JPH0664434A - エアサスペンション制御装置 - Google Patents

エアサスペンション制御装置

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JPH0664434A
JPH0664434A JP17246293A JP17246293A JPH0664434A JP H0664434 A JPH0664434 A JP H0664434A JP 17246293 A JP17246293 A JP 17246293A JP 17246293 A JP17246293 A JP 17246293A JP H0664434 A JPH0664434 A JP H0664434A
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air
air chamber
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Masahiro Murata
正博 村田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアサスペンションの消費エネルギ及びコス
トを低減し耐久性を向上させる。 【構成】 各車輪に対応して設けられたエアスプリング
10のエアチャンバに対する作動気体の給排を制御する
ことにより車体の姿勢を制御するエアサスペンション制
御装置。走行状態検出装置12により検出された走行状
態に基き目標気体質量演算装置14によってエアチャン
バ内の目標気体質量Moを演算すると共に実気体質量演
算装置16によってエアチャンバ内の実気体質量Mを演
算する。そして給排制御装置18により実気体質量Mと
目標気体質量Moとの偏差に基きこの偏差が減小するよ
うエアチャンバに対する作動気体の給排を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のエア
サスペンションに係り、更に詳細にはエアサスペンショ
ンの制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のエアサスペンション
は、一般に、各輪に対応して設けられたエアスプリング
を有し、各エアスプリングのエアチャンバの容積が車輪
のバウンド、リバウンド時に減小し増大することに伴う
エアチャンバ内の圧力の増減によりばね力を増減するよ
うになっており、かかるエアサスペンションの制御装置
の一つとして、例えば実開昭60−8112号公報に記
載されている如く、車輌の走行状態に応じてエアチャン
バ内の目標圧力を設定すると共にエアチャンバ内の実際
の圧力を検出し、実際の圧力と目標圧力との偏差に応じ
て給気用制御弁及び排気用制御弁を制御することによ
り、エアチャンバ内の圧力をフィードバック制御しエア
チャンバ内の圧力を目標圧力にするよう構成されたエア
サスペンション制御装置が従来より知られている。
【0003】かかるエアサスペンション制御装置によれ
ば、エアチャンバ内の圧力が積極的には制御されない通
常のエアサスペンションの場合に比して、車輌の加減速
時や旋回時に於ける車体の姿勢変化を低減することがで
き、これにより車輌の操縦安定性を向上させることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
のエアサスペンション制御装置に於ては、車輌の走行に
伴ない路面の凹凸によって車輪がバウンド、リバウンド
し、これによりエアチャンバ内の実際の圧力が増減する
と、それに応じて供給用及び排気制御制御弁が開閉制御
されることによってエアチャンバに対する空気の給排が
繰返し頻繁に行われるので、消費エネルギが高くなり易
く、また耐久性及び応答性に優れた制御弁等が必要であ
り高コストになるという問題がある。
【0005】本発明は、従来のエアサスペンション制御
装置に於ける上述の如き問題に鑑み、制御弁が開閉され
ない限りエアチャンバは閉空間の状態を維持し、閉空間
内の気体の質量は閉空間の容積や圧力の変動に拘らず一
定であることに着目し、エアスプリングに対し不必要な
制御が繰返し頻繁に行われることを防止して消費エネル
ギを低減すると共にエアサスペンションの耐久性を向上
させコストを低減することができるよう改良されたエア
サスペンション制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】また本発明は、消費エネルギ及びコストを
低減しエアサスペンションの耐久性を向上させることが
できるだけでなく、従来に比して車輌の乗り心地性を向
上させることができるよう改良されたエアサスペンショ
ン制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、図1に示されている如く、各車輪に対応し
て設けられたエアスプリング(10)のエアチャンバに
対する作動気体の給排を制御することにより車体の姿勢
を制御するエアサスペンション制御装置に於て、車輌の
走行状態を検出する走行状態検出手段(12)と、検出
された車輌の走行状態に基き前記エアチャンバ内の目標
気体質量Moを演算する目標気体質量演算手段(14)
と、前記エアチャンバ内の実気体質量Mを演算する実気
体質量演算手段(16)と、前記実気体質量Mと前記目
標気体質量Moとの偏差Mcに基き該偏差が減少するよ
う前記エアチャンバに対する作動気体の給排を制御する
給排制御手段(18)とを有するエアサスペンション制
御装置、及び図2に示されている如く、上記エアサスペ
ンション制御装置に於て、前記実気体質量演算手段(1
6)は前記エアチャンバの容積を検出する容積検出手段
(20)と、前記エアチャンバ内の圧力を検出する圧力
検出手段(22)と、前記エアチャンバ内の作動気体の
温度を検出する温度検出手段(24)と、前記温度検出
手段により検出された作動気体の温度を示す信号を平滑
処理する平滑処理手段(26)と、前記容積検出手段及
び圧力検出手段によりそれぞれ検出された容積及び圧力
と前記平滑処理手段により平滑処理された温度とに基き
実気体質量Mを演算する演算手段(28)とを有するこ
とを特徴とするエアサスペンション制御装置によって達
成される。
【0008】
【作用】上述の前者の構成によれば、走行状態検出手段
(12)により検出された車輌の走行状態に基き目標気
体質量演算手段(14)によりエアチャンバ内の目標気
体質量Moが演算され、実気体質量演算手段(16)に
よりエアチャンバ内の実気体質量Mが演算され、給排制
御手段により実気体質量Mと目標気体質量Moとの偏差
に基き該偏差が減少するようエアチャンバに対する作動
気体の給排が制御される。
【0009】従って路面の凹凸に起因して車輪がバウン
ド、リバウンドしても目標気体質量Moは変更されず偏
差Mcは変化しないので、エアチャンバに対する作動気
体の給排が繰返し頻繁に行われることがなく、これによ
りエアチャンバ内の圧力が従来の制御装置によってフィ
ードバック制御される場合に比して消費エネルギ及びコ
ストが減少すると共にエアサスペンションの耐久性が向
上する。
【0010】またエアサスペンション制御装置に於ける
エアスプリングのエアチャンバ内の圧力、エアチャンバ
の容積、エアチャンバ内の気体の温度、エアチャンバ内
の気体の質量をそれぞれP、V、T、Mとし、標準状
態、即ち車輪が中立位置にあるときのエアチャンバ内の
圧力、エアチャンバの容積、エアチャンバ内の気体の温
度、エアチャンバ内の気体の質量(目標気体質量)をそ
れぞれP1 、V1 、T1、M1 とし、車輪が路面の突起
を乗り越える等によって外力を受けた後のエアチャンバ
内の圧力、エアチャンバの容積、エアチャンバ内の気体
の温度、エアチャンバ内の気体の質量をそれぞれP2
2 、T2 、M2 とし、気体を完全気体とみなしRを気
体の気体定数としてエアサスペンション制御装置に於て
演算される気体の質量Mを下記の数1の如く定義する。
【数1】M=(P・V)/(R・T)
【0011】いま車輌が直進しているものと仮定し、エ
アチャンバ内の気体の質量は一定であると仮定すると、
エアサスペンション制御装置に於て演算される目標質量
1は下記の数2により表される。
【数2】M1 =(P1 ・V1 )/(R・T1
【0012】エアスプリング内に於て生じる状態変化を
ポリトロープ変化とし、エアチャンバの系が閉じている
と仮定すると、nをポリトロープ指数として下記の数B
が成立する。
【数3】P1 ・V1 n =P2 ・V2 n
【0013】数3よりエアサスペンションが外力を受け
た後のエアチャンバ内の圧力P2 は下記の数4により表
される。
【数4】P2 =(V1 /V2 n ・P1
【0014】またエアサスペンションが外力を受けた後
のエアチャンバ内の容積V2 はSをサスペンションスト
ローク(標準位置よりバウンド方向への変位を正とす
る)とし、Aをエアサスペンションのピストンの断面積
として下記の数5により表される。
【数5】V2 =V1 −A・S
【0015】数4及び数5にて表される圧力P2 及び容
積V2 はそれぞれ圧力検出手段及び容積検出手段により
検出される値であり、数1、数4、数5より気体の質量
Mは下記の数6により表される。
【数6】 M=(P2 ・V2 )/(R・T2 ) ={(P1 ・V1 )/(R・T2 )}・{V1 /(V1 −A・S)}n-1
【0016】ここで温度検出手段により検出されるエア
チャンバ内の気体の温度Tの変化がエアチャンバの容積
の変化よりも十分遅くなるよう温度Tを平滑処理し、温
度変化のポリトロープ指数を実質的に1.0とみなす
と、下記の数7が成立する。
【数7】T2 =T1
【0017】従って数6は下記の数8の如く表される。
【数8】 M={(P1 ・V1 )/(R・T1 )} ・{V1 /(V1 −(V1 A・S)}n-1
【0018】いまエアサスペンション制御装置に於ける
フィードバック制御量Eを下記の数9の如く定義する。
尚下記の数9に於てKはフィードバックゲインであり、
E<0はエアチャンバより気体を排出させる排気に相当
し、E>0はエアチャンバへ気体を供給する給気に相当
する。
【数9】E=K・(M1 −M)
【0019】数9に数2及び数8を代入すると、数9は
下記の数10の如く表される。
【数10】 E=K・{(P1 ・V1 )/(R・T1 )} ・[1−{V1 /(V1 −(V1 A・S)}n-1
【0020】車輪が路面の凸部を通過することによりバ
ウンド方向へSだけストロークしたとすると、V1 −A
・S<V1 であるので、下記の数11が成立する。
【数11】V1 /(V1 −A・S)>1
【0021】車輪がバウンドするとエアチャンバ内の圧
力Pは増大するので(即ち定圧変化ではないので)、ポ
リトロープ指数nは1以上であり、従って下記の数12
が成立する。
【数12】1−{V1 /(V1 −A・S)}n-1 <0
【0022】数12に基き数10を検討すると、下記の
数13が成立する。
【数13】E<0
【0023】数13は上述の如く排気を意味し、車輪が
路面よりバウンド方向の入力を受けるとエアチャンバよ
り気体が排出されることによってエアスプリングのばね
力が低下されることを意味する。
【0024】また車輪が路面の凹部を通過することによ
りリバウンド方向へSだけストロークしたとすると、V
1 −A・S>V1 であるので、下記の数14が成立す
る。
【数14】V1 /(V1 −A・S)<1
【0025】車輪がリバウンドするとエアチャンバ内の
圧力Pは減小するので(即ち定圧変化ではないので)、
ポリトロープ指数nは1以上であり、従って下記の数1
5が成立する。
【数15】1−{V1 /(V1 −A・S)}n-1 >0
【0026】数15に基き数10を検討すると、下記の
数16が成立する。
【数16】E>0
【0027】数16は上述の如く給気を意味し、車輪が
リバウンド方向の入力を受けるとエアチャンバへ気体が
供給されることによってエアスプリングのばね力が増大
されることを意味する。
【0028】上述の後者の構成によれば、容積検出手段
(20)により検出されたエアチャンバの容積と、圧力
検出手段(22)により検出されたエアチャンバ圧力
と、温度検出手段(24)により検出され平滑処理手段
(26)により平滑処理されたエアチャンバ内の作動気
体の温度とに基き演算手段(28)によって実気体質量
Mが演算されるようになっているので、上述の如く車輪
が路面の凸部を通過する際の如くバウンド方向の力を受
ける場合にはエアスプリングのばね力が低下され、逆に
車輪が路面の凹部を通過する際の如くリバウンド方向の
力を受ける場合にはエアスプリングのばね力が増大さ
れ、これによりエアチャンバに対し作動気体の給排が行
われない通常のエアサスペンションや上述の前者の構成
の制御装置による制御の場合に比して車輌の乗り心地性
が向上する。
【0029】
【課題を解決するための手段の補足説明】本発明の一つ
の詳細な特徴(請求項3の構成)によれば、実気体質量
演算手段はエアチャンバの容積を検出する容積検出手段
と、エアチャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段と、
外気温を検出する外気温検出手段と、容積検出手段、圧
力検出手段及び外気温検出手段によりそれぞれ検出され
た容積、圧力及び外気温に基き実気体質量Mを演算する
演算手段とを有するよう構成される。上述の請求項2の
構成に於てカットオフ周波数を非常に低い周波数に設定
してエアチャンバ内の作動気体の温度をローパスフィル
タ処理すると、ローパスフィルタ処理後の温度は外気温
とほぼ等しくなる。従ってこの構成によれば、エアチャ
ンバに対する作動気体の給排が請求項2の構成の場合と
同様に制御され、しかも温度を検出する手段が一つに低
減される。
【0030】また本発明の他の一つの詳細な特徴(請求
項4の構成)によれば、エアサスペンション制御装置
は、車体の上下動を検出する車体上下動検出手段と、車
体の上方への移動時には目標気体質量Moを低減補正し
車体の下方への移動時には目標気体質量Moを増大補正
する目標気体質量補正手段とを有する。かかる構成によ
れば、エアスプリングが車体より外乱入力を受ける場合
に於ける車体の上下変位が低減され、これにより車輌の
乗り心地性が更に一層向上される。
【0031】また本発明の他の一つの詳細な特徴(請求
項5の構成)によれば、エアサスペンション制御装置
は、車体の上下動の速度を検出する車体上下速度検出手
段と、車体が所定の速度以上の速度にて上方へ移動して
いるときにはエアチャンバへの作動気体の供給を禁止し
車体が所定の速度以上の速度にて下方へ移動していると
きにはエアチャンバよりの作動気体の排出を禁止する給
排禁止手段とを有する。かかる構成によれば、エアスプ
リングが車体より外乱入力を受ける場合に於ける車体の
上下変位が抑制され、これにより車輌の乗り心地性が更
に一層向上される。
【0032】また本発明の他の一つの詳細な特徴(請求
項6又は7の構成)によれば、容積検出手段は各車輪に
対応する部位の車高を検出する車高検出手段と、予め設
定された車高とエアチャンバの容積との関係よりエアチ
ャンバの容積を演算する容積演算手段とを有するよう構
成される。かかる構成によれば、車高と容積との間の関
係の設定態様により、車高の変化に伴なう実気体質量M
の変化をエアチャンバ内の実際の気体質量の変化と同一
であるよう演算したり、エアチャンバ内の実際の気体質
量の変化とは異なるよう演算することもでき、これによ
りエアチャンバに対する作動気体の給排制御の自由度を
高くすることが可能になる。
【0033】例えば車高が変化しても受圧面積が実質的
に一定であるよう構成されたエアスプリングが使用され
る場合に於て、前記関係が実質的に非線型の特性に設定
されれば(請求項8の構成)、例えばエアチャンバに対
し給排される作動気体の質量をエアチャンバの実際の容
積変化に対応する気体質量よりも多くすることにより車
体の上下動が効果的に抑制され、これにより車輌の乗り
心地性が更に一層向上される。
【0034】また車高の変化に伴ない受圧面積が変化す
るよう構成されたエアスプリングが使用される場合に於
て、前記関係が車高の変化に伴なうエアチャンバの実際
の容積変化に実質的に対応して設定されれば(請求項9
の構成)、例えば車高の減少に伴ないエアスプリングの
受圧面積が減少することにより車体の上下動を効果的に
抑制することができ、しかも実気体質量Mはエアチャン
バの実際の容積変化に対応して演算されるので、エアチ
ャンバに対する作動気体の給排を実質的に作動気体のポ
リトロープ指数の変化に対応する量についてのみ制御す
ることができ、これにより車輌の良好な乗り心地性を確
保しつつ作動気体の消費量を更に一層低減することが可
能になる。
【0035】更に前記関係が標準車高近傍に於てはエア
チャンバの容積が実質的に一定であるよう設定されれば
(請求項10の構成)、例えば路面の僅かな凹凸に起因
して車高が標準車高近傍に於て増減しても実気体質量M
は増減せず、エアチャンバに対する作動気体の給排が行
われないので、作動気体の消費量を更に一層低減するこ
とが可能になる。
【0036】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。第一の実施例 図3は本発明によるエアサスペンション制御装置の第一
の実施例を示す概略構成図である。尚図3に於て、*は
各輪に対応する記号であり、*が付された符号にて示さ
れた部材は右前輪(*=fr)、左前輪(*=fl)、右後
輪(*=rr)、左後輪(*=rl)の各々に対応して設け
られていることを示している。
【0037】図3に於て、30*は図には示されていな
いばね上とばね下との間に配設されたショックアブソー
バを示しており、32*はショックアブソーバ30*と
一体に形成されたエアスプリングを示している。エアス
プリング32*は周知の如く図には示されていない車輪
のバウンド、リバウンドに伴いそれぞれ容積を減小し増
大するエアチャンバ34*を有している。
【0038】エアチャンバ34*には給気導管36*の
一端が接続されており、該導管の他端は内部に高圧の空
気を貯容する高圧タンク38に接続されている。給気導
管36*の途中にはソレノイド式の常閉型の開閉弁であ
る給気用制御弁40*が設けられている。給気導管36
*のエアスプリング30*と給気用制御弁40*との間
の部分には排気導管42*の一端が接続されており、該
導管の他端は内部に低圧の空気を貯容する低圧タンク4
4が接続されている。排気導管42*の途中には制御弁
40*と同様ソレノイド式の常閉型の開閉弁である排気
用制御弁46*が設けられている。
【0039】図3に示されている如く、図示の実施例に
於ては、制御弁40*及び46*は操舵角速度θd を検
出する操舵角速度センサ48、車速Vを検出する車速セ
ンサ50、車体の横加速度Gy を検出する横加速度セン
サ52、車体の前後加速度Gx を検出する前後加速度セ
ンサ54、各輪に対応する部位の車高H*を検出する車
高センサ56*、各エアスプリングのエアチャンバ34
内の圧力P*を検出する圧力センサ58*、各エアチャ
ンバ内の空気の温度T*を検出する温度センサ60*よ
りの信号に基き、後述の如く電子制御装置62によって
開閉制御されるようになっている。
【0040】電子制御装置62は図4に示されている如
く、マイクロコンピュータ64を有している。マイクロ
コンピュータ64は図4に示されている如き一般的な構
成のものであってよく、中央処理ユニット(CPU)6
6と、リードオンリメモリ(ROM)68と、ランダム
アクセスメモリ(RAM)70と、入力ポート装置72
と、出力ポート装置74とを有し、これらは双方向性の
コモンバス76により互いに接続されている。
【0041】入力ポート装置72には操舵角速度センサ
48により検出された操舵角速度θd を示す信号、車速
センサ50により検出された車速Vを示す信号、横加速
度センサ52により検出された車体の横加速度Gy を示
す信号、前後加速度センサ54により検出された車体の
前後加速度Gx を示す信号が入力されるようになってお
り、また図には示されていない各輪に対応して設けられ
た車高センサ56*、圧力センサ58*、温度センサ6
0*よりそれぞれ各輪に対応する部位の車高H*、各エ
アチャンバ内の圧力P*、各エアチャンバ内の空気の温
度T*を示す信号が入力されるようになっている。
【0042】入力ポート装置72はそれに入力された信
号を適宜に処理し、ROM68に記憶されているプログ
ラムに基くCPU66の指示に従い、CPU及びRAM
70へ処理された信号を出力するようになっている。R
OM38は図5乃至図7に示された制御プログラム及び
図9〜図11に示されたグラフに対応するマップを記憶
している。CPU66は図5乃至図7に示された制御プ
ログラムに基き後述の如く種々の演算及び信号の処理を
行うようになっている。出力ポート装置74はCPU6
6の指示に従い、駆動回路78*を経て各エアスプリン
グに対応する給気用制御弁40へ制御信号を出力し、ま
た駆動回路80*を各エアスプリングに対応する排気用
制御弁46*へ制御信号を出力するようになっている。
【0043】次に図5に示されたフローチャートを参照
して図示の実施例に於けるエアサスペンションの制御に
ついて説明する。尚図5に示されたルーチンは図には示
されていないイグニッションスイッチの閉成により開始
される。また図5に示されたフローチャートに於て、*
は各輪に対応する記号であり、図5に示されたルーチン
による制御は例えば右前輪(*=fr)、左前輪(*=f
l)、右後輪(*=rr)、左後輪(*=rl)の順に繰返
し実行される。
【0044】まず最初のステップ100に於ては、後述
の如く図6に示されたフローチャートに従ってエアチャ
ンバ内の目標空気質量Mo*が演算され、ステップ20
0に於ては後述の如く図7に示されたフローチャートに
従って各エアチャンバ内の実空気質量M*が演算され、
ステップ300に於てはステップ100及び200に於
て演算された質量の偏差Mc*(=Mo*−M*)が演
算される。
【0045】ステップ400に於てはα(正の定数)を
制御のしきい値として偏差Mc*が−α以上でありα以
下であるか否かの判別が行われ、−α≦Mc*≦αであ
る旨の判別が行われたときにはステップ800に於て給
気用制御弁40*及び排気用制御弁46*が閉弁された
後ステップ100へ戻り、−α≦Mc*≦αではない旨
の判別が行われたときにはステップ500へ進む。
【0046】ステップ500に於ては偏差Mc*がα以
上であるか否かの判別が行われ、α≦Mc*である旨の
判別が行われたときにはステップ600に於て給気用制
御弁40*が開弁されると共に排気用制御弁46*が閉
弁された後ステップ100へ戻り、α≦Mc*ではない
旨の判別が行われたときにはステップ700に於て給気
用制御弁40*が閉弁されると共に排気用制御弁46*
が開弁された後ステップ100へ戻る。
【0047】次に図6に示されたフローチャートを参照
して図5に示されたフローチャートのステップ100に
於て行われる目標空気質量Mo*の演算ルーチンについ
て説明する。
【0048】まずステップ105に於ては操舵角速度θ
d 、車速V、車体の横加速度Gy 、車体の前後加速度G
x 、各輪のエアチャンバ34*内の空気の温度T*の読
込みが行われ、ステップ110に於ては操舵角速度θd
及び車速Vに基き図9に示されたグラフに対応するマッ
プに基き車体の横加速度の遅れ補償値Gyoが演算され
る。尚操舵角速度θd が負の値である場合には、遅れ補
償値Gyoは負の値として演算される。
【0049】ステップ115に於ては車体の横加速度G
y 及びその遅れ補償値Gyoに基き車体の推定横加速度G
ym(=Gy +Gyo)が演算される。ステップ120に於
ては車体の推定横加速度Gymに基き図10に示されたグ
ラフに対応するマップに基き車体の目標ロール量Rm が
演算される。同様にステップ125に於ては車体の前後
加速度Gx に基き図11に示されたグラフに対応するマ
ップに基き車体の目標ピッチ量Pm が演算される。
【0050】ステップ130に於てはステップ120及
び125に於てそれぞれ演算された目標ロール量Rm 及
び目標ピッチ量Pm に基き、Kp及びKrを正の定数と
して下記の数17に従って各輪のストローク量S*が演
算される。尚車速V等に応じて車高が制御される場合に
は、下記の数17の各式に於て車速V等に応じたヒーブ
量hが加算されてよい。
【数17】Sfr=Kp・Pm −Kr ・Rm Sfl=Kp・Pm +Kr ・Rm Srr=−Kp・Pm −Kr ・Rm Srl=−Kp・Pm +Kr ・Rm
【0051】ステップ135に於てはSV*を各輪のエ
アスプリング32*のエアチャンバ34*の基準容積
(対応する車輪が中立位置にあるときの容積)として、
下記の数18に従って各エアスプリングの目標エアチャ
ンバ容積Vo*が演算される。尚数18に於てA1 及び
2 はそれぞれ左右前輪及び左右後輪のショックアブソ
ーバ30のシリンダの断面積である。
【数18】Vofr=SVfr+A1 ・Sfr Vofl=SVfl+A1 ・Sfl Vorr=SVrr+A2 ・Srr Vorl=SVrl+A2 ・Srl
【0052】ステップ140に於てはステップ115に
於て演算された車体の推定横加速度Gymに基き、Df 及
びDr をそれぞれ前輪側及び後輪側の正の定数として下
記の数19に従って各エアチャンバ内圧力の増分Py *
が演算される。
【数19】Pyfr =Df ・Gym Pyfl =−Pyfr Pyrr =Df ・Gym Pyrl =−Pyrr
【0053】ステップ145に於てはステップ105に
於て読込まれた車体の前後加速度Gx に基き、Dpを正
の定数として下記の数20に従って各エアチャンバ内圧
力の増分Px *が演算される。
【数20】Pxfr =Dp ・Gx Pxfl =Pxfr Pxrr =−Dp ・Gx Pxrl =Pxrr
【0054】ステップ150に於てはSP*を各エアチ
ャンバ内圧力の基準圧力(車輌が静止状態にあり且対応
する車輪が中立位置にあるときの圧力)として下記の数
21に従って目標エアチャンバ内圧力Po*が演算され
る。
【数21】Pofr=SPfr+Pyfr +Pxfr Pofl=SPfl+Pyfl +Pxfl Porr=SPrr+Pyrr +Pxrr Porl=SPrl+Pyrl +Pxfl
【0055】ステップ155に於てはステップ105に
於て読込まれた各エアチャンバ内の空気温度T*、ステ
ップ135に於て演算された目標エアチャンバ容積Vo
*、ステップ150に於て演算された目標エアチャンバ
内圧力Po*に基き、Rを気体定数として下記の数22
に従って各エアチャンバ内の目標空気質量Mo*が演算
される。
【数22】Mo*=(Po*・Vo*)/(R・T*)
【0056】次に図7に示されたフローチャートを参照
して図5に示されたフローチャートのステップ200に
於て行われる実空気質量M*の演算ルーチンについて説
明する。
【0057】まずステップ210に於ては、各輪に対応
する部位の車高H*、各輪のエアチャンバ内の圧力P
*、各輪のエアチャンバ内の温度T*の読込みが行わ
れ、ステップ220に於てはカットオフ周波数を例えば
0.01Hz に設定して温度T*を示す信号をローパス
フィルタ処理することによりローパスフィルタ処理後の
温度Tlp*が演算される。
【0058】ステップ230に於ては、ステップ210
に於て読込まれた各輪に対応する部位の車高H*に基
き、K1 及びK2 をそれぞれ左右前輪及び左右後輪につ
いての係数(正の定数)として各輪のエアチャンバの容
積V*が下記の数23に従って演算される。
【数23】Vfr=SVfr+K1 ・Hfr Vfl=SVfl+K1 ・Hfl Vrr=SVrr+K2 ・Hrr Vrl=SVrl+K2 ・Hrl
【0059】ステップ240に於てはステップ210に
於て読込まれた各輪のエアチャンバ内圧力P*、ステッ
プ220に於て演算されたローパスフィルタ処理後の各
エアチャンバ内温度Tlp*、ステップ230に於て演算
された各エアチャンバ容積V*に基き、Rを気体定数と
して下記数24に従って各エアチャンバ内の実空気質量
M*が演算される。
【数24】M*=(P*・V*)/(R・Tlp*)
【0060】かくして第一の実施例によれば、ステップ
100、即ちステップ105〜155に於て車輌の走行
状態、即ち旋回や加減速に応じて各エアチャンバ内の目
標空気質量Mo*が演算され、ステップ200、即ちス
テップ210〜240に於て各エアチャンバ内の実空気
質量M*が演算され、ステップ300に於て目標空気質
量Mo*と実空気質量M*との偏差Mc*が演算され、
ステップ400〜800に於て偏差Mc*が−α以上且
α以下になるよう各エアチャンバ内の空気の質量がフィ
ードバック制御される。
【0061】従って車輌の定速直進走行時の如く実質的
に旋回や加減速が行われない場合には、路面の凹凸によ
り車輪がバウンド、リバウントしても目標空気質量Mo
*は変化せず偏差Mc*も変化しないので、制御弁40
*及び46*が繰り返し頻繁に開閉されることが確実に
回避される。
【0062】また車輌の旋回時や加減速時には、車体の
横加速度や前後加速度に起因する車体の姿勢変化を抑制
するよう目標空気質量Mo*が演算され、目標空気質量
Mo*と実空気質量M*との偏差Mc*が−α以上且α
以下になるよう制御弁40*及び46*が開閉され、各
エアチャンバに対し空気が給排されることにより、車体
の横加速度や前後加速度に起因して車体にロール、ノー
ズダイブ、スクォートの如き大きい姿勢変化が生じるこ
とが効果的に防止される。
【0063】更に第一の実施例によれば、各エアチャン
バ内の空気の温度T*を示す信号がローパスフィルタ処
理されることにより温度T*を示す信号が平滑処理さ
れ、平滑処理後の温度Tlp*に基き各エアチャンバ内の
実空気質量M*が演算されるようになっており、従って
数1乃至数16に沿って上述した如く、車輪がバウンド
方向の力を受ける場合にはエアスプリングのばね力が低
下され、逆に車輪がリバウンド方向の力を受ける場合に
はエアスプリングのばね力が増大されるので、検出され
た温度T*に基き各エアチャンバ内の実空気質量M*が
演算される場合に比して車輌の乗り心地性が向上する。
【0064】尚上述の第一の実施例に於ては平滑処理後
の温度Tlp*は各エアチャンバ内の空気の温度T*を示
す信号がローパスフィルタ処理されることにより演算さ
れるようになっているが、温度T*を示す信号に対する
平滑処理は例えば図示の実施例の如くデジタル演算によ
り実行されるのではなく電子制御装置に組込まれたロー
パスフィルタによってアナログ式に実行されてもよく、
また重み付け平均の演算等により実行されてもよい。
【0065】図8は温度T*を示す信号に対し重み付け
平均の演算が行われる場合の実空気質量M*の演算ルー
チンを示す図7と同様のフローチャートである。この修
正例に於ては、ステップ220に於てTlpf *を1サイ
クル前のステップ220に於て演算された重み付け平均
値として下記の数25に従って重み付け平均の演算が行
われることにより平滑処理後の温度Tlp*が演算され、
ステップ250に於てステップ220に於て演算された
平滑処理後の温度Tlp*がTlpf *に書換えられる。
【数25】Tlp*=(T*+99・Tlpf *)/100
【0066】従ってこの第一の修正例に於ても、各エア
チャンバ内の実空気質量M*は平滑処理後の温度Tlp*
に基き演算されるので、上述の第一の実施例の場合と同
様、各エアチャンバ内の実空気質量M*が検出温度T*
に基き演算される場合に比して車輌の乗り心地性が向上
する。
【0067】また上述の第一の実施例は、図7に示され
たフローチャートのステップ220が省略され、ステッ
プ240に於て実空気質量M*がローパスフィルタ処理
後のTlp*ではなく検出温度T*に基き演算されるよう
修正されてもよい。かかる第二の修正例によれば、第一
の実施例の場合に比してエアチャンバに対する空気の給
排量を低減し、これにより空気の消費量を低減すること
ができる。
【0068】第二の実施例 上述の第一の実施例に於て、カットオフ周波数を非常に
低い周波数に設定して各エアチャンバ内温度T*を示す
信号をローパスフィルタ処理すると、ローパスフィルタ
処理後の温度は外気温Tとほぼ等しくなる。各エアチャ
ンバ内の温度を外気温Tと同じとみなすと、目標空気質
量Mo*及び実空気質量M*はそれぞれ下記の数26及
び数27により表わされる。
【数26】Mo*=(Po*・Vo*)/(R・T)
【数27】M*=(P*・V*)/(R・T)
【0069】従って偏差Mc*は下記の数28により表
わされ、数28より温度Tは制御ゲインと考えられ、外
気温Tが各エアチャンバ内の実際の温度T*より大きく
ずれない限り、各エアチャンバ内の温度を外気温Tと同
じとみなすことがエアチャンバに対する空気の給排制御
に支障をきたすことはない。
【数28】 Mc*=(1/RT)(Po*・Vo*−P*・V*)
【0070】図12は上述の考え方に従って構成された
本発明によるエアサスペンション制御装置の第二の実施
例を示す概略構成図、図13は図12に示された電子制
御装置の一つの実施例を示すブロック線図である。尚こ
れらの図に於て、図3及び図4に示された部材と同一の
部材には図3及び図4に於て付された符号と同一の符号
が付されている。
【0071】この第二の実施例に於ては、第一の実施例
に於ける温度センサ60*の代りに外気温Tを検出する
一つの外気温センサ60が設けられている。またこれに
対応して、図には示されていないが、メインルーチンの
ステップ100及び200はそれぞれ図14及び図15
に示されたフローチャートに従って実行される。
【0072】図14に示された目標空気質量Mo*演算
ルーチンのステップ105に於ては各エアチャンバ内の
温度T*の代りに外気温センサ60により検出された外
気温Tが読込まれ、ステップ151に於てはカットオフ
周波数を例えば0.1Hz に設定して外気温Tを示す信
号をローパスフィルタ処理することによりノイズ成分が
除去された外気温Tlpが演算され、ステップ155に於
ては下記の数29に従って目標空気質量Mo*が演算さ
れる。
【数29】Mo*=(Po*・Vo*)/(R・Tlp)
【0073】また図15に示された実空気質量M*演算
ルーチンのステップ210に於ては各エアチャンバ内温
度T*に代えて外気温センサ60により検出された外気
温Tが読込まれ、ステップ220に於てはステップ15
1と同様外気温Tを示す信号をローパスフィルタ処理す
ることによりノイズ成分が除去された外気温Tlpが演算
され、ステップ240に於ては下記の数30に従って実
空気質量M*が演算される。
【数30】M*=(P*・V*)/(R・Tlp)
【0074】かくしてこの第二の実施例によれば、各輪
に対応して温度センサを設ける必要がなく温度検出セン
サは1個でよいので、第一の実施例の場合に比して制御
装置の構造を簡略化しコストを低減することができ、し
かも第一の実施例の場合と実質的に同一の作用効果を得
ることができる。
【0075】尚この実施例に於ても、実空気質量M*は
例えば図16に示されている如く外気温Tを示す信号に
対し重み付け平均の演算が行われることによってノイズ
成分が除去された後の外気温Tlpに基き演算されてもよ
い。またこの実施例に於て、外気温センサ60が設けら
れた部位の外気温とエアスプリングが設けられた領域の
外気温とが相違する場合には、例えばKa 及びKb をそ
れぞれ補正係数及び補正定数とする下記の数31に従っ
て外気温センサにより検出された外気温Tが補正されて
もよい。
【数31】T=T・Ka +Kb
【0076】第三及び第四の実施例 上述の第一及び第二の実施例に於ける制御によれば、エ
アスプリングがばね上(車体)及びばね下(車輪)の何
れから入力を受ける場合にも、エアスプリングが圧縮さ
れる場合にはエアチャンバより空気が排出され、エアス
プリングが伸張される場合にはエアチャンバへ空気が供
給される。従ってエアスプリングが路面よりの入力を受
ける場合にはその入力が車体へ伝達されることを抑制し
車輌の乗り心地性を向上させることができるが、例えば
車輪が路面の段差等を通過した後に生じる車体のあおり
等によりエアスプリングが車体より入力を受ける場合に
は、エアスプリングが圧縮されるときにはエアチャンバ
より空気が排出され、逆にエアスプリングが伸長される
ときにはエアチャンバへ空気が供給され、そのため車体
の上下動が助長されるという欠点がある。
【0077】例えば図28に示されている如く、車輪1
00が路面102の突起102aを通過した後水平の路
面を移動する場合には、車体104は図に於て仮想線の
矢印にて示されている如く上下動し、エアスプリング1
06及びショックアブソーバ108は車体104より下
向きの力を受ける。そのためエアチャンバ内の空気が排
出され、これにより車体の下方への動きが助長されてし
まう。
【0078】また図29に示されている如く、車輪10
0が路面102の窪み102bを通過した後水平の路面
を移動する場合には、車体104は図に於て仮想線の矢
印にて示されている如く上下動し、エアスプリング10
6及びショックアブソーバ108は車体104より上向
きの力を受ける。そのためエアチャンバ内へ空気が供給
され、これにより車体の上方への動きが助長されてしま
う。
【0079】従って車体が下方へ移動するときにはエア
チャンバよりの空気の排出量を低減し又は空気の排出を
阻止することにより、また車体が上方へ移動するときに
はエアチャンバへの空気の供給量を低減し又は空気の供
給を阻止することにより、車体の上下動を低減若しくは
抑制して車輌の乗り心地性を更に一層向上させることが
できる。
【0080】図17は上述の考え方に従って構成された
本発明によるエアサスペンション制御装置の第三及び第
四の実施例を示す概略構成図、図18は図17に示され
た電子制御装置の一つの実施例を示すブロック線図であ
る。尚これらの図に於ても、図3及び図4に示された部
材と同一の部材には図3及び図4に於て付された符号と
同一の符号が付されている。
【0081】この第三及び第四の実施例に於ては、上下
加速度センサ82により検出された車体の上下加速度G
z を示す信号も電子制御装置62へ供給されるようにな
っている。特に第三の実施例に於ては、エアチャンバに
対する空気の給排は、メインルーチンのステップ100
に於ける目標空気質量Mo*の演算が図19に示された
フローチャートに従って実行される点を除き第一の実施
例の場合と同様に制御され、第四の実施例に於ては、エ
アチャンバに対する空気の給排は、メインルーチンが図
20に示されたフローチャートに従って実行される点を
除き第一の実施例の場合と同様に制御される。
【0082】第三の実施例に於ては、図19に示されて
いる如く、ステップ105に於て上下加速度センサ82
により検出された車体の上下加速度Gz を示す信号も読
込まれる。またステップ160に於て車体の上下加速度
Gz が積分されることにより車体の上下速度Dz が演算
され、ステップ165に於て例えば0.5Hz をカット
オフ周波数として車体の上下速度Dz を示す信号に対し
ハイパスフィルタ処理が行われることによりステップ1
60に於ける積分による演算上のドリフト成分が除去さ
れた後の車体の上下速度Dzhp が演算され、ステップ1
70に於てKdを正の定数として下記の数32に従って
車体の上下速度に基く補正空気質量Maが演算され、ス
テップ175に於て目標空気質量がステップ155に於
て演算された目標空気質量Mo*とステップ170に於
て演算された補正空気質量Ma との和に書換えられるこ
とによって補正される。
【数32】Ma =Kd ・Dzhp
【0083】従ってこの第三の実施例によれば、例えば
車輪が路面の突起を通過した後水平の路面を移動する場
合の如く車体が下方へ移動する場合には、ステップ16
0〜175に於て車体の下方への移動速度に応じて目標
空気質量Mo*が増大補正されることにより、エアチャ
ンバより排出される空気の量が低減され或いはエアチャ
ンバより空気が排出されることが阻止されるので、車体
の下方への移動が低減される。同様に車輪が路面の窪み
を通過した後水平の路面を移動する場合の如く車体が上
方へ移動する場合には、車体の上方への移動速度に応じ
て目標空気質量Mo*が低減補正されることにより、エ
アチャンバへ供給される空気の量が低減され或いはエア
チャンバへ空気が供給されることが阻止されるので、車
体の上方への移動が低減される。
【0084】また第四の実施例に於ては、図20に示さ
れている如く、ステップ410に於て上下加速度センサ
82により検出された車体の上下加速度Gz を示す信号
が読込まれると共に、車体の上下加速度Gz が積分され
ることにより車体の上下速度Dz が演算され、ステップ
420に於て例えば0.5Hz をカットオフ周波数とし
て車体の上下速度Dz を示す信号に対しハイパスフィル
タ処理が行われることによりステップ410に於ける積
分による演算上のドリフト成分が除去された後の車体の
上下速度Dzhp が演算される。
【0085】またステップ500に於てイエスの判別が
行われると、ステップ510に於てハイパスフィルタ処
理後の車体の上下速度Dzhp が基準値Du (正の定数)
を越えているか否かの判別、即ち車体が上方へ移動して
いるか否かの判別が行われる。Dzhp >Du である旨の
判別が行われたときにはステップ800へ進むことによ
りエアチャンバへの空気の供給が禁止され、Dzhp >D
u ではない旨の判別が行われたときにはステップ600
へ進む。
【0086】逆にステップ500に於てノーの判別が行
われると、ステップ520に於てハイパスフィルタ処理
後の車体の上下速度Dzhp が基準値Dd (負の定数)未
満であるか否かの判別、即ち車体が下方へ移動している
か否かの判別が行われる。Dzhp <Du である旨の判別
が行われたときにはステップ800へ進むことによりエ
アチャンバよりの空気の排出が禁止され、Dzhp >Du
ではない旨の判別が行われたときにはステップ700へ
進む。
【0087】従ってこの第四の実施例によれば、ステッ
プ410及び420に於て車体の上下速度Dzhp が演算
され、車体が基準値Dd 以上の速度にて下方へ移動する
場合にはステップ520に於てイエスの判別が行われ、
エアチャンバより空気が排出されることが阻止されるこ
とにより車体の下方への移動が抑制される。同様に車体
が基準値Du 以上の速度にて上方へ移動する場合にはス
テップ510に於てイエスの判別が行われ、エアチャン
バへ空気が供給されることが阻止されることにより車体
の上方への移動が抑制される。
【0088】かくして第三及び第四の実施例によれば、
車輪が路面の突起や窪みを通過した後等に生じる車体の
上下動を低減し抑制することができ、これにより第一及
び第二の実施例の場合に比して更に一層車輌の乗り心地
性を向上させることができ、しかも圧縮空気の無駄な消
費を低減することができる。
【0089】尚第三及び第四の実施例が互いに組合され
ることにより、これらの実施例が単独にて使用される場
合に比して車輌の乗り心地性が更に一層向上されてもよ
く、その場合にはステップ410及び420は省略され
る。また第三若しくは第四の実施例が前述の第二の実施
例と組合されてもよい。
【0090】第五の実施例 上述の第一乃至第四の実施例に於ては、エアスプリング
32*のローリングダイヤフラムの内縁部はショックア
ブソーバ30*の実質的に円筒形のシリンダに固定され
ており、従ってエアスプリングのピストンの受圧面積は
サスペンションストロークに拘らず一定であり、これに
対応してエアチャンバ34*内の容積V*は数23に従
って係数K1 及びK2 を正の定数として演算されるよう
になっている。従ってこれらの実施例に於ては、実空気
質量M*がエアチャンバの実際の容積変化に対応して演
算されるので、エアチャンバに対する空気の給排が空気
のポリトロープ指数の変化に対応する量についてのみ制
御され、これにより圧縮空気の消費量を低減し、省エネ
ルギ及び低コスト化を図ることができる。
【0091】しかし空気の消費量が増大してもよいか
ら、路面外乱に起因する車体の変位を効果的に抑制し車
輌の乗り心地性を更に一層向上させたい、車輌の旋回
や加減速に伴なう車体のロールやピッチの如き車体の姿
勢変化のみを制御し、サスペンションストロークに応じ
て受圧面積が変化するよう構成されたエアスプリングを
使用することにより、路面外乱に起因する車体の変位に
ついてはエアチャンバに対し空気を給排することなく対
処したい、路面の僅かな凹凸に起因するエアチャンバ
の容積変化が生じてもエアチャンバに対する空気の給排
を行わず、これにより空気の消費量を更に一層低減させ
たい、という場合にもそれらの要求を満すことができな
かった。
【0092】図21は上述のの要求を満すことができ
るよう構成された本発明によるエアサスペンション制御
装置の第五の実施例に於ける実空気質量の演算ルーチン
を示すフローチャートである。
【0093】この第五の実施例に於ては、エアスプリン
グは図には示されていないが第一乃至第四の実施例の場
合と同様受圧面積がサスペンションストロークに拘らず
一定であるよう構成されている。また図21に示された
フローチャートのステップ225に於て図22に示され
たグラフに対応するマップに基き係数K1 及びK2 が演
算され、その演算結果に基きステップ230に於て数2
3に従ってエアチャンバの容積V*が演算される。
【0094】従ってこの第五の実施例によれば、サスペ
ンションストロークに拘らず受圧面積が一定であるエア
スプリングの場合にも車高がa〜bの範囲に於てはエア
チャンバの容積がエアチャンバの実際の容積よりも大き
く変動するよう演算され、これにより見かけ上の実空気
質量M*の変動が大きくなり、路面の外乱による車体の
変位を一層効果的に抑制し、これにより第一乃至第四の
実施例の場合に比して更に一層車輌の乗り心地性を向上
させることができる。
【0095】第六の実施例 図23は上述のの要求を満すよう構成された本発明に
よるエアサスペンション制御装置の第六の実施例を示す
概略構成図、図24は第六の実施例に於ける実空気質量
の演算ルーチンを示すフローチャートである。尚図23
に於ても、図3に示された部材と同一の部材には図3に
於て付された符号と同一の符号が付されている。
【0096】この第六の実施例に於ては、図23に示さ
れている如く、エアスプリング32*のローリングダイ
ヤフラム32aの内縁部はショックアブソーバ30*の
シリンダに固定され下方へ向かうにつれて先細状をなす
ダイヤフラム支持部材84に固定されており、これによ
りエアスプリングの受圧面積は車高の増大につれて増大
し車高の減少につれて減少するようになっている。
【0097】またこの実施例に於ては、図24に示され
たフローチャートのステップ225に於て図25に示さ
れたグラフに対応するマップに基き係数K1 及びK2
演算され、その演算結果に基きステップ230に於て数
23に従ってエアチャンバの容積V*が演算される。
【0098】従ってこの第六の実施例によれば、エアス
プリングは車輪のバウンドにつれてその受圧面積が減少
し車輪のリバウンドにつれて受圧面積が増大する構造を
有し従ってプログレッシブなばね特性を有しており、エ
アチャンバの容積がエアチャンバの実際の容積変化に対
応して演算されるので、エアチャンバに対する空気の給
排を実質的に空気のポリトロープ指数の変化に対応する
量についてのみ制御し、これにより圧縮空気の消費量を
低減することができると共に、プログレッシブなばね特
性により第一及び第二の実施例の場合に比して効果的に
路面外乱に起因する車体の変位を低減することができ
る。
【0099】また第五及び第六の実施例は、ステップ2
25に於ける係数K1 、K2 の演算に供されるマップが
それぞれ例えば図26及び図27に示されたグラフに対
応するよう修正されることにより、車高H*が標準車高
近傍に於て増減しても係数K1 、K2 は0のまま不変で
あるよう修正されてもよい。
【0100】かかる修正例によれば、路面の僅かな凹凸
に起因して車高H*が標準車高近傍に於て増減しても実
空気質量M*は変化せず、エアチャンバに対する空気の
給排は行われないので、上述の第一及び第二の実施例の
場合に比して空気の消費量を更に一層低減することがで
き、上述のの要求を満すことができる。
【0101】尚図示の第五及び第六の実施例に於ては、
係数K1 及びK2 はそれぞれ図22及び図25に示され
たグラフに対応する共通のマップより演算されるように
なっているが、係数K1 及びK2 について個別にマップ
が設定され、係数K1 は前輪側の車高Hfr、Hflに基き
演算され、係数K2 は後輪側の車高Hrr、Hrlに基き演
算されるよう構成されてもよい。
【0102】また図示の第五及び第六の実施例に於て
は、実空気質量M*の演算ルーチンのステップ230に
於ける係数K1 及びK2 が予め設定されたマップより演
算されることによりエアチャンバの容積V*が車高に応
じて演算されるようになっているが、エアチャンバの容
積Vは車高H*と容積V*との間の関係に設定されたマ
ップより直接演算されるよう構成されてもよい。
【0103】また第五及び第六の実施例又はそれらの修
正例が上述の第一の実施例の第二の修正例、第二乃至第
四の何れかの実施例、第三及び第四の実施例の組合せの
実施例と組合されてもよい。
【0104】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0105】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、路面の凹凸に起因して車輪がバウンド、リ
バウンドしても目標気体質量Moは変更されず偏差Mc
は変化しないので、エアチャンバに対する作動気体の給
排が繰返し頻繁に行われることがなく、従ってエアチャ
ンバ内の圧力が従来の制御装置によってフィードバック
制御される場合に比して消費エネルギ及びコストを低減
することができ、またエアサスペンションの耐久性を向
上させることができる。
【0106】また特に請求項2の構成によれば、車輪が
路面の凸部を通過する際の如くバウンド方向の力を受け
る場合にはエアスプリングのばね力が低下され、逆に車
輪が路面の凹部を通過する際の如くリバウンド方向の力
を受ける場合にはエアスプリングのばね力が増大される
ので、エアチャンバに対し作動気体の給排が行われない
通常のエアサスペンションや上述の請求項1の構成の場
合に比して車輌の乗り心地性を向上させることができ
る。
【0107】また請求項3の構成によれば、各エアスプ
リングに対応してエアチャンバ内の作動気体の温度を検
出する温度検出手段を設ける必要がなく、外気温を検出
する一つの外気温検出手段が設けられればよいので、請
求項1の構成の場合に比して制御装置の構造を簡略化し
コストを低減することができ、しかも請求項2の構成の
場合と実質的に同一の作用効果を得ることができる。
【0108】また請求項4の構成に於ては車体の上方へ
の移動時には目標気体質量Moが低減補正され車体の下
方への移動時には目標気体質量Moが増大補正され、ま
た請求項5の構成に於ては車体が所定の速度以上の速度
にて上方へ移動しているときにはエアチャンバへの作動
気体の供給が禁止され車体が所定の速度以上の速度にて
下方へ移動しているときにはエアチャンバよりの作動気
体の排出が禁止されるので、これらの構成によればエア
スプリングが車体より外乱入力を受ける場合に於ける車
体の上下変位を低減若しくは抑制し、これにより請求項
2又は3の構成の場合に比して更に一層車輌の乗り心地
性を向上させることができる。
【0109】また請求項6及び7の構成によれば、エア
チャンバの容積は予め設定された車高とエアチャンバの
容積との関係より演算されるようになっているので、車
高と容積との間の関係の設定態様により、車高の変化に
伴なう実気体質量Mの変化をエアチャンバ内の実際の気
体質量の変化と同一であるよう演算したり、エアチャン
バ内の実際の気体質量の変化とは異なるよう演算するこ
ともでき、これによりエアチャンバに対する作動気体の
給排制御の自由度を高くすることができる。
【0110】また請求項8の構成によれば、車高の変化
に伴なう実気体質量Mの変化がエアチャンバ内の実際の
気体質量の変化とは異なるよう実気体質量を演算するこ
とができるので、例えばエアチャンバに対し給排される
作動気体の質量をエアチャンバの実際の容積変化に対応
する気体質量よりも多くすることにより車体の上下動を
効果的に抑制し、これにより車輌の乗り心地性を更に一
層向上させることができる。
【0111】また請求項9の構成によれば、例えば車高
の減少に伴ない受圧面積が減少するよう構成されたエア
スプリングを使用することにより車体の上下動を効果的
に抑制することができ、しかも実気体質量Mはエアチャ
ンバの実際の容積変化に対応して演算されるので、エア
チャンバに対する作動気体の給排を実質的に作動気体の
ポリトロープ指数の変化に対応する量についてのみ制御
することができ、これにより車輌の良好な乗り心地性を
確保しつつ作動気体の消費量を更に一層低減することが
できる。
【0112】更に請求項10の構成によれば、例えば路
面の僅かな凹凸に起因して車高が標準車高近傍に於て増
減しても実気体質量は増減せず、エアチャンバに対する
作動気体の給排が行われないので、作動気体の消費量を
更に一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエアサスペンション制御装置の構
成を特許請求の範囲の請求項1の記載に対応させて示す
説明図である。
【図2】本発明によるエアサスペンション制御装置の構
成を特許請求の範囲の請求項2の記載に対応させて示す
説明図である。
【図3】本発明によるエアサスペンション制御装置の一
つの実施例を示す概略構成図である。
【図4】図3に示された電子制御装置の一つの実施例を
示すブロック線図である。
【図5】図3及び図4に示された電子制御装置により達
成されるエアサスペンションの制御のメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図6】図5に示されたフローチャートのステップ10
0に於て行われる目標空気質量の演算ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図7】図5に示されたフローチャートのステップ20
0に於て行われる実空気質量の演算ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図8】エアチャンバ内の空気の温度T*を示す信号に
対し重み付け平均の演算が行われる場合の実空気質量M
*の演算ルーチンを示す図6と同様のフローチャートで
ある。
【図9】車速Vと操舵角速度θd と車体の横加速度の遅
れ補償値Gyoとの間の関係を示すグラフである。
【図10】車体の推定横加速度Gymと車体の目標ロール
量Rm との間の関係を示すグラフである。
【図11】車体の前後加速度Gx と車体の目標ピッチ量
Pm との間の関係を示すグラフである。
【図12】本発明によるエアサスペンション制御装置の
第二の実施例を示す概略構成図である。
【図13】図12に示された電子制御装置の一つの実施
例を示すブロック線図である。
【図14】第二の実施例に於ける目標気体質量の演算ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図15】第二の実施例に於ける実空気質量の演算ルー
チンを示すフローチャートである。
【図16】第二の実施例に於ける実空気質量の演算ルー
チンの他の例を示すフローチャートである。
【図17】本発明によるエアサスペンション制御装置の
第三及び第四の実施例を示す概略構成図である。
【図18】図17に示された電子制御装置の一つの実施
例を示すブロック線図である。
【図19】第三の実施例に於ける目標気体質量の演算ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図20】第四の実施例に於けるメインルーチンを示す
フローチャートである。
【図21】本発明によるエアサスペンション制御装置の
第五の実施例に於ける実空気質量の演算ルーチンを示す
フローチャートである。
【図22】第五の実施例に於ける車高H*と係数K1
2 との間の関係を示すグラフである。
【図23】本発明によるエアサスペンション制御装置の
第六の実施例を示す概略構成図である。
【図24】第六の実施例に於ける実空気質量の演算ルー
チンを示すフローチャートである。
【図25】第六の実施例に於ける車高H*と係数K1
2 との間の関係を示すグラフである。
【図26】第五の実施例の修正例に於ける車高H*と係
数K1 、K2 との間の関係を示すグラフである。
【図27】第六の実施例の修正例に於ける車高H*と係
数K1 、K2 との間の関係を示すグラフである。
【図28】車輪が路面の突起を通過した後水平の路面を
移動する場合に於ける車体の変位を示す説明図である。
【図29】車輪が路面の窪みを通過した後水平の路面を
移動する場合に於ける車体の変位を示す説明図である。
【符号の説明】
10…エアスプリング 12…走行状態検出手段 14…目標気体質量演算手段 16…実気体質量運算手段 18…給排制御手段 20…体積検出手段 22…圧力検出手段 24…温度検出手段 26…平滑処理手段 28…演算手段 30*…ショックアブソーバ 32*…エアスプリング 34*…エアチャンバ 40*…給気用制御弁 46*…排気用制御弁 48…操舵角速度センサ 50…車速センサ 52…横加速度センサ 54…前後加速度センサ 56*…車高センサ 58*…圧力センサ 60*…温度センサ 60…外気温センサ 62…電子制御装置 82…上下加速度センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪に対応して設けられたエアスプリン
    グのエアチャンバに対する作動気体の給排を制御するこ
    とにより車体の姿勢を制御するエアサスペンション制御
    装置に於て、車輌の走行状態を検出する走行状態検出手
    段と、検出された車輌の走行状態に基き前記エアチャン
    バ内の目標気体質量Moを演算する目標気体質量演算手
    段と、前記エアチャンバ内の実気体質量Mを演算する実
    気体質量演算手段と、前記実気体質量Mと前記目標気体
    質量Moとの偏差Mcに基き該偏差が減少するよう前記
    エアチャンバに対する作動気体の給排を制御する給排制
    御手段とを有するエアサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1のエアサスペンション制御装置に
    於て、前記実気体質量演算手段は前記エアチャンバの容
    積を検出する容積検出手段と、前記エアチャンバ内の圧
    力を検出する圧力検出手段と、前記エアチャンバ内の作
    動気体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出
    手段により検出された作動気体の温度を示す信号を平滑
    処理する平滑処理手段と、前記容積検出手段及び前記圧
    力検出手段によりそれぞれ検出された容積及び圧力と前
    記平滑処理手段により平滑処理された温度とに基き実気
    体質量Mを演算する演算手段とを有することを特徴とす
    るエアサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1のエアサスペンション制御装置に
    於て、前記実気体質量演算手段は前記エアチャンバの容
    積を検出する容積検出手段と、前記エアチャンバ内の圧
    力を検出する圧力検出手段と、外気温を検出する外気温
    検出手段と、前記容積検出手段、前記圧力検出手段及び
    前記外気温検出手段によりそれぞれ検出された容積、圧
    力及び外気温に基き実気体質量Mを演算する演算手段と
    を有することを特徴とするエアサスペンション制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2又は3のエアサスペンション制御
    装置に於て、前記車体の上下動を検出する車体上下動検
    出手段と、前記車体の上方への移動時には前記目標気体
    質量Moを低減補正し前記車体の下方への移動時には前
    記目標気体質量Moを増大補正する目標気体質量補正手
    段とを有することを特徴とするエアサスペンション制御
    装置。
  5. 【請求項5】請求項2又は3のエアサスペンション制御
    装置に於て、前記車体の上下動の速度を検出する車体上
    下速度検出手段と、前記車体が所定の速度以上の速度に
    て上方へ移動しているときには前記エアチャンバへの作
    動気体の供給を禁止し前記車体が所定の速度以上の速度
    にて下方へ移動しているときには前記エアチャンバより
    の作動気体の排出を禁止する給排禁止手段とを有するこ
    とを特徴とするエアサスペンション制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1のエアサスペンション制御装置に
    於て、前記実気体質量演算手段は前記エアチャンバの容
    積を検出する容積検出手段と、前記エアチャンバ内の圧
    力を検出する圧力検出手段と、前記エアチャンバ内の作
    動気体の温度を検出する温度検出手段とを有し、前記容
    積検出手段は各車輪に対応する部位の車高を検出する車
    高検出手段と、予め設定された車高とエアチャンバの容
    積との関係より前記エアチャンバの容積を演算する容積
    演算手段とを有することを特徴とするエアサスペンショ
    ン制御装置。
  7. 【請求項7】請求項2乃至5の何れかのエアサスペンシ
    ョン制御装置に於て、前記容積検出手段は各車輪に対応
    する部位の車高を検出する車高検出手段と、予め設定さ
    れた車高とエアチャンバの容積との関係より前記エアチ
    ャンバの容積を演算する容積演算手段とを有することを
    特徴とするエアサスペンション制御装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は7のエアサスペンション制御
    装置に於て、前記エアスプリングは車高が変化しても受
    圧面積が実質的に一定であるよう構成されており、前記
    関係は実質的に非線型の特性に設定されていることを特
    徴とするエアサスペンション制御装置。
  9. 【請求項9】請求項6又は7のエアサスペンション制御
    装置に於て、前記エアスプリングは車高の変化に伴ない
    受圧面積が変化するよう構成されており、前記関係は車
    高の変化に伴なう前記エアチャンバの実際の容積変化に
    実質的に対応して設定されていることを特徴とするエア
    サスペンション制御装置。
  10. 【請求項10】請求項6乃至9の何れかのエアサスペン
    ション制御装置に於て、前記関係は標準車高近傍に於て
    は前記エアチャンバの容積が実質的に一定であるよう設
    定されていることを特徴とするエアサスペンション制御
    装置。
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