JPH0658185U - フィルタ付内接歯車ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】濾材を長期間交換や洗浄を行うことなく使用で
きると共に、限られたスペースであっても取付け、取外
しが容易なフィルタ付内接歯車ポンプを得る。 【構成】筒状の外側濾材３６の内側に、所定量外形の小
さな筒状の内側濾材３８を設けて、その間に両内外側濾
材３６，３８を通して流体が流通可能な環状空間４２を
形成する。そして、第１、第２蓋部材３０，３２をその
両端に配置して、封蓋部材１２の窪み部１６に収納し、
キャップ４６はポンプを被取付部材１５に取り付けるポ
ンプ本体取付ボルト１４と同方向からキャップ取付ボル
ト４９を螺着して取り付け、窪み部１６を閉塞する。流
体の一部は外側濾材３６の外周を通って環状空間４２
に、他の一部は内側濾材３８の内周から環状空間４２に
流入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フィルタを通して流体を吸い込むフィルタ付内接歯車ポンプに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、ポンプの吸込み側の通路には、実開平３−４７４７１号公報や特開 昭６２−２７９２８０号公報にあるように、フィルタが設けられているものもあ る。このフィルタは、円筒状に形成した濾材を備え、流体がこの濾材を通って流 通する際に、流体中のゴミや金属粉等が濾過されるように形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、こうした従来のものでは、使用するにつれて、濾材が目詰まり し、交換や洗浄を行わなければならない。この交換や洗浄までの期間を長くする には、筒状の濾材の直径や長さが大きな表面積を大きくしたものを使用すればよ いが、フィルタの設置スペースが限られている場合には、濾材を大きなものにす るにも限界があった。また、限られたスペースにフィルタを配置する場合、取付 けや取外しを容易に行える必要がある。

【０００４】 そこで本考案は上記の課題を解決することを目的とし、濾材を長期間交換や洗 浄を行うことなく使用できると共に、限られたスペースであっても取付け、取外 しが容易なフィルタ付内接歯車ポンプを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はかかる課題を解決するためにさなれたもので、請求項１の考案では、 ポンプ本体の一端面に窪み形成した収納部に外歯歯車と歯合する内歯歯車を収納 して収納部を封蓋する封蓋部材を設け、外歯歯車を回転駆動する回転軸をポンプ 本体に反封蓋部材側から外歯歯車の内孔へ回転駆動可能に延在し、封蓋部材に反 ポンプ本体側へ開口する環状の窪み部を形成し、筒状の外側濾材の内側に、所定 量外形の小さな筒状の内側濾材を設けて、その間に環状空間を形成し内外側濾材 の両端に環状の蓋部材を配置し、一方の蓋部材に環状空間に連通する流通孔を穿 設したフィルタエレメントを窪み部に収納し、流通孔をポンプの吸込室へ連通し 、窪み部を閉塞するキャップは環状の窪み部中央の突部に形成されたねじ孔に螺 着するキャップ取付ボルトにより封蓋部材に取り付けてフィルタエレメントを挟 持すると共に、キャップ取付ボルトはポンプを被取付部材へ取り付けるポンプ取 付ボルトと同方向から螺着し、内側濾材の筒状内面側と外側濾材の筒状外面側に 形成する通路をポンプ本体に形成する吸込通路に連通したフィルタ付内接歯車ポ ンプの構成がそれである。

【０００６】 請求項２の考案では、ポンプ本体の一端面に窪み形成した収納部に外歯歯車と 歯合する内歯歯車を収納して収納部を封蓋する封蓋部材を設け、外歯歯車を回転 駆動する回転軸をポンプ本体に反封蓋部材側から外歯歯車の内孔へ回転駆動可能 に延在し、封蓋部材に反ポンプ本体側へ開口する環状の窪み部を形成し、筒状の 外側濾材の内側に、所定量外形の小さな筒状の内側濾材を設けて、その間に環状 空間を形成し内外側濾材の両端に環状の蓋部材を固着し、一方の蓋部材に環状空 間に連通する流通孔を穿設したフィルタエレメントを窪み部に収納し、流通孔を ポンプの吸込室へ連通し、窪み部を閉塞するキャップは環状の窪み部中央の突部 に形成されたねじ孔に螺着するキャップ取付ボルトにより封蓋部材に取り付けて 蓋部材の縁をキャップにより押し付けてフィルタエレメントを固定すると共に、 キャップ取付ボルトはポンプを被取付部材へ取り付けるポンプ取付ボルトと同方 向から螺着し、内側濾材の筒状内面側と外側濾材の筒状外面側に形成する通路を ポンプ本体に形成する吸込通路に連通したフィルタ付内接歯車ポンプの構成がそ れである。

【０００７】

【作用】

本考案による請求項１のフィルタ付内接歯車ポンプは、封蓋部材が収納部を封 蓋し、窪み部にフィルタエレメントを収納してキャップをポンプ取付ボルトと同 方向からのキャップ取付ボルトにより封蓋部材に取り付けると共にフィルタエレ メントを挟持するので、限られたスペースであっても取付け、取外しが容易であ る。また、通路から内側濾材及び外側濾材を通って、流体が環状空間に流入し、 環状空間から吸込室に流体が流入するので、濾材の表面積が増加し、交換や洗浄 を行うまでの期間が長くなる。

【０００８】 また、請求項２のフィルタ付内接歯車ポンプは、封蓋部材が収納部を封蓋し、 窪み部にフィルタエレメントを収納してキャップをポンプ取付ボルトと同方向か らのキャップ取付ボルトにより封蓋部材に取り付け、キャップが蓋部材の縁を押 し付けてフィルタエレメントを固定するので、限られたスペースであっても取付 け、取外しが容易である。また、通路から内側濾材及び外側濾材を通って、流体 が環状空間に流入し、環状空間から吸込室に流体が流入するので、濾材の表面積 が増加し、交換や洗浄を行うまでの期間が長くなる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は本考案の一実施例であるフィルタ付内接歯車ポンプの要部断面図である 。１はポンプ本体で、その一端面が窪まされて収納部２が形成されており、収納 部２には外歯歯車６が収納されると共に、外歯歯車６に歯合された内歯歯車８が 収納されている。

【００１０】 収納部２を封蓋する封蓋部材１２が設けられており、内燃機関やモータ等によ り回転される回転軸４がブッシュ５により回転自在に支承されて、反封蓋部材１ ２側から収納部２内に延在されている。回転軸４は、外歯歯車６の内孔７にセレ ーション嵌合されて、回転駆動可能に連結されている。

【００１１】 封蓋部材１２は、Ｏリング１０により漏れ止めされて、回転軸４と平行な図示 しないボルトが封蓋部材１２を貫通してポンプ本体１に螺入されて固着されると 共に、同様にポンプ取付ボルト１４が、封蓋部材１２及びポンプ本体１を貫通し て、内燃機関やモータあるいはその他のブラケット等のポンプを取り付けるため の被取付部材１５に螺入されてポンプ本体１の反収納部２側の端面が被取付部材 １５の端面に接して固定されている。

【００１２】 封蓋部材１２の反ポンプ本体１側が窪まされて開口した環状の窪み部１６が形 成されており、窪み部１６には、ポンプ本体１に形成した吸込通路１８に連通し た接続通路１９が開口されている。窪み部１６の底に環状の溝２０が形成されて おり、溝２０と吸込室２２とが連通されている。尚、漏れ出た流体を吸込室２２ に戻す戻し孔２６が設けられている。

【００１３】 また、加圧された流体が吐出される吐出室２８が形成され、ポンプ本体１に形 成された吐出通路２９に連通されており、吐出通路２９はポンプ本体１に螺着さ れた配管取付継手３１を介して外部と接続されている。 窪み部１６の底には、本実施例ではアルミ製の環状の第１蓋部材３０が収納さ れ、第１蓋部材３０には窪み部１６の外側に向かって突出された環状の突部３２ が形成されている。また、溝２０に連通する複数の流通孔３４が、第１蓋部材３ ０を貫通して穿設されている。

【００１４】 突部３２の外周には筒状の外側濾材３６が嵌合され、外側濾材３６よりも所定 量外形の小さい内側濾材３８が、外側濾材３６の内側に設けられると共に、突部 ３２の内周に嵌合されている。外側濾材３６及び内側濾材３８の間に、環状空間 ４２が形成されている。尚、両濾材３６には、金網、巻線、焼結金属、積層板等 が用いられる。

【００１５】 第１蓋部材３０の反対側に、環状の第２蓋部材４０が設けられ、環状の突部４ １が外側濾材３６と内側濾材３８とに嵌合されている。第２蓋部材４０の外側に は、複数の溝４４が径方向に形成されており、窪み部１６を閉塞するようにして 、キャップ４６が、Ｏリング４８により漏れ止めされて、嵌着されている。

【００１６】 キャップ取付ボルト４９が、Ｏリング５１により漏れ止めされ、ポンプ取付ボ ルト１４と同方向からキャップ４６を貫通して、窪み部１６の中央に突設された 突部５３に形成されたねじ孔５３ａに螺入され、第２蓋部材４０、外側濾材３６ 、内側濾材３８、第１蓋部材３０を挟持するようにして、キャップ４６が固定さ れている。第２蓋部材４０、外側濾材３６、内側濾材３８、第１蓋部材３０によ りフィルタエレメント４５を形成している。

【００１７】 尚、外側濾材３６の筒状外面側と窪み部１６及びキャップ４６との間、及び内 側濾材３８の筒状内面側とで通路４７が形成されて、溝４４、接続通路１９を介 して吸込通路１８に連通されている。 次に、作動について説明する。

【００１８】 回転軸４が回転駆動されると、吸込通路１８、接続通路１９を介して、窪み部 １６に流体が吸い込まれ、一部は、外側濾材３６の外周から外側濾材３６を通っ て環状空間４２内に流入する。他の一部は、外側濾材３６の外周に沿って、第２ 蓋部材４０方向に流れ、溝４４を通って、内側濾材３８の内周に流れ込み、内側 濾材３８を通って環状空間４２内に流入する。

【００１９】 環状空間４２内に流入した流体は、流通孔３４を通り、溝２０から吸込室２２ に吸い込まれる。そして、吐出室２８から加圧された流体が吐出通路２９を介し て外部に供給される。 流体が外側濾材３６及び内側濾材３８を通る際に、ゴミや金属粉等が濾過され る。外側濾材３６の内側に内側濾材３８が設けられるので、その外形を大きくす ることなく、限られた設置スペースに配置できる。また、外側濾材３６の外周及 び内側濾材３８の内周の広い表面積を流体が通過して濾過され、外側濾材３６及 び内側濾材３８が目詰まりするまでの交換期間が長くなる。また、内外周を流体 が通るので、その圧力損失も少ない。

【００２０】 しかも、ポンプ取付ボルト１４とキャップ取付ボルト４９とは同方向から取り 付けられ、ポンプ取付ボルト１４とキャップ取付ボルト４９を挿入できるスペー スを１カ所に確保すれば、ポンプの周囲に他の機器が多数配置されて込み入って いる場合でも、少ないスペースで被取付部材１５への取付・取外が容易にできる 。また、キャップ取付ボルト４９を取り外してキャップ４６を外すことにより、 容易にフィルタエレメント４５の取外しもできる。

【００２１】 次に、請求項２の考案の第２実施例について図２によって説明する。尚、前述 した実施例と同じ部材については、同一番号を付して詳細な説明を省略する。 外側濾材３６と内側濾材３８との両端にはそれぞれ環状の第１、第２蓋部材５ ０，５２が溶着されている。第１蓋部材５０を窪み部１６の底側にして、窪み部 １６に挿入されており、第１蓋部材５０には、溝２０と連通するように流通孔５ ４が穿設されている。尚、本実施例では、戻し孔５５は、溝２０に開口形成され ている。外側、内側濾材３６，３８、第１、第２蓋部材５０，５２によりフィル タエレメント５７を形成している。

【００２２】 更に、第１蓋部材５０の内周の縁５６は第２蓋部材５２の内周よりも小さくさ れている。キャップ５８が窪み部１６を閉塞するように嵌着されると共に、キャ ップ５８の中央が窪み部１６の底に向かって突き出されて凸部６０が形成されて おり、凸部６０の先端が縁５６を窪み部１６の底に押し付けるようにされている 。

【００２３】 尚、縁５６は、第１蓋部材５０の内周に限らず、その外周でもよく、また、第 ２蓋部材５２の内周あるいは外周でもよく、それに併せたキャップ５８の形状と すればよい。 凸部６０は、第２蓋部材５２の内周よりも小さく形成され、また、キャップ５ ８と第２蓋部材５２との間に隙間ができるようにされて、通路６１が形成されて いる。窪み部１６の底には突部６６が形成されており、この突部６６が挿入可能 な大径孔６７が凸部６０の先端に形成されている。シールワッシャ６２により漏 れ止めされたキャップ取付ボルト６４が、ポンプ取付ボルト１４と同方向からキ ャップ５８を貫通して、突部６６に形成されたねじ孔６６ａに螺入されて、キャ ップ５８が固定されている。

【００２４】 次に、第２実施例の作動について説明する。 回転軸４が回転駆動されると、吸込通路１８を介して窪み部１６に流体が吸い 込まれる。その一部は、外側濾材３６の外周から環状空間４２に流入し、他の一 部は、外側濾材３６の外周に沿って、第２蓋部材５２とキャップ５８との間から 内側濾材３８の内周に流入し、内側濾材３８を通って環状空間４２内に流入する 。

【００２５】 環状空間４２から流通孔５４、吸込室２２に流入し、吐出室２８から加圧され た流体が吐出通路２９を介して外部に供給される。 この第２実施例の場合でも、限られた設置スペースに設けることができ、また 、交換や洗浄を行うまでの時期が長くなる。しかも、少ないスペースで被取付部 材１５への取付・取外が容易にでき、また、フィルタエレメント５７が一体であ るので、更に交換や洗浄を容易に行うことができる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案のフィルタ付内接歯車ポンプは、外側濾材及び内側濾材により濾過する ので、限られたスペースに設けることができると共に、その表面積が広く、交換 や洗浄までの期間が長くなる。また、ポンプ取付ボルトとキャップ取付ボルトと は同方向から取り付けられ、両ボルトを挿入できるスペースを１カ所に確保すれ ば、周囲に他の機器が多数配置されて込み入っている場合でも、少ないスペース で被取付部材への取付・取外が容易にできる。しかも、キャップを外して容易に フィルタエレメントの交換や洗浄を行うことができる。請求項２の考案は、フィ ルタエレメントが一体的に構成されているので、更に、交換や洗浄が容易である 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としてのフィルタ付内接歯車
ポンプの要部断面図である。

【図２】本考案の第２実施例としてのフィルタ付内接歯
車ポンプの要部断面図である。

【符号の説明】

１…ポンプ本体 ４…回転軸
１２…封蓋部材 １４…ポンプ取付ボルト １５…被取付部材
１６…窪み部 １８…吸込通路 ２２…吸込室
３４，５４…流通孔 ３０，５０…第１蓋部材 ３６…外側濾材
３８…内側濾材 ４０，５２…第２蓋部材 ４６，５８…キャップ ４５，５７…フィルタエレメント ４９，６４…
キャップ取付ボルト

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ポンプ本体の一端面に窪み形成した収納
   部に外歯歯車と歯合する内歯歯車を収納して収納部を封
   蓋する封蓋部材を設け、外歯歯車を回転駆動する回転軸
   をポンプ本体に反封蓋部材側から外歯歯車の内孔へ回転
   駆動可能に延在し、封蓋部材に反ポンプ本体側へ開口す
   る環状の窪み部を形成し、筒状の外側濾材の内側に、所
   定量外形の小さな筒状の内側濾材を設けて、その間に環
   状空間を形成し内外側濾材の両端に環状の蓋部材を配置
   し、一方の蓋部材に環状空間に連通する流通孔を穿設し
   たフィルタエレメントを窪み部に収納し、流通孔をポン
   プの吸込室へ連通し、窪み部を閉塞するキャップは環状
   の窪み部中央の突部に形成されたねじ孔に螺着するキャ
   ップ取付ボルトにより封蓋部材に取り付けてフィルタエ
   レメントを挟持すると共に、キャップ取付ボルトはポン
   プを被取付部材へ取り付けるポンプ取付ボルトと同方向
   から螺着し、内側濾材の筒状内面側と外側濾材の筒状外
   面側に形成する通路をポンプ本体に形成する吸込通路に
   連通したフィルタ付内接歯車ポンプ。
2. 【請求項２】 ポンプ本体の一端面に窪み形成した収納
   部に外歯歯車と歯合する内歯歯車を収納して収納部を封
   蓋する封蓋部材を設け、外歯歯車を回転駆動する回転軸
   をポンプ本体に反封蓋部材側から外歯歯車の内孔へ回転
   駆動可能に延在し、封蓋部材に反ポンプ本体側へ開口す
   る環状の窪み部を形成し、筒状の外側濾材の内側に、所
   定量外形の小さな筒状の内側濾材を設けて、その間に環
   状空間を形成し内外側濾材の両端に環状の蓋部材を固着
   し、一方の蓋部材に環状空間に連通する流通孔を穿設し
   たフィルタエレメントを窪み部に収納し、流通孔をポン
   プの吸込室へ連通し、窪み部を閉塞するキャップは環状
   の窪み部中央の突部に形成されたねじ孔に螺着するキャ
   ップ取付ボルトにより封蓋部材に取り付けて蓋部材の縁
   をキャップにより押し付けてフィルタエレメントを固定
   すると共に、キャップ取付ボルトはポンプを被取付部材
   へ取り付けるポンプ取付ボルトと同方向から螺着し、内
   側濾材の筒状内面側と外側濾材の筒状外面側に形成する
   通路をポンプ本体に形成する吸込通路に連通したフィル
   タ付内接歯車ポンプ。