JPH066162Y2 - 蒸気タービン内車室の取付構造 - Google Patents

蒸気タービン内車室の取付構造

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JPH066162Y2
JPH066162Y2 JP16400588U JP16400588U JPH066162Y2 JP H066162 Y2 JPH066162 Y2 JP H066162Y2 JP 16400588 U JP16400588 U JP 16400588U JP 16400588 U JP16400588 U JP 16400588U JP H066162 Y2 JPH066162 Y2 JP H066162Y2
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JP
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inner cylinder
cylinder
outer cylinder
thermal expansion
steam turbine
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卓爾 藤川
彰夫 肥爪
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、蒸気タービンに適用されるその内車室の取付
構造に関する。
従来の技術 従来の蒸気タービン内車室の取付構造について第3図に
基づいて説明すると、図中には殊に蒸気タービンの高圧
タービン部分を示している。
内車室1′の内側はノズル室4′、翼環5′及びダミー
環等6′を支持固定しており、これらの部材4′〜6′
の内部にロータ7′が配設されている。
この場合、内車室1′は通常、例えば水平継手面(図示
せず)で上下2分割とされ、これらを組合せた後は、締
付けボルト(図示せず)により締結されている。なお、
8′は軸方向の位置決め用ラジアルピンである。
他方、蒸気タービンの熱効率を高めるためにタービン入
口の蒸気条件を高めることが多く実行されている。しか
しながら、例えば蒸気温度を649℃(1200゜F)まで高める
と、内車室1′の材料として一般に使用されている12ク
ロム鋼等のフェライト系材料では高温強度が不足し、耐
熱性を有するSUSF316H等のオーステナイト鋼に切替えて
使用する必要がある。
なお、前者の12クロム鋼は後者のSUSF316Hに比べて、そ
の熱膨張係数αは小さいことが知られている。
考案が解決しようとする課題 ところが、オーステナイト鋼はクリープ強度等の高温強
度にはすぐれているが、降伏応力が低いため、蒸気ター
ビンの内車室内外面温度差が大きくなると熱応力によっ
て降伏し塑性歪を生じる。
これにより解放時に水平継手面の締付ボルトを緩めると
内車室1′が変形してしまう可能性があり、再組立時の
遊隙管理に支障を来たす。また、運転前後の冷態時の水
平継手面締付けが不十分となり起動時に蒸気漏れ等を起
す恐れがある。
このような対策の一つとして前記の不適合を防止するた
め、内車室1′内外面温度差を低減する目的で、内車室
1′の内外面にサーマルシールド(図示せず)を別個に
取付けることが考えられているが、内面のサーマルシー
ルドは強度上、構造上実用的でなく、また外面のサーマ
ルシールドも構造上複雑となり取付け、取外しに手間を
要する不都合がある。
課題を解決するための手段 本考案は、このような従来の課題を解決するために、蒸
気タービン内車室の取付構造において、相対的に熱膨張
係数の大きな材料からなり、継手面等で分割される内筒
を、前記材料より熱膨張係数の小さな材料からなる外筒
内に適当な隙間をもって配置し、運転前後の温度差によ
る熱膨張量の差により外筒で内筒を締付けるようにした
ものである。
作用 このような手段によれば、内車室のうち内筒を熱膨張係
数の大きい材料を用いて、更に分割構造とし、及び外筒
を熱膨張係数の小さい材料を用いて一体的な構造とする
ので、運転時、熱膨張により各外筒と内筒とが絞り締め
の状態となって、締付ボルト等による外部の締付けがな
くても常時密着させることができる。
実施例 以下第1及び2図を参照して、本考案の一実施例につい
て詳述する。
しかして、第1図に示すように、蒸気タービン内車室1
は、例えばSUSF316H鋼の如き多少とも熱膨張係数の大き
な耐熱性材料からなり、しかも例えば水平の継手面9等
で2分割又はそれ以上に分割可能で、かつ一つの形状と
して例えば略円筒状の内筒2と、前記材料より相対的に
熱膨張係数の小さな前記12クロム鋼等の如き材料からな
り、内筒2外周面に対応してやはり略円筒状に一体的に
形成されている外筒3とを組合わせた二重構造とされて
いる。
そして、この内筒2を外筒3内に配置して組立てて、そ
の運転前後の温度差による各内筒2、外筒3の熱膨張
量、つまり後述する夫々の隙間δi,δoの差により外
筒3内周面で内筒2外周面を、殊に締付ボルト等の外部
の締結手段を使用することなく締付けるようにしてい
る。
この場合、第2図に示すように内筒2側の支持するノズ
ル室4、翼環5、及びダミー環6の構成は従来からの通
常のタービンと同じ組立て方式が採用されて良い。
即ち、その組立ては、内筒2の下半部にノズル室4、翼
環5及びダミー環6の夫々の下半部側を組立てておき、
そこにロータ7を受入れる。
これにこれらの構成部材4〜6の上半部を組立て、更に
内筒2の上半部を組立てることとなる。
ここまでの工程は従来とほぼ同様である。
次の工程では、2分割されていた内筒2における軸方向
の位置決めが位置決め用ボルト・ナット10にてなされ
る。
ただし、この場合にはこのボルト・ナット10で内筒2の
上半部、下半部とを締結するということが主眼ではな
く、単に位置決めだけの手段として用いられている。
そこで、一体化した内筒2の外周面に外筒3を軸線方向
に沿って嵌入する。
そして、内筒2と外筒3は、例えばラジアルピン8にて
軸方向の位置決めがなされる。ただし、この場合にもラ
ジアルピン8にて内筒2,外筒3とを締結するのが目的
ではなく、やはり位置決めだけの手続きに供される。
その後、ロータ7と内車室2との組立てが完了したもの
を外車室(図示せず)中に組立てることとなる。
なお、第1図中、符号11はラジアルピン8の挿入穴、12
はボルト・ナット10の通し穴、13は蒸気入口開口部を夫
々示す。
さて、本考案によればこのように組立てられる内筒2と
外筒3との間には、適当な間隔幅を有する隙間δが設計
上与えられている。
以下この隙間δと、これに対して熱膨張により発生する
各内筒2、外筒3の隙間δi,δoとの関係について求
めると共に、その作用についても説明すると、内筒2と
外筒3の間の隙間(直径隙間)δを運転前後の冷態時に
組立が容易に出来るような値にとる。
今、内筒2の外径をdi、外筒3の内径をdo、運転時の温
度上昇を内筒2でΔTi、外筒3でΔTo、材料の熱膨張係
数を内筒2がαi,外筒3がαo(ただし、αi>α
o)とすると、これらの間における運転時の相対的な隙
間δ′は δ′=δ+αoΔTodo−αiΔTidi・・・(1) となる。
具体例として、内筒2をSUSF316H鋼、外筒3を12クロム
鋼製とする場合、αi=1.8×10-51/℃、αo=1.2×10
-51/℃であり、また、仮にΔTi=550℃、ΔTo=500℃、
及びdi=do=1,500mmとして設定した各数値を(1)式
に代入すると δ′=δ+1.2×10-5×500×1,500−1.8×10-5×550×
1,500 =δ+9.0−14.85 =δ−5.85mm 即ち、運転時の隙間δ′は冷態時の隙間δより5.85mm程
小さくなる。
このとき、原理的には冷態時の隙間δを5.85mmより小さ
くとれば運転時の隙間δ′は負の値、すなわち運転時に
は内筒2と外筒3は絞りばめになる。
この点に着目して運転前の冷態時の隙間δを5.85mmより
小さい適当な値にとれば、運転時に内筒2と外筒3との
絞りばめの圧力psが内筒2の内圧piに打勝つことができ
る。
簡単のため内筒2、外筒3とも薄肉円筒として試算す
る。内筒2の肉厚をti、材料の弾性係数をEi、外筒3の
肉厚をto、材料の弾性係数をEo、外筒3の外圧をpoとす
ると、各内筒2、外筒3のひずみが で示され 内筒2の(軸線方向の単位長さ当りの)つりあいより 外筒3の(軸線方向の単位長さ当りの)つりあいより ここで、δiとδoは絞りばめによる内筒2の直径の縮
み量と外筒3直径の伸び量で、その総和から運転時の隙
間δ′が求められる。
δi+δo=−δ′・・・・・・(4) となる。
これら(2)〜(4)式より、内筒2の直径の縮み量δ
iは、 そして、内筒2の水平継手面が気密を保つには、内筒2
の縮み量δiが、限界縮み量δimin以上となる必要
がある。即ち、 (6)式を変形して ここで、例えばEi=Eo=1.8×104kg/mm2、ti=to=50m
m、di=do=1,500mm、pi=70kg/cm2=0.7kg/mm2、po=3
0kg/cm2=0.3kg/mm2、δimin=0.2mmと仮定した各
数値を(7)式に代入すると、 となり、設計段階で冷態時の隙間δを5.85−0.9=4.95m
m以下にとれば良いことがわかる。
以上のことより、タービンの起動時には、まず内筒2の
温度が上昇し、膨張した内筒2が外筒2に密接した状態
となりその後外筒3の温度上昇する一方、内圧、外圧の
印加が生じる。
またタービンの停止時にはまず、内圧、外圧がなくなっ
てから内筒2の温度低下が生じる。
従って内筒2に内圧が加わる場合は常に外筒3との熱伸
差による絞りばめ圧力が生じるので内筒2の継手面8が
開くことはない。
このことは、内筒2自体、又は内筒2及び外筒3の間の
組付けにおいては、その密閉状態を絞りばめによって行
えるため従来の如き締付けボルト等による外部からの、
しかも局部的な締付け力を受けずに済むことを意味す
る。
更に、内車室1が以上の如き内筒2と外筒3の二重構造
になっていることにより、内外筒の境界部の熱抵抗を大
きくできる。また外筒3は内筒2の外面に対してサーマ
ルシールドとしての役目を果たす一方、内圧に対する圧
力容器としての強度は、その密接する外筒3が受持つこ
とが可能であり、内筒2の肉厚は工作上小さくて良いこ
ととなる。
これらの作用を併わせて、内筒2の内外面温度差を低減
させることができ、しかも内筒2も外筒3の内面に対し
てサーマルシールドの役目を果たすので外筒3の温度を
低い状態に維持することが可能である。
考案の効果 以上詳述したように、本考案によれば、内車室を分割し
た内筒と、一体化した外筒との二重構造にして、これら
の間の隙間を適当に保持することにより絞りばめの作用
を得ることができるため、次のような効果が奏される。
(1)外筒が例えば円筒状等に一体的に形成しているので
その構造上変形が起こり辛く、締付ボルトが不要とな
り、従って運転前後の冷態時には内車室に局部的な締付
荷重が加わることがなく、つまり強度的に負荷を軽くで
きることにより、各所の変形を阻止することができる。
(2)例えば内筒を薄肉に加工しても、その内筒の内外温
度差がサーマルシールドの効果により低減されるため、
変形が生じない。
(3)また、外筒の温度も低減されるため、その素材に高
温強度の不足するフェライト系の材料を用いても、強度
余裕は大きくなる。
更に、内筒に相対的に熱膨張係数の大きな材料、外筒に
相対的に熱膨張係数の小さな材料を用いて、運転前後
(組立時)と運転時の温度差に伴う熱伸び差により、前
述の如く自動的に締付けること(絞りばめ)が可能とな
るため、締結のための部品点数を減少でき、よって組立
・解放作業が容易かつ確実に実施することができると共
に、製作工程、及び製作費、メンテナンス費用をも低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による蒸気タービン内車室の取付構造の
一例を示す概略構造組成斜視図、第2図はその内車室の
組立状態を示す概略断面図、第3図は従来の蒸気タービ
ン内車室の組立状態を示す概略断面図である。 1……内車室、2……内筒、3……外筒、9……継手
面、δ……隙間。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に熱膨張係数の大きな材料からな
    り、継手面等で分割される内筒を、前記材料より熱膨張
    係数の小さな材料からなる外筒内に適当な隙間をもって
    配置し、運転前後の温度差による熱膨張量の差により外
    筒で内筒を締付けるようにしたことを特徴とする蒸気タ
    ービン内車室の取付構造。
JP16400588U 1988-12-20 1988-12-20 蒸気タービン内車室の取付構造 Expired - Lifetime JPH066162Y2 (ja)

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