JPH0655156B2 - Dl−パントラクトンの光学分割法 - Google Patents
Dl−パントラクトンの光学分割法Info
- Publication number
- JPH0655156B2 JPH0655156B2 JP13795286A JP13795286A JPH0655156B2 JP H0655156 B2 JPH0655156 B2 JP H0655156B2 JP 13795286 A JP13795286 A JP 13795286A JP 13795286 A JP13795286 A JP 13795286A JP H0655156 B2 JPH0655156 B2 JP H0655156B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pantolactone
- reaction
- resolution method
- optical resolution
- rhodotorula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はDL−パントラクトンの光学分割法に関する。
(従来の技術) 従来、化学的に合成されたDL−パントラクトンを光学
分割することにより、D−パントラクトンが得られてい
る。しかしながらこの分割にはキニーネ、ブルシン等の
高価な有機塩基が必要であり、その回収も容易でない等
の欠点を有していた。
分割することにより、D−パントラクトンが得られてい
る。しかしながらこの分割にはキニーネ、ブルシン等の
高価な有機塩基が必要であり、その回収も容易でない等
の欠点を有していた。
一方、ラセミパントラクトンの生化学的分割法としては
特公昭47−19745号公報、特開昭57−1528
95号公報記載の方法がある。前者は微生物の作用によ
りL−パントラクトンを完全に消化させることにより、
D−パントラクトンを収得するものであり、基質の半量
が損失するという欠点を有する。
特公昭47−19745号公報、特開昭57−1528
95号公報記載の方法がある。前者は微生物の作用によ
りL−パントラクトンを完全に消化させることにより、
D−パントラクトンを収得するものであり、基質の半量
が損失するという欠点を有する。
後者はラセミ体にロドトルラ(Rhodotorula)属に属する
微生物を作用させ特異的にL−体のみを加水分解させD
−体を分離収得する方法である。後者の方法は、加水分
解物であるL−パント酸をラセミ化処理し、基質として
再利用することにより収率よくD−パントラクトンを得
ることができる。
微生物を作用させ特異的にL−体のみを加水分解させD
−体を分離収得する方法である。後者の方法は、加水分
解物であるL−パント酸をラセミ化処理し、基質として
再利用することにより収率よくD−パントラクトンを得
ることができる。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、L−パントラクトンを加水分解するとL−パン
ト酸が生じ、反応液中のpHが低下し、酵素反応速度の低
下が著しい。
ト酸が生じ、反応液中のpHが低下し、酵素反応速度の低
下が著しい。
そこでpH保持の為にリン酸緩衝液を用いる方法が提案さ
れている。(特開昭57−152895号公報)しか
し、この様な緩衝液を用いた場合、化学反応による加水
分解により目的とするD−パントラクトンも加水分解さ
れ収率が低下する難点がある。
れている。(特開昭57−152895号公報)しか
し、この様な緩衝液を用いた場合、化学反応による加水
分解により目的とするD−パントラクトンも加水分解さ
れ収率が低下する難点がある。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、上記の難点を解決すべく鋭意研
究を行つた結果、無機の塩基生化合物の水溶液を滴下す
ることにより、生じたL−パント酸を中和させ、ほとん
ど化学的に目的とするD−パントラクトンを加水分解さ
せることなくL−パントラクトンを特異的に加水分解酵
素により分解させることができることを見いだし本発明
に到達した。
究を行つた結果、無機の塩基生化合物の水溶液を滴下す
ることにより、生じたL−パント酸を中和させ、ほとん
ど化学的に目的とするD−パントラクトンを加水分解さ
せることなくL−パントラクトンを特異的に加水分解酵
素により分解させることができることを見いだし本発明
に到達した。
すなわち、本発明の要旨はDL−パントラクトンに無機
の塩基性化合物の水溶液を用いてpHを4〜7.5に保持さ
せながらロドトルラ属に属しL−パントラクトンをL−
パント酸に加水分解する能力を有する微生物の加水分解
酵素を作用させることを特徴とするDL−パントラクト
ンの光学分割法に存する。
の塩基性化合物の水溶液を用いてpHを4〜7.5に保持さ
せながらロドトルラ属に属しL−パントラクトンをL−
パント酸に加水分解する能力を有する微生物の加水分解
酵素を作用させることを特徴とするDL−パントラクト
ンの光学分割法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
ロドトルラ(Rhodotorula)属に属しL−パ
ントラクトンを特異的に加水分解することのできる酵素
を持った微生物であればいずれでも有用である。その代
表例としては、ロドトルラ・ミヌータ・パール・テクセ
ンシス(Rhodotorula minutaVar texensis)IFO 0412 ロ
ドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)IFO 0696 など
が挙げられる。
ントラクトンを特異的に加水分解することのできる酵素
を持った微生物であればいずれでも有用である。その代
表例としては、ロドトルラ・ミヌータ・パール・テクセ
ンシス(Rhodotorula minutaVar texensis)IFO 0412 ロ
ドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)IFO 0696 など
が挙げられる。
これら微生物の培養に際して使用される培地は、特に制
限されない。炭素源としては、種々の炭水化物、有機酸
等が挙げられ、窒素源としては、有機アンモニウム塩、
無機アンモニウム塩、尿素等を用いることができる。ま
た、必要に応じ、無機物として、各種リン酸塩、マグネ
シウム塩等を使用することができ、必要に応じ各種有機
栄養物を添加することもできる。
限されない。炭素源としては、種々の炭水化物、有機酸
等が挙げられ、窒素源としては、有機アンモニウム塩、
無機アンモニウム塩、尿素等を用いることができる。ま
た、必要に応じ、無機物として、各種リン酸塩、マグネ
シウム塩等を使用することができ、必要に応じ各種有機
栄養物を添加することもできる。
培養は通常12時間〜7日間程度、好気的条件下に行な
われる。培地のpHは3〜10、温度は20〜40℃程度
から選ばれる。
われる。培地のpHは3〜10、温度は20〜40℃程度
から選ばれる。
本発明において、DL−パントラクトンに前記微生物の
加水分解酵素を作用させる方法としては、液体培地に菌
株を培養した培養物、培養液から分離した菌体、あるい
は菌体又は培養物を処理して得られる乾燥菌体もしくは
固体化菌体ならびに酵素液又は、固定化酵素等のいずれ
の形態でも用いることができる。
加水分解酵素を作用させる方法としては、液体培地に菌
株を培養した培養物、培養液から分離した菌体、あるい
は菌体又は培養物を処理して得られる乾燥菌体もしくは
固体化菌体ならびに酵素液又は、固定化酵素等のいずれ
の形態でも用いることができる。
反応は回分、半回分、又は連続のいずれでも行うことが
できる。反応に際しては、通常ラセミパントラクトン濃
度が10〜300w/v%程度が採用される。反応温度は通
常、10〜50℃pHは4〜7.5、好ましくは6〜7程度
に保持される。pHを保持するための無機塩基は、通常K,
Naなどのアルカリ金属、Ca,Baなどのアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩、好ましくはアルカリ金属の水酸化
物等の無機のアルカリが用いられる。中和するためのア
ルカリの濃度は反応条件等により異なるが、通常0.1〜
3規定温度から選ばれる。
できる。反応に際しては、通常ラセミパントラクトン濃
度が10〜300w/v%程度が採用される。反応温度は通
常、10〜50℃pHは4〜7.5、好ましくは6〜7程度
に保持される。pHを保持するための無機塩基は、通常K,
Naなどのアルカリ金属、Ca,Baなどのアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩、好ましくはアルカリ金属の水酸化
物等の無機のアルカリが用いられる。中和するためのア
ルカリの濃度は反応条件等により異なるが、通常0.1〜
3規定温度から選ばれる。
反応時間は反応条件等により異なるが、通常、回分式の
とき、数時間〜3日間程度か選ばれる。反応終了後、D
−パントラクトンは分別晶析、溶媒抽出などの操作で分
離取得することができる。反応液に残つたL−パント酸
は、酸性条件下に加熱してL−パントラクトンとした
後、溶媒抽出等により回収される。このL−パントラク
トンは常法によりラセミ化した後回収することもでき
る。
とき、数時間〜3日間程度か選ばれる。反応終了後、D
−パントラクトンは分別晶析、溶媒抽出などの操作で分
離取得することができる。反応液に残つたL−パント酸
は、酸性条件下に加熱してL−パントラクトンとした
後、溶媒抽出等により回収される。このL−パントラク
トンは常法によりラセミ化した後回収することもでき
る。
(実施例) 以下実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 下記組成の培地5のmの入つた200m三角フラス
コを用いて、ロドトルラ・ミヌータ・バール・テクセン
シス(Rhodotorula minuta Vartexensis)IFO 0412 を2
8℃で48時間培養した。
コを用いて、ロドトルラ・ミヌータ・バール・テクセン
シス(Rhodotorula minuta Vartexensis)IFO 0412 を2
8℃で48時間培養した。
培地:グルコース 10g ペプトン 5g 酵母エキス 5gコ -ンステイ-プリカ- 5g 水 100m (pH 6.5) 培養後、遠心分離により集菌した。蒸留水で一回洗浄
後、DL−パントラクトン1.0gを加え蒸留水で50m
とし、0.3N NaOH水溶液を滴下することによりpHコン
トロール(pH6.5〜7.0)しながら30℃で24hr反応を
行つた。
後、DL−パントラクトン1.0gを加え蒸留水で50m
とし、0.3N NaOH水溶液を滴下することによりpHコン
トロール(pH6.5〜7.0)しながら30℃で24hr反応を
行つた。
反応液から遠心分離によつて菌体を除去した後、ベンゼ
ン200mを用いて抽出し、抽出液からベンゼンを減
圧留去し、D−パントラクトン410mgを得た。一方抽
残液を塩酸でpH2.0に調整し、100℃で10分間加熱
処理した後、ベンゼン200mを用いて抽出し、L−
パントラクトン420mgを得た。
ン200mを用いて抽出し、抽出液からベンゼンを減
圧留去し、D−パントラクトン410mgを得た。一方抽
残液を塩酸でpH2.0に調整し、100℃で10分間加熱
処理した後、ベンゼン200mを用いて抽出し、L−
パントラクトン420mgを得た。
なおD及びL−パントラクトンの分析はガスクロマトグ
ラフイーを用いて行なつた。
ラフイーを用いて行なつた。
(Anal.Biochem.,112 9-16(1981)記載の方法によつ
た。) 比較例1 実施例1と同様にロドトルラ・ミヌータ・バール・テク
センシス(Rhodotorula minuta Vartexensis)IFO 0412を
培養した。次に反応液をNaOHでpHコントロールする代り
に0.5Mのリン酸緩衝液を用いて反応させる以外は実施例
1と同様に反応及び後処理を行つた。
た。) 比較例1 実施例1と同様にロドトルラ・ミヌータ・バール・テク
センシス(Rhodotorula minuta Vartexensis)IFO 0412を
培養した。次に反応液をNaOHでpHコントロールする代り
に0.5Mのリン酸緩衝液を用いて反応させる以外は実施例
1と同様に反応及び後処理を行つた。
結果D−パントラクトンは350mgしか得られなかつ
た。
た。
実施例2 実施例1と同様にロドトルラ・ミヌータ・バール・テク
センシス(Rhodotorula minuta Vartexensis)IFO 1102を
培養した。次にアルカリを0.2N KOH水溶液に代える以外
は実施例1と同様に反応及び後処理を行つた。
センシス(Rhodotorula minuta Vartexensis)IFO 1102を
培養した。次にアルカリを0.2N KOH水溶液に代える以外
は実施例1と同様に反応及び後処理を行つた。
結果D−パントラクトン407mg、Lパントラクトン4
30mgを得た。
30mgを得た。
(発明の効果) 本発明方法によれば、目的とするD−パントラクトンを
高収率で得ることができる。
高収率で得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】DL−パントラクトンに無機の塩基性化合
物の水溶液を用いてpHを4〜7.5に保持させながらロド
トルラ属に属しL−パントラクトンをLパント酸に加水
分解する能力を有する微生物の加水分解酵素を作用させ
ることを特徴とするDL−パントラクトンの光学分割
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13795286A JPH0655156B2 (ja) | 1986-06-13 | 1986-06-13 | Dl−パントラクトンの光学分割法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13795286A JPH0655156B2 (ja) | 1986-06-13 | 1986-06-13 | Dl−パントラクトンの光学分割法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62294096A JPS62294096A (ja) | 1987-12-21 |
JPH0655156B2 true JPH0655156B2 (ja) | 1994-07-27 |
Family
ID=15210548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13795286A Expired - Fee Related JPH0655156B2 (ja) | 1986-06-13 | 1986-06-13 | Dl−パントラクトンの光学分割法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0655156B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU751921B2 (en) * | 1995-09-13 | 2002-08-29 | Daiichi Fine Chemical Co., Ltd. | D-pantolactone hydrolase and gene encoding the same |
US6406898B1 (en) | 1995-09-13 | 2002-06-18 | Daiichi Fine Chemical Co., Ltd. | D-pantolactone hydrolase and gene encoding the same |
RU2002114044A (ru) * | 1999-10-29 | 2004-03-27 | БАСФ Акциенгезельшафт (DE) | L-пантолактон-гидролаза и способ получения d-пантолактона |
CN108129345A (zh) * | 2018-01-10 | 2018-06-08 | 精晶药业股份有限公司 | 一种d-泛酸钙的制备方法 |
-
1986
- 1986-06-13 JP JP13795286A patent/JPH0655156B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62294096A (ja) | 1987-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0449648B1 (en) | Process for producing R(-)-mandelic acid and derivatives thereof | |
EP0610048B1 (en) | Process for producing optically active alpha-hydrocarboxylic acid having phenyl group | |
JP2844354B2 (ja) | D―パントラクトンの製造法 | |
EP0237983B1 (en) | Process for the biotechnological preparation of l (-)-carnitine chloride | |
JPH0655156B2 (ja) | Dl−パントラクトンの光学分割法 | |
EP0450885A2 (en) | Biological process for preparing glycine | |
JPH0667320B2 (ja) | D−パントラクトンの製造法 | |
JPH0499495A (ja) | R(‐)―マンデル酸の製造法 | |
US6440721B2 (en) | Method for preparing an R- or S-form of α-substituted heterocyclic carboxylic acid and a counter enantiomeric form of α-substituted heterocyclic carboxylic acid ester thereto using enzyme | |
JPH0630790A (ja) | 光学活性1,2−プロパンジオールの製法 | |
EP1290208B1 (en) | Method for optically resolving a racemic alpha-substituted heterocyclic carboxylic acid using enzyme | |
JP2880204B2 (ja) | (+)‐ホモピロピン酸の製造法 | |
Kitazume et al. | Modification of Catalytic Activity Hydrolytic Enzymes with Fluorine-containing Molecules | |
JPS58201992A (ja) | 微生物によるβ−置換プロピオン酸またはそのアミドの製造法 | |
JP3732535B2 (ja) | 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法 | |
JPH0578310B2 (ja) | ||
JP3055711B2 (ja) | 光学活性(s)−3−フェニル−1,3−プロパンジオールの製造法 | |
JP4793131B2 (ja) | 光学活性2,3−ジクロロ−2−メチル−1−プロパノールおよび光学活性2−メチルエピクロルヒドリンの製造方法 | |
GB1577087A (en) | Enzyme preparation having l-amino acyl amidase activity | |
JPH01181797A (ja) | D−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の製造法 | |
JP3970898B2 (ja) | 光学活性α−メチルアルカンジカルボン酸−ω−モノエステル及びその対掌体ジエステルを製造する方法 | |
JP3126063B2 (ja) | D−パントラクトンの製造法 | |
JPS6332493A (ja) | 酵素法による光学活性α―ヒドロキシ酸の製造法 | |
JPH0959217A (ja) | 新規光学活性ハロゲン含有カルボン酸誘導体及びそれを製造する方法 | |
JPH07327692A (ja) | 光学活性β−ヒドロキシカルボン酸及びその対掌体エステルの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |