JPH0653754U - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関の各気筒間の吸気スワール値及び吸
入空気量の均一化を図ることを目的とする。 【構成】 各吸気スワールポート２に一端開口部が連結
され、他端開口部がベルマウス状に形成されて吸入コレ
クタ５内に開口する吸入空気調整用パイプ８を設け、各
吸入空気調整用パイプ８のパイプ長，通路断面積及びベ
ルマウス形状の少なくとも一つを、各気筒＃１〜６毎に
単一吸気口４に近い吸気スワールポート２程吸入抵抗が
大となるように変化させることにより、各気筒＃１〜６
間の吸気スワール値及び吸入空気量をバラツキなく、均
一化するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関の吸気装置に関し、特に、吸気スワールを形成するように した内燃機関における吸気構造の改良技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、多気筒（４〜８気筒）内燃機関において吸気スワールを形成して燃焼性 を向上するようにした技術がある（実開昭５８−５６１２１号公報及び実開昭５ ９−７９５４６号公報参照）。 即ち、図２及び３において、シリンダヘッド１の各気筒＃１〜６毎に該シリン ダヘッド１外壁面に開口する複数の吸気スワールポート２が設けられ、各吸気ス ワールポート２に対応して排気ポート３が設けられている。吸気スワールポート ２周りを覆うが如くシリンダヘッド１外壁面に取り付けられ、単一吸気口４から 吸気が導入される吸気コレクタ５が設けられている。この吸気コレクタ５は、ブ ランチ部のない構成であり、一面が開放された略箱型に形成され、該開放面と相 対する他面の中央部に前記単一の吸気口４が設けられている。この吸気コレクタ ５の開放面側はボルト６等によってシリンダヘッド１外壁面に締結され、吸気口 ４には吸気ダクト７が連結される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来の内燃機関にあっては、吸気コレクタ５の単 一の吸気口４から各気筒＃１〜６の吸気スワールポート２までの経路長が夫々異 なる結果、吸気スワール値及び吸入空気量が各気筒＃１〜６毎にバラツキ、内燃 機関の最適な燃焼性を得ることはできない。

【０００４】 例えば、気筒＃３の吸気スワールポート２は吸気コレクタ５の単一の吸気口４ から近く、吸気スワール値が高く、吸入空気量が多くなるが、吸気コレクタ５の 単一の吸気口４から遠い気筒＃１，＃６の吸気スワールポート２では、吸気スワ ール値が低く、吸入空気量が少ない。 そこで、本考案は以上のような従来の問題点に鑑み、内燃機関の各気筒間の吸 気スワール値及び吸入空気量の均一化を図ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案は、シリンダヘッドの各気筒毎に設けられ、該シリンダヘッ ド外壁面に開口する複数の吸気スワールポートと、該吸気スワールポート周りを 覆うが如くシリンダヘッド外壁面に取り付けられ、単一吸気口から吸気が導入さ れる吸気コレクタとを備えた内燃機関の吸気装置において、前記各吸気スワール ポートに一端開口部が連結され、他端開口部がベルマウス状に形成されて前記吸 入コレクタ内に開口する吸入空気調整用パイプを設け、各吸入空気調整用パイプ のパイプ長，通路断面積及びベルマウス形状の少なくとも一つを、各気筒毎に単 一吸気口に近い吸気スワールポート程吸入抵抗が大となるように変化させた。

【０００６】

【作用】

かかる構成において、各吸入空気調整用パイプのパイプ長，通路断面積及びベ ルマウス形状の少なくとも一つを単一吸気口に近い吸気スワールポート程吸入抵 抗が大となるように各気筒毎に変化させて、最適な設定を行うことにより、各気 筒間の吸気スワール値及び吸入空気量の均一化を図れる。

【０００７】

【実施例】

以下、添付された図面を参照して本考案を詳述する。 尚、図１において、図２及び図３と同一要素のものには同一符号を付して説明 を簡単にする。 即ち、図１において、シリンダヘッド１の各気筒＃１〜６毎に該シリンダヘッ ド１外壁面に開口する複数の吸気スワールポート２が設けられ、吸気スワールポ ート２周りを覆うが如くシリンダヘッド１外壁面に取り付けられ、単一吸気口４ から吸気が導入される吸気コレクタ５が設けられている構成は従来と同様である 。

【０００８】 従来と異なる構成は次のようである。 即ち、前記各吸気スワールポート２に一端開口部が連結され、他端開口部がベ ルマウス状に形成されて前記吸入コレクタ５内に開口する吸入空気調整用パイプ ８が設けられている。 この吸入空気調整用パイプ８は、板部材８Ａに、該板部材８Ａに形成された開 口部８ａから突出するように一体成形されており、板部材８Ａをシリンダヘッド １外壁面に配設して、吸気コレクタ５と共にシリンダヘッド１外壁面に共締めし て取り付けるようにする。或いは、吸入空気調整用パイプ８を吸気コレクタ５自 体に一体成形して内設するようにしても良い。

【０００９】 各吸入空気調整用パイプ８のパイプ長，通路断面積及びベルマウス形状の少な くとも一つを、各気筒＃１〜６毎に単一吸気口４に近い吸気スワールポート２程 吸入抵抗が大となるように変化させて構成される。 例えば、気筒＃３及び＃４の吸気スワールポート２は吸気コレクタ５の吸気口 ４から近く、吸気スワール値が高く、吸入空気量が多くなるが、吸気コレクタ５ の吸気口４から遠い気筒＃１及び＃６の吸気スワールポート２では、吸気スワー ル値が低く、吸入空気量が少ないから、気筒＃３及び＃４の吸気スワールポート ２に連結される吸入空気調整用パイプ８は、そのパイプ長を長くすると共に、小 さなベルマウス形状にして、吸気スワールポート２の吸入抵抗が大となるように し、気筒＃１及び＃６の吸気スワールポート２に連結される吸入空気調整用パイ プ８は、そのパイプ長を短くすると共に、大きなベルマウス形状にして、吸気ス ワールポート２の吸入抵抗が小となるようにする。

【００１０】 尚、通路断面積を変化させるには、吸入空気調整用パイプ８のパイプ径を変化 させれば良い。 又、単一吸気口４に最も近い吸気スワールポート２に連結する吸入空気調整用 パイプ８は、そのベルマウス形状を極小にした形状、即ち、略ストレートな形状 にしても良い。

【００１１】 かかる構成によると、各気筒＃１〜６間の吸気スワール値及び吸入空気量をバ ラツキなく、均一化することができ、もって内燃機関の燃焼性を向上することが できる。 尚、以上のように、特定の実施例を参照して本考案を説明したが、本考案はこ れに限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本考案に 添付された実用新案登録請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正 が可能であるとの点に留意すべきである。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、各吸気スワールポートに一端開口部が連結され 、他端開口部がベルマウス状に形成されて吸入コレクタ内に開口する吸入空気調 整用パイプを設け、各吸入空気調整用パイプのパイプ長，通路断面積及びベルマ ウス形状の少なくとも一つを、各気筒毎に単一吸気口に近い吸気スワールポート 程吸入抵抗が大となるように変化させるようにしたから、内燃機関の燃焼性を向 上することができる実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る内燃機関の吸気装置の横断面図

【図２】 従来の内燃機関の吸気装置の横断面図

【図３】 同上の従来の吸気装置の縦断面図

【符号の説明】

１ シリンダヘッド ２ 吸気スワールポート ４ 吸気口 ５ 吸気コレクタ ８ 吸入空気調整用パイプ ＃１〜６ 気筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダヘッドの各気筒毎に設けられ、
   該シリンダヘッド外壁面に開口する複数の吸気スワール
   ポートと、該吸気スワールポート周りを覆うが如くシリ
   ンダヘッド外壁面に取り付けられ、単一吸気口から吸気
   が導入される吸気コレクタとを備えた内燃機関の吸気装
   置において、前記各吸気スワールポートに一端開口部が
   連結され、他端開口部がベルマウス状に形成されて前記
   吸入コレクタ内に開口する吸入空気調整用パイプを設
   け、各吸入空気調整用パイプのパイプ長，通路断面積及
   びベルマウス形状の少なくとも一つを、各気筒毎に単一
   吸気口に近い吸気スワールポート程吸入抵抗が大となる
   ように変化させたことを特徴とする内燃機関の吸気装
   置。