JPH066013Y2 - マンドレル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、一般にゲーベルトップ型と称される牛乳ある
いはジュース類を収容する紙製容器用の筒状ブランク殺
菌装置に用いるマンドレル装置に関する。

［従来の技術］ 第５図はゲーベルトップ型の紙製容器１を示す。この容
器１は両端が開口した一定長の筒状ブランクを殺菌した
後、加熱、仮折り、シール工程を経て底部２を平底状に
成形する。この後、所要の飲料を充填し、上部３を切り
妻状に形成し、容器１を完成させる。

上記殺菌工程は、一般に、殺菌液をブランクの内周面及
び外周面に噴霧することにより行なわれている。更に、
レンガ状の容器の場合には、包装材を長い帯状に形成
し、この帯状包装材を、殺菌液を収容した容器中に浸漬
して殺菌することが行なわれている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、殺菌液の噴霧による殺菌は、殺菌液の噴霧が不
均一となり、あるいは、その噴霧量が不十分となる恐れ
があり、この場合には殺菌不良を生じる。一方、ブラン
クを殺菌液に浸漬する場合には、殺菌不良の恐れは解消
されるが、しかし、ゲーベルトップ型の容器の場合に
は、ブランクは個々に独立した筒状に成形る必要があ
り、したがって殺菌液に浸漬した後に、この殺菌液を除
去することは容易でない。

このため、マンドレルの先端にノズル装置が取付けら
れ、このノズル装置から噴出される圧縮空気で殺菌剤を
除去する方法が開発された。

第７図及び第８図に示すように、このノズル装置１２
は、空気供給管兼用のマンドレル１０ｂに空気孔ｂを介
して装着されるベース部剤１３と、キャップ部材１４と
を有し、これら両部材は僅かな間隔を介在されて、取付
け孔ａに挿入されたボルトで互いに固着される。ベース
部材１３は四角錐状の凹部１３ａを有し、キャップ部材
１４の四角錐状の突部１４ａがこの凹部１３ａ内に挿入
され、これらの凹部１３ａと突部１４ａとの間に形成さ
れる間隙により、空気噴出ノズル１２ａが形成されてい
る。このノズル１２ａから空気が噴出して、ブランク内
面から殺菌剤が除去される。

しかし、このノズル装置は第８図に示すように、凹部１
３ａと突部１４ａとが四角錐状に形成されているため、
その対角線方向の噴射角αと、縦あるいは横方向の噴射
角βとがそれぞれそれぞれ異なる。また、四角錐の角部
で空気流が不連続となる。このため、殺菌剤を均一に除
去することができず、特にブランクの隅部の殺菌剤除去
に問題があった。

本考案は上述に鑑みてなされたもので、殺菌液中に浸漬
した筒状のブランクから、殺菌液を効率よく除去できる
マンドレル装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案によるマンドレル装置は、飲料容器用の中空角柱
状ブランク内に挿入されるマンドレルと、このマンドレ
ルの先端に装着される短角柱状のベース部材及びこのベ
ース部材と共に空気噴出ノズルを形成するキャップ部材
とからなるノズル装置とを具備してなり、前記ベース部
材は空気供給孔と、この空気供給孔を底壁に開口させ、
先端方向に開口する凹部と、この凹部の外周部に形成さ
れた円錐面とを有し、前記キャップ部材は前記凹部内に
挿入され、前記凹部の周壁との間に空気チャンバを形成
する短円筒状の挿入部と、この挿入部に形成され、前記
空気チャンバと前記供給孔を連通する対角線状の空気案
内溝と、前記ベース部材の円錐面に所定の間隙を介して
対向し、空気噴出口を形成する円錐状の案内面とを有
し、前記空気噴出口から均一に空気を噴出することを特
徴とする。

［作用］ 本考案のマンドレル装置によると、ノズル装置はベース
部材とキャップ部材との間に空気チャンバを形成し、こ
の空気チャンバの外周部に、ベース部材の円錐面とキャ
ップ部材の案内面とで形成された間隙が形成されてお
り、この間隙が空気噴出ノズルを形成する。この空気噴
出ノズルは角部を有せず、空気を均一に噴出する。

以下本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。

［実施例］ 第５図は本考案の実施例によるマンドレル装置を用いる
殺菌装置５を示す。この殺菌装置は上記第５図に示すゲ
ーベルトップ型容器１を充填包装するアセプティック充
填包装機に用いられるものである。

殺菌装置５は無菌チャンバ６を有し、この無菌チャンバ
には、図の右方の入口部５ａから適宜の給紙機構を介し
て両端を開口した中空角柱状のブランク４が供給され、
殺菌を終えたブランク４は出口部５ｂから次の工程に送
出される。更に、殺菌装置５は例えば過酸化水素水を収
容する殺菌剤槽７と、第１循環装置９とを有し。この第
１循環装置は間欠的に回転してブランク４を順次殺菌剤
槽７に浸漬させる。殺菌剤槽７から引上げられたブラン
ク４は、マンドレル機構１０の周部に放射状に配設され
た各マンドレル装置１０ａに装着され、このマンドレル
機構の回転中に、各マンドレルから噴出される空気流に
より殺菌剤を除去される。この後、ブランク４は第１循
環装置９と同様な第２循環装置１１により、熱風を吹付
ける殺菌剤除去槽８中を循環される。これらの循環装置
は同様な構造を有し、殺菌剤槽７及び殺菌剤除去槽８の
上方に配置された一対のスプロケットと、下方の各槽中
に配置された一対のアイドラとを有する（いずれも図示
しない）。これらのスプロケットとアイドラにはそれぞ
れ長さの等しい一対の搬送チェーンが巻装され、各チェ
ーンの下端は殺菌剤槽７中に配置された延長している。
そして、これらの一対のチェーンにブランクを保持する
ブランクホルダが取付けられている。

第１図乃至第４図は上記各マンドレル装置のノズル装置
１５を示す。

このノズル装置１５は、第７図の空気供給管兼用のマン
ドレル１０ｂに装着されるベース部材１６と、このベー
ス部材に取付けられるキャップ部材２６とを備える。

ベース部材１６は短角柱状に形成されており、容器ブラ
ンクを角柱状内孔内に収容され、このブランクを保持す
ることができる。このベース部材１６は、マンドレルの
先端に螺合されるねじ部を周部に形成した空気供給孔１
８を中央部に有し、この空気供給孔は凹部１７の底壁の
中央部に開口する。この凹部１７は、短円筒状に形成さ
れており、下方すなわちキャップ部材２６側に開口し、
この凹部の外周部には円錐面２０が形成されている。こ
のベース部材１６はボルト挿通孔１８を介して挿通され
るボルト２１により、キャップ部材２６と一体的に結合
される。

キャップ部材２６は、ベース部材１６側に面する中央部
に、上記凹部１２内に挿入される短円筒状の挿入部２７
を有し、この挿入部には上記ボルト孔１９に整合するね
じ孔２９が形成されている。この挿入部２７は、上記凹
部１７内に挿入されたときに、凹部の側壁との間に空気
チャンバ２５を形成する。更に、挿入部２７には、ベー
ス部材１６あるいはキャップ部材２６の対角線方向に沿
う２本の空気案内溝２８を有し、この案内溝は、ベース
部材１６とキャップ部材２６とを結合したときに、上記
空気チャンバ２５と空気供給孔１８とを連通する。

また、凹部２７の周部に形成された環状の平坦面２７ａ
の外周部には、上記円錐面２０に対応した円錐状の案内
面３０が形成されている。この案内面３０は、ベース部
材１６とキャップ部材２６とを一体的に結合したときに
間隙を介して外方に開口し、この円錐面２０と共に空
気噴出用のノズル１５ａを形成する。したがって、ノズ
ル１５ａはノズル装置の進行方向あるいは軸線方向に対
して傾斜し、かつ、その周部に均一に開口する。本実施
例ではノズル１５ａの間隙を0.5mmとしたが、用途あ
るいは必要に応じ、凹部１７の底壁と挿入部２７の端部
との間に適宜調整することができる。

キャップ部材２６もベース部材１６と同様に、中空角柱
状のブランクの内孔に対応して挿入可能な角形に形成さ
れており、このベース部材１６と反対側の端部はブラン
クの内孔内に挿入を容易にするために先細に形成されて
いる。

上記ノズル装置１５を先端に取付けたマンドレル装置
は、その先端のノズル１５ａから周部に空気を均一に噴
出することができる。したがって、マンドレル装置の先
端より、殺菌槽（第６図）を通過した後のブランクが挿
入されると、このブランクの挿入につれ、その進入方向
に対して傾斜した方向にノズル１５ａから空気が噴出さ
れる。このノズル装置はブランクの内孔に対応した角形
に形成されているため、ブランクの内面に均一に空気が
吹付けられ、殺菌剤が効率よく除去される。

なお、このマンドレル装置にブランクを挿入する際、マ
ンドレル装置の先端側を下方に傾斜させ、ブランクをこ
の傾斜したマンドレル装置に沿って挿入することにより
更に効率よく殺菌剤を除去することができる。

［考案の効果］ 本考案によると、殺菌剤槽を通過した中空角柱状のブラ
ンク内面に、均一に空気を吹付けることができ、これに
より、このブランクの内面、特に角部においても殺菌剤
が効率よく除去され、除去むらがなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるマンドレル装置における
ノズル装置の斜視図、第２図は第１図のII−II線に沿う
断面図、第３図は第１図のノズル装置の分解斜視図、第
４図は第３図のIV−IV線に沿う断面図、第５図はブラン
クから形成される容器の斜視図、第６図はマンドレル装
置を用いる殺菌装置の説明図、第７図は従来のノズル装
置の分解斜視図、第８図は第７図のVIII−VIII線に沿う
断面図である。 ４……ブランク、５……殺菌装置、７……殺菌剤槽、１
０ａ……マンドレル装置、１０ｂ……マンドレル、１５
……ノズル装置、１６……ベース部材、１７……凹部、
１８……空気供給孔、２０……円錐面、２５……空気チ
ャンバ、２６……キャップ部材、２７……挿入部、２８
……空気案内溝、３０……案内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】飲料容器用の中空角柱状ブランク内に挿入
   されるマンドレルと、このマンドレルの先端に装着され
   る短角柱状のベース部材及びこのベース部材と共に空気
   噴出ノズルを形成するキャップ部材とからなるノズル装
   置とを具備してなり、前記ベース部材は空気供給孔と、
   この空気供給孔を底壁に開口させ、先端方向に開口する
   凹部と、この凹部の外周部に形成された円錐面とを有
   し、前記キャップ部材は前記凹部内に挿入され、前記凹
   部の周壁との間に空気チャンバを形成する短円筒状の挿
   入部と、この挿入部に形成され、前記空気チャンバと前
   記供給孔を連通する対角線状の空気案内溝と、前記ベー
   ス部材の円錐面に所定の間隙を介して対向し、空気噴出
   口を形成する円錐状の案内面とを有し、前記空気噴出口
   から均一に空気を噴出することを特徴とするマンドレル
   装置。