JPH0654973A - 縫製ステーション用ワークハンドリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫製ステーション用ワークハンドリング装置
において、ハンガー８に吊持されて搬送された複数のワ
ークＷを容易にハンドリングでき、しかも縫製作業の作
業性を向上させるる。 【構成】 縫製対象の複数のワークＷは、ハンガーコン
ベアの各ハンガー８に吊持され、ハンガーコンベアの傍
らに設けられた縫製ステーションＳＴに搬送される。ま
た、この縫製ステーションＳＴに配置されたミシン８８
の作業テーブル８９には補助台９１が取り付けられてい
る。そして、作業者が複数のワークＷを補助台９１に下
側から巻き付けて作業テーブル８９の上方に載置支持す
る一方、補助台９１に巻き付けた複数のワークＷのうち
外側のワークＷから順次ハンドリングしてミシン８８で
縫製し、縫製終了したワークＷを補助台９１と作業テー
ブル８９との間隙を介して作業テーブル８９の外側に落
とす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、縫製ステーション用ワ
ークハンドリング装置に関し、特にハンガーコンベアの
ハンガーで搬送されるワークに縫製ステーションにて縫
製を施す為にワークをハンドリングするときの作業性を
改善するようにしたものに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、縫製工場等において使用される搬
送システムとしては、縫製加工品等の物品を吊持したハ
ンガーを搬送するハンガーコンベアシステムがあり、種
々の機構のものが実用化されている（例えば、特開昭６
２─２０１７１９号公報、特開平３─５６３２２号公
報、特開平３─５６３２３号公報、特開平３─６１１５
６号公報参照）。本願出願人の出願に係る特開平３─５
６３２２号公報や特開平３─５６３２３号公報に記載の
ハンガーコンベアは、ハンガーを４５°おきの８方向へ
振り分ける複数の振り分け装置と、各一対の振り分け装
置間を連結する複数の中間レール装置と、振り分け装置
に連結され縫製ステーションへ延びる複数の分配レール
装置とを備えている。

【０００３】このハンガーコンベアにおいて採用された
ハンガーとその付属機構の具体的構造については、本願
出願人の出願に係る特開平３─６１１５６号公報に記載
されており、このハンガーコンベアは、水平方向に延び
るように架設支持されたレールと、レールに沿って水平
方向に延びるように配設されたチェーンと、ハンガーの
識別番号検出用のディスクを取付けるとともに、このチ
ェーンに係合する一対のスプロケットとレールに移動自
在に支持される転動ローラを有するハンガーと、このチ
ェーンをレールに沿って移動するように駆動する駆動手
段とを備えている。ところで、この種のハンガーコンベ
アの傍らに設けられる複数の縫製ステーションの各々に
は、縫製用のミシンを支持した作業用テーブルが設けら
れ、作業者はハンガーコンベアで搬送されるハンガーに
吊持されたワークをハンガーから取り外し、そのワーク
に対してミシンで縫製を施すようになっている。

【０００４】最近、縫製対象の加工布として、例えば、
ズボンやスラックスなどの身頃生地の場合に、ポケット
付けやファスナー付けなどの部品付け縫製作業やダーツ
加工などの加工縫製作業の場合には、縫製作業の能率化
の為に、１つのハンガーに複数枚の身頃生地を吊持する
ようにし、更にこれら複数の身頃生地をハンガーから取
り外すことなくハンドリングして縫製するようにしたワ
ークハンドリング装置が知られている。

【０００５】この種のワークハンドリング装置ＨＡは、
例えば、図１１・図１２に示すように構成されている。
即ち、ハンガーのハンガーロッド１００の下端部には、
正面視略コ字状の支持枠１０１が枢支部材１０２で回動
可能に枢支され、この支持枠１０１の上端部分に複数枚
のズボンの身頃生地Ｗの裾部分を一度に折り曲げてクリ
ップ１５４で把持した状態で搬送する。そして、図１２
に示すように、ハンガーが縫製作業ステーションに搬送
されて来たときに、作業者はこの支持枠１０１を略水平
状態まで回動させて枢支部材１０２を介して係止し、複
数枚の身頃生地Ｗを図示のように一旦この支持枠１０１
に下側から巻き付けて支持する。次いで、作業者は外側
の身頃生地Ｗから順次ハンドリングしてミシン１８８で
縫製加工し、縫製終了した身頃生地Ｗを２点鎖線で示す
ようにテーブル１８９外に落とすようにしている。そし
て、複数枚の身頃生地Ｗを順次ハンドリングして縫製加
工するようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワークハンドリング装置ＨＡにおいては、各ハンガーに
身頃生地Ｗを支持する為の支持枠１０１を取付けている
ので、ハンガーがコスト高になること、ハンガーに吊持
された身頃生地Ｗを支持枠１０１に巻き付けるときに、
支持枠１０１が揺動するので、支持枠１０１を片手で保
持しながら片手で身頃生地Ｗを支持枠１０１に巻き付け
ることになり、作業性が低下すること、支持枠１０１を
吊持する分ハンガーの吊持荷重が大きくなり、ハンガー
及びハンガーロッド１００を大幅に改良する必要がある
こと、などの問題がある。また、ハンガーに吊持して搬
送する身頃生地Ｗの下端部分が床面に接触しないよう
に、身頃生地Ｗの高さを調節して支持枠１０１にクリッ
プ１５４で把持して搬送するので、身頃生地Ｗの縫製箇
所に応じて、縫製作業がし易いように、その都度クリッ
プ１５４で把持する身頃生地Ｗの把持位置を調節するこ
とになり、作業性が低下するという問題がある。更に、
縫製作業中に、縫製を施している身頃生地Ｗの移動によ
りハンガーが大きく揺動することがあり、この揺動の影
響により縫製作業の作業性が低下するという問題があ
る。

【０００７】本発明は前記課題を解決する為になされた
ものであり、その目的は、縫製ステーション用ワークハ
ンドリング装置において、ハンガーに吊持されて搬送さ
れた複数のワークを容易にハンドリングでき、しかも縫
製作業の作業性を向上することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成する為
に、本発明の縫製ステーション用ワークハンドリング装
置は、縫製対象の複数のワークを各ハンガーに吊持して
搬送するハンガーコンベアとこのハンガーコンベアの傍
らに設けられる縫製ステーションにおいてワークをハン
ドリングするものであり、縫製ステーションに設けられ
たミシンのテーブルに、各ハンガーに吊持された複数の
ホークの縫製対象部位を含む部分を載置支持する為の補
助台を、テーブルの上面の上方所定高さ位置に設け、補
助台をその後端部に連結される支柱部材を介してテーブ
ルに取付けている。

【０００９】尚、前記ハンガーは、ハンガーロッドと、
ハンガーロッドに係止され且つ複数のワークを把持する
クリップ部材とを備え、ハンガーロッドには、クリップ
部材を係止する為の複数の係止部材が、高さ方向位置を
異ならせて設けるようにしてもよい。また、前記テーブ
ルに対する前記補助台の高さ位置を調節するための高さ
調節機構を設けてもよい。

【００１０】

【作用】前記構成を有する縫製ステーション用ワークハ
ンドリング装置においては、縫製対象の複数のワーク
は、ハンガーコンベアの各ハンガーに吊持され、ハンガ
ーコンベアの傍らに設けられた縫製ステーションに搬送
される。この縫製ステーションに設けられたミシンのテ
ーブルには、複数のワークを載置支持する為の補助台
が、その後端部に連結される支柱部材を介してテーブル
の上面の上方所定距離高さ位置となるようにテーブルに
取付けられているので、作業者はこれら複数のワークを
この補助台に下側から巻き付けてテーブルの上方に載置
支持する一方、補助台に巻き付けたワークのうち外側の
ワークから順次ハンドリングしてミシンで縫製し、縫製
終了したワークを補助台とテーブルとの隙間を介してテ
ーブルの外側に落とす。このように、全てのワークにつ
いて順次ハンドリングして縫製を施す。また、補助台は
テーブルに取付けられているので、縫製作業中のワーク
を介して補助台が揺動することもなく、縫製作業の作業
性が向上する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例のハンガーコンベアシステムは、縫
製加工工場において、ハンガー８に吊持したズボンやス
ラックスの身頃生地Ｗ（ワーク）をハンガー８とともに
縫製ステーションに搬送する為のものである。図１に示
すように、このハンガーコンベアシステムＨＣには、複
数の振り分け装置１が所定間隔おきに直列状に配設さ
れ、各対の振り分け装置１間に複数の中間レールユニッ
ト２が架橋状に配設されている。また、ワーク搬送方向
上流端の振り分け装置１の左右両側には一対のワーク投
入用分配レールユニット３が連結され、ワーク搬送方向
下流端の振り分け装置１の左右両側には一対のワーク取
出し用分配レールユニット４が連結されている。更に、
搬送経路途中の各振り分け装置１の左右両側には、作業
者が配置された縫製ステーションＳＴ１〜ＳＴ１０に延
びる作業用分配レールユニット５が連結されている。そ
して、これらハンガーコンベアシステムＨＣの全体に亙
って多数のハンガー８（図３・図９参照）が配設され、
各ハンガー８は振り分け装置１及び中間レールユニット
２を経由して予め設定された搬送経路に基いて、複数の
縫製ステーションＳＴ１〜ＳＴ１０に順次搬送される。
尚、以下の説明において、ワーク搬送方向を基準として
上流、下流を定義することとする。

【００１２】前記複数の振り分け装置１は同一の構造で
あり、複数の中間レールユニット２も同一の構造であ
る。また、一対の投入用分配レールユニット３（３Ａ、
３Ｂ）は左右対象の構造であり、一対の取り出し分配レ
ールユニット４（４Ａ、４Ｂ）は左右対象の構造であ
り、複数の作業用分配レールユニット５と同一の構造で
ある。このため、このハンガーコンベアシステムＨＣに
おけるハンガー８の搬送方向は、複数の矢印で示すとお
り基本的に平面視にて搬送方向は反時計回り方向である
が、図２に示すように、右側の投入用分配レールユニッ
ト３Ａ及び左側の取り出し分配レールユニット４Ｂにお
けるハンガー８の搬送方向は時計回り方向である。

【００１３】次に、振り分け装置１の具体的構成につい
て、図２〜図５に基いて説明する。各振り分け装置１
は、図３及び図５に示すように、床面に立設される支柱
１０が設けられている。この支柱１０の上端には、図５
に示すように、取付軸部材１１が固定されており、その
取付軸部材１１の上端には支持板１２が固定されてい
る。また、取付軸部材１１には振り分け機構１３が回転
自在に装着されており、その振り分け機構１３の本体部
材１４は、タイミングベルト１５とタイミングプーリ１
６を介してサーボモータ１７により回転駆動される。そ
のサーボモータ１７は前記支持板１２上に装着されてお
り、モータ軸に固定された駆動プーリ１７ａとタイミン
グプーリ１６との間にタイミングベルト１５が張設され
ている。尚、このサーボモータ１７にはエンコーダが取
付けられ、サーボモータ１７の回転量つまり本体部材１
４の回転角度が検出可能になっている。

【００１４】前記振り分け機構１３は、図４に示すよう
に、４５°間隔で放射方向に水平に配設され基端部にお
いて本体部材１４に固定された８本の振り分けアーム１
９を有し、振り分けアーム１９は、中間レールユニット
２や分配レールユニット３、４、５との間でハンガー８
を移動させる為のものであり、各振り分けアーム１９に
は、後述するハンガー８の上部ハンガーロッド５１（図
７参照）を導入する為の先端開放状のスリット１９ａが
形成されている。また各振り分けアーム１９の先端部に
は、スリット１９ａと同様のスリット２０ａを有する可
動アーム２０がその外端部においてピン結合され、可動
アーム２０は中間レールユニット２の出口部２５ｂや分
配レールユニット３、４、５の出口部９９ｂからハンガ
ー８の自重でハンガー８を導入する為内端側へ向かって
下り傾斜状に配置されている。更に、振り分けアーム１
９の下方にはエアシリンダ１８が支柱１０に固定配置さ
れており、そのエアシリンダ１８のロッドを伸長させて
可動アーム２０を図５に仮想線図示のように外端側へ向
かって下り傾斜状に傾けることにより、可動アーム２０
から中間レールユニット２の入口部２５ａや分配レール
ユニット３，４，５の入口部９９ａへ前記自重でハンガ
ー８を送り出すように構成してある。

【００１５】振り分け装置１は、中間レールユニット２
の出口部２５ｂ又は分配レールユニット３〜５の出口部
９９ｂから、１組の振り分けアーム１９と可動アーム２
０にハンガー８を受け取った後、振り分け機構１３を指
令された角度（４５°の整数倍）だけ回転させることに
より、その１組の振り分けアーム１９と可動アーム２０
を左右何れかの分配レールユニット３〜５の入口部９９
ａ又は中間レールユニット２の入口部２５ａに一致さ
せ、その後対応するエアシリンダ１８のロッドを伸長さ
せることで可動アーム２０を起こしてハンガー８を前記
何れかの入口部へ供給する。

【００１６】前記中間レールユニット２の具体的構成に
ついて、図３〜図８に基いて説明する。尚、作業用分配
レールユニット５は、平面視Ｕ形の支枠の複数個所で支
持された平面視Ｕ形の一対のレール９９が配設されたも
のであり、その詳しい説明を省略する。各中間レールユ
ニット２は、図２・図３に示すように、左右一対の支枠
２４が平行に長く設けられ、図８に示すように、両支枠
２４の各々の下面に、複数個所において支持片７７が配
置固定されている。左右の支枠２４の下方には、支枠２
４と平行になるように、板材を折曲することにより形成
された矩形状の支持金具７９が、前記各支持片７７にそ
れぞれ２本のボルト７８により支枠２４と間隔を置いて
複数個固定されている。各支持金具７９には、図８に示
すように、ハンガー８の上部ハンガーロッド５１の通過
を許す開口７９ａが形成されている。

【００１７】前記複数の支持金具７９の内側に亙って、
前記可動アーム２０の外端部と同レベルに支持された２
条のレール２５が開口７９ａの幅と同じだけ間隔を置い
て配設されている。更に、レール２５は、図４に示すよ
うに、その両端部が内側に折曲されている。無端チェー
ン２８は一対のレール２５に沿ってレール２５よりも所
定高さ高く且つやや内側に水平面内に配設されている。
更に、複数の支持金具７９の内側部には、図８に示すよ
うに、チェーン２８を案内するチェーンガイド機構２９
が取付けられている。そして、チェーン２８は、駆動モ
ータ（図示略）の同一方向への回転により、図示外の駆
動機構を介して図１の矢印方向へ周回移動する。

【００１８】ここで、ハンガー８の具体的構造について
図６〜図９により説明する。各ハンガー８には、図８に
示すように、キャリア本体５０の中央部から鉛直下方に
延びる上部ハンガーロッド５１が設けられ、キャリア本
体５０の上端部には、チェーン２８に外側から係合する
スプロケットからなる係合円板５２が設けられている。
また、キャリア本体５０と係合円板５２との間には、摩
擦クラッチ機構（図示略）が設けられている。前記上部
ハンガーロッド５１の下部には、図３・図９に示すよう
に、下部ハンガーロッド５３を回転可能に支持する回転
機構８０が設けられている。

【００１９】この回転機構８０は、上部ハンガーロッド
５１の下端部に挿通させた位置決めピン８１と、上部ハ
ンガーロッド５１に挿通し且つこの位置決めピン８１に
係合する９０°毎の４ヶ所の凹部を下面に形成した位置
決め部材８２と、この位置決め部材８２を下方に弾性付
勢する圧縮バネ８３とで構成され、この位置決め部材８
２に固着された保持枠８４を上部ハンガーロッド５１に
対して９０°毎に回転可能になっている。更に、この保
持枠８４には、下部ハンガーロッド５３の上端部が固着
され、この下部ハンガーロッド５３は、その上部におい
てクリップ５４の約半幅分Ｌに対応してオフセットした
状態に形成されている。

【００２０】更に、この下部ハンガーロッド５３には、
クリップ５４を係止する為に３つの係止フック（係止部
材に相当）８５が高さ方向位置を異ならせて取付けられ
るとともに、中央の係止フック８５にクリップ５４を係
止させて搬送するときに、クリップ５４を下部ハンガー
ロッド５３に対して安定させる為の安定板８６が取付け
られている。このクリップ５４は通常のものと同様であ
り、ピン５４ａに外装した巻きバネ（図示略）により複
数枚の身頃生地Ｗを把持可能になっている。従って、図
１０に示すように、複数枚の身頃生地Ｗがクリップ５４
で把持され、しかもこのクリップ５４が所定の係止フッ
ク８５に係止されて安定した状態で搬送される。

【００２１】図６・図７に示すように、前記キャリア本
体５０は搬送方向に細長く形成され、このキャリア本体
５０の長さ方向中央部の左右両側部には、軸部材５５を
介してレール２５上を転動する転動ローラ５６が夫々設
けられている。左右一対の軸部材５５は、図８に示すよ
うに、転動ローラ５６よりも外側へ所定長さ突出され、
軸部材５５にはスリーブ５７が回転自在に外嵌装着され
ている。また、キャリア本体５０の両端部の左右両側部
には、図６・図７に示すように、レール２５の上面より
も少し上方に位置しハンガー８が搬送方向に揺動したと
きにレール２５の上面に当接してハンガー８の揺動を規
制する揺動規制輪５８が設けられている。

【００２２】更に、キャリア本体５０の下部には、図７
及び図８に示すように、上部ハンガーロッド５１から上
流側と下流側へ所定距離あけた位置に一対の鉛直ボス５
９が一対のレール２５間に突設されており、これら鉛直
ボス５９にはガイドローラ６０が鉛直軸心回りに回転可
能に夫々装着され、これらガイドローラ６０と一対のレ
ール２５によりキャリア本体５０の鉛直軸回りの回動を
規制している。尚、キャリア本体５０の両端部には、図
７に示すように、緩衝用のゴム部材６１がビス６２で固
定され、搬送途中に接近したハンガー８同志の衝突を緩
衝させるようになっている。従って、ハンガー８は一対
の転動ローラ５６を一対のレール２５上を転動させるこ
とにより、レール２５に沿って移動自在である。

【００２３】ハンガー８のチェーン周回方向への移動が
規制されない状態では、チェーン２８からの搬送駆動力
が係合円板５２に作用しても摩擦クラッチ機構により、
係合円板５２はキャリア本体５０に対して相対回転せ
ず、ハンガー８がチェーン２８と一体的にレール２５上
を移動する。また、ハンガー８の移動がストップ機構
（図示略）で阻止されたときには、摩擦クラッチ機構の
摩擦クラッチ部に滑りが生じて係合円板５２はキャリッ
ジ本体５０に対して相対回転し、ハンガー８は停止状態
に維持される。前記係合円板５２には、図６に示すよう
に、その円周部にチェーン２８と噛合する複数の係合歯
５２ａが等ピッチで形成されている。尚、符号７３はハ
ンガー８の識別コードを読取る為の基準パルス発生用の
ビットスリットである。

【００２４】ここで、ハンガーコンベアの搬送につい
て、簡単に説明すると、先ず、投入用ステーションＳＴ
０が設けられた投入用分配レールユニット３には、クリ
ップ５４を装着した複数の空のハンガー８が待機しつつ
矢印で示す方向に移動され、作業者が空のハンガー８の
クリップ５４に順々に複数枚の身頃生Ｗを把持させる
と、その各ハンガー８は最上流部の振り分け装置１へ搬
送され、その振り分け装置１で振り分けられた後、その
下流側の中間レールユニット２へ供給されて、クリップ
５４に複数枚の身頃生Ｗを把持した状態で搬送される
（図３参照）。その搬送途中の所定位置において、ハン
ガー８の識別コードが読取られ、ハンガー８はチェーン
２８の周回によりレール２５の出口部２５ｂを経て振り
分け装置１に受入れられる。そして、この識別コードに
基いて振り分け装置１により分担範囲の２つの作業用分
配レールユニット５に振り分けられたときには、エアシ
リンダ１８のロッドを伸長させて可動アーム２０を外端
側へ向かって下り傾斜状に傾けて、可動アーム２０から
分配レールユニット５の入口部９９ａへ自重でハンガー
８が送り出される。

【００２５】そして、ハンガー８がその分配レールユニ
ット５に送出された場合には、ハンガー８は分配レール
ユニット５のレール９９に沿って自重で移動していき、
縫製ステーションＳＴ１〜ＳＴ１０にて、ハンガー８か
ら身頃生地Ｗを取り外すことなく所定の縫製作業が施さ
れ、その後クリップ止めされた身頃生地Ｗを装着したハ
ンガー８は振り分けアーム１９を介して前記同様に振り
分け装置１に移動され、中間レールユニット２へ供給さ
れる。そして、以下同様にしてハンガー８は順々に下流
側へ複数の縫製ステーションＳＴ１〜ＳＴ１０を経由し
つつ搬送され、最後に取出し用分配レールユニット４に
搬送され、取出し用分配レールユニット４のレール９９
に沿って待機しつつ作業者によりハンガー８から縫製処
理済みの身頃生地Ｗが取り外される。その後、空のハン
ガー８は、複数の振り分け装置１と複数の中間レールユ
ニット２を介して上流側へ搬送されて、再び投入用分配
レールユニット３に戻される。

【００２６】次に、分配レールユニット５の傍らに設け
られた縫製ステーションＳＴ１〜ＳＴ１０について説明
するが、これら縫製ステーションＳＴ１〜ＳＴ１０は同
様のものなので、縫製ステーションＳＴ２について、図
３・図４に基いて説明するものとする。この縫製ステー
ションＳＴ２には、ミシン８８を載置した作業テーブル
８９が設けられ、この作業テーブル８９の左端部の後部
には支持パイプ９０が立設され、この支持パイプ９０に
複数枚の身頃生地Ｗを載置支持する板状の補助台９１
が、この補助台９１の後端部に固着された取付け金具９
２を介して高さ位置調節可能に、作業テーブル８９の上
面の上方所定高さ位置に支持されている。

【００２７】即ち、取付け金具９２に螺合した固定ボル
ト９３を緩めて補助台９１の高さを任意に設定し、その
後この固定ボルト９３を締めて補助台９１をその設定し
た位置に固定可能になっている。従って、作業者は搬送
されてくる身頃生地Ｗの大きさや枚数などに応じて補助
台９１の高さ位置を自由に調節し得るようになってい
る。尚、支持パイプ９０と取付け金具９２と固定ボルト
９３とで高さ調節機構が構成されている。

【００２８】次に、ワークハンドリング装置Ｈの作用に
ついて、図３・図４に基いて説明する。振り分け装置１
により振り分けられて作業用分配レールユニット５に搬
送されたハンガー８は図示外のストップ機構により作業
テーブル８９近傍の所定位置で停止される（図３参
照）。このとき、ハンガー８にクリップ止めされた複数
枚の身頃生地Ｗは、その下端部が床面に接触しないよう
に高さ調節してクリップ５４で把持されている。従っ
て、作業者はこれら複数枚の身頃生地Ｗのうち１枚だけ
をミシン８８の縫製位置に移動させ、縫製し易いか否か
を判断し、もし縫製し難いときには、クリップ５４を他
の係止フック８５に係止させて高さ調節する。

【００２９】そして、これら複数枚の身頃生地Ｗを一度
に持ち上げて補助台９１に下側から巻き付けて補助台９
１に載置支持させる。次に、補助台９１に巻き付けた身
頃生地Ｗのうち外側の身頃生地Ｗだけを作業テーブル８
９上に載置し、ミシン８８により所定の縫製処理を施
す。そして、縫製された身頃生地Ｗを補助台９１と作業
テーブル８９との隙間を介して作業テーブル８９の外側
に落とす（図３に２点鎖線で図示）。以下同様に、全て
の身頃生地Ｗについて順次ハンドリングして縫製を施
す。

【００３０】以上説明したように、補助台９１は作業テ
ーブル８９に取付けられているので、ハンガー８に吊持
された身頃生地Ｗを両手で補助台９１に巻き付けでき、
しかも縫製作業中の身頃生地Ｗを介して補助台９１が揺
動することもなく、縫製作業の作業性が向上する。ま
た、ハンガー８に、上部・下部ハンガーロッド５１・５
３と、下部ハンガーロッド５３に係止され且つ複数の身
頃生地Ｗを把持するクリップ５４とを備え、下部ハンガ
ーロッド５３には、クリップ５４を係止する為の３つの
係止フック８５が、高さ方向位置を異ならせて設けられ
ているので、クリップ５４の高さ方向位置を身頃生地Ｗ
の種類と縫製箇所とに基いて任意に変更できる。更に、
作業テーブル８９に対する補助台９１の高さ位置を調節
するための高さ調節機構を設けたので、補助台９１の高
さ位置を自由に調節でき、縫製作業の作業性が向上す
る。加えて、各ハンガー８に身頃生地Ｗを支持する為の
支持枠を別途取付ける必要がなく、その分ハンガー８を
小型化でき、ハンガー８を低コスト化できる。

【００３１】尚、ズボンやスラックスの身頃生地Ｗ以外
の各種のワークを搬送するようにした種々のハンガーコ
ンベアとこの傍らに設けられる縫製ステーションにおけ
るワークハンドリング装置に本発明を適用し得ることは
勿論である。尚、補助台の材質や大きさや形状について
は搬送するワークに応じて適宜変更することが可能であ
る。

【００３２】

【発明の効果】本発明の縫製ステーション用ワークハン
ドリング装置によれば、ハンガーコンベアの傍らに設け
られた縫製ステーションのミシンテーブルには、複数の
ワークを載置支持する補助台が、テーブルの上面の上方
所定高さ位置に設けられているので、ハンガーに吊持さ
れたワークを両手で補助台に巻き付けでき、更に縫製作
業中のワークを介して補助台が揺動することもなく、作
業性が向上する。更に、各ハンガーにワークを載置支持
する為の支持枠を別途取付ける必要がなく、その分ハン
ガーを小型化でき、ハンガーを低コスト化できる。

【００３３】尚、前記ハンガーに、ハンガーロッドと、
ハンガーロッドに係止され且つ複数のワークを把持する
クリップ部材とを備え、ハンガーロッドには、クリップ
部材を係止する為の複数の係止部材が、高さ方向位置を
異ならせて設ける場合には（請求項２）、クリップ部材
の高さ方向位置をワークの種類と縫製箇所とに基いて任
意に変更できる。また、前記テーブルに対する補助台の
高さ位置を調節するための高さ調節機構を設ける場合に
は（請求項３）、補助台の高さ位置を自由に調節でき、
縫製作業の作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係るハンガーコンベアシステムの全体
構成平面図である。

【図２】振り分け装置と中間レールユニットと作業用分
配レールユニットの概略平面図である。

【図３】作業ステーションを含む振り分け装置と中間レ
ールユニットの側面図である。

【図４】振り分け装置と中間レールユニットの一部と作
業用分配レールユニットの要部拡大平面図である。

【図５】振り分け装置と中間レールユニットの要部拡大
側面図である。

【図６】中間レールユニットのレール等とチェーンとハ
ンガーの平面図である。

【図７】中間レールユニットのレール等とチェーンとハ
ンガーの要部の側面図である。

【図８】ハンガーを含む図２のＡ─Ａ線拡大断面図であ
る。

【図９】ハンガーの拡大正面図である。

【図１０】図３のＢ矢視図である。

【図１１】従来技術に係るハンガーの部分拡大図であ
る。

【図１２】従来技術に係る縫製ステーションの正面図で
ある。

【符号の説明】

ＨＣ ハンガーコンベアシステム ８ ハンガー ５４ クリップ ８５ 係止フック ８９ 作業テーブル ９０ 支持パイプ ９１ 補助台 Ｈ ワークハンドリング装置 ＳＴ１〜ＳＴ１０ 縫製ステーション

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縫製対象の複数のワークを各ハンガーに
   吊持して搬送するハンガーコンベアとこのハンガーコン
   ベアの傍らに設けられる縫製ステーションにおいてワー
   クをハンドリングするワークハンドリング装置であっ
   て、 前記縫製ステーションに設けられたミシンのテーブル
   に、各ハンガーに吊持された複数のホークの縫製対象部
   位を含む部分を載置支持する為の補助台を、前記テーブ
   ルの上面の上方所定高さ位置に設け、前記補助台をその
   後端部に連結される支柱部材を介してテーブルに取付け
   たことを特徴とする縫製ステーション用ワークハンドリ
   ング装置。
2. 【請求項２】 前記ハンガーは、ハンガーロッドと、前
   記ハンガーロッドに係止され且つ前記複数のワークを把
   持するクリップ部材とを備え、前記ハンガーロッドに
   は、クリップ部材を係止する為の複数の係止部材が、高
   さ方向位置を異ならせて設けられていることを特徴とす
   る請求項１に記載の縫製ステーション用ワークハンドリ
   ング装置。
3. 【請求項３】 前記テーブルに対する前記補助台の高さ
   位置を調節するための高さ調節機構を設けたことを特徴
   とする請求項２に記載の縫製ステーション用ワークハン
   ドリング装置。