １の空気質量流速を有する第１音速ノズルと、 前記第１ブランチに配置され、空気が前記第１音速ノズ
   ルを通過することを許す開状態と、空気が前記第１音速
   ノズルを通過することを許さない閉状態とを有する第１
   弁と、 前記第２ブランチに配置され、音速空気流状態の下で第
   ２の空気質量流速を有する第２音速ノズルと、 前記第２ブランチに配置され、空気が前記第２音速ノズ
   ルを通過することを許す開状態と、空気が前記第２音速
   ノズルを通過することを許さない閉状態とを有する第２
   弁と、 前記第１弁、第２弁、および前記空気質量流量センサー
   とに連結された電気制御器とを有し、 前記電気制御器が、前記主マニホールドと前記センサー
   マニホールドとを通過する空気質量流速に、前記第１空
   気質量流速から第２空気質量流速までのステップ状変化
   を発生させるべく、前記第１弁および第２弁を付勢する
   ための装置と、前記センサーマニホールドを通過する空
   気の空気質量流速に対応した値を有する空気質量流量信
   号を発生させるために、前記空気質量流量センサーを付
   勢するための装置と、前記空気質量流量信号の値を記録
   するための装置とを有する空気質量流量センサーの応答
   時間テスト装置。
2. 【請求項２】 内燃機関の空気取入れマニホールドに取
   付け可能なセンサーマニホールドに取付けられた空気質
   量流量センサーのための応答時間テスト装置であって、
   前記センサーマニホールドが空気入口端と空気出口端と
   を有している、その応答時間テスト装置において、 前記センサーマニホールドの前記空気出口端に連結可能
   な第１端部と、第２端部とを有するコネクター部材と、 真空源と、 前記真空源と、前記コネクター部材の前記第２端部との
   間に連結された主空気流マニホールドと、 前記真空源と前記コネクター部材との間で前記主空気流
   マニホールドに配置された少なくとも１つの第１音速ノ
   ズルであって、前記第１音速ノズルが音速空気流状態で
   第１空気質量流速を有している、その第１音速ノズル
   と、 前記主空気流マニホールドに配置された少なくとも１つ
   の第１弁であって、空気が前記第１音速ノズルを通過す
   ることを許す開状態と、空気が前記第１音速ノズルを通
   過することを許さない閉状態とを有している、その第１
   弁と、 前記第１弁および前記空気質量流量センサーに連結され
   た電気制御器とを有し、 前記電気制御器が、較正された空気質量流量マニホール
   ド及び前記センサーマニホールドを通過する前記空気質
   量流速にステップ状変化を発生させるべく、前記第１弁
   を付勢するための第１ロジック装置と、前記センサーマ
   ニホールドを通過する空気質量流速に対応した値を有す
   るセンサー信号を発生させるために、前記空気質量流量
   センサーを付勢するための第２ロジック装置と、前記空
   気質量流速がステップ状変化している間に、前記センサ
   ー信号の前記値を記録するための記憶装置とを有してい
   る空気質量流量センサーの応答時間テスト装置。
3. 【請求項３】 空気入口端と空気出口端とを有するセン
   サーマニホールドに取付けられた空気質量流量センサー
   のための応答時間テスト装置において、 真空源に連結可能な一端と他端とを有する空気流マニホ
   ールドと、 前記空気流マニホールドの前記他端を前記センサーマニ
   ホールドの前記空気出口端に連結するための装置と、 第１の確定可能な値を有するように、前記センサーマニ
   ホールドを通過する空気質量流量を制御するために、前
   記空気流マニホールドに配置された第１音速ノズルと、 前記空気流マニホールドを通過する空気流を制御するた
   めに、前記空気流に連結された第１弁と、 前記センサーマニホールドを通過する空気質量流速に対
   応した値を有する出力信号を発生させるために、前記空
   気質量流量センサーに電力を供給する電力制御器とを含
   み、 前記電気制御器が、前記音速ノズルを通過する空気流を
   許して、前記空気流が前記センサーマニホールドを通過
   する空気質量流量センサーに確定可能なステップ状変化
   を生じさせるように、前記第１弁を開状態にして付勢す
   るための装置と、前記第１弁を付勢させることに応じ
   て、前記センサーマニホールドにおける前記空気質量流
   速の前記確定可能なステップ状変化に対して、前記空気
   質量流量センサーの前記出力信号の応答時間を確定する
   ための装置と、前記空気質量流量センサーと応答時間を
   基準応答時間と比較して、前記空気質量流量センサーの
   応答時間が前記基準応答時間よりも大きい場合に、不合
   格信号を発生させるための比較装置とを有する空気質量
   流量センサーのための応答時間テスト装置。