JPH0657967B2 - 配管の洗浄工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、建物に布設された配管の内部に付着している
赤水の原因となるスライム状の錆を除去する空気衝撃法
よる配管の洗浄工法に関する。

（従来の技術） 従来の配管洗浄工法としては、 １）特開昭５８−１５６３８６号公報に記載されている
ように、配管内を水封し横引き管に付設された水栓等の
一端から圧縮空気を打込み、その後末端の水栓等を開放
することにより横引き管内を洗浄する工法。

２）特開昭４９−１１６８６８号公報、特開昭５３−７
２３７９号公報、特開昭６０−６７８９６号公報に記載
されているように、配管内に送水しながら圧縮空気を打
込み、その後末端の水栓等を開放することにより横引き
管内を洗浄する工法。

等が知られている。

（発明が解決しようとする課題） ところが、前者の工法においては、各階床別に布設され
た洗浄しようとする横引き管に圧縮空気打込み装置を取
付けなければならない。即ち各階床別に移動しながら洗
浄作業を行う必要がある。また、洗浄前に末端の給水栓
を開放しないで、即ち水封されたままで横引き管の給水
栓の一端から圧縮空気を打込んでも、発生した超音波等
は長尺の横引き管内で減衰してしまい、管内に付着して
いるスライム状の錆を剥離させるには不充分である。

後者の工法においては、前者と同様に各階床別に洗浄作
業を行う必要があると同時に、送水ポンプ装置等を別途
に取付ける必要がある。洗浄力を増そうとして送水の速
度を上昇させると末端の給水栓の口径が通常１３Ａ、２
０Ａと限られているため管内圧力が上昇し、ここに圧縮
空気を打込むと洗浄流体の流速が減少するとともに送水
と圧縮空気が分離して上下二相流となり、洗浄力が低下
するという問題がある。

本発明の目的は、洗浄装置を各階床毎に移動させること
なく複数の階床に付設された横引き管内を洗浄すること
ができる配管の洗浄工法を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明の特徴は、従来工法の問題点を解決するものであ
って、横引き管の一端を開放し、その状態で立主管の下
部から圧縮空気を打込むことにより、前記圧縮空気と前
記横引き管にかかる水頭圧水とを横引き管内に流入させ
て管内を洗浄するものである。

（作用） 上位階の横引き管に付設された末端給水栓を開放し、そ
の状態で圧縮空気を断続的に打込む。打込まれた圧縮空
気は、水が充填された立主管内を空気塊となって上昇
し、上位階まで到達し、さらに横引き管内に流入する。
続いて横引き管内にかかった水頭水圧が流入する。即
ち、空気塊と水頭水圧が順次に高速流体となって横引き
管内に流入し、スライム状の錆等を洗浄して開放した末
端給水栓から噴出する。

上記のように洗浄用空気塊および水頭水圧を立主管を経
由させて各階床の横引き管に送り込んでいるので、圧縮
空気打込み装置は最下階に設置した状態で、しかも立主
管に最寄りの最下部の給水栓を基準打込み箇所とするこ
とができる。これにより、洗浄装置を各階床別に移動す
ることなく各階床の横引き管内を洗浄できる。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面に基づき説明する。

建物には高置水槽６を有し、各階床にわたって配置され
た立主管２と、この立主管２に連絡され各階床毎に配置
された横引き管３とからなる供水配管が布設されてい
る。各階床の横引き管３は、それぞれ複数の給水栓５を
備えている。圧縮空気打込み装置（洗浄装置）１は、最
下階に設置され最下階の横引き管３における立主管２に
最も近い給水栓４に接続される。

次に動作を説明する。上位階８の横引き管３の洗浄を行
なう場合、これに付設された末端の給水栓５を開放し、
その状態で圧縮空気９を断続的に打込む。打込まれた圧
縮空気９は、水が充填された立主管２内を空気塊となっ
て上昇し、上位階８の横引き管３の位置迄到達し、さら
に横引き管３内に流入する。続いて、高置水槽６から横
引き管３内にかかった水頭高さｈの水頭圧水１０が流下
し横引き管３内に流入する。即ち、空気塊となった圧縮
空気９と水頭圧水１０が順次に高速流水となって横引き
管３内に流入し、管内に付着したスライム状の錆等を洗
浄して開放した末端の給水栓５から洗浄汚水１１を噴出
する。

横引き管３に付設された給水栓５が複数ある場合、開放
箇所は１箇所とし、２箇所同時に開放しない方が洗浄力
に威力がでる。また、横引き管３内にかかる水頭高さｈ
の水頭水圧が０．７Kgｆ／cm²以上保有していれば、空
気塊となった圧縮空気９と水頭水圧１０が順次高速流体
とって横引き管３内に流入し洗浄力に威力がでる。

他の階床の横引き管３を洗浄する場合は、その他の階床
の給水栓５を閉じ、洗浄しようとする階床の横引き管３
の給水栓を開いて同様に洗浄する。

上記の実施例によれば次の効果がある。

１）圧縮空気打込み装置は最下階に設置した状態で、即
ち立主管に最も近い最下部の給水栓を基準打込み箇所と
した為、各階床別に圧縮空気打込量を取付ける必要がな
く、各階床別に移動しないで洗浄作業が実施することが
出来る。

２）上位階の横引き管に付設された末端の給水栓を開放
し、その後立主管に最も近い最下部給水栓から圧縮空気
を打込み、この圧縮空気と横引管にかかった水頭圧水を
利用して横引き管内に流入させた為、送水ポンプ装置等
を別途取付ける必要がなく、空気塊となった圧縮空気と
水頭圧水の流下・流入による高速流体にて管内に付着し
ているスライム状の錆を洗浄することが出来、作業能率
の向上、洗浄水の有効利用、洗浄装置の簡略化等を図る
ことが出来る。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明によれば洗浄用の空気塊およ
び水頭圧水を立主管を経由させて各階床の横引き管内に
送り込んでいるので、洗浄装置を特定の階床に設置した
まま、すなわち各階床毎に洗浄装置を移動させることな
く当該特定階およびその上方の階床の横引き管を容易に
洗浄することができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例を示す系統図である。 符号の説明 １……圧縮空気打込み装置、２……立主管 ３……上位階の横引き管、４……最下部の給水栓 ５，５′……上位階の給水栓、６……高置水槽 ７……最下階、８……上位階 ９……圧縮空気、１０……水頭圧水 １１……洗浄汚水、ｈ……水頭高さ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沼 清 東京都足立区中川４丁目16番地 日立エレ ベータサービス株式会社内 (72)発明者 秦 征男 東京都国分寺市東元町４丁目16番地 東京 日化サービス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−119893（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−119892（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−197732（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−10830（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建物に布設された立主管とこの立主管に高
   さ方向の異なる位置で連絡された複数系統の横引き管で
   構成されている配管内に水を充填して圧縮空気を打込む
   ことにより前記横引き管内を洗浄する配管の洗浄工法に
   おいて、前記複数系統の横引き管のうち洗浄しようとす
   る横引き管の一端を開放し、その状態で立主管の下部か
   ら圧縮空気を打込むことにより、前記圧縮空気と前記横
   引き管内にかかる水頭圧水とを該横引き管内に流入させ
   ることを特徴とする配管の洗浄工法。