JPH06508861A - 潤滑油組成物及びこれによる内燃機関における摩擦損失の抑制方法 - Google Patents

潤滑油組成物及びこれによる内燃機関における摩擦損失の抑制方法

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JPH06508861A
JPH06508861A JP4507075A JP50707592A JPH06508861A JP H06508861 A JPH06508861 A JP H06508861A JP 4507075 A JP4507075 A JP 4507075A JP 50707592 A JP50707592 A JP 50707592A JP H06508861 A JPH06508861 A JP H06508861A
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JP4507075A
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ホールト、ディヴィド ピー
ブラウン、フランシス イー
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マサチューセッツ インスティチュート オブ テクノロジー
ペンゾイル プロダクツ カンパニイ
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 潤滑油組成物及びこれによる内燃機関における摩擦損失の抑制方法 本出願は1991年2月22日に出願された米国特許出願筒07/658.64 3号の一部継続出廐である。 〔産業上の利用分野] 本発明は潤滑油組成物に、特に、潤滑効率を改善して、内燃機関における摩擦に 関連して生しるパワー損失を抑制する方法に関する。 〔従来技術の背景〕 潤滑油を使用して、内燃機関における摩擦損失を抑えることはよく知られている 。潤滑油は、炭化水素系か、あるいは合成系の潤滑油を主成分とし、潤滑油が、 予想される運転条件下で相対運動する内燃機関部品を、効果的に潤滑するように 選択された添加剤を含む。 従来、分析・経験の両者を通じて、潤滑油の各種特性について理解がすすみ、ま た改善がみられている。通常、これは特定の特性を調節するように選択された添 加剤を配合し、得られる複合潤滑油の性能を調べることで行われている。粘度調 節には粘度指数向上剤などの添加剤を使用し、また必要に応じて流動点降下剤を 使用して、複合潤滑油の凝固点の調節を行う。さらに、それぞれ特定の目的に応 して各種の洗浄剤、腐蝕抑制剤等を添加配合することができる。マルチグレード な潤滑油各種が開発され、いずれも燃料消費量の減少という点から判断すれば、 エンジン効率の改善をみている。J、A、門cGeehanの研究、すなわちA  1iterature Review of the Effects of  Piston and Ring Fr1ction and Lubur− 4cating O4l Viscosity on Fuel Econom y (ピストン/リング摩擦及び潤滑油粘度の燃料経済への影響に関する文献調 査)”5AENo、 780673によれば、レシプロエンジンの場合、燃料経 済はマルチグレード潤滑油のほうがシングルグレード潤滑油よりも多少すぐれて いる。ところが、燃料効率の改善及び燃料消費量の低下がマルチグレード潤滑油 の使用によってなぜ実現できるのかについてはほとんど知られていない。この矛 盾を説明するためにさまざまな説が発表されているが、今までのところ、これら の基礎になっている測定はいずれも必然的に内燃機関の主軸受の単一膜厚を対象 としている。例えば、SAE報告第869376号、第880681号、及び第 892151号を参照されたい。 別な研究では、相対運動する部材間領域に発生する潤滑油のキャビテーションの 影響を、潤滑作用を行う潤滑油膜の負荷能力を決定する重要なファクタとしてみ ている。1900年代初期にレイノルズが最初にキャビテーションに関する理論 を提起したが、これがいわゆる潤滑作用に関するレイノルズ理論として結実した 。 そして最近になって、Coyneとl1ilrodがJournal of L ubricait−ion Technology″1970年7月号に発表し た論文“Conditionfor the Rupture of a Lu bricating Film (潤滑膜破断の条件)第1部及び第2部”にお いて、潤滑作用m構における表面張力の影響を含む分析を進めた。即ち、境界条 件での表面張力の影響、及び分析においてこれを特定することの役割が、分析的 及び実験的知見の両者に新しいパラメータを加えた。 自動車産業や石油産業はいずれもエネルギ保存・石油消費量に大きな関心を示し ており、さらに、潜在的なエネルギ不足を避けるため機関効率の改善及び石油消 費量の抑制に関与するバラメー夕に大きな関心を示している。したがって、潤滑 油の開発、及びその内燃機関における潤滑作用の改善方法の開発に情実な関心が 示されている。これを満足するためには、特にピストンリングに潤滑作用を与え る場合における、複合潤滑油の挙動について理解を深め、潤滑現象の信軌性の高 いモデルを作り出し、最適な潤滑油組成物を開発することが必要である。このよ うな研究努力の目的はすぐれた潤滑油を提供することであり、そして内燃機関に 長期間使用した場合その望ましい特性をいかに持続させるかの方法について理解 を進め、摩擦に関連して生しる損失を抑え、これによって機関効率を改善し、か つ燃料消費量を抑制することにある。 本発明は分析・経験両者による知見に基づき、潤滑油組成物を改善し、内燃機関 において効率の高い潤滑作用を実現する方法を提供するものである。 以下、本明細書で使用する記号、及び述語・用語をまづ列記する。 述語・用語表 a :ピストンリング半径、l b :リングの濡れ幅、■ b“ :無次元濡れ幅、++uw B :ピストンリング幅、鋼− f :潤滑油の摩擦係数 G :ヘアリング数(定義パラメータ)h :流体膜高さ、μ曙 ho :ピストンリング下の最小流体膜高さ、μ隋h :ピストンリングのさら に下流における流体厚、μ閘Pz :m次元セコンドランド圧力 ΔP :ピストンリング弾性圧力、PaU :ピストンリングに対するシリンダ ライナ速度、II/Su :X方向の流体速度、m/s X ニジリングライナにそって変化できる水平長さ、Ixo :無次元水平長さ xo :リング下の最小点、■ y :可変垂直方間、ll11 「 :正規化膜厚 「、:入口側正規化膜厚 r2 :出口側正規化膜厚 μ。 :高変形速度時の動粘性率、Pa−3ecσ0 :変形速度ゼオ時の表面 張力、Pa−+mσ1 :無次元表面張力勾配 τi :自由表面剪断応力、Pa τ :剪断応力、Pa 7 :無次元剪断応力、Pa T 二表面張力、ニュートン/Il1 発明の開示 即ち、本発明の第1の目的は潤滑作用を改善でき、したがってエンジン運転効率 を向上でき、また内燃機関における燃料経済を改善できるエンジン潤滑油の製造 方法を提供することにある。 また、本発明の第2の目的は内燃機関用潤滑油を製造する際、予想されるエンジ ン運転条件で潤滑油粘度及び表面張力の作用が果す役割を制御することによって 、潤滑油の性能を最適化して、摩擦損失を抑制するとともにエンジン効率を改善 する内燃機関用潤滑油の製造方法を提供することにある。 更に、本発明の第3の目的は潤滑油の所定特性を所定値範囲内に維持して、効率 の高い潤滑作用を実現することによって内燃機関運転時の摩m損失を最小限に抑 える方法を提供することにある。 更に、本発明の第4の目的は実験による測定値により確認されている機能関係を 使用して、潤滑油の表面張力特性を監視・調節することによって、潤滑油膜の高 いずり粘度を維持した状態で、内燃機関における潤滑油の摩擦作用を抑制する方 法を提供することにある。 また、本発明の関連する態様においては、内燃機関における潤滑作用を改善する ことによって、高い機関効率を実現するとともに、燃料消費量を抑制する、改良 された潤滑油が提供できるものである。 上記や、そして上記以外の本発明の目的は、本発明の一つの好ましい実施態様に よれば、ノリンダ内部で往復するピストンを備え、該ピストンにシールリングを 設けるとともに、該シールリングの湾曲外周面を隣接ライナ面の外側に押圧係合 するように設けた所定の内燃機関の運転効率を、該シールリングの湾曲外面と該 隣接シリンダライナ面との間に形成した潤滑油膜により生しる摩擦損失を制御す ることによって向上させる方法において、該ピストンが中間ストローク位置にあ るときに、該シールリングの該外周面と該隣接ライナ面との間にある該潤滑油膜 の厚みプロファイルをめ、 最小潤滑油膜厚みり。の厚みプロファイル値からピストンリングの濡れ長さb及 びその全厚みBをめ、次式: %式% (但し、μや:高変形速度時の動粘性率、Uニジリンダライナ速度(n+/s) 、b:リングの濡れ幅、ΔP:リング弾性圧力(Pa) 、Bはリング幅(am ) 、ho :下流側の流体厚みにl)である)にしたがってヘアリング数Gを め、 第1クラウンランド及び第2クラウンランドにおける平均潤滑油膜圧値をめ、 エンジン運転条件下該シールリングにおける潤滑油について摩擦係数fを次式: (但し、ピストンリングの寸法に応して変化するγの分布は、該ピストンリング は負荷荷重を受けているという必要条件下で、レイノルズ方程式を解くことによ ってめられるものとし、上流側圧力はP、とじ、下流側圧力はP2とし、そして 潤滑油が該ピストンリングを離れる場合に自由表面に加わる無次元剪断応力は、 次式: %式%) (但し、μ は高変形速度時に該ピストンリングと該ライナとの間にある該潤滑 油の粘度を示し、σ。は低変形速度時の表面張力を表し、そしてσ“は潤滑油の 種類に関係無く500±75の範囲にある)によりめられるものとする)に従っ てめ、そして、該潤滑油に粘度調整剤を添加配合して、該潤滑油粘度を2×10 −3〜5 X 10−コPa−5ecの範囲に調節するか、あるいは維持し、か つ該潤滑油に表面張力調整剤を添加配合して、表面張力を1×10−”N/n+ 以上、好ましくはlXl0−”〜5 X 10−”N1mの範囲にある値に調節 するか、あるいは維持することによって、十分な潤滑作用を維持した状態で、該 摩擦係数を小さくし、対応する摩擦損失を抑制する工程からなる上記方法によっ て達成することができる。 本発明の別な態様によれば、潤滑油粘度が2X10−’〜5×10−コPa−5 ecの範囲にあり、そして潤滑油表面張力がlXl0−”ニュートン/m以上で ある基油潤滑油からなる潤滑油用組成物において、該潤滑油粘度及び表面張力の 値を運転エンジンの所定の被潤滑部分における測定温度に対応する温度でめた改 良潤滑油用組成物を提供することができる。本発明の好ましい態様では、表面張 力/粘度比は臨界的範囲に維持される。また、粘度及び表面張力を調節するため に、添加剤を配合することができる。 図面の簡単な説明 以下、図面について本発明を説明する。 第1図は往復動ピストンの運動方向の距離(単位:mm)についてプロットした 、ピストンリングの実験的にめた油膜厚み(単位:μIl)に対する実験的にめ たデジタル化プロファイルを示すグラフである。 第2図はピストンリングによってシーリングしたピストンが往復するエンジンシ リンダライナの方向においてクラウンランドとセカンドランドとの間にあるピス トンリング間の潤滑油膜の形状を説明する理想化した構成図である。 第3図はあるピストンリングについて入口条件での潤滑油膜高さの差に対応する 、各種潤滑油の標準化された(normalized)入口高さの棒グラフであ る。 第4図はある内燃機関ピストンのランダムに選択した幾つかの排気ストロークか ら実験的に得られた膜トレースからめたランダムなリング輪郭に関する無次元膜 入口高さのデータをプロットした図である。 第5図はランダムに選択した3つの濡れた状態にあるピストンリング輪郭に関し て無次元圧力分布の実験的にめたデータをプロットした回である。 第6図は異なる5種類の潤滑油について、ベアリング数(C,)に対して正規化 入口濡れ高さのデータをプロントした図である。 第7図はベアリング数(G)に対して潤滑油膜の無次元入口高さのデータをプロ ントした図で、このデータは対応するレイノルズ数の所定範囲にある値により特 性化される。 第8図はある所定のピストンリングについて異なる5種類の潤滑油を使用した場 合における、無次元出口高さに対する無次元入口濡れ高さのデータをプロットし た図である。 第9図はある所定のピストンリングについて異なる5種類の潤滑油を使用した場 合における、ベアリング数(G)に対して無次元入口濡れ高さのデータをプロッ トした図である。 第10図はある所定ピストンリングについて異なる5種類の潤滑油を使用した場 合における、計算により得た摩擦値に対して無次元入口濡れ高さをプロ7トした 図である。 第11図はある所定のピストンリングについて異なる5種類の潤滑油を使用した 場合における、無次元入口濡れ高さに対して無次元濡れ長さをプロットした図で ある。 第12図はある所定のピストンリングについて異なる5種類の潤滑油を使用した 場合における、無次元入口濡れ高さに対して無次元上流側膜厚のデータをプロッ トした図である。 第13図は比較できる使用条件下で多種類の潤滑油膜についてめた平均最小膜厚 (単位:8層)の棒グラフである。 第14図は比較できる運転条件下で多数の潤滑油を使用した場合における、無次 元出口自由表面剪断応力とパラメータ(h、/b)との相関をめるためのデータ プロット図である。 第15図はピストンリングの計算によりめた潤滑油膜幅と実験的にめたそれを比 較できるようにしたデータプロント図であり、曲線を線形にあてはめたものであ る。 第16図はデータを線形にあてはめた、実験によりめたhlの値(単位二μl) に対して計算出口高さhl (単位:μ11)のデータをプロントした図で、両 者を比較することができる。 第17図は異なる5種類の潤滑油についての、実験によりめたベアリング数(G )に対して計算によりめたベアリング数(G)のデータをプロ7トした図で、曲 線を線形にあてはめた図で、両者を比較することができる。 第18図は表面張力を基にしたパラメータに対して摩擦係数「f」をプロントし た図で、実験データベースに対応する代表的な運転パラメータ値について排気ス トローク時の両者の関係を説明するものである。 第19図はシングルグレード潤滑油を使用した場合における、排気ストローク時 の各種エンジン運転速度について温度(単位二℃)に対して摩擦係数をプロット して作成したグラフで、最小潤滑油膜厚りは2.3μ−である。 好ましい実施例の説明 本発明は古典的な流体力学的分析と、代表例として小型の、即ち6馬力の単気筒 ディーゼルエンジンを制御運転した場合に得られた実験データとを総合したもの である。なお、古典的な流体力学的分析に基づく予測は使用する分析モデルの質 、境界条件を設定する現実的なファクタ、粘度係数や表面張力等の流体特性など に応してかわってくるものである。 本発明は、最近展開された精緻な理論的モデルと、添加剤として粘度調整剤及び 表面張力調整剤を配合した多数のシングルグレード及びマルチグレード潤滑油を 代表的なエンジン運転条件で使用して得た実験データを取り込んだ本質的な分析 の結果である。 この分析及び実験に基づく研究の一つの目的は、特に、複合潤滑油の制御できる 特性としての表面張力の重要性を確認することであり、これは潤滑油組成物に配 合する表面張力調整剤の量を調節して、現実的な運転条件下で潤滑作用を最適化 することによって達成することができる。 したがって、以下に続く記載は、以前の研究の詳しい説明、この成果を取り込む ことにより分析モデルを精緻化できた以後の展開、分析モデルを評価し、これを 改変するために得た実験データ、そしてこれらから得られ、本発明の要旨となる 成果を含むものである。 また、本発明を実現するさいに使用した実験データは、代表的な6馬力の内燃機 関で測定した潤滑油膜厚の測定値を含むものである。この実験データを詳しく研 究した結果、潤滑油はその潤滑作用により摩擦損失を最小限に抑えるが、その作 用は、各ピストンリングの外面と隣接エンジンシリンダライナ表面との間に潤滑 ′油膜が存在する場合、往復動ピストンのピストンリングがどのようにして濡れ るのか、またその濡れかどの程度なのかに従うという結論が得られた。必要な膜 厚プロファイルデータはレーザ誘導蛍光透視検査(LIF)法により得た。この データから、特定のエンジンを対象となる条件で運転した場合、潤滑油の粘度及 び表面張力はティラー数と呼ばれるパラメータに関係があることがわかった。定 義によれば、ティラー数は である。ただし、μは潤滑油膜粘度(単位二Pa−5ec) 、Uは平均ピスト ン速度(単位: M/5ec)、そしてTは表面張力(単位:ニュートン/−)  である。一般に、所定の運転条件下でテイラ数が小さくなると、エンジンの摩 擦損失が小さくなり、燃料経済からみて好ましい。 本発明では、潤滑作用の有効性、及びこの結果としての摩擦損失の抑制はピスト ンリングが潤滑油によってどのようにして濡れるかに依存していることを発見し たのが重要である。この点に大きく影響すると考えられる特性は潤滑油の表面張 力である。 現実的な問題として、摩擦を抑制し、かつエンジン燃料経済を改善できる潤滑油 の開発でまづ必要なのは、運転条件下にある潤滑油の“摩擦係数”の定義である 。この摩擦係数を定義するのに必要な情報から、適正な粘度係数と表面張力をも つ潤滑油を調製することができる。換言すれば、(粘度等の特性が改善された) 従来公知のマルチグレード潤滑油によって実現されている燃料経済の改善は摩擦 損失の抑制からは、摩擦係数に関係するものとして説明することができる。 本発明を実現する際発見したことは、理想的な潤滑油は粘度などの特性を最適状 態で維持したまま、考えられる限り最大の表面張力を実現したマルチグレード潤 滑油であることである。ここで、潤滑油の表面張力/粘度比も重要な特性のひと つである。したがって、現在利用されている内燃機関の運転条件、例えば、温度 や平均ピストン速度等の条件下において粘度を最適な範囲に維持したまま、潤滑 油の表面張力をできるだけ高くすれば、燃料経済を改善できるというのがひとつ の結論である。すなわち、本発明は、内燃機関における摩擦係数を測定し、得ら れた情報から、粘度/表面張力比、即ち、所定のピストン速度についてのティラ ー数の逆数をめ、これによって適正な粘度及び表面張力の値とともに、粘度/表 面張力比を決定することによって潤滑油を改善する方法を提供するものである。 この場合、潤滑油に適当な添加剤を制御された仕方で添加配合すると、表面張力 及び/又は粘度について所望の値を得ることができる。 第1図について説明する。なお、膜厚スケールは1,000倍に拡大しである。 この図から、エンジンシリンダライナ壁に隣接するピストンリングの外面は、ピ ストンとシリンダライナの相対運動の方向に存在し、かつシリンダライナ壁に直 角な面内で湾曲していることが理解できる。また、第1図の実験データからは、 潤滑油はピストンリングを濡らすが、その濡れの高さは後端部においてよりも前 端部において高い。この点から第2図をみれば、(なお、第2図はやや理想化し た構成図である)潤滑油膜の研究対象であるある形状パラメータ、及び所定ピス トンリング、例えばピストンの最も高い位置にあるリングの慣れを定義しやすく なる。 第2図からよく理解できるように、ピストンリング100は、ピストンの移動方 向にBの幅を有し、クラウンランド102とセコンドランド104との間でピス トンに取付けられる。この場合、シリンダライナ106は、第2図左下に矢印で 示すように、ピストンリング100に対して速度Uで運動する。相対運動方向の 濡れた領域の幅はbである。便宜上、相互に直交する座標軸x、 yをX軸がラ イナ壁に重なるように取る。 y方向に、図示のように、リングの濡れた領域には潤滑油膜に関して3つの高さ がある。即ち、入口高さhl、最小高さho、そして出口高さh2である。 便宜上、上記の高さは分析の際には、そして各実験データをプロットする際には 、以下に定義する無次元入口及び出口高さによって置き換えることができる。即 ち、 r、=h、/ha (2) 多数のマルチグレード及びシングルグレードな公知潤滑油を使用して実験を行っ た結果、第3図にプロットしたデータが得られた。第3図の棒グラフは各潤滑油 の無次元入口高さを表し、各場合において得られた実験値の範囲を示すものであ る。 第4図には、ピストンのランダムに選択した排気ストローク時に行った測定に基 づくピストンリングの無次元輪郭に関する実験データの一部を示す。 第5図には、ランダムに選択した3つの濡れたピストンリング輪郭における無次 元圧力分布に関して実験的にめたデータプロットを示す。ただし、1は濡れた距 離「b」によって標準化したシリンダライナに対するピストンの相対運動方向の 距離である。 また、完全を期すために、対象となる別なパラメータを第6〜9図に示しておく 。 この点で、潤滑油の摩擦係数rを定義する関係について当業者の理解を助けるた め、以下に提示する分析基準について概観しておく。 例えば、上記のCoyne及びElrodの論文等から既に知られているように 、油膜が破断する点における境界条件では、表面張力の効果を考慮する必要があ る。 Coyne−Elrod理論によれば、この濡れの高さの曲率半径R0を次のよ うに予測できる。 R,/h工= f (N) (4) 前記の論文において、Coyne及びElrodは潤滑油の場合、上記の最小膜 高さ以上でピストンリング面を濡らす傾向があることを知見したと記している。 内燃機関におけるシングルグレード及びマルチグレード潤滑油の各特性をめるこ とによって得たデータの相関関係を通じて、本発明者等は、どのように試験流体 がピストンリング面を濡らすかは、実際には、Coyne及びElrodの予測 とは異なっていることを発見した。即ち、本発明の実現過程で、濡れの角度φは 90゜よりもかなり大きいことを発見した。さらに、異なる数種類の潤滑油を使 用して、ピストンリング出入口の両者について濡れの角度を測定した結果から、 シングルグレード潤滑油の場合、表面を濡らす傾向は強いが、シングルグレード 及びマルチグレード潤滑油の間に濡れの角度について大きな違いは認められなか った。 また、本発明者等は、Roのり、に対する関係はCoyne及びElrod理論 の示唆する範囲とは同じでないことも知見した。収集したデータからは、表面張 力比「/R0による圧力変化は100 Paのオーダーにあることがわかった。 これと100.000 PaオーダーにあるΔpとの比較から、ピストンリング 下にある場合には、表面張力による圧力変化は殆ど無視できることがわかる。  Coyne及びElrodは、基本的には、分離領域のX及びy方向の長さスケ ールは1:1の比であると想定していたが、本発明を実現する過程で知見された 比は1mm/1μm、即ち1,000 : 1である。 本発明を実現する過程で、レーザー誘導蛍光透視検査(LIF)法を使用して、 トップリングとライナとの間の潤滑油膜厚分布を調べた。このLIFはマサチュ ーセッツ工科大学で開発された公知技術であり、下記の者が下記の文献に発表し ている。Hou I を等の“Ca1ibration of La5er F luorescence Measurements of Lubrican t Film Th1ckness in Engines (エンジンにおけ る潤滑油膜厚のレーザー誘導蛍光透視検査測定値の較正) ” 、SAE No 、881587 、International Fields of Lub ricants、Meeting and Exposi−tion Port land 、 Oregon+ 1988e年10月10−13 日988 、 SAE Tran−saction+ νolse 97−3.1988.及び 、Lux等の、”Lubricant FilmThickness Meas urement in a Diesel Engine Piston Ri ng Zone(ディーゼルエンジンのピストンリング領域における潤滑油膜厚 測定)”、5TLE Preprint No、90−AM−1−H−1,5T LE 45th Annualmeeting、 Denver、 Co1or ado、 1990年5月7〜IO日。 このレーザー蛍光透視検査法を使用して行った市販の潤滑油の研究を通じて、L IF法の場合、中間ストローク位置ではキャビテーションは全くみられないこと が見いだされた。むしろ、潤滑油はピストンリング表面と正接状態で分離する。 ピストンリング下にある潤滑油の流れのこのレオロジーは非ニユートン流体に一 致し、粘性をもたない。また、潤滑油の種類の差、即ちシングルグレードかマル チグレードであるかは、トップピストンリングの入口及び出口条件の差に対応す ることも見いだされた。したがって、潤滑油の膜厚が測定されている分析モデル を使用して、シングルグレード潤滑油とマルチグレード潤滑油との摩擦差を計算 してみたところ、マルチグレード潤滑油の摩擦係数はシングルグレード潤滑油よ りも低く、これはマルチグレード潤滑油の燃料経済について報告されている改善 に一致していることが見いだされた。 また、レシプロエンジンに使用した場合、シングルグレード潤滑油に比較して、 マルチグレード潤滑油のほうが燃料経済からみて幾分すくれていることが一般的 に認められている。この点についてはは、J、A、McGreehanのSAE  No、780673が参考になる。この重要な効果を説明するために、様々な 説が提出されている。しかし、必然的なことだが、これら仮説はいずれもエンジ ンにおける単一膜厚の測定値を基礎にしている。潤滑油とエンジン効果との間に 密接な関係があることが本発明者等により見いだされている以上、このような測 定値に基づく推論がいつも妥当だとは思われない。 LIF法は違う形のデータを与えるものである。即ち、エンジンの運転状態で、 潤滑油膜厚を詳しく測定できる。エンジンのトップピストンリング下の、そして その周囲の膜厚データを調べ、多数のデータ点を収集すれば、これら収集し、か つ分析したデータを通じて流体膜をより効果的にかつより詳しく研究できること が認められた。 また、f(摩擦係数)、b/B (bは二次元の流体充填チヤ不/h、及び「1 との間に機能的に強い相互依存性があることも見いだされた。「、は無次元の出 口濡れ高さ、h6oは上流側潤滑油膜厚、そしてhoはリング下の最小潤滑油膜 厚である。これら機能上の相互依存性の近似は、実際のリングプロファイルには 不確実性があるにせよ、また中程度ではあるが、小さくない不確実性が測定され た膜トレースに対するリングの正確な位置にあるにせよ、合理的なもの考えられ る。 本発明を実現する過程で、ピストンリング動力学に関して発表されているほぼあ らゆるモデルに反して、潤滑油膜はトップリングの下ではキャビテーションを起 こさないことが見いだされた。 この理由は十分な時間がないため、凝集し、そして破断するのに必要な大きさま でボイドが成長しないことにあると考えられる。 また、マルチグレード潤滑油がリングを濡らす程度はシングルグレード潤滑油よ りも低いことも見いだされた。マルチグレード潤滑油とシングルグレード潤滑油 との間には摩擦係数値に関して明らかな違いがある。データが示すことだが、年 度、ピストン速度及びエンジン負荷が同じなら、マルチグレード潤滑油の場合、 トップリング摩擦が小さくなるが、これは最大20%にも達する。 車両に摩擦により生しる全損失の半分がそのエンジンで見られる場合、残りの半 分はりングパノクに発生し、その4分の1がトップリングに発生する。シングル グレード潤滑油と比較した場合、マルチグレード潤滑油をトップピストンリング に使用すると、摩擦に関連して生しる全損失を最大に見積もって1.3%も小さ くすることができる。そして、ピストンリングパンクの残りの部分においても摩 擦に関連して生じる損失も小さくすることができる。 この結果は、マルチグレード潤滑油を使用した場合には全燃料経済を2〜4%節 約できることを立証している業界のデータに合致している。 すなわち、本発明は速度、負荷及び粘度について、そして排気ストロークについ て正規化された摩擦係数fをめる方法を提供するものである。この摩擦係数fに より、内燃機関に最適な潤滑油組成物を使用することが可能になる。この摩擦係 数をめる場合、多数のファクターを考慮する必要がある。これらファクターは機 能上次式によって関係づけることができる。 「1及び「2は無次元人口及び出口高さ、そしてγ(x)は単位長さに対する無 次元剪断応力を示す。 本発明によれば、速度、負荷及び粘度について標準化したのち潤滑油についてそ の摩擦係数rをめることによって、特定のエンジンに使用する潤滑油組成物を最 適化できることが見いだされた。すなわち、本発明はエンジン運転条件下潤滑油 膜の破断を最小限に抑制し、膜分離を防止し、エンジンのピストンリング下の潤 滑油膜にキャビテーションが発生する可能性を抑制し、そしてエンジンの効率を 改善する内燃機関用潤滑油の製造方法を提供するものである。 この方法は次の工程を含む。 (a)選択した潤滑油を典型的な内燃機関運転条件下におく工程。 (b) 式(5) ((EIL、f、G、7.7、r’ I、l” z 、F1 及ヒ’j”zは前記定義の通りである)に従って潤滑油の摩擦係数fをめる工程 。 (c)適当な添加剤を添加配合して、潤滑油の粘度及び表面張力をそれぞれ調整 して、所望の摩擦係数及び所望の表面張力/粘度比を実現することによって、必 要に応して、潤滑油の粘度及び表面張力を調整し、対象とする特定型式の内燃機 関についてその摩擦係数fを最小にする工程。 第1図に観察した方法の代表的な実現例を示す。LIF法を使用するが、この場 合較正信号により膜厚をシリンダライナの観測窓を通して観測されるリングのパ スとして測定する。理論及び計測法は公知である。 第1図に示すように、潤滑油は入口で立ち上がり、リングに当たる。なお、出口 条件は最小膜厚の下流で生じる。第2図において、使用エンジンは久保田のID Iディーゼルで、リストビン軸上のトップリングのパス(はぼ中間ストローク) について70゜ATDCのところに観測窓を設けたものである。 つまり、潤滑油の入口高さは潤滑油の種類に依存するもので、マルチグレード潤 滑油の場合、ピストンリングを濡らす程度は小さい、潤滑油は濡れたピストンリ ング面にほぼ正接した状態で離れていくので、ピストンリング下ではキャビテー ションは発生しない。 明うかに、現在までに流布しているピストンリンク゛の潤滑作用に関する理論に は、これら観測結果に合致する境界条件しよ組み込まれていない。 プロットしたデータはすべて温度補正ずり粘度である。データのバラツキの大半 はリングを濡らしている潤滑油の人口及び出口高さを近イ以したことにより生じ る。入口高さは0.5〜約5μMの範囲にあるが、出口高さは通常ひとつで、約 1/3μMである。 LIF法の精度は現在約1/10μ潮である。したがって、相対語法を使えば、 出口高さは実験的には信頼度が低いが、入口高さは信頼度が高い。 無次元レイノルズ方程式は次の通りである。 無次元化リング形状はh=h (x、r、 、r、 )で、その境界条件は次の 通りである。 排気ストロークにおける圧力境界条件は次の通りである。 無次元負荷はベアリング数で表す。 単位長さに対する剪断応力、r (x)は次式(11)によりリング下の圧力分 布に関係づけることができる。 リング上の単位長さに対する全ドラグ、Dは次式の通りである。 したがって、次式が成立する。 b / h @を消去すると、次式になる。 したがって、速度、負荷及び粘度について標準化した摩擦係数fは次式で表され る。 排気ストロークの場合、f=l (r、 、r’z )である。 この定義は前記McGeehanの報告に合致する。 トンブピストンリング下の潤滑油膜をトレースすると、多数の膜厚分布が得られ る。これらをデジタル化し、2次多項式にあてはめ、解析的にh (x)にあて はめる。各トレースにおいて、h (x)を使用して、レイノルズの方程式及び シンプソンの公式によりP(x)を数値計算する。 第9図に示すように、曲線を第6図のデータにあてはめ、「2の代表点を反復法 により選択すると、G及び「1の計算点が(白丸で示すように)第9図の曲線に 近似することになる。このようにして、「1 と「2とをよく相関させることが 可能になる。理論と観測の一致は、高いすり粘度モデルは実験結果と一致するこ とを意味している。排気データの場合、I”、 /I”z =1. 24である 。 これら試験で嵌め込んだ圧縮リングは表面が比較的平坦で、円形プロファイルの 半径はa=90mmである。h / a比が非常に小さい(< 10−’)ので 、hoについて円形リングプロファイルのティラー級数膨張を導入することがで きる。この結果、プロファイルは放物線状になる。すなわち、 h(x) =ha ・(x XO) ” / 2 a (16)ただし、ha  =h (Xo )は位置x0を定義するものである。式(13) 〜(16)を 解析的に解くと、前記Coyne及びElrodの報告と同じ結果になる。 これら前記方程式の解は、第10〜12図に示すように、代表的シングルグレー ド及びマルチグレード潤滑油例について、「1対f、b/B対「1、及びh1対 h0としてプロットする。これらプロントには一致傾向が顕著に認められる。ま づ、f、b/B及びh 66/ h oについては、「1の増加に従って明らか に単調に増加する傾向がみられる。 第2に、マルチグレード潤滑油とシングルグレード潤滑油との間にははっきりと した違いがある。すなわち、シングルグレード潤滑油は、■)摩擦が大きく、2 )入口の濡れの高さ及び長さが大きく、そして3)上流側の膜高さが大きい。シ ングルグレード潤滑油とマルチグレード潤滑油との間には摩擦に関して最大20 %の違いがある。この点は第10図から理解できるはずである。 第1図に関連して説明したように、水平対垂直長さスケールの比は、ピストンリ ングの下ならすべて、11,000のオーダーに過ぎない。したがって、ピスト ンリング下では潤滑油の流れは極めて平行に近い流れになっているので、レイノ ルズの潤滑理論の基本的仮定、即ち、潤滑膜中の圧力は一定で、膜にそって存在 する圧力分布は剪断応力の正規勾配により平衡化するという仮説はすくれた近( 以になる。したがって、問題の流体流れの過不足のないモデルは殆ど平行な流れ における潤滑油ずれを記述するモデルであると考えられる。 文献では、最小潤滑油膜厚(MOFT)測定値に基づいて、ずれ依存粘度を使用 すると、過不足のない流動学的モデルを作れると議論されている。そこで、マル チグレード潤滑油について正規応力緩和時間を測定してみた。これら緩和時間は 数μ■オーダーの緩和長さスケールにつながり、このスケールは自由表面の(は ぼLI以内の)ゆっくりとした減衰を説明するのに必要なスケールよりもかなり 短い。これら理由から、所定のほぼ平行な“レイノルズ”流れの場合、その粘度 は局部的な変形速度に依存するという仮定と同様に、ずれに依存する潤滑油の粘 度は許容できる仮定である。変形速度は、トップリング面と隣接エンジンシリン ダライナ面との間ではどこでも10’〜10’ sec −’であるため、高い 変形速度粘度は妥当であると考えられる。このリングを越えた領域、即ち、自由 な下流頭載では、既に述べたように、変形速度ハ約1 vanでゼロに減衰する 。この点についても第1図が参考になる。 本発明では、見えない境界条件は表面張力分布の形をとり、したがってこの適当 な無次元係数は定義できることを基本的仮説とする。また、この境界条件は4つ のエンジン速度で5種類の潤滑油を使用した場合に観測された実験データに一致 し、許容できるものである。 確認実験を実施したが、この場合、特に第14図に示すように、市販の潤滑油を 5種類使用した。このうち2種類はシングルグレード潤滑油(SA、、SBで表 示)、そして3種類はマルチグレード潤滑油(MA、MB、MCで表示)である 。実験実施に使用した内燃機関は単ストロークIDIディーゼルエンジンで、内 径は75mm+であった。流れについては、圧縮ストローク及び排気ストローク に両者についてピストン中間ストローク位置付近で観測した。実験測定値から、 トンブリング間に作用する圧力は圧縮ストローク時には大きいが、排気ストロー ク時には比較的無視できるという結論が直ちに得られた。 実験に使用した潤滑油すべてをほぼ同じ運転条件においた。トップピストンリン グとエンジンシリンダライナとの間の平均最小膜厚h0は使用した潤滑油の種類 に応じて変化した。マルチグレード潤滑油のほうがシングルグレード潤滑油より も膜厚があった。 この点については、例えば、第13図が参考になる。 しばらく使用した後、トップリングの輪郭が半径の大きいアーク状になった。タ リサーフ(Talysurf )測定法で測定したところ、この半径は約901 1111であった。 第14図は5種類の試験流体についてタウ(τ)と(ha/bxi、000)と をプロットしたものである。第15図は5種類の試験流体について計算値すと実 験値すとをプロントしたものである。 第16図は5種類の試験流体について計算値hl (μm)と実験値hl (μ m)とをプロントしたものである。第17図は5種類の試験流体について計算値 Gと実験値Gとをプロントしたものである。 第18図は摩擦係数と、シグマーノグマO/シグマ0とをプロットしたもので、 第19図は異なるRPMで摩擦係数と温度とをプロントしたものである。 したがって、レイノルズの方程式の完全解をめるのに必要なパラメータは次の通 りである。 (i) 速度U (i i) 荷重ΔPB (iii) (リング下の)ずつの大きい場合と、(自由表面上の)ずりの小さ いの場合両者の粘度μ (iv) リング輪郭 h(x) =L + (x+xo ) ” /2 a (17)但し、aはアー ク半径、そしてxoはリング下の最小点までの距離である。 (vi) hoかり、。のいずれか。hの値はさらに下流にある。 (vii) 前に説明した出口境界条件なお、高いすり粘度及び低いずれ表面張 力はいずれも温度の強い関数である。したがって、ある潤滑油のティラー数も温 度の強い関数である。また、各種の潤滑油のティラー数は、潤滑油温度が変化に より、重なる。このように、摩擦に従えば、潤滑油には顕著な差はないが、およ そのところ、マルチグレード潤滑油の法がシングルグレード潤滑油よりも摩擦係 数が低いのは事実である。 温度、h、(又はh工)、粘度、荷重及び速度が一定ならば、第2図に示すよう に、摩擦係数は表面張力と共に大きくなる。表面張力が大きいということは、そ の他の条件すべてが所定レヘルで一定ならば、出口の剪断応力が大きく、したが って摩擦が小さいことを意味する。 これにより、シングルグレード潤滑油とマルチグレード潤滑油との摩擦特性の違 いを説明できる。表面張力が高いということは、その他のあらゆる条件が一定な らば、摩擦が小さくなることである。ところが、現実には、摩擦が小さくなると 、シリンダライナ温度が高くなる。すなわち、摩擦が逆方向に作用する。 本発明の原理を適用することにより、ある特定の内燃機関を対象とする潤滑油を 、このエンジンの通常の運転温度で最も効率的に使用できるように、仕様化でき る。これを実現するには、エンジンの通常運転温度における潤滑油の最適粘度及 び表面張力をめ、次に、必要に応して、本明細書で説明するように、潤滑油の表 面張力、粘度、及び表面張力/粘度比を調整すればよい。 以下の表1に試験潤滑油の表面特性及び摩擦特性を示す。表1の表面張力の単位 はダイン/cmである。この単位に10−3をかけると、N/+w単位になる。 表1の試験潤滑油を使用して、本明細書で説明する本発明モデルをつくった。表 1の表面張力データは摩擦モデルを評価するために使用するベンチデータである 。また、表1において、TBS粘度とは高温/高ずり粘度であり、EHD膜厚は 膜厚に関する弾性流体力学ベンチ試験により得たものである。 また、表2には、各同一温度に表面張力、及び参考潤滑油、シングルグレード潤 滑油及びマルチグレード潤滑油に関する燃料経済データを示す。これら潤滑油は SAE番号によりA−にとして表示する。 表3には、表2の試験潤滑油の摩擦特性を示す。 表4には、表1の試験潤滑油の、そして表2の参考潤滑油の密度を示す。 表2.3及び4の参考潤滑油は表面張力の燃料経済への影響に関するモデルを証 明する参考潤滑油として使用した。 表1 試験油の表面摩擦特性 −’ MA SA MB MC38 表面張力 タイン/c11 50°c 28.7 28.0 27.1 26,6 27.1100’C25 ,024,322,922,222,2133°C22,321,720,11 9,419,2167°C20,519,718,417,316,5200° C17,817,317,016,115,0TBS粘度 106sec−’ 3.83 3.41 4.60 3.76 3.08TBS 粘度 ii 150°C。 10” 5ee−’ 3.49 3.42 4.52 3.84 3.11Fl ssT後 動粘性率a 40’C,cst 66.11 59.58 83.78 67.41 69. 39動粘性率a 100°C,cSt 11.38 8.89 15.59 11.56 9.3 9Vl 167 125 199 167 113EHD膜厚 周囲25°CO,4200,6500,3900,4200,600EHD膜厚 周囲100’CO,0640,0?3 0.061 0.060 0.061外 挿μm 表2 1の と燃 データ 表面張力(タイン/c11) 燃 料 経 済^ST門 へSTM 参考油 50°C100°C133°C167’C200°CFive 5eq Car、z FE Vl、FE ASAE50 30.0 25.9 22.8 20.6 18.8B SAE  20W30 28.8 25.4 22,5 20.5 18.7 0 0C 5AE20W30 29.2 25,1 22.5 20.5 18.9 0. 96 ・・・D SAE 10W30 28.2 24.8 22.4 20. 3 18.7 3.23(2)” 3.32(1)ESAE10W30 28. 2 24,1 21.6 19.9 1B、5 1.13(5) 0.75(1 9)FSAE10W30 28.2 24.4 21.5 19.8 18.2  2.70(2) 2.82(11)GSAE10W30 28.1 24.4  21.3 19.4 18.0 1.95(3) 2.20(11)I SA E 10M40 27.7 23.2 20.7 19.4 18.2 2.2 2(3) 2.20(16)ISAε 51j30 27.5 23.1 20 .4 19.0 17.6 2.73(3) 2.11(20)JSAE 5W 30 26.5 21.9 19,8 18.9 16.7 2.77(2)  2.79(2)KSAE 5W20 25.7 21.2 19.2 17.6  16.5 3.25(1) 3.17(16)11()内の数値はエンジン試 験回数。 表3 量1匡m ASAE30 0.147 1.25 0,30 0.14 12.6 5.4  226 19.6 99(25°C) BSAE20W30 0.157 0.52 0.19 0.11 8.0 3 ゜l 74.2 9.5 106C5AE20W30 0.044 0.52  0.19 0.11 B、0 2.9 74.1 9.5 106D SAE  10W30 0.143 0.17 0.08 0.022 7.1 3.2  68.5 10.6 142E SAE 10に30 0.142 0.33  0.12 0.070 8.1 3.5 77.0 11.3 139F SA E 10W30 0.115 0.29 0.11 0.060 6.8 2. 8 62.0 10.6 163(25°C) G SAE 10W30 0.140 0.36 0.11 0.064 7. 4 3.0 73.1 10.6 133HSAE 10W400.146 0 .260.10 0.0587.1 3.1 91.2 14.0 157IS A2 5N30 0.140 0.25 0.10 0.061 5.3 2. 6 57.4 9.8 157JSAE 5W300.145 0.270.0 7 0.037 6.7 2,961.4 10.3 157KSAE 5W2 0 0.146 0.20 0.08 0.05 5.3 2,1 34.1.  6.4 143*()内は、相違する試験温度を示す。 表4 試験油(潤滑油) 密度(g/ml) MC0,8928 SA 0.8981 MB 0.8776 SB 0.8942 MA 0.8933 参考油(潤滑油) 密度(g/m1) A 0.898 B O,887 CO,888 D 0.86 E O,87B HO,888 本発明は、表面張力、及び表面張力値と粘度値の合成値が通常運転条件下にある 内燃機関に最適な効率を与える決定的な特性であることを示すデータを提供する ものである。本発明の潤滑油はすくれた摩擦値を示し、したがって効率を改善す るものである。 本明細書で説明する原理を用いると、潤滑効率を改善できるように粘度値及び表 面張力値を最適化した改良潤滑油を提供することができる。基本的には、潤滑油 は、最適な粘度特性、表面張力特性、及びこれら合成特性もつ基油、即ち潤滑油 からなる。必要に応して、基油には、粘度調整成分及び/又は表面張力調整成分 を添加配合することができる。必要に応して、この粘度調整成分により、潤滑油 の粘度を2χ10−3〜5χ10−”Pa−5ecの範囲に調整する。一般的に は、粘度指数向上剤を使用して、粘度を所望値に調整する。また、一般的には、 この粘度指数向上剤の使用量は、基油量に基づき約3〜15重量%あれば十分で ある。 上述のように、基油は、粘度指数向上剤を約3〜15重量%配合することによっ て、流体粘度を3xlO−3〜5χ10−’Pa−5ecの範囲に調整する。粘 度(V、 1.)向上剤は公知であり、この公知のV、I、向上剤はポリブチレ ン類、ポリメタクリレート[、及びポリアルキルスチレン類から構成することが できる。任意の油について粘度指数(V、l)をめるには、40′C及び100  ’Cで油の粘度ヲ測定シテカラ、ASTM (ASTM規格D2270)によ る詳しい対照表に基づき粘度指数を計算すればよい。好ましい向上剤は分散剤及 び/又は洗浄剤である。 また、基油の表面張力についても、潤滑油の表面張力が少なくとも2 x 10 −”N71m、好ましくは2 x 10−”N/n+ 〜5 x 10−2N/ 肩の範囲にくるように調整できる。表面張力調整は潤滑基油の量に基づき約3〜 15重量%の量で洗浄剤又は分散剤を配合することにより実施できる。 したがって、これら添加剤を配合して、内燃機関に使用した場合摩擦小さく抑え ることができるように粘度及び表面張力を改善した多粘度/多成分潤滑油を提供 することができる。 本発明による潤滑油においては、基油が臨界的な表面張力/粘度比を示すことが 必要である。なお、基油は全温度範囲にわたって同一の表面張力/粘度比をもつ 必要はないが、好ましい潤滑油は表面張力(N/m ) /粘度(Pa−see )比が4〜16 、 7 (m/sec)の範囲にある。 また、基油に他の添加剤、例えば流動点降下剤を0〜0.7重量%配合できるこ とも本発明の特徴である。ポリメタクリレート類等の公知流動点降下剤を使用す ることができる。これ以外の添加剤も配合することができる。例えば、所要の洗 浄剤、分散剤、腐蝕/請抑制剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、脱泡剤、金属不動化 荊、塑性変形点降下剤等を含む処方の市販添加物パッケージを0゜1重量%まで の量で使用することができる。但し、この場合には、APIサービス・レーティ ングに従ってその規定使用レヘルで使用する。適当な流動点降下剤はローン・チ ク(Rohn Tech)社のVi−scoplex−330である。 好ましい実施例では、本発明は以下の基本的成分を含む潤滑油組成物を提供する ものである。 成分 使用量(重量%) a)基油 7O−92 b)粘度指数向上剤 3−15 C)表面張力調整]!Fl 3−15 但し、表面張力(N/s)/粘度(Pa−sec)比の範囲は4〜16.7(m /5ec)である。 本発明潤滑油組成物の基油は、内燃機関に通常使用されている任意の潤滑油であ ればよい。本発明の場合、好ましい基油はベンゾイル・プロダクツ(Pennz oil Products)社の製品At1as シリーズである。 好ましくは、分散抑制剤(D【)パッケージを使用して、基油の表面張力を改善 する。適当なりIはアモコ(Amoco)社のAmoco6498及びAmoc o6919Gである。これら添加剤について、低剪断表面張力に関しては、Am oco6948D Iパッケージの方が^n+oco6919cよりすぐれてい る。 分散抑制剤パッケージ処方には、通常、摩耗防止成分、分散剤、洗浄剤及び酸化 防止剤が含まれている。例えば、Asoco6948は、側鎖がイソプロピル、 イソブチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−ブチル及びn−ペンチル を含む摩耗防止性ジアルキルジチオ燐酸亜鉛、ポリイソブチレンスクンミド分散 剤、洗浄剤としてのカルシウム/マグネシウムスルホネートフェネート、及びオ クチル置換ジフェニルアミドからなる無灰酸化防止剤を処方したDIパッケージ である。 2番目の適当なりIパッケージであるA■oco6919cは、側鎖としてイソ プロピル−1n−アルキル−1及び4−メチル−2−ペンチルをもつジアルキル ジチオ燐酸亜鉛を含んでいる。このパンケージはまた分散剤としてマンニンヒ塩 基、洗浄剤としてカルシウム/マグネシウムスルホネートフェネート、そして無 灰酸化防止剤としてオクチル置換ジフェニルアミドを含んでいる。 したがって、本発明は従来知られているよりも小さな摩擦で、内燃機関に摩擦作 用を与える改良潤滑油組成物を提供するものでもある。即ち、本発明は基油の粘 度及び表面張力を最適な値に調節することによって内燃機関の運転効率を高くす る方法を提供する。 以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はいかなる意味においてもこ れに制約されるものではない、特に断らない限り、部材は重量による。 実施例1 添加物を下記量で配合した本発明の配合物を調製した。これら配合物の基油はベ ンゾイル・プロダクツ社のAt1as P−100)IVI、At1as P− 1005E 、 At1as P−325HT 、及びAt1as P−600 SEである。 また、使用した分散抑制剤パッケージはアモコ・オイル社のAmoc。 6948及びAmoco6919Cであり、そして粘度指数向上剤はそれぞれシ ェル・オイル(Shell 0il)社及びテキサコ・オイル(Texaco  0i1)社の5hellvis200及びTexaco TLA7200Aであ る。流動点降下剤はローム・チク社のRholITech Viscolex− 330である。 成立 −t0% (A) At1as P−100)IVI 、78.48Jmoco 6948  12.11 Texaco TLA 7200A 8.88Rohm−Tech Visco plex 1−330 0.53(B) At1as P−100HVI 54 .94Atlas P−100SE 23.54Amoco 6948 12. 11 Texaco TLA 7200A 8.88Roh+a−Tech Visc oplex 1−330 0.53(C) At1as P−100HVI 2 3.54Atlas P−1005E 54.94Amoco 6919C12 ,11 Texaco TLA 7200A8.88Rot+m−Tech Visco plex 1−330 0.53(D) At1as P−1008V1 23 .54Atlas P−1005E 54.94Amoco 6948 12. 11 Shellvis 200 8.88 Rohm−Tech Viscoplex 1−330 0.53(E) At 1as P−100HVI 54.94Atlas P−100SE 23.5 4Amoco 6919C12,11 Shellvis 200 8.88 Rohs−Tech Viscoplex 1−330 0.53(F) At 1as P2O3HVI 23.54Atlas P−100SE 54.94 Amoco 6919C12,11 Shellvis 200 8.88 Rohm−Tech Viscoplex 1−330 0.53(G) At 1as P−100HVI 54.94Atlas P2O3SE 23.54 Aa+oco 6919C12,11 Texaco TLA 7200^ 8.88Rohm−Tech Visco plex 1−330 0.53(H) At1as P−100HVr 23 ;54Atlas P−100SE 54.94Amoco 6948 12. 11 Texaco TLA 720OA 8.88Roh+m−Tech Visc oplex 1−330 0.53(1) At1as P−100HVI 5 4.94Atlas P−100SE 23.54Amoco 6948 12 .11 Shellvis 200 8.88 Roho+−Tech Viscoplex 1−330 0.53(J) A t1as P−100HVI 81.2111woco 6919C10,90 Shellvis 200 7.36 Rohm−Tech Viscoplex 1−330 0.53(K) At 1as P−100SE 55.06Atlas P−325HT 30.53 As+oco 6919C9,63 Shellvis 200 4.47 Rohm−Tech Viscoplex 1−330 0.31(L) At 1as P−100SE 58.61Atlas P−325HT 21.90 Amoco 6919C10,74 Shellvis 200 8.44 Rohm−Tech Viscoplex 1−330 0.31(M) At 1as P−100HVT 84.23Amoco 6919C10,90 Shellvis 200 4.34 Rot+m−Tech Viscoplex 1−330 0.53(N) A t1as P−325HT 51.52Atlas P−600SE 34.0 2Amoco 6919C9,51 Shellvis 200 4.80 Rohm−Tech Viscoplex 1−330 0.15(0) At 1as P−100SE 44.03Atlas P−325HT 37.04 Amoco 6919C10,70 Shellvis 200 7.92 Rohs−Tech Viscoplex 1−330 0.31以上、本発明 を好ましい実施例について説明してきたが、当業者にとっては自明なように、本 発明は各種変更が可能であり、したがってこれら実施例には制限されないもので ある。 ピストン上の距IIIl(mm) FIG、 I FIG、2 潤滑油 FIG、 3 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0ベアリング数(G) Q 20 40 60 80 ベアリング数(G) FIG、7 ベアリング数(G) FIG、 9 FIG、 10 FIG、 11 巧 FIG、 12 0.0 0.5 LO1,5 実験b(nvn) FIG、15 補正書の翻訳文提出書(特許法第184条の8)平成 5年 8月20日

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)合成潤滑油を内燃機関に使用して、摩擦損失を抑制するとともに燃料経済 を改善することによって効率のよい潤滑作用を実現する方法において、 代表的な運転条件に達するまでエンジンを運転する工程、潤滑油の粘度が2×1 0−3〜5×10−3Pa−secの範囲にあるかどうかを、そして測定エンジ ン運転温度における潤滑油剪断速度が106sec−1で滑滑油の表面張力が2 ×10−2〜5×10−2ニュートン/mの範囲にあるどうかを測定する工程、 所定の粘度調整添加剤を潤滑油に配合して、粘度を上記範囲内に調整する工程、 そして 所定の表面張力調整添加剤を潤滑油に配合して、表面張力を少なくとも5×10 −2ニュートン/mに調整する工程、からなる効率のよい潤滑作用を実現する方 法。
  2. (2)100〜120℃の温度範囲において106sec−1の剪断速度で測定 した粘度が2×10−3〜5×10−3Pa−secの範囲に、そして表面張力 が1×10−2ニュートン/m〜5×10−2ニュートン/mの範囲にある潤滑 油を用意する工程、使用時の潤滑油の粘度を求める工程、そして適当な粘度及び 表面張力調整添加剤を潤滑油に配合して、使用時のその粘度を上記範囲に調整す るとともに、表面張力を実際的に最大の値まで大きくする工程、 からなる潤滑油の特性を改善する方法。
  3. (3)表面張力をほぼ5×10−2ニュートン/mまで高める請求項2に記載の 方法。
  4. (4)エンジン運転時の潤滑油の作動温度を求める工程、対応する粘度値(Pa −sec)を求める工程、潤滑油の対応する表面張力値(ニュートン/m)を求 める工程、潤滑油に粘度調整剤を配合して、潤滑油粘度を3×10−3〜5×1 0−3Pa−secの範囲に維持する工程、そして、潤滑油に表面張力調整剤を 記合して、表面張力を106sec−1の剪断速度で2×10−3ニュートン/ m以上の値に維持する工程、 からなる内燃機関運転時の潤滑油摩擦損失を抑制する方法。
  5. (5)十分な量の表面張力調整剤を配合して、表面張力を5×10−3ニュート ン/mまで高める請求項4に記載の方法。
  6. (6)シリンダ内部で往復するピストンを備え、該ピストンにシールリングを設 けるとともに、該シールリングの湾曲外周面を隣接ライナ面の外側に押圧係合す るように設けた所定の内燃機関の運転効率を、該シールリングの湾曲外面と該隣 接シリンダライナ面との間に形成した潤滑油膜により生じる摩擦損失を制御する ことによって向上させる方法において、(a)該ピストンが中間ストローク位置 にあるときに、該シールリングの該外周面と該隣接ライナ面との間にある該潤滑 油膜の厚みプロファイルを求める工程、 (b)最小潤滑油膜厚みhoの厚みプロファイル値からピストンリングの濡れ長 さb及びその全厚みBを求める工程、(c)次式: G=μ∞Ub2/ΔPBho2 (但し、Gはベアリング数、μ∞は動粘性率、Uはシリンダライナ粘度(m/s )、bはリングの濡れ幅、ΔPはリング弾性圧力(Pa)、Bはリング幅(mm )、そしてhoはリング下の最小潤滑油厚み(μm)である)に従ってベアリン グ数Gを求める工程、 (d)クラウンランド及びセコンドランドにおける平均潤滑油膜圧値を求める工 程、 (e)エンジン運転条件下該シールリングにおける潤滑油の摩擦係数fを次式: ▲数式、化学式、表等があります▼, (但し、ピストンリングの寸法に応じて変化する■の分布は、該ピストンリング は負荷荷重を受けている必要条件下で、レイノルズ方程式を解くことによって求 められるものとし、上流側圧力は■1とし、下流側圧力は■2とし、そして潤滑 油が該ピストンリングをでる場合に自由表面に加わる無次元剪断応力は、次式: ▲数式、化学式、表等があります▼ Ta=μ∞U/σo (但し、μ∞は高変形速度時に該ピストンリングと該ライナとの間にある該潤滑 油の粘度を示し、σoは低変形速度時の表面張力を表し、そしてσ■は潤滑油の 種類に関係無く500±75の範囲にある)により求められるものとする)に従 って求める工程、そして 該潤滑油に粘度調整剤を添加配合して、該潤滑油粘度を3×10−3〜5×10 −3Pa−secの範囲に調節するか、あるいは維持し、かつ該潤滑油に表面張 力調整剤を添加配合して、表面張力を2×10−2N/m以上、好ましくは2× 10−2〜5×10−2N/mの範囲にある値に調節するか、あるいは維持する ことによって、十分な潤滑作用を維持した状態で、該摩擦係数を小さくし、対応 する摩擦損失を抑制する工程、からなる上記方法。
  7. (7)潤滑油膜の上記厚みプロファイルをレーザー誘導蛍光透視検査(LIF) 法によって求める請求項6に記載の方法。
  8. (8)流体粘度が3×10−3〜5×101−3Pa−secの範囲にあり、そ して表面張力が少なくとも2×10−2N/mである多粘度基油潤滑油からなり 、該流体粘度及び表面張力が運転エンジンの所定運転温度で求めた値である改良 組成物。
  9. (9)表面張力が2×10−2〜5×10−2N/mの範囲にある請求項8に記 載の改良組成物。
  10. (10)表面張力(N/m)/粘度(Pa−sec)比が4〜16.7(m/s ec)の範囲にある請求項8に記載の改良組成物。
  11. (11)基油流体と、 3×10−3〜5×10−3P−secの範囲にある潤滑油を与えるのに十分な 量で基油流体に添加配合する粘度調整成分と、そして 2×10−2N/m以上の滑滑油表面張力を与えるのに十分な量で基油流体に添 加配合した表面張力調整成分とからなり、運転エンジンの選択した潤滑部分にお ける測定温度に対応する温度で上記潤滑油粘度及び表面張力値を求めた請求項8 に記載の改良組成物。
  12. (12)上記粘度調整成分を約3〜15重量%含み、そして上記表面張力調整成 分を含む分散抑制パッケージを約3〜15重量%含む請求項11に記載の改良組 成物。
  13. (13)流動点降下量の流動点降下剤をさらに含む請求項11に記載の改良組成 物。
  14. (14)表面張力調整成分が分散剤、洗浄剤、あるいはこれらの混合物である請 求項11に記載の改良組成物。
  15. (15)摩擦を抑制し状態で、かつ高い運転効率で内燃機関を運転する方法にお いて、請求項8に記載の潤滑油組成物の有効量を上記内燃機関に添加配合し、そ して所定の運転条件で上記内燃機関を運転することからなる内燃機関の運転方法 。
  16. (16)対象とする特定型式の内燃機関に最適な摩擦作用を与える方法において 、 摩擦作用を与える所定の潤滑油を使用した状態で、対象となる特定型式の試験エ ンジンを所定の負荷及び運転条件で運転する工程、 上記の所定負荷及び運転条件下にある潤滑油の粘度及び表面張力の経時変化を求 めるとともに監視する工程、粘度調整剤及び表面張力調整剤を潤滑油に選択的に 添加配合して、上記負荷及び運転条件下で最適なエンジン効率及び関連する燃料 経済を得ることによって潤滑油の粘度及び表面張力を調整する工程、 上記エンジンの上記最適効率運転に対応する潤滑油粘度値及び表面張力値の範囲 を求める工程、そして、潤滑作用を与える所定潤滑油を使用した状態で、所定負 荷及び運転条件下で、粘度及び表面張力調整剤を添加配合することによって、上 記特定型式の他のエンジンを潤滑するのに使用する潤滑油の粘度及び表面張力を 監視するともに調整することによって、上記他のエンジンの運転者が最適なエン ジン効率を維持できる潤滑油維持パラメータを確定する工程、上記の所定負荷及 び運転条件下にある潤滑油の粘度及び表面張力の経時変化を求めるとともに監視 する工程、粘度調整剤及び表面張力調整剤を潤滑油に選択的に添加配合して、上 記負荷及び運転条件下で最適なエンジン効率及び関連する燃料経済を得ることに よって潤滑油の粘度及び表面張力を調整する工程、 上記エンジンの上記最適効率運転に対応する潤滑油粘度値及び表面張力値の範囲 を求める工程、 からなる上記方法。
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