JPH0665903A - 透水性常温混合物およびその製造方法 - Google Patents
透水性常温混合物およびその製造方法Info
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- JPH0665903A JPH0665903A JP26527992A JP26527992A JPH0665903A JP H0665903 A JPH0665903 A JP H0665903A JP 26527992 A JP26527992 A JP 26527992A JP 26527992 A JP26527992 A JP 26527992A JP H0665903 A JPH0665903 A JP H0665903A
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Abstract
表面に厚い被膜を形成して、耐水性、耐流動性、耐摩耗
性に優れた透水性常温混合物とその製造方法を提供する
ものである。 【構成】 ゴムおよび/または熱可塑性高分子重合物に
より改質された高濃度で高粘性を有する改質アスファル
ト乳剤と熱硬化性樹脂エマルジョンとにより、骨材の表
面を被覆し、その被覆膜中に、フィラーと水硬性無機材
料とを分散させた透水性常温混合物とその製造方法であ
る。
Description
路、工場構内通路、空港などにおける表層などの舗装材
として常温で施工できる透水性常温混合物およびその製
造方法に関する。
市街地およびその周辺は、舗装や構造物によって、所
謂、在来の土の面が激減し、雨水等の浸透が妨げられ、
樹木の枯死、地盤沈下、集中豪雨による河川の氾濫等の
障害が屡々発生している。透水性舗装は、このような問
題に対処して実施されたもので、舗装路面からの雨水等
を直ちに浸透排水することにより、これらの障害を防止
する機能を有している。
雨水等を下部に浸透させるために、その空隙率は最低1
5〜25%必要とされている。そのため、通常の舗装用
混合物とは骨材配合が大きく違い、例えば、開粒度アス
ファルトコンクリートのように粗骨材が多く配合してあ
り、骨材同志のかみ合わせが乏しい混合物となってい
る。したがって、交通荷重に対する変形抵抗性に劣るた
め、透水性舗装用混合物は、これまで、主として歩道用
としてしか採用されていなかった。
道へも試みられるようになり、注目を集めている。
装構造、気象条件などにより、アスファルト舗装にはわ
だち掘れ、凹凸、平坦性の低下、流動性現象などが目立
って発生してきている。また、冬季におけるスパイクや
タイヤチェーンによる摩耗等により、舗装表面は著しい
損耗をうけている。このため、降雨時には舗装表面に水
溜りができ、ハイドロプレーニング現象、スリップ、水
はねやスモーキングによる視野障害等によって起こる運
転ミスが懸念され、大きな事故原因の一つとなって、交
通安全上重大な問題となっている。このような事情か
ら、その対策が急務となり、車道においても透水性舗装
の実用化が急がれ、現在、各地において試験的に透水性
舗装が実施されている段階である。
を排水性舗装と呼んでいる。排水性舗装では、路盤、路
床に雨水等を浸透させると支持力を低下させることか
ら、一般に排水性舗装の下層は密な舗装として、浸透し
てきた雨水等を路肩に排水させる横造となっている。ま
た、排水性舗装は、大きな空隙を有していることから、
その空隙が車両の走行音を吸収するため、騒音の低減効
果があり、低騒音舗装と呼ばれることもあり、市街地道
路の街路舗装としても注目されている。
通常の舗装用混合物に比べて、より大きな空隙を持って
いるため、即ち、骨材配合において、細粒分が少ないた
めに、骨材のかみ合わせ効果による強度は期待できな
い。したがって、排水性舗装用混合物の安定度を高める
ためには、骨材間を強く接着させる強い把握力を持った
結合材が必要となる。また、排水性舗装用混合物は、一
般の車道、高速道路等に使用されるため、動的安定度の
高い性能が要求される。そのためには、軟化点が高く、
60℃粘度の高い結合材を使用する必要がある。
の結合材としては、ポリマーで改質された改質アスファ
ルトで、社団法人日本道路協会発行の「アスファルト舗
装要綱」に記載されている改質アスファルトII型より
はるかに軟化点が高く、60℃における粘度の高い(約
20万ポアズ以上)超高粘度の改質アスファルトが使用
されている。さらに、排水性舗装用混合物は、その大き
な空隙のため、直接日光や空気の影響を受けて劣化し易
いので、骨材に対する結合材の膜厚を厚くする必要があ
る。そのために、結合材の高温時における粘度を高くし
て、作業時の「ダレ」を少なくする必要があり、前記の
超高粘度改善アスファルトの使用は勿論のこと、改質ア
スファルトやストレートアスファルトに植物性繊維、繊
維質フィラー等を併用して使用する場合もある。
物の製造や舗設は、すべて加熱式で行なわれるため、使
用する超高粘度改質アスファルトや植物性繊維入り改質
アスファルト等は、温度変化による粘度の変動が大きい
ので、温度管理に細心の注意を払う必要があり、技術的
にかなり難しい面があった。また、超高粘度改質アスフ
ァルトを使用することにより、高温時の流動抵抗性は改
善されるが、未だ、満足すべきものとは云い難く、さら
に一層の改善が要望されている。
望にこたえるものであって、常温で施工ができ、温度管
理の必要がなく、骨材表面が高濃度および高粘度の改質
アスファルト乳剤と熱硬化性樹脂エマルジョンの厚い被
膜で被覆され、その被覆膜中にフィラーと水硬性無機材
料を分散させることにより、作業中に「ダレ」を発生さ
せることがなく、水硬性無機材料による水和反応で改質
アスファルト乳剤の分解硬化後および熱硬化性樹脂エマ
ルジョンの反応硬化後は、骨材表面に改質アスファルト
の強固な厚い被膜と熱硬化性樹脂の強固な被膜を形成す
ることにより、優れた耐久性、耐流動性、耐摩耗性を兼
ね備えた透水性常温混合物およびその製造方法を提供す
るものである。
ルト乳剤中のアスファルトまたはアスファルト乳剤にゴ
ムおよび熱可塑性高分子重合物から選ばれた1種または
2種以上を混和して改質した改質アスファルト乳剤と熱
硬化性樹脂エマルジョンにより被覆し、該被覆膜中にフ
ィラーと水硬性無機材料が分散していることを特徴とす
る透水性常温混合物、および骨材100重量部に対し、
フィラー1〜5重量部と水硬性無機材料1〜15重量部
とアスファルト乳剤中のアスファルトまたはアスファル
ト乳剤にゴムおよび熱可塑性高分子重合物から選ばれた
1種または2種以上を混和して改質した改質アスファル
ト乳剤2〜12重量部と熱硬化性樹脂エマルジョン0.
2〜3重量部を添加混合することを特徴とする透水性常
温混合物の製造方法を要旨とするものである。
ファルト舗装に用いられる骨材と変るところはない。ま
た、本発明において、前記「アスファルト舗装要綱」の
記載にしたがって、2.36mmふるいに止まる骨材を
粗骨材といい、2.36mmふるいを通過し、且つ0.
075mmふるいに止まる骨材を細骨材および0.07
5mmふるいを通過するものをフィラーというものとす
る。
石、クラッシャーラン、スクリーニングス、砕石ダス
ト、砂などである。このほか、明色骨材、硬質骨材も用
いることができる。明色骨材には、たとえば、ルクソバ
イト、シノパール、アルミニウム粒、陶磁器粒、プラス
チック粒、着色骨材などがある。硬質骨材には、たとえ
ばエメリー、シリカサンドなどがある。フィラーとして
は、スクリーニングのフィラー分、石粉、焼却炉灰、ク
レー、タルク、フライアッシュ、カーボンブラックなど
である。このほか、ゴム粉粒、コルク粉粒、木質粉粒、
樹脂粉粒、無機繊維、パルプ、合成繊維、炭素繊維等の
短繊維をフィラーの一部として併用することもできる。
なお、骨材の一部としてアスファルトでプレコートした
骨材も使用できる。
量は、骨材の種類、フィラーの種類、改質アスファルト
乳剤の組成などにより変り得るが、通常、1〜5重量部
程度の範囲である。1重量部未満の場合には、骨材表面
に改質アスファルト乳剤の厚い被覆膜を形成させるのに
不十分であり、一方、5重量部を上回る場合には、骨材
に対する改質アスファルト乳剤の接着性および被覆性が
かえって低下する傾向にある。
は、セメント、無水石膏、半水石膏、粉末状高炉スラグ
などである。セメントとしては、普通ポルトランドセメ
ント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランド
セメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトラ
ンドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライ
アッシュセメント、アルミナセメント、膨脹セメント、
耐硫酸塩セメント、ジェットセメント、高炉コロイドセ
メント、コロイドセメント、超速硬セメントなどであ
る。
量部に対して、通常、1〜15重量部程度、より好まし
くは3〜9重量部程度である。水硬性無機材料の量が、
1重量部未満の場合は、透水性常温混合物における硬化
体の安定度が低下するのに対し、15重量部を超える場
合には、透水性常温混合物における硬化体の剛性が強く
なり過ぎて、たわみ性がなくなり、亀裂発生の原因とな
る。なお、水硬性無機材料とともに、必要に応じて、公
知のセメント用混和材、たとえば、収縮補償材、硬化促
進材、硬化遅延材、分散剤、空気進行剤、増粘剤、減水
剤、充填剤などを併用することができる。
る界面活性剤の種類により、カチオン系、アニオン系、
ノニオン系などに分類されるが、本発明で使用するアス
ファルト乳剤は、改質アスファルト乳剤であれば、すべ
てのタイプのものが使用される。
およびノニオン系の改質アスファルト乳剤としては、天
然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンア
スファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱瀝アス
ファルト(たとえば、プロパン説瀝アスファルト)など
の石油アスファルトの1種または2種以上に、ゴムおよ
び熱可塑性高分子重合物から選ばれた1種または2種以
上を混和するプレミックスタイプによる方法で改質した
改質アスファルトを乳化剤、分散剤、安定剤等を使用し
て水中に乳化分散させた水中油滴型の改質アスファルト
乳剤であって、骨材、フィラーおよび水硬性無機材料と
の混合が良好な改質アスファルト乳剤を使用する。また
はゴムおよび熱可塑性高分子重合物から選らばれた1種
または2種以上を直接水中油滴型のアスファルト乳剤に
混和するポストミックスタイプによる方法で改質した改
質アスファルト乳剤を使用する。
よび熱可塑性高分子重合物は、たとえば、天然ゴム、ガ
タバーチャ、環化ゴム、スチレン・ブタヂェンゴム、ス
チレン・エソプレンゴム、イソプレンゴム、ポリイソブ
チレンゴム、ブタヂェンゴム、クロロプレンゴム、ブチ
ルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、
クロロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴ
ム、EPTゴム、アルフィンゴム、スチレン・ブタヂェ
ンブロック重合ゴム、スチレン・イソプレンブロック重
合ゴムなどのゴム、およびエチレン・酢酸ビニール共重
合物、エチレン・アクリレート共重合物、ポリエチレ
ン、酢酸ビニール・アクリレート共重合物などの熱可塑
性高分子重合物である。これらの1種または2種以上が
使用される。また、ゴムおよび熱可塑性高分子重合物
は、種々の形状、形態のものが使用される。たとえば、
粉末状のもの、粒状のもの、ラテックス状のもの、エマ
ルジョン状のもの、水性状のものなどである。これらの
ラテックス状のもの、エマルジョン状のもの、水性状の
ものはポストミックスタイプの方法による改質アスファ
ルト乳剤に使用される。勿論、これらは、プレミックス
タイプの方法による改質アスファルト乳剤にも使用され
る。
に、接着性、相溶性を改善するために、粘着付与剤とし
て熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、
可塑剤などを添加することも行なわれる。たとえば、ロ
ヂンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導
体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペ
ンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペ
ン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタ
ヂェン、ポリブヂン、イソブチレンとブタヂェンの共重
合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アンスラセン
油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油等である。ま
た、老化防止剤、酸化防止剤、硫黄等も添加することが
できる。さらにまた、改質アスファルト乳剤の粘度調整
を目的にMC、CMC、HEC、PVA、ゼラチンなど
の水溶性高分子保護コロイドを添加することができる。
と、ゴムおよび熱可塑性高分子重合物の配合割合は、ア
スファルト100重量部に対して10〜100重量部程
度、より好ましくは、20〜50重量部程度である。ゴ
ム、熱可塑性高分子重合物の量が10重量部未満の場合
は、改質アスファルト乳剤が分解、硬化した後における
改質アスファルトの骨材に対する接着力、把握力が劣る
のに対し、100重量部を超える場合には、凝集力が強
すぎて、かえって骨材からの剥離が生じ易く、また、経
済的でない。また、改質アスファルト乳剤中のアスファ
ルトとしては、分解、硬化した後の特性を考慮して、針
入度(25℃)が40〜300程度のものを使用するこ
とが好ましい。改質アスファルト乳剤の蒸発残留物(固
形物)濃度は、通常、50〜70重量%程度であるが、
本発明ではなるべく濃度の高いものが好ましい。
00重量部に対して、通常、2〜12重量部程度、より
好ましくは5〜10重量部程度である。改質アスファル
ト乳剤の使用量が、2重量部未満の場合は、改質アスフ
ァルト乳剤の骨材に対する被覆膜厚が不十分で透水性常
温混合物としての優れた機能が発揮されず、耐久性が劣
るのに対して12重量部を超える場合には、透水性常温
混合物の安定性が、かえって低下する。
ョンとしては、主としてエポキシ樹脂とその硬化剤の乳
化状のものである。
上のエポキシ基を有する化合物を主成分とする液状ない
し固形状のものである。エポキシ樹脂は最も一般的に
は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物
(ビスフェノールAのグリシジルエーテルを主成分とす
る)液状ないし固形状の樹脂たとえばエピコート81
5、828、834、1001、1004(いずれもシ
ェル化学、商品名)などがそれである。このほかビスフ
ェノールFのグリシジルエーテル、ダイマー酸グリシジ
ルエーテル、ボリアルキレングリコールグリシジルエー
テル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の
グリシジルエーテル、脂肪族グリシジルエーテル、ウレ
タン変性ビスフェノールグリシジルエーテル、脂肪族芳
香族共縮合グリシジルエーテル、ビニールシクロヘキサ
ンジオキシド、ジシクロペンタンジェンオキシド、水添
ビスフェノールグリシジルエーテルなどがある。
以上混合して用いる。また、エポキシ樹脂と硬化剤との
硬化反応を促進する物質たとえばフェノール、クレゾー
ル、アルキルフェノール、サリチル酸、トリフェニルホ
スフェート、フルフルアルコールなどを添加して用いる
こともできる。
ポキシ樹脂を水中に分散させて乳化物の形にして用い
る。乳化状のエポキシ樹脂の型は、アニオン型、ノニオ
ン型、カチオン型何れでもよいが一般的にはノニオン型
のものが望ましい。乳化したエポキシ樹脂中の水分は5
0重量%以下出来れば40重量%以下が望ましい。
反応する官能基を有する化合物を主成分とするものであ
る。具体的には一般公知のものを用いる。たとえば、脂
肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、環状脂肪族ポリア
ミン、脂肪族ヒドロキシポリアミン、これらの変性ポリ
アミン、これらのアミンアダクト、ポリアミド、ケテイ
ミン、第3級アミン、イミダゾール、BF3アミンコン
プレックス、酸無水物、ダイマー酸、トリマー酸、液状
多硫化ゴムなどである。
して用いる。硬化剤のうち、水溶性ないし水中分散性を
有するものは、そのままの状態か、あるいは水溶液また
は水中に分散させた状態で用いる。水に不溶または分散
性を有しない硬化剤については、適宜の界面活性剤、酸
類などによって水中に分散させて用いる。以上の如くし
て調製した硬化剤中の水分は出来るだけ少ない方がよ
い。
の結合反応の基本となる当量値を中心に比較的広い範囲
で許されるが、当量値もしくは当量値に近い割合で使用
することが望ましい。
用量は、骨材100重量部に対して、通常、0.2〜3
重量部程度、より好ましくは0.3〜2.0重量部程度
である。熱硬化性樹脂エマルジョンの使用量が0.2重
量部未満の場合は、骨材に対する強固な被膜を形成させ
るのが難かしく透水性常温混合物としての耐久性が劣る
のに対して3重量部を超える場合には、透水性常温混合
物の耐衝撃性がかえって低下する。
用方法および熱硬化性樹脂エマルジョンの使用方法の1
例を示せば次のようである。
量のエポキシ樹脂の乳化物を混合してこれをA剤とし、
また、予め所要量の改質アスファルト乳剤に所要量の前
記の如き加工した硬化剤を添加混合してこれをB剤と
し、これらA剤とB剤を予め混合したものを骨材に投入
混合する方法やA剤またはB剤を先に骨材に投入し、そ
の後B剤またはA剤を投入して混合する方法など何れも
用いることができる。
以下の手順により調製する。
代表的な各材料の組合わせの1例を示せば、表1の通り
である。
程度の範囲のものの調製に適している。Aタイプの透水
性常温混合物の調製は、パグミルミキサなどのミキサを
用いて行なう。先ず、ミキサに所要量の5号砕石を投入
し、ついで粗目砂、フィラー、水硬性無機材料の順に所
要量を添加して空練り混合を約3〜5秒程度行なう。そ
の後この混合物に先に説明したA剤、B剤を予め混合し
たものの所要量を添加して、ミキサ内で約15〜25秒
程度混合することにより、本発明の透水性常温混合物を
得ることができる。勿論、A剤、B剤の所要量を別々に
投入順序に関係なく添加して、ミキサ内で混合しても本
発明の透水性常温混合物を得ることができる。即ち、骨
材表面が高濃度および高粘度の改質アスファルト乳剤と
熱硬化性樹脂エマルジョンの厚い被膜で被覆され、被覆
膜中に、フィラーと水硬性無機材料が分散していて、作
業中に「ダレ」を生じることがなく、しかも、水硬性無
機材料による水和反応で改質アスファルト乳剤が分解、
硬化した後および熱硬化性樹脂エマルジョンが反応硬化
した後は、骨材表面に改質アスファルトの強固な厚い被
膜と熱硬化性樹脂の強固な被膜が形成される透水性常温
混合物を得ることができる。
質アスファルト乳剤および熱硬化性樹脂エマルジョンに
由来する水分だけで充分であるが、それだけでは不足す
る場合、たとえば、水硬性無機材料の水和のための水が
不足する場合、混和材、充填材などを併用する場合、作
業性を確保するために稠度を調製する場合などには、適
宜水を補給してもよい。
度の範囲のものを調製している。Bタイプの透水性常温
混合物の調製方法は、5号砕石の代りに6号砕石を用い
ること以外は、上記1)の調製方法と変るところがない
ので省略する。
わた場合、即ち、5号砕石と6号砕石とを組合わせた場
合の調製方法でも勿論本発明の透水性常温混合物を得る
ことができる。
後、フィラー、水硬性無機材料と共にA剤、B剤を添加
し、混合することにより、本発明の透水性常温混合物を
得ることもできる。
各材料の配合割合などにより調製可能であるが、運搬お
よび舗設に要する時間と、舗設後の早期交通解放の要望
などを考慮して、通常2時間程度とすることが好まし
い。勿論、条件次第では、可使時間を適宜変えることが
できる。
アスファルト混合物と同様な舗設要領で、歩道や車道の
排水性舗装の表層として、舗設される。また、本発明の
透水性常温混合物を使用する場合、舗装方法、使用する
機械類などは、加熱を必要とない点を除いては、公知の
アスファルト混合物の場合と同様である。
詳しく説明する。
50〜200)75重量部に、スチレン・ブタジェーン
ブロック重合ゴム20重量部、石油樹脂5重量部を混和
して改質した改質アスファルトをカチオン系界面活性剤
で乳化して改質アスフアルト乳剤(蒸発残留物70重量
%)を得た。
化シェルエポキシ(株) 商品名)をノニオン界面活性
剤で乳化してエポキシ樹脂の乳化物(エポキシ成分65
重量%)を得た。
ピキュア3255(油化シェルエポキシ(株) 商品
名)を塩酸で中和したもの25重量部をカチオン系混合
用乳剤(日瀝化学工業(株)製)75重量部に添加混合
して硬化剤の乳化物(硬化剤成分15.4重量%)を得
た。
エポキシ樹脂の乳化物2.8重量部を添加混合してA剤
(エポキシ樹脂成分1.8重量%)とした。
部に硬化剤の乳化物11.7重量部を添加混合してB剤
(硬化剤成分1.8重量%)とした。
粗目砂11.3重量部、カーボンブラック0.5重量
部、ライオンハイセット(大阪セメント(株)製)3.
2重量部を前記の順に投入し、約3秒間の空練り混合を
行ない、ついで、混合しながら、A剤、B剤を予め混合
したものを8重量部投入し、約15秒間混合した。
して、常温で片面50回の両面つきでマーシャル安定度
試験用供試体を作製し、室温(20℃)で7日間養成し
た後、マーシャル安定度試験(60℃、30分間)を行
なった。
隙率が17.6%、マーシャル安定度が1580kg、
フロー値(1/100cm)が22であった。
て、ローラコンバクタで転圧し、30cm×30cm×
5cmの供試体を作製し、室温(20℃)で7日間養成
した後、社団法人日本道路協会発行の「舗装試験法便
覧」に記載のホイールトラッキング試験法により、試験
濃度60℃、載荷重量(接地圧)6.4+0.15Kg
/cm2で試験したところ、密度は1.985g/cm
3.で、動的安定度(DS)は21000回/mmであ
った。
同じ手順で作製したものを、室温(20℃)で7日間養
生した後、ロスアンゼルス試験機にこの供試体を入れ、
10分間回転(300回転)させた後の損失量(カンタ
ブロ試験方法とも呼ぶ)を測定したところ12%であっ
た。
供試体と同じ手順で作製したものを、室温(20℃)で
7日間養生した後、透水試験を行なったところ、透水係
数は5.9×10−2cm/aecで透水性常温混合物
として十分な透水機能が得られた。
体と同じ手順で作製したものを、室温で7日間養生した
後、チェンラベリング試験(−10℃、1.5時間)を
行なったところ、すりへり量は0.5cm2で、通常の
密粒度アスコン(13)のすりへり量1.5〜2.0c
m2より小さい値であり、耐摩耗生に優れた透水性常温
混合物が得られた。
に、エポキシ樹脂の乳化物4.3重量部を添加混合して
A剤(エポキシ樹脂成分2.8重量%)とした。
部に、硬化剤の乳化物17.5重量部を添加混合してB
剤(硬化剤成分2.8重量%)とした。
同様の要領で行なった。即ち、骨材配合量、A剤、B剤
の配合量、混合方法は実施例−1と同様である。
して、実施例−1と同様に試験を行なった。結果は、次
の通りであった。
002g/cm3、空隙率が17.7%、マーシャル安
定度が1520Kg、フロー値(1/100cm)が2
1であった。
1.983g/cm3、動的安定度(DS)が2100
0回/mmであった。
4%であり、透水試験結果は、透水係数が6.1×10
−2cm/secであった。実施例−1と同様、十分透
水性機能を有する透水性常温混合物が得られた。
は、すりへり量が0.4cm2であった。
に、エポキシ樹脂の乳化物5.6重量部を添加混合して
A剤(エポキシ樹脂成分3.6重量%)とした。
部に、硬化剤の乳化物25.4重量を添加混合してB剤
(硬化剤成分3.6重量%)とした。
同様の要領で行なった。即ち、骨材配合量、A剤、B剤
の配合量、混合方法は実施例−1と同様である。
して、実施例−1と同様に試験を行なった。結果は、次
の通りであった。
004g/cm3、空隙率が17.8%、マーシャル安
定度が1585Kg、フロー値(1/100cm)が2
8であった。ホイールトラッキング試験結果は、密度が
1.977g/cm3、動的安定度(DS)が2100
0回/mmであった。
%であり、透水試験結果は、透水係数が6.2×10
−2cm/secであった。実施例−1および実施例−
2と同様に、十分透水性機能を有する透水性混合物が得
られた。
は、すりへり量が0.3cm2であった。
配合の加熱した骨材(但し、カーボンブラック、ライオ
ンハイセットは石粉に置き替える)に、加熱溶融したス
トレートアスファルト(針入度60〜80)5重量部を
配合した混合物を使用して、実施例−1と同様に試験を
行なった結果は、次の通りであった。
915g/cm3、空隙率が22%、マーシャル安定度
が220Kg、フロー値(1/100cm)が28であ
った。
1.932g/cm3、動的安定度(DS)は、測定不
可の状態で、試験開始後約20分で供試体が破壊した。
%であり、透水試験結果は、透水係数が5.4×10
−2cm/secであった。
は、試験中に骨材が飛散して測定不可であった。
材配合の加熱した骨材(但し、カーボンブラック、ライ
オンハイセットは石粉に置き替える)に、加熱溶融した
60℃における粘度が20万ポアズ以上の市販の改質ア
スファルト4.8重量部を配合した混合物を使用して、
実施例−1と同様の試験を行なった。結果は、次の通り
であった。
947g/cm3、空隙率が21%、マーシャル安定度
が610Kg、フロー値(1/100cm)が23であ
った。
1.998g/cm3、動的安定度(DS)が、350
0回/mmであった。
0%であり、透水試験結果は、透水係数が5.9×10
−2cm/secであった。さらにまた、チェンラベリ
ング試験結果は、すりへり量が10.0cm2であっ
た。
ると、表2および表3のようになる。
と、比較例−1および比較例−2を対比すれば、透水係
数は、いずれも10−2のオーダーで透水機能を有して
いるが、比較例−1との対比においては、本発明の透水
性常温混合物は、加熱アスファルト混合物に比べ、マー
シヤル安定度が約7倍、動的安定度(DS)は比較にな
らず、交通荷重に対する流動抵抗性が優れていることを
示している。また、チェンラベリング試験結果のすりへ
り量も比較にならず、耐摩耗が優れていることを示して
いる。さらに、比較例−2との対比においては、本発明
の透水性常温混合物は、超高粘度改質アスファルト加熱
混合物に比ベ値マーシヤル安定度が約2.5倍、動的安
定度(DS)が約6倍であり、交通荷重に対して安定
で、特に夏季高温時の流動抵抗性に優れていることを示
している。また、チェンラベリング試験のすりへり量に
おいては、約20〜30倍でかなり耐摩耗性に優れてい
ることが分かる。
実際の舗装に使用した。
ート舗装面に、タックコートとして浸透用カチオン系ア
スファルト乳剤(蒸発残留物52重量%)を0.3l/
m2の割合で散布した後、アスファルトフィニッシャー
を使用して、実施例−1の透水性常温混合物を110K
g/m2の割合で敷きならした。アスファルトフィニッ
シャーへの透水性常温混合物の供給は、通常の加熱アス
ファルト混合物の場合と同様に、ダンプトラックから行
なった。締固めは、アスファルトフィニッシャーのパイ
プレーションによるだけで、ローラによる転圧は行なわ
なかったが、路面は平坦に仕上がっており、面荒れはな
かった。
常温混合物による舗装は、現場透水係数6.1×10
−2cm/secで降雨時の排水機能が良好で、ひび割
れ、交通荷重による流動、アスファルトのフラッシュな
どは、全く発生しておらず、DFテスタによる摩擦係数
(μ)も60Km/hで0.48とすべり抵抗性のある
極めて良好な状態にあった。
のような効果がある。
で製造できるので、設備および工程が簡略化され、温度
管理の必要がないので、品質の安定した製品を得ること
ができる。また、得られた透水性常温混合物は、製造時
と同様、加熱を必要としないで、常温で舗設作業がで
き、従来のような難しい温度管理の必要がなくなった。
表面が高濃度および高粘度の改質アスファルト乳剤と熱
硬化性樹脂エマルジョンの厚い被膜で被覆され、その被
覆膜中にフィラーと水硬性無機材料が分散した形になっ
ているため、作業中に「ダレ」を生じることがなく、し
かも、少量の水硬性無機材料が改質アスファルト乳剤の
分解を促進し、改質アスファルト乳剤が分解、硬化した
後および熱硬化性樹脂エマルジョンの反応硬化後は、改
質アスファルトと熱硬化性樹脂のより強固な被膜となる
ので、日光や空気の影響に左右されず、耐候性に優れ、
且つ、交通荷重に対する安定性、特に夏季高温時の流動
抵抗性に対し優れた効果を示す。
アスファルト乳剤が分解、硬化した後および熱硬化性樹
脂エマルジョンの反応硬化後の結合力が強いので、骨材
の飛散がなく、且つ、耐摩耗性に優れている。そのた
め、改質アスファルト乳剤を多く添加することを可能と
して、夏季における流動抵抗性も高く、耐久性がよい。
また、冬季における耐摩耗性が良い。
率の確保がしやすく、且つその保持性にまさり、本来の
目的である優れた透水機能を有する。
Claims (2)
- 【請求項1】 骨材の表面を、アスファルト乳剤中のア
スファルトまたはアスファルト乳剤にゴムおよび熱可塑
性高分子重合物から選ばれた1種または2種以上を混和
して改質した改質アスファルト乳剤と熱硬化性樹脂エマ
ルジョンにより被覆し、該被覆膜中にフィラーと水硬性
無機材料が分散していることを特徴とする透水性常温混
合物。 - 【請求項2】 骨材100重量部に対し、フィラー1〜
5重量部と水硬性無機材料1〜15重量部とアスファル
ト乳剤中のアスファルトまたはアスファルト乳剤にゴム
および熱可塑性高分子重合物から選ばれた1種または2
種以上を混和して改質した改質アスファルト乳剤2〜1
2重量部と熱硬化性樹脂エマルジョン0.2〜3重量部
を添加混合することを特徴とする透水性常温混合物の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26527992A JP3236943B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 透水性常温混合物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26527992A JP3236943B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 透水性常温混合物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665903A true JPH0665903A (ja) | 1994-03-08 |
JP3236943B2 JP3236943B2 (ja) | 2001-12-10 |
Family
ID=17415019
Family Applications (1)
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JP26527992A Expired - Lifetime JP3236943B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 透水性常温混合物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3236943B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001011811A (ja) * | 1999-06-29 | 2001-01-16 | Obayashi Road Corp | 透水性舗装構造 |
KR100592962B1 (ko) * | 2005-11-29 | 2006-06-26 | 김인중 | 투수성과 배수성을 갖는 아스팔트 포장재 제조 방법 및 그포장재 |
CN114015250A (zh) * | 2021-11-22 | 2022-02-08 | 河北雄安京德高速公路有限公司 | 一种用于长寿命路面的橡胶改性沥青、其制备方法、制备设备与应用 |
JP2022162953A (ja) * | 2021-04-13 | 2022-10-25 | ▲広▼州大学 | 低温硬化型高強度被覆砂材料およびその製造方法 |
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JP7139296B2 (ja) | 2019-09-11 | 2022-09-20 | 株式会社イノアックコーポレーション | 繊維強化樹脂複合成形体とその製造方法 |
-
1992
- 1992-08-21 JP JP26527992A patent/JP3236943B2/ja not_active Expired - Lifetime
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