JPH0655857U - 自動車内用トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車内において、小物やコップなどを置くた
めのものであって、同乗者の邪魔にならない座席シート
の任意位置に、自由に配置することができるトレーを得
ること、及びこのトレーは自動車内で安定し、安心して
利用することができるものとすることを目的とする。 【構成】トレー本体１は平面的なものとし、その前半部
にコップなどの挿入用の凹所２や３を、トレー本体１の
前端部のみに伸縮自在の脚６を設ける。脚６は自動車内
のフロアーに接地させ、トレー本体１の後端部は座席シ
ートに支受させる。伸縮自在の脚には、任意伸縮位置に
おけるロック手段を設ける。脚の形状はトレーの幅方向
の広幅とし、その下端は、自動車内に突出するプロペラ
シャフトのトンネル表面に沿う凹弧状とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車の中で自由に配置し、食事用や小物置きのテーブルとして 利用することができるトレーに関する考案である。

【０００２】

【従来の技術】

自動車内においては、食事をする場合や本などの小物を置く場合に物の置き場 所に困り、座席シートの上に置いているのが普通である。ところが座席シートの 上にものを置く場合、これが邪魔になるだけでなく安定が悪く飲料入りのコップ などを置くことができない。そこで、前座席の背もたれ上端に引っ掛けて後部座 席用の小さなテーブルを実現することが試みられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前の座席の背もたれに引っ掛けて後の座席用のテーブルを実現する場合、設置 位置が限られるとともに、テーブルそのものが安定せず必ずしも使い易いもので はないため、一般に普及するに至っていない。 このような実情に鑑み、本考案は前部座席や後部座席の同乗者の邪魔にならな い座席シートの任意位置に配置し、テーブルとして自由に利用することができる トレーを得ることを目的とする考案である。

【０００４】 また別の目的は、上記トレーが自動車内において安定よく設置できることや、 不要時に嵩張らないようにすることができるものを得ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、平面的なトレー本体１の前端部にのみ伸縮自在の脚６を設け、脚６ を自動車内のフロアーに接地させるとともに、後端部を座席シートの前端部に支 受させる。平面的なトレー本体１表面の前半部には、コップや小物を挿入するこ とができるような凹所２，３や小物などを載置することができる平面部分を形成 する。

【０００６】 自動車内においてより安定性の良いものとするには、脚６をトレー本体１の幅 方向への広幅とし、その底面を自動車内に突出するプロペラシャフトトンネルの 表面に沿う凹弧状とし、脚６の底面及びトレー本体１の後端部底面に滑り止め手 段を設ける。 また、不要時に嵩張らずに仕舞うことができるようにするには、脚６をトレー 本体１に対し着脱自在とし、脚の表面に複数の突起11，11を設けるとともに、ト レー本体１の底面に脚の突起11が嵌合するボス孔12，12を設ける。

【０００７】

【作用】

本考案のトレーは、トレー本体１の前端部にある脚６を自動車内のフロアーに 接地させ、後端部を座席シートに支受させる。このとき、自動車の座席シートに は種々の高さのものが存在するため、脚６を伸縮させトレー本体表面がほぼ水平 となるように調整しロックする。

【０００８】 脚６の底面及びトレー本体１の後端部底面に滑り止め手段を施したものでは、 自動車の動きや揺れに対し滑ることを防止し、トレーを安定させることになる。 また、脚６の底面を凹弧状としたものでは、通常同乗者が着席しない座席シート の中央部、つまりプロペラシャフトトンネルの上位置にトレーを安定よく位置さ せることができることになる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案自動車内用トレーの実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明 する。 図１，図２に示すように平面的なトレー本体１には、その前半部にコップ挿入 用の凹所２や小物収納用の凹所３を設け、その余の部分を平坦面とし、全体の外 周縁およびコップ収納用の凹所２の内周縁には、突条を４を形成し、トレーの平 坦面上に置いたものが落ちないで揺れる自動車内でテーブルとして利用し易いも のとする。

【００１０】 コップ収納用の凹所２は、上下二段に内径の異なる段付きとし、直径の異なる コップを倒れないように収納することができるようにするとともに、図２に示す ように凹所２内周縁の突条４には、コップホルダー５を装着している。 このコップホルダー５は、全体を弾力性のある塩化ビニール樹脂材やゴム材で 成型し、突条４に嵌合する円環状のホルダー主体5aの内周面に内方へ向けて突出 し、先端が複数に分離しかつ下方へ湾曲する鍔片5bを設けたものである。したが って、凹所２にコップＡが収容されると、図２の部分拡大図に示すように、コッ プホルダー５の鍔片5bが撓み、その弾性によってコップＡを周囲から押さえ、自 動車の揺れなどに対してもなるべく安定よく支受できることになる。

【００１１】 トレー本体１の前端部には、トレーの幅方向に平板状の脚６を着脱自在に設け ている。 この脚６は、図１及び図４から理解されるように、偏平な角筒状の脚本体6aと 脚本体6aの下端から挿入される挿入脚6bとで構成し、全体として伸縮自在とする もので、ロック装置７によって任意伸縮位置で固定できるようにしている。

【００１２】 図３は、トレー本体１の底面図であるが、その前端部には三方を壁面８で、残 る一方に一定間隔のリブ９を配置することによって、二点鎖線で示す方形の空間 10を形成し、この空間10が脚本体6aの外形とほぼ一致するようにして、脚６を着 脱自在としている。図５は、この空間10に脚本体6aの上端部を挿入してトレー本 体の前端部にのみ伸縮自在の脚を形成した状態を示している。

【００１３】 角筒状である脚本体6aの表面には、一定間隔を隔て上下二箇所に突起11，11を 設けるとともに、トレー本体１の後半部底面に突起11，11の間隔Ｘと一致する間 隔を隔て、かつ突起11に嵌合する大きさのボス孔12，12を二箇所に設けている。 これにより、図５の状態にある脚６を取り外し、図６に示すように取り外した脚 ６をトレー本体１の底面に装着しておくことができる。

【００１４】 脚６の下端、すなわち挿入脚6bの下端は凹弧状に形成してある。この凹弧形状 は、通常自動車内の中央部に突出するプロペラシャフトトンネルの丸みに沿うこ とができるものとしてある。この形状では、例えば後部座席の中央部に本考案ト レーを配置して利用することができることは勿論、フロアーが平面の所に配置す る場合でも、脚の左右両端が接地点となって安定よく置くことができる。 脚本体6aには挿入脚6bが挿入されることから、必然的に脚本体6a下端も凹弧状 に形成してある。

【００１５】 トレー本体１の後端部下縁の側面形状は、図１及び図５に示すように後端を広 幅とし中央部に向けて凹弧状に、また後端面下縁は図１に示すように左右両端を 広幅とし、後端側面の下縁が凹弧状となるようにしている。これにより、トレー 本体１の後端部を座席シートに支受させたとき、なるべくシートの表面に接する か、少なくとも両隅がシート表面に接触し安定よく支受されることになる。

【００１６】 挿入脚6bの下端面、すなわち凹弧面には、ほぼ一定間隔に多数の爪13を突出さ せてある。これにより、自動車内のフロアーに接地させた脚は爪13の存在によっ てフロアーのマットなどにしっかりと係止され、自動車の揺れや振動により脚の 接地位置が滑ることを防止する。 脚６をフロアーの平面に接地させたときは、左右両端部の爪のみが作用するこ とになる。もっともこの場合、脚は挿入脚6bの両端で点接触に近い形でフロアー に接することになるため、仮に爪が作用しなくてもカーマット表面などによく係 止されることになる。なお、脚６の滑り止め手段は脚の底面にゴムを接着しなお くなど他の手段を選択することもできる。

【００１７】 トレー本体１の後端部底面に施す滑り止め手段として、図示実施例ではトレー 本体１の下端外周縁に滑り止めテープ14を貼着してある。この滑り止めテープ14 は、座席シートとの摩擦抵抗が大きく、座席シートを傷つけるようなことがない 材質のものを選択する。 また、上記滑り止めテープ14とは別にトレー本体底面の複数箇所、図示実施例 では四箇所に、円形のスポンジゴム15を貼着しこれが座席シート表面に接するよ うにしてある。

【００１８】 伸縮自在の脚６、つまり偏平な角筒状の脚本体6aと、これに挿入される挿入脚 6bとのロック装置７は図７及び図８に図示している。 このロック装置７は、脚本体6aに挿入される挿入脚6bの側縁に小円弧状の谷を 連続的に施した歯形16を形成するとともに、脚本体6aの側部に歯形16に噛合し得 るロックレバー17を軸18止めすることによって構成される。

【００１９】 図７はロックレバー17を起こしたロック解除の状態で、この状態では挿入脚6b は自由に上下動を行うことができる。挿入脚6bを所望の長さに伸縮させ、ロック レバー17を倒すと図８に示すように、ロックレバー先端が歯形16に噛合し脚本体 6aと挿入脚6bがロックされる。脚本体6aの一部には、ロックレバー17の回転軌跡 上に小突起18が形成してあり、この小突起18がロックレバーの一部にタイトに接 するクリック機構により、ロック状態が保持されるようにしてある。 伸縮部材のロック装置には種々の機構が考えられる。図示実施例はその一例で あり、これ以外のロック手段を施すことも可能である。

【００２０】

【考案の効果】

請求項１記載の本考案自動車内用トレーによれば、自動車内の同乗者の邪魔に ならない座席シート前方の任意位置に、小テーブルとして利用することができる トレーを配置することができる。

【００２１】 請求項２記載の考案によれば、通常同乗者が座らない座席シートの境界部分、 つまり、プロペラシャフトのトンネルがある中央部分に、上記トレーを配置する ことができる。

【００２２】 請求項３記載の考案によれば、自動車内の座席シート前方に配置させるトレー が、自動車の揺れや振動により滑って座席シートに支受されているトレー本体の 後部が外れてトレーが倒れるようなことがなく、より安定の良いものとすること ができる。

【００２３】 請求項４記載の考案によれば、トレーとして利用しないときに、全体を偏平な 状態に片付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案自動車内用トレーの実施例を示す全体の
斜視図、

【図２】トレー本体のみの前半部の横断面図、

【図３】トレー本体のみの底面図、

【図４】脚のみの正面図、

【図５】脚を装着した使用状態の縦断面図、

【図６】脚を仕舞い込んだ状態の縦断面図、

【図７】脚のロック装置部分のロック解除状態の縦断面
図、

【図８】脚のロック装置部分のロック状態の縦断面図、

【符号の説明】

１…トレー本体、 ２，３…凹所、 ４…突条、 ５…
コップホルダー、 ６…脚、 6a…脚本体、 6b…挿入
脚、 ７…ロック装置、 11…突起、 12…ボス孔、
13…爪、 14…滑り止めテープ、 17…ロックレバー。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面の前半部に、コップなどの挿入用の凹
   所２，３を設けた平面的なトレー本体１の前端部のみに
   伸縮自在の脚６を設け、この脚６は任意伸縮位置におい
   て係止するロック手段を備えたたことを特徴とする自動
   車内用トレー。
2. 【請求項２】トレー本体１の脚６はトレー本体１の幅方
   向への広幅とし、その底面を自動車内に突出するのプロ
   ペラシャフトトンネルの表面に沿う凹弧状としてなる請
   求項１記載の自動車内用トレー。
3. 【請求項３】脚６の底面及びトレー本体１の後端部底面
   に、滑り止め手段を設けてなる請求項１記載の自動車内
   用トレー。
4. 【請求項４】脚６は、トレー本体１に対し着脱自在と
   し、その表面に複数の突起11，11を設けるとともに、ト
   レー本体１底面に脚６の突起が嵌合するボス孔12，12を
   設け、脚６をトレー本体１の底面に着脱自在としてなる
   請求項１記載の自動車内用トレー。