JPH0662504U - 可変抵抗器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可変抵抗器の摺動子において２枚の板の接合
強度を高める 【構成】 可変抵抗器１は、表面に円弧状の抵抗体４が
形成された絶縁基板２と、絶縁基板２に回動自在に係止
された摺動子３とを備えている。摺動子３は、抵抗体４
に接触可能な摺動接点を有する下面板６と、下面板６に
２つ折り状態で一体に連結されかつ調整用器具により回
動させられる上面板７とを有している。摺動子３は、下
面板６と上面板７との相対回転を防止する係合部（切り
起こし部７ｂ，窪み６ｃ）をさらに有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、可変抵抗器、特に、摺動子が２つ折り状態で一体の２枚の板からな る可変抵抗器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のチップ型可変抵抗器は、表面に円弧状の抵抗体が形成された絶縁基板と 、絶縁基板に回動自在に係止された摺動子とから構成されている。摺動子は、絶 縁基板の抵抗体に接触可能な摺動接点を有しており、例えばドライバー等の調整 用器具により回動させられるようになっている。

【０００３】 実開昭６１−１１４８０５号公報に開示された可変抵抗器の摺動子は、２つ折 り状態で一体の第１板と第２板とから構成されている。第１板は抵抗体に接触可 能な摺動接点を有しており、第２板は調整用器具が挿入される調整用切欠きを有 している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の可変抵抗器では、第１板と第２板とが折曲げ部によってのみ連結さ れている。この折曲げ部のみによる連結では、抵抗値調整時にドライバーによっ て第２板が回動させられると、第２板が第１板に対して捩じれてしまい、適切な 調整を行いにくい。極端な場合には、摺動子が破損することがある。

【０００５】 本考案の目的は、摺動子において２枚の板の接合強度を高めることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る可変抵抗器は、表面に円弧状の抵抗体が形成された絶縁基板と、 絶縁基板に回動自在に係止された摺動子とを備えている。摺動子は、抵抗体に接 触可能な摺動接点を有する第１板と、第１板に２つ折り状態で一体に連結されか つ調整用器具により回動させられる第２板とを有している。この摺動子は、第１ 板と第２板との相対回転を防止する係合部をさらに有している。

【０００７】

【作用】

本考案に係る可変抵抗器では、摺動子の第１板と第２板とは２つ折りに折曲げ られた部分で連結されてきるばかりでなく、さらに係合部により相対回転が防止 されている。これにより、第１板と第２板との接合強度が向上し、調整用器具に よる回動動作時に第２板が第１板に対して捩じれにくい。

【０００８】

【実施例】

図１〜図４において、本考案の一実施例としてのチップ型可変抵抗器１は、主 に、絶縁基板２と、絶縁基板２に回動自在に係止された摺動子３とから構成され ている。 絶縁基板２の上面には例えば酸化ルテニウムからなる抵抗体４が半円弧状に形 成されている。抵抗体４の両端は、絶縁基板２の一端側で端子電極４ａ，４ａに なっている。

【０００９】 摺動子３は、下面板６（第１板）と上面板７（第２板）とから構成されている 。下面板６と上面板７とは、２つ折り状態で折り返し部８において一体に連結さ れている。下面板６は、フランジ部と絶縁基板２側に突出した中心突出部とを有 する皿形状であり、中心部には孔６ａが形成されている。この孔６ａにピン５が 挿入されており、ピン５は下面板６を絶縁基板２に回動自在に係止している。

【００１０】 下面板６は、折り返し部８と反対側に抵抗接点６ｂを有している。抵抗接点６ ｂは、下面板６のフランジ部の一部が絶縁基板２側に折り曲げられた頂点に形成 されており、抵抗体４に接触している。 下面板６において、折り返し部８と摺動接点６ｂとを結ぶ直径方向と直交する 直径方向の両側には、それぞれ窪み６ｃが形成されている。

【００１１】 上面板７には、十字形状の切欠き７ａが形成されている。直径方向に対向する １組の切欠き部分には、切り起こし部７ｂが形成されている。この切起し部７ｂ は、下面板６の窪み６ｃ内に係合している。また、切り起こし部７ｂは、窪み６ ｃの両側方が切断されることで形成された開口を塞いでいる。 端子電極９は、細長い金属板であり、絶縁基板２の裏面側に配置されている。 端子電極９の一端は、ピン５のかしめ部分により絶縁基板２に係止されており、 他端は、端子電極４ａ，４ａと反対側の絶縁基板２端面に折曲げ状態で係止され ている。

【００１２】 以上に説明したチップ型可変抵抗器１は、マウンターにより吸着され、マザー ボードの所定箇所に配置される。ここでは、上面板７の切り起こし部７ｂが下面 板６の窪み６ｃに形成された開口を塞いでいるために、マウンター吸着時のエア リークが少なく吸着性は高い。 端子電極４ａ，４ａ，９をはんだでマザーボードに接合した後に、ドライバー の先端を摺動子３の切欠き７ａに挿入し、摺動子３を回動させて所望の抵抗を得 る。このとき、摺動子３の下面板６と上面板７とは、折り返し部８によって連結 されているだけでなく、切り起こし部７ｂと窪み６ｃとによっても係合している ため、特に回転方向の接合強度が向上している。そのため、回動時にガタツキが 少なく、抵抗値の正確な調整が容易である。また上面板７の捩じれによる摺動子 ３の破損が生じにくい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案に係る可変抵抗器では、係合部により相対回転を防止されているので、 第１板と第２板との接合強度が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としての可変抵抗器の斜視
図。

【図２】その平面図。

【図３】図２のIII −III 断面図。

【図４】図２のIV−IV断面図。

【符号の説明】

１ チップ型可変抵抗器 ２ 絶縁基板 ３ 摺動子 ４ 抵抗体 ６ 下面板（第１板） ７ 上面板（第２板） ７ｂ 切り起こし部 ６ｃ 窪み

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面に円弧状の抵抗体が形成された絶縁基
   板と、前記絶縁基板に回動自在に係止された摺動子とを
   備え、前記摺動子が、前記抵抗体に接触可能な摺動接点
   を有する第１板と、前記第１板に２つ折り状態で一体に
   連結されかつ調整用器具によって回動させられる第２板
   とを有している、可変抵抗器において、 前記摺動子が、前記第１板と第２板との相対回転を防止
   する係合部をさらに有していることを特徴とする、可変
   抵抗器。