JPH066421B2 - 自動車のシート装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、シート装置に関し、より詳しくは、シート
がレール部材に前後移動自在に支持され、かつ、シート
ベルトと、これの巻取装置とが設けられたものに関す
る。

（従来の技術） 上記シート装置には、従来、特開昭５８−７３４５９号
公報で示されたものがある。

これによれば、シートが前後方向に延びる左右一対の固
定レールに前後移動自在に支持され、上記シート上には
シートベルトが設けられ、このシートベルトの一端は巻
取装置によりシートフレームに取り付けられている。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、通常、上記固定レールは車室フロアに取り付
けられているが、このフロアは平板材で成形されてい
て、十分の剛性は確保しにくいものである。よって、上
記従来構成では、上記フロアに対するシートの支持強度
が不十分になるおそれがある。

また、衝突時など、着座者からシートベルトを介し巻取
装置に衝撃力が与えられると、この衝撃力も、上記シー
トフレームを介し、十分の剛性を得にくいフロアに支持
されることとなり、よって、シート上における着座者の
保持が不十分になるおそれがある。

（発明の目的） この発明は、上記のような事情に注目してなされたもの
で、シートの支持がより強固になされるようにし、か
つ、衝突時にも、着座者がシート上に確実に保持される
ようにすることを目的とする。

（発明の構成） 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするところ
は、シートのサイドシル側の一側部に支持アームを突設
し、この支持アームの突出端を左右固定レールのうちサ
イドシル側の固定レールに前後移動自在に嵌合させた場
合に、上記サイドシル側の固定レールを上記サイドシル
に支持させ、一方、シートベルト用の巻取装置を上記支
持アームに取り付けた点にある。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図面により説明する。

１は自動車の車室フロアで、このフロア１の車幅方向中
央部にはセンタトンネル２が形成される。また、同上フ
ロア１の端部にはサイドシル３が設けられている。上記
サイドシル３の上方にはドア開口４が形成されており、
このドア開口４を開閉自在とするドア５が設けられる。

上記フロア１の車幅方向一側端部の上方にはレール部材
６が設けられている。このレール部材６は、後述するよ
うに車体の前後方向に延びて互いに並設される左右一対
の固定レール１０，１１で構成され、上記レール部材６
を介してシート７が前後移動自在に支持される。このシ
ート７はシートクッション７ａとシートバック７ｂとで
構成される。

上記レール部材６はセンタトンネル２の側壁部にブラケ
ット８を介して支持された内側固定レール１０と、上記
サイドシル３に支持された断面ほぼＣ形状の外側固定レ
ール１１とで構成される。

上記内側固定レール１０上には可動レール１２が設けら
れる。この内側固定レール１０と可動レール１２との間
には内側固定レール１０の前後方向の全体にわたり複数
のローラ１３が介在される。そして、このローラ１３の
転動によって可動レール１２は内側固定レール１０の長
手方向に沿って前後移動自在とされる。上記可動レール
１２上にシートクッション７ａの車幅方向内側部におけ
る前後部の少なくとも二カ所が連結具１５，１５を介し
て支持されている。

一方、同上シートクッション７ａの車幅方向外側部にお
ける後部が支持アーム１６を介して上記外側固定レール
１１に前後移動自在に支持されている。

上記支持アーム１６はシートクッション７ａ下面の端部
から斜め下方に向って突設された板金製アーム本体１７
と、このアーム本体１７の突出端に取り付けられた前後
一対の樹脂製スライドピース１９，１９とで構成され、
この各スライドピース１９か外側固定レール１１に摺動
自在に嵌入されている。

上記シート７には衝突時などに着座者２０をこのシート
７上に保持するシートベルト２１が設けられる。このシ
ートベルト２１の一端は巻取装置２２に連結される。

上記巻取装置２２は前記アーム本体１７の下面に取り付
けられ、シートベルト２１の他端はアーム本体１７に形
成された貫通孔２３を通って巻取装置２２とは反対側の
シート７側方に延設されている。そして、このシートベ
ルト２１の他端はバックル装置２４を介してセンタトン
ネル２上に支持される。

上記バックル装置２４はセンタトンネル２上に取り付け
られたバックル本体２５と、上記シートベルト２１の他
端に連結され上記バックル本体２５に対して係脱自在に
係止されるタングプレート２６とで構成される。そし
て、バックル本体２５に対するタングプレート２６の係
止で、シートベルト２１により着座者２０はシート７上
に拘束される。一方、バックル本体２５からのタングプ
レート２６の取り外しで、シートベルト２１による着座
者２０の拘束が解除される。

（発明の効果） この発明によれば、シートのサイドシル側の一側部に支
持アームを突設し、この支持アームの突出端を左右固定
レールのうちサイドシル側の固定レールに前後移動自在
に嵌合させた場合に、上記サイドシル側の固定レールを
上記サイドシルに支持させてある。ここで、このサイド
シルはフロアに比べて剛性が高いものであることから、
このサイドシルに上記したように固定レールを支持させ
た分、上記シートはより強固に支持される。

また、シートベルト用の巻取装置を上記支持アームに取
り付けたため、衝突時など、着座者からシートベルトを
介し巻取装置に衝撃力が与えられたときには、この衝撃
力も上記支持アームと固定レールとを介し、上記した剛
性の高いサイドシルで支持される。

よって、衝突時にも、着座者はシートベルトと巻取装置
とにより、シート上に確実に保持される。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示し、第１図は正面部分断面
図、第２図は斜視図である。 １……フロア、３……サイドシル、６……レール部材、
７……シート、１６……支持アーム、２１……シートベ
ルト、２２……巻取装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車室フロアの側端部にサイドシルを取り付
   け、上記フロアの上方にシートを設けると共に、前後方
   向に延びる左右一対の固定レールを並設し、上記シート
   の上記サイドシル側の一側部に支持アームを突設し、こ
   の支持アームの突出端を上記サイドシル側の一方の固定
   レールに前後移動自在に嵌合させる一方、他方の固定レ
   ールを上記フロア側に支持させると共に、上記した他方
   の固定レールに上記シートの他側部側を前後移動自在に
   支持させて上記シートを前後移動自在とし、かつ、着座
   者をこのシート上に保持可能とするシートベルトを設
   け、このシートベルトの一端を巻取装置に連結した自動
   車のシート装置において、上記サイドシル側の固定レー
   ルを同上サイドシルに支持させ、一方、上記巻取装置を
   上記支持アームに取り付けたことを特徴とする自動車の
   シート装置。