JPH0658506A - 蒸気変換弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 寿命が長く、保守点検や交換が容易な蒸気変
換弁を提供する。 【構成】 弁ボデイ１に入口流路と減圧減温室３を形成
し、これらの間にプランジャー５を往復動可能に設け、
入口流路内の高圧過熱蒸気を減圧して減圧減温室３に排
出させプランジャー５の開動作時に高圧過熱蒸気の一部
を分流して冷却水と共に減圧減温室３に噴射する蒸気変
換弁において、弁ボデイ１の横に挿通孔１ｄをあけて冷
却水噴出ノズルユニットを嵌挿し、分流した高圧過熱蒸
気の一部を冷却水と共に減圧減温室３に噴射させる。冷
却水噴出ノズルユニットは、挿通孔１ｄに嵌挿される外
スリーブ１１と、外部から冷却水を供給される冷却水導
入管１７と、内スリーブ２０と、内外スリーブの間に高
温過熱蒸気の一部が導入される環状室２４と、噴霧スリ
ットノズル２６と、連通孔２３ａと、冷却水路１７ｂ
と、から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高圧過熱蒸気を減圧お
よび減温する蒸気変換弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の蒸気変換弁は、図３に示すような
構成を有する。すなわち、図３において、１は弁ボデイ
であって、高圧過熱蒸気の入口流路２と減圧減温室３が
形成されている。これらの入口流路２と減圧減温室３の
間には、有底のケージ型弁胴４が取り付けられている。
このケージ型弁胴４内には、プランジャー５が上下に往
復動するように設けられている。

【０００３】上記プランジャー５は下方先端部が開放し
た空洞５ａとなっていて、該空洞５ａの上方周囲壁には
複数の開閉穴５ｂが開設されている。また、上記ケージ
型弁胴４の下方先端部の周囲には複数のポート４ａが形
成されている。該ポート４ａの外側は上記減圧減温室３
に開口している。

【０００４】従って、プランジャー５が、図３の右半断
面の状態、すなわち下降している時は、上記開閉穴５ｂ
が閉じている。この状態から上昇させると、図３の左半
断面の状態のように、開閉穴５ｂが開いて、入口流路２
内の高圧過熱蒸気は、空洞５ａ内に流入し、上記ポート
４ａを通って、減圧減温室３に排出される。この時、蒸
気は減圧され、さらに多孔板６の孔６ａを通過し、二次
側出口７に到る。

【０００５】一方、上記ケージ型弁胴４の上方部には、
減圧絞り孔４ｂが形成されている。図４に拡大して示す
ように、この減圧絞り孔４ｂは、上記弁ボデイ１に形成
された噴霧用蒸気室１ａおよび連通路１ｂを介して、噴
霧ノズル８ａに連通している。この噴霧ノズル８ａはノ
ズルリング８に斜め内側下方に向けて形成されている。

【０００６】上記噴霧ノズル８ａの中間部には、横から
冷却水吸引孔８ｂの出口部が臨んでいる。該冷却水吸引
孔８ｂの入口部は、スリーブ９に形成された環状の冷却
水室９ａに連通する。この冷却水室９ａには、上記弁ボ
デイ１に形成された冷却水入口流路１ｃを通って外部か
ら冷却水が供給される。

【０００７】従って、上記プランジャー５が上昇し始め
て、その開閉穴５ｂが高圧過熱蒸気の入口流路２に開口
し始めると、この流入した高圧過熱蒸気の一部は、上記
減圧絞り孔４ｂ、噴霧用蒸気室１ａおよび連通路１ｂを
通って、上記噴霧ノズル８ａから上記減圧減温室３に噴
射される。この際、噴霧ノズル８ａ内は負圧になるの
で、冷却水室９ａ内の冷却水は、冷却水吸引孔８ｂを通
って吸引され、噴霧蒸気を減温させながら蒸気と共に噴
射される。

【０００８】この種の蒸気変換弁は、日毎に高頻度にて
短時間使用される場合には、熱衝撃疲労により寿命が短
かく、また、保守点検が困難である等の問題点があっ
た。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するためになされたもので、その目的とす
るところは、寿命が長く、保守点検や交換が容易な蒸気
変換弁を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の蒸気変換弁は、
弁ボデイに入口流路と減圧減温室を形成し、これら入口
流路と減圧減温室の間にプランジャーを往復動可能に設
けて、上記入口流路内の高圧過熱蒸気を減圧して上記減
圧減温室に排出せしめると共に、該プランジャーの開動
作時に上記入口流路内の高圧過熱蒸気の一部を分流して
冷却水と共に上記減圧減温室に噴射する蒸気変換弁にお
いて、上記弁ボデイの横に挿通孔をあけて冷却水噴出ノ
ズルユニットを嵌挿せしめ、上記分流した高圧過熱蒸気
の一部を冷却水と共に上記減圧減温室に噴射せしめるこ
とを特徴とする。上記冷却水噴出ノズルユニットは、例
えば、上記弁ボデイにあけた孔に嵌挿される外スリーブ
と、該外スリーブの内側に環状空隙を隔てて設けられ、
外部から冷却水を供給される冷却水導入管と、該冷却水
導入管の先端部に外挿された内スリーブと、該内スリー
ブと上記外スリーブとの間に形成され、高温過熱蒸気の
一部が導入される環状室と、上記冷却水導入管の先端に
設けられた盲蓋と上記外スリーブとの間に形成された噴
霧スリットノズルと、上記環状室と噴霧スリットノズル
とを連絡する連通孔と、上記冷却水導入管内の冷却水を
噴霧スリットノズルに供給する冷却水路と、から構成さ
れている。上記内スリーブは、軸方向にスライド可能に
取り付けられている。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図１において、１０は取付フランジ
であって、弁ボデイ１に溶接等により固定されている。
該取付フランジ１０には、外スリーブ１１のフランジ１
２が取付ボルト１３により取り付けられている。これら
の取付フランジ１０とフランジ１２との間には、ガスケ
ット１４が介挿されていて、取付フランジ１０と外スリ
ーブ１１との間に形成されている環状空隙１５を密封し
ている。

【００１２】上記外スリーブ１１内には、環状空隙１６
を隔てて冷却水導入管１７が同一軸線上に配置されてい
る。該冷却水導入管１７の外端部（弁ボデイ１の外方
側）は、グランドパッキング１８を介して、上記外スリ
ーブ１１に保持されている。１９は該グランドパッキン
グ１８を締め込むための締込部材である。

【００１３】一方、上記冷却水導入管１７の内端部（弁
ボデイ１の内方側）と外スリーブ１１の内端部との間に
は、図２に拡大して示すように、内スリーブ２０が介挿
されている。２１は止めリング、２２は止めナットであ
る。

【００１４】また、内スリーブ２０には環状の滑りガイ
ド２３が形成されていて、その先端面は上記外スリーブ
１１の内面を軸方向に摺動可能に保持している。

【００１５】上記内スリーブ２０と外スリーブ１１の間
の、止めリング２１と滑りガイド２３の間には、環状室
２４が形成されている。また、上記滑りガイド２３には
連通孔２３ａが形成されている。上記環状室２４は中間
圧力室２５を介して、前述の連通路１ｂに連通してい
る。

【００１６】上記冷却水導入管１７の内方先端には盲蓋
１７ａが取り付けられている。上記外スリーブ１１の先
端内面部と、上記内スリーブ２０の先端外面部および盲
蓋１７ａの外周面との間には、噴霧スリットノズル２６
が形成されている。

【００１７】上記スリットノズル２６の内側の冷却水導
入管１７先端部には、冷却水路１７ｂが形成されている
と共に、内スリーブ２０の先端面と盲蓋１７ａとの間に
は冷却水スリットノズル２３ｂが形成されている。

【００１８】以上のように、本実施例では、弁ボデイ１
の横に挿通孔１ｄをあけて、これに冷却水噴出ノズルユ
ニットを嵌挿している。この冷却水噴出ノズルユニット
は、上記弁ボデイ１にあけた挿通孔１ｄに嵌挿される外
スリーブ１１と、該外スリーブ１１の内側に環状空隙１
６を隔てて設けられ、外部から冷却水を供給される冷却
水導入管１７と、該冷却水導入管１７の先端先端部に外
挿された内スリーブ２０と、該内スリーブ２０と上記外
スリーブ１１との間に形成され、高温過熱蒸気の一部が
導入される環状室２４と、上記冷却水導入管１７の先端
に設けられた盲蓋１７ａと上記外スリーブ１１との間に
形成された噴霧スリットノズル２６と、上記環状室２４
と噴霧スリットノズル２６とを連絡する連通孔２３ａ
と、上記冷却水導入管１７内の冷却水を噴霧スリットノ
ズル２６に供給する冷却水路１７ｂと、から構成されて
いる。

【００１９】従って、上記環状室２４に導入された蒸気
は、中間圧力室２５および連通孔２３ａを通って噴霧ス
リットノズル２６から減圧減温室３に噴射される。この
際、噴霧スリットノズル２６内は負圧になるので、冷却
導管１７内に導入された冷却水は、冷却水路１７ｂおよ
び冷却水スリットノズル２３ｂを通って吸引され、噴霧
蒸気を減温させながら蒸気と共に噴射される。

【００２０】

【発明の効果】

１）冷却水噴出ノズルユニットを弁ボデイにあけた挿通
孔に嵌挿してセットするので、ノズルユニットの保守点
検および交換が容易である。 ２）内スリーブをスライド可能に設けたので、繰返し熱
膨張収縮による材料の疲労がなくなり、ノズルユニット
の寿命が長くなり、交換が少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】噴霧ノズルユニットの一実施例を示す断面図で
ある。

【図２】要部の拡大断面図である。

【図３】従来の蒸気変換弁の断面図である。

【図４】図３の部分拡大図である。

【符号の説明】

１ 弁ボデイ １ａ 噴霧用蒸気室 １ｂ 連通路 １ｃ 冷却水入口流路 １ｄ 挿通孔 ２ 入口流路 ３ 減圧減温室 ４ ケージ型弁胴 ４ａ ポート ４ｂ 減圧絞り孔 ５ プランジャー ５ａ 空洞 ５ｂ 開閉穴 ６ 多孔板 ６ａ 孔 ７ 二次側出口 ８ ノズルリング ８ａ 噴霧ノズル ８ｂ 吸引孔 ９ スリーブ ９ａ 冷却水室 １０ 取付フランジ １１ 外スリーブ １２ フランジ １３ 取付ボルト １４ ガスケット １５ 環状空隙 １６ 環状空隙 １７ 冷却水導入管 １７ａ 盲蓋 １７ｂ 冷却水路 １８ グランドパッキング １９ 締込部材 ２０ 内スリーブ ２１ 止めリング ２２ 止めナット ２３ 滑りガイド ２３ａ 連通孔 ２３ｂ 冷却水スリットノズル ２４ 環状室 ２４ａ 連通穴 ２５ 中間圧力室 ２６ 噴霧スリットノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 友明 兵庫県神戸市西区高塚台６丁目２−２ エ −ビ−ビ−・ガデリウス株式会社西神事業 所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁ボデイに入口流路と減圧減温室を形成
   し、これら入口流路と減圧減温室の間にプランジャーを
   往復動可能に設けて、上記入口流路内の高圧過熱蒸気を
   減圧して上記減圧減温室に排出せしめると共に、該プラ
   ンジャーの開動作時に上記入口流路内の高圧過熱蒸気の
   一部を分流して冷却水と共に上記減圧減温室に噴射する
   蒸気変換弁において、上記弁ボデイの横に挿通孔をあけ
   て冷却水噴出ノズルユニットを嵌挿せしめ、上記分流し
   た高圧過熱蒸気の一部を冷却水と共に上記減圧減温室に
   噴射せしめることを特徴とする蒸気変換弁。
2. 【請求項２】 上記冷却水噴出ノズルユニットが、上記
   弁ボデイにあけた孔に嵌挿される外スリーブと、該外ス
   リーブの内側に環状空隙を隔てて設けられ、外部から冷
   却水を供給される冷却水導入管と、該冷却水導入管の先
   端部に外挿された内スリーブと、該内スリーブと上記外
   スリーブとの間に形成され、高温過熱蒸気の一部が導入
   される環状室と、上記冷却水導入管の先端に設けられた
   盲蓋と上記外スリーブとの間に形成された噴霧スリット
   ノズルと、上記環状室と噴霧スリットノズルとを連絡す
   る連通孔と、上記冷却水導入管内の冷却水を噴霧スリッ
   トノズルに供給する冷却水路と、から構成されているこ
   とを特徴とする請求項１記載の蒸気変換弁。
3. 【請求項３】 上記内スリーブが軸方向にスライド可能
   に取り付けられていることを特徴とする請求項２記載の
   蒸気変換弁。