JPH06494A - バイオリアクター用成形物 - Google Patents

バイオリアクター用成形物

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JPH06494A
JPH06494A JP4182979A JP18297992A JPH06494A JP H06494 A JPH06494 A JP H06494A JP 4182979 A JP4182979 A JP 4182979A JP 18297992 A JP18297992 A JP 18297992A JP H06494 A JPH06494 A JP H06494A
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gel
fibrous
fibers
bioreactor
fibrous gel
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JP4182979A
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Tamemaru Ezaki
為丸 江嵜
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維状ゲルあるいは繊維に酸素を均一、かつ
充分に供給することが可能なバイオリアクター用成形物
であって、該成形物を用いて生体触媒反応をリアクター
内で工業的規模で実施することが可能なバイオリアクタ
ー用成形体を提供する。 【構成】 (1)コルゲート状断面からなる通気孔を有
する短冊状ベースまたは複数のパイプ状断面からなる通
気孔を有する短冊状ベースの通気孔の近傍に、繊維状ゲ
ルあるいは繊維を林立状に固定したバイオリアクター用
成形物。 (2)コルゲート状断面からなる通気孔を有するシート
状の短冊状ベースまたは複数のパイプ状断面からなる通
気孔を有するシート状の短冊状ベースの通気孔の近傍
に、繊維状ゲルあるいは繊維を並列状に固定し、該シー
ト状のベースを巻き上げてなる構造を有するバイオリア
クター用成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排水処理や発酵反応に
用いられる微生物や酵素などの生体触媒を包括固定した
繊維状ゲルあるいは繊維の保持固定化構造に関する。さ
らに詳しくは、極めて多数本の繊維状ゲルあるいは繊維
を実用化レベルで用いる場合において、極めて多数本の
繊維状ゲルあるいは繊維の各々に、酸素(空気)を均一
かつ充分に供給することを可能とするバイオリアクター
用成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体触媒固定化成形物としては粒
状ゲルが知られており、ゲルの素材としてはポリビニル
アルコール(以下PVAと略記する)を使用することも
知られている。さらに、PVAゲルを繊維状に成形する
ことも知られている(例えば特開平2−112407号
公報、特開平2−211875号公報)。しかしなが
ら、これらのゲルが粒状ゲルである場合には、その表面
積が小さいことから生体触媒の固定化量を増加すること
ができず、その結果、活性が高く、かつ効率の高い処理
はできなかった。この問題を解決するために、粒状ゲル
の粒径を小さくし、その充填密度を高くすることも考え
られるが、粒状ゲルの粒径を小さくした場合には、処理
液の偏流が生じたり、粒状ゲルが系外へ流失するなどの
トラブルが生じたり、充填された全体のゲルへ酸素の供
給を充分に行うことができないために固定化された生体
触媒の効率が低く、場合によっては固定化された生体触
媒が死滅するなどの問題が生じていた。
【0003】これの問題を解決する一手段として、ゲル
を繊維状にすることにより、生体触媒固定面積をより増
大させることも考えらえるが、繊維状ゲルを工業的規模
で使用するためには、極めて多数本の繊維状ゲルを用い
なければならない。しかしながら、包括固定した生体触
媒の活性を充分に発現させるために、バイオリアクター
内に極めて多数本の繊維状ゲルを効果的に設置し、これ
らの繊維状ゲルに均一にしかも充分に酸素を供給するこ
とのできるバイオリアクター用成形物は知られていなか
った。
【0004】上記の特開平2−112407号公報に
は、繊維状ゲルを使う場合の形態として、織物、編物、
布帛状等が記載されている。しかし、繊維状ゲルを単に
織物や編物などの布状体に仕立てる方法は、多数枚の布
状体をバイオリアクター内に固定設置するのが難しく、
また仮に固定設置したとしても酸素の均一な供給が難し
く、さらに酸素を供給するためのエネルギー負荷も大き
い。また多数枚の布状体をバイオリアクター内に非固定
で入れた場合には、布状体が偏在状態となり、酸素の均
一な供給ができず、高い処理効率を得ることは難しい。
【0005】また上記の特開平2−211875号公報
には、2リッターの曝気槽中の散気管の周囲に、繊維状
ゲルの一端を束ねて取り付け、これを用いて人工下水を
浄化する実験が開示されている。しかしながら、繊維状
ゲルの一端を束ねる方法は、実験室的規模での実施は可
能であっても、工業的規模での実施は不可能と言わざる
を得ない。その理由は、活性を高めるために生体触媒を
固定した繊維状ゲルあるいは繊維を極めて多数本用いな
ければならず、それらの繊維状ゲルあるいは繊維各々に
充分な酸素を供給することが難しく、また高活性状態を
長時間持続させることは、工業的規模の場合には不可能
であるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バイ
オリアクター内において、極めて多数本の繊維状ゲルあ
るいは繊維を用いて工業的規模で生体触媒反応を効率良
く実施することが可能なバイオリアクター用成形物を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに鋭意検討した結果、コルゲート状断面からなる通気
孔を有する短冊状ベースまたは複数のパイプ状断面から
なる通気孔を有する短冊状ベースの通気孔の近傍に、繊
維状ゲルあるいは繊維を林立状に固定したバイオリアク
ター用成形物を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、バイオリアクター内において、生体触媒反応を行わ
せるための生体触媒を包括固定した繊維状ゲルあるいは
繊維を固定化した成形物に関するものであり、繊維状ゲ
ルあるいは繊維としては生体触媒を包括固定したもので
も包括固定していないものでも良いが、生体触媒を包括
固定したものの方が好ましい。また、繊維状ゲルあるい
は繊維としては有機繊維または無機繊維でも良い。以
下、言葉の繁雑さを避けるために、繊維状ゲルの場合に
ついて説明している。
【0009】ゲル基材の内部に包括固定化される生体触
媒としては、微生物、酵素、動植物細胞などが挙げられ
るが、特に限定されるものでない。微生物は、細菌、放
線菌、カビ、酵母などのいずれでもよく、純粋培養で取
得されたものでも、混合培養で取得されたものでも、ま
た活性汚泥菌であってもよい。微生物としては例えば、
ムコール(Muccor)属、フザリウム(Fusar
ium)属、クラドツリックス(Cladothri
x)属、スフェロチルス(Sphaerotilus)
属、ヅーグレア(Zoogloea)属、レプトミッス
(Leptomitus)属、アスペルギルス(Asp
ergillus)属、リゾプス(Rhizopus)
属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ア
セトバクター(Asetobacter)属、ストレプ
トマイセス(Streptomyces)属、エシエリ
シア(Escherichia)属、サッカロマイセス
(Saccharomyces)属、キャンディダ(C
andida)属などの属に属する微生物が挙げられ、
イオウ細菌、メタン菌、酪酸菌、乳酸菌、枯草菌、変形
菌、不全菌、硝酸菌、亜硝酸菌なども例示される。ま
た、排水処理を目的とする場合には、タンパク質分解酵
素、炭水化物分解酵素、脂肪分解酵素を生産する菌を固
定化することが望ましい。酵素としては、その起源にか
かわらず、動物由来のもの、微生物由来のものなどを任
意に選ぶことができる。酵素の代表例として、ラクテー
トデヒドロゲナーゼ(1.1.2.3)、ラクテートオ
キシダーゼ(1.1.3.2)、グルコースオキシダー
ゼ(1.1.3.4)、ホルメートデヒドロゲナーゼ
(1.2.1.3)、アルデヒドオキシダーゼ(1.
2.3.1)、キサンチンオキシダーゼ(1.2.3.
2)、ピルビン酸オキシダーゼ(1.2.3.3)、ピ
ルビン酸リダクターゼ(1.2.4.1)、コルチゾン
−α−リダクターゼ(1.3.1.4)、アシルCoA
−デヒドロゲナーゼ(13.99.3)、3−ケトステ
ロイド△1−デヒドロゲナーゼ(1.3.99.4)、
3−ケトステロイド△4−デヒドロゲナーゼ(1.3.
99.5)、L−アラニンデヒドロゲナーゼ(1.4.
1.1)、L−グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(1.
4.1.3)、L−アミノ酸オキシダーゼ(1.4.
3.2)、D−アミノ酸オキシダーゼ(1.4.3.
3)、ピリドキサールリン酸オキシダーゼ(1.4.
3.5)、カタラーゼ(1.11.1.6)、カテコー
ルメチルトランスフェラーゼ(2.1.1.6)、カル
ニチンアセチルトランスフェラーゼ(2.3.1.
7)、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ
(2.3.1.9)、アスペルテ−トアミノトランスフ
ェラーゼ(2.6.1.1)、アラニンアミノトランス
フェラーゼ(2.6.1.2)、ピリドキサミンピルベ
ートトランスフェラーゼ(2.6.1)、ヘキソキナー
ゼ(2.7.11)、グルコキナーゼ(2.7.1.
2)、フルクトキナーゼ(2.7.1.4)、ホスホグ
ルコキナーゼ(2.7.1.10)、ホスホフルクトキ
ナーゼ(2.7.1.11)、ピルベートキナーゼ
(2.7.1.40)、カルボキシエステラーゼ(3.
1.1.1)、アリールエステラーゼ(3.1.1.
2)、リパーゼ(3.1.1.3)、ホスホリパーゼA
(3.1.1.4)、アセチルエステラーゼ(3.1.
1.6)、コレステロールエステラーゼ(3.1.1.
13)、グルコアミラーゼ(3.2.1.3)、セルラ
ーゼ(3.2.1.4)、イヌラーゼ(3.2.1.
7)、α−グルコシダーゼ(3.2.1.20)、β−
グルコシダーゼ(3.2.1.21)、α−ガラクトシ
ダーゼ(3.2.1.22)、β−ガラクトシダーゼ
(3.2.1.23)、インベルターゼ(3.2.1.
26)、ベプシン(3.4.4.1)、トリプシン
(3.4.4.4)、キモトリプシンA(3.4.4.
5)、カテプシンA(3.4)、パパイン(3.4.
4.10)、トロンビン(3.4.4.13)、アミダ
ーゼ(3.5.1.4)、ウレアーゼ(3.5.1.
5)、ペニシリンアシダーゼ(3.5.1.11)、ア
ミノアシラーゼ(3.5.1.14)、アデニンデアミ
ナーゼ(3.5.4.2)、A.T.P.アーゼ(3.
6.1.3)、ピルベートデカルボキシラーゼ(4.
1.1.1)、オキザレートデカルボキシラーゼ(4.
1.1.2)、トリプトフアンデカルボキシラーゼ
(4.1.1.27)、アルドラーゼ(4.1.2.1
3)、マレートシュターゼ(4.1.3.2)、トリプ
トフアンシダーゼ(4.2.1.20)、アスペルター
ゼ(4.3.1.1)、リジンラセマーゼ(5.1.
1.5)、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ(5.
3.1.9)、ステロイド△−イソメラーゼ(5.3.
3.1)、マクシニルCoAシンセターゼ(6.2.
1.5)〔(註)カッコ内の数字は酵素番号を表わ
す。〕などを挙げることができる。また、動植物細胞と
しては、成長点細胞、カルス、胚芽などを例示すること
ができる。
【0010】上記の生体触媒を包括固定した繊維状ゲ
ル、例えばPVA系繊維状ゲルは、例えば上記の特許公
開公報の製造方法によって得られるが、これらに限定さ
れるものではない。上記の特許公開公報のなかでも、種
々の点でバイオリアクターで用いるのに最適なゲル状繊
維が得られる点で、特開平2−211875号公報に記
載された製造方法の方が好ましい。即ち、PVAと、陽
イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分
子多糖類と、それに生体触媒とを加えてなる混合水溶液
を、ノズルから、凝固液となる陽イオン含有化合物を含
有する水溶液中に吐出させることによって繊維状とな
し、この得られた繊維状物を−5℃以下での凍結とそれ
に続く解凍からなる処理を少なくとも1回施すことによ
って得られる製造方法が好ましい。PVAとしては、平
均重合度が1000以上が好ましく、1700以上がよ
り好ましく、2500以上がさらにより好ましい。PV
Aのケン化度は98.5モル%以上が好ましく、99.
85モル%以上の完全ケン化がより好ましい。また本発
明の目的を阻害しない範囲において種々の変性PVAを
用いることもできる。また、シンジオタクティシティー
の高いPVAを用いることもできる。
【0011】陽イオンとの接触によりゲル化する能力の
ある水溶性高分子多糖類としては、アルギン酸のアルカ
リ金属塩、カラギーナン、マンナン、キトサン等が挙げ
られるが、そのなかでもアルギン酸ナトリウムやk−カ
ラギーナンが特に好ましい。PVAと水溶性高分子多糖
類との混合割合(重量比)は、35:65ないし95:
5の範囲が好ましい。凝固液となる陽イオンを含有する
化合物としては、塩化カルシウム(CaCl↓2)が好
ましい。水性の凝固液の濃度は0.05〜1.0モル/
l、より好ましくは0.1〜0.5モル/lである。ま
たk−カラギーナンを使用する場合には、硫酸カリウム
又は硫酸アルミニウム0.05〜1.0モル/lをそれ
ぞれ硫酸ナトリウム0.1〜2モル/lと共に使用する
のが好適である。
【0012】PVA混合水溶液におけるPVA濃度は、
PVAゲル形成能の範囲から3〜40重量%が可能であ
る。PVA濃度が高い程、より強固なゲルが生成する
が、必要なゲル強度が得られるのであれば、PVA濃度
が低い方がゲル基材の生体触媒に対する親和性が高く、
含水率が高く、基質並びに酸素の透過性も良好となる傾
向があり、目的によりPVA濃度を選択する必要があ
る。
【0013】PVA混合水溶液に添加する水溶性高分子
多糖類の濃度は、水に対して0.2〜4重量%が好まし
く、0.5〜2重量%がさらに好ましい。水溶性高分子
多糖類の濃度が0.2重量%未満ではゲルの耐久性並び
に強度が不充分であり、4重量%より大では固いゲルが
得られるが、基質並びに酸素の透過性が阻害されること
から、生体触媒の活性が不充分となり、またゲルの繊維
強度も低く、脆くなることから好ましくない。
【0014】ノズルの孔径は0.1〜5mmが用いら
れ、0.1〜2mmがより好ましい。
【0015】繊維状ゲルの直径は、通常0.05〜7m
mである。この繊維状ゲルは、凝固浴水溶液と分離して
そのまま又は水洗した後−5℃以下に凍結させる。より
強力なPVAゲルを得るには−20℃以下での凍結が必
要である。凍結保持時間は2時間以上、好ましくは10
時間以上がよい。凍結処理したゲル化物は、次に生体触
媒に悪影響を及ぼさない温度範囲に放置して解凍するこ
とによって繊維状のPVAが得られる。このゲルが必要
な強度に達しない場合には、好ましくは2回以上の冷凍
−解凍処理を繰り返せばよい。
【0016】上記の方法はゲル状繊維単独でのゲルの強
度向上方法であるが、繊維構造を、強度の優れた通常の
繊維を補強材として芯部に有し、ゲルがその芯部を覆う
鞘とした芯鞘構造とすることによって、ゲル状繊維強度
を飛躍的に向上させ、ゲル状繊維の切断の恐れのないも
のとすることができる。芯鞘構造ゲル状繊維の製造方法
の一例としては、上記ゲルとなるべきPVA混合原液
を、強度の優れた通常の繊維とともにノズルから上記凝
固浴中に吐出させることによって得られる。芯材として
使用される繊維としては、反応槽での使用に耐えること
のできる強度をもつものであれば、特に制約はない。例
えば、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨンなど
の再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド
系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、
ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリロニト
リル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリウレ
タン系、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系、フ
ェノール系、ポリフルオロエチレン系などの合成繊維、
ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維が挙げられるが、
バイオリアクター内での耐久性を考えると、生体触媒に
よる分解を受けない合成繊維が好ましい。またこの芯剤
として使用される繊維の形態としては、鞘部となるゲル
の固着性に優れた形態、すなわち毛羽のあるスパン糸や
タスランなどの加工をした繊維が好ましい。
【0017】本発明は、このようにして得られた生体触
媒を固定したPVA系繊維状ゲルを、高密度でありなが
ら、固定した生体触媒の生存に不可欠な酸素を微小な泡
状で各繊維状ゲルの近傍をむらなく通過させるように構
成することが基本的な考えである。図1の(イ)、
(ロ)、(ハ)、(ニ)に示すように、コルゲート状断
面からなる通気孔を有する短冊状ベース2または複数の
パイプ状断面からなる通気孔を有する短冊状ベース2の
通気孔の近傍に、極めて多数本の繊維状ゲル1が互いに
適度な等間隔をおいて高密度に接合された形の構造をな
しており、その下方から送り込む酸素(空気)がベース
の通気孔を通り、接合された繊維状ゲルの回りで、その
下方から上方へ供給できるようにしたものである。この
ような通気孔の断面積は0.2〜80mm↑2が好まし
く、3〜30mm↑2がより好ましい。
【0018】図2の(イ)は、図1の(イ)に示された
コルゲート状断面からなる通気孔を有する短冊状ベース
2の通気孔の近傍に、適度な間隔をおいて並列的に接合
して得られたシート状ベースを巻き上げて得られた成形
物3である。図2の(ロ)は、図1の(イ)に示された
コルゲート状断面からなる通気孔を有する短冊状ベース
2の通気孔の近傍に、適度な間隔をおいて並列的に接合
して得られたシート状ベースを重ね合せて得られた成形
物3である。上記の製作方法により理解されるように、
繊維状ゲルの間隔は、該繊維状ゲルをシート上に張り付
ける際の、その繊維状ゲル間の間隔と短冊状シートの厚
みによって定まる。従って、そのベースの孔の中を曝気
空気が良好に上昇できる範囲内で繊維状ゲルの間隔を密
に設定することができ、高密度な植え込み構造を可能に
するものである。なお繊維状ゲルの短冊状ベースへの接
合は、シート状ベースの巻き上げ成形時に繊維状ゲルの
位置がずれない程度で良く、曝気空気のベース通気構造
を潰さない点からも、軽い点接着程度の仮止め固定で充
分である。
【0019】かかる短冊状ベースは、繊維状ゲルの端末
を保持固定できること、保持固定した繊維状ゲルの近傍
にむらなく曝気空気が供給できること、しかもその曝気
空気の供給を出来るだけ小さい圧力損失で行うことがで
きることが必要である。その観点から、短冊状ベース
は、その短辺の長さを適宜調整すれば良く、短冊状ベー
スの素材としては、耐水性を有し、硬めで、かつ処理水
により劣化しないものが好ましい。
【0020】本発明の成形体3のバイオリアクター4へ
の設置は、代表的には、図3で示されるようにバイオリ
アクター下部へ設置し、その下方から、フィルター6を
経て曝気空気を送り込む方法が採用される。
【0021】本発明の成形体は、その構造から、繊維状
ゲルの繊維束部分並びに繊維状ゲルの末端固定部分を、
返液孔を有する円筒状体5で包んだカートリッジ化した
構成とすることができる。このカートリッジ化成形体4
は取扱い性がよいので、その使用目的によっては、この
ような構成とすることが推奨される。
【0022】本発明は上記のように構成したので、次の
ような効果を有する。即ち、 (1)繊維状ゲルあるいは繊維を用い、好ましくは生体
触媒を固定化した繊維状ゲルを用いて、しかもそれを高
密度化し、さらに高密度化されているにかかわらず、そ
れぞれの繊維状ゲルあるいは繊維に対して、生体触媒に
不可欠な酸素を均一にしかも充分に供給できるようにし
たので、バイオリアクターの高速処理が可能となる。 (2)また酸素供給性と触媒活性が高いので、生体触媒
反応を極めて効率よく行うことができ、汚水処理に用い
た場合には、汚泥発生量の低下となる。 (3)カートリッジ化が可能で、その取扱い性がよい。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。 実施例1: (株)クラレ製PVA(平均重合度400
0、ケン化度 99.85モル%)を40℃の温水で約
1時間洗浄後、PVA濃度が10重量%になるようにP
VAに水を加え全量を400gにし、pH6に調整し
た。これをオートクレーブで、120℃、30分間処理
し、PVAを溶解した後、室温まで放冷した。このPV
A水溶液に4重量%アルギン酸ナトリウム水溶液200
gを加えて混合し、さらに(株)クラレ岡山工場(岡山
県岡山市海岸通り1丁目2番1号)の排水処理槽により
採取し、濃縮操作を施して得られた活性汚泥(MLSS
80000 mg/リットル)を200g加え、充分
に攪拌した。この混合液を、内径1.2mmの注射針状
の吐出口より、(株)クラレ製のポリエステル紡績糸
(20番手)とともに吐出させた。吐出口は0.2モル
/lの塩化カルシウム(CaCl↓2)水溶液に浸漬さ
せ、吐出物を毎分5mの速度で引きとった。吐出物のC
aCl↓2水溶液への滞留時間は1分間とした。吐出物
はCaCl↓2水溶液との接触により直ちに糸の表面を
覆って凝固した。これを蒸留水で軽く洗浄した後、−2
0℃の冷凍庫で24時間凍結させ、その後、室温で解凍
した。さらにこの凍結、解凍操作を2回繰り返した。こ
れにより、不透明な褐色の柔軟性に富んだ芯鞘繊維状ゲ
ルが得られた。この繊維は、平均直径が1.2mm、引
張強力が101kg/cm↑2、含水率が94%であっ
た。この繊維を(株)クラレ岡山工場の活性汚泥曝気槽
に10日間浸漬させた。芯鞘繊維状ゲルの色が淡褐色か
ら濃褐色に変化したことから、活性汚泥の増殖が認めら
れた。また、培養前後で芯鞘繊維状ゲルの形状は変化し
なかったことから、芯鞘繊維状ゲルの耐久性も優れてい
ることが判明した。
【0024】また一方、上記繊維状ゲルを固定するコル
ゲート状断面からなる通気孔を有するシート状の短冊状
ベースとしては、単繊維繊度2デニールのビニロン製繊
維からなる目付100g/m↑2、厚み0.6mmの紙
を用い、短辺の長さ30mmのシート状の短冊状ベース
を用いた。
【0025】図1(イ)で示す如く、上記のシート状の
短冊状ベースの上に上記の繊維状ゲルの末端部を、その
間隔がほぼ2mmとなるように並列させ、長さが約10
00mmになるように切断し、接着剤にて固定した。次
にシート状の短冊状ベースを、その一端側から包帯を巻
き上げるようにして巻き上げ、図2(イ)で示される直
径5cmの成形体をつくった。
【0026】上記成形体を、内径60mm、高さ150
0mmの透明塩化ビニル製円筒形状のバイオリアクター
中へ図3の如く設置し、以下の人工下水を導入し、リア
クター下方から曝気用空気を吹き入れながら処理状況を
観察した。 《人工下水》(使用水は、以下の組成で、BOD240
00mg/lのものを80倍に希釈したもの) ペプトン:20g/l 肉エキス:16g/l 尿素:4g/l NaCl:1.2g/l KCl:0.56g/l MgSO4:0.4g/l Na2HPO4:4g/l CaCl2:0.56g/l
【0027】その結果を下記の表1に示す。本発明の成
形物は、バイオリアクター内に高密度に繊維状ゲルを充
填しているにもかかわらず、その個々のゲルの近傍を曝
気エアがむらなく通過するので、活性泥汚菌の活性度を
高め、それを長期にわたって維持できる。又曝気エネル
ギーも少なくてよい。
【0028】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明成形物の一例を説明する説明図である。
【図2】本発明成形物の一例を説明する説明図である。
【図3】本発明のカートリッジ化成形体を設置したバイ
オリアクターの一例概念図である。
【符号の説明】 1 繊維状ゲル 2 シート状の短冊状ベース 3 バイオリアクター用成形物 4 バイオリアクター 5 バイオリアクター内の筒状物 6 エアーフィルター

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コルゲート状断面からなる通気孔を有す
    る短冊状ベースまたは複数のパイプ状断面からなる通気
    孔を有する短冊状ベースの通気孔の近傍に、繊維状ゲル
    あるいは繊維を林立状に固定したバイオリアクター用成
    形物。
  2. 【請求項2】 コルゲート状断面からなる通気孔を有す
    るシート状の短冊状ベースまたは複数のパイプ状断面か
    らなる通気孔を有するシート状の短冊状ベースの通気孔
    の近傍に、繊維状ゲルあるいは繊維を並列状に固定し、
    該シート状のベースを巻き上げてなる構造を有するバイ
    オリアクター用成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5595425A (en) * 1994-04-25 1997-01-21 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Brake pressure control unit of vehicle load responsive type
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