JPH0649426A - エポキシ系接着剤および接着方法並びに膜モジュール - Google Patents

エポキシ系接着剤および接着方法並びに膜モジュール

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JPH0649426A
JPH0649426A JP11914193A JP11914193A JPH0649426A JP H0649426 A JPH0649426 A JP H0649426A JP 11914193 A JP11914193 A JP 11914193A JP 11914193 A JP11914193 A JP 11914193A JP H0649426 A JPH0649426 A JP H0649426A
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JP
Japan
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epoxy
adhesive
membrane
adherend
porous
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JP11914193A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Kumami
和久 熊見
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面処理することなく、ポリオレフィンなど
の多孔質被着体に対する接着性を高め、膜モジュールを
高温高圧下でも長期に亘り安定に使用する。 【構成】 オレフィン系ポリマーなどの低エネルギー表
面を有する多孔質被着体を、非芳香族エポキシ化合物
(脂肪族、脂環族又は脂環脂肪族エポキシ化合物など)
を含むエポキシ系接着剤で接着する。エポキシ化合物に
は、シクロヘキサン単位を有するグリシジルアミン型又
はグリシジルエーテル型エポキシ化合物などが含まれ
る。接着剤は、芳香族アミンなどの硬化剤、硬化促進剤
などを含んでいる。被着体には多孔質膜などが含まれ
る。多孔質中空糸膜の端部を前記エポキシ系接着剤で接
着封止した膜モジュールは、高温高圧下での封止性に優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系ポリマー
を主体とする被着体に対して接着性を有するエポキシ系
接着剤、この組成物を用いた接着方法及び膜モジュール
に関する。
【0002】
【従来の技術】逆浸透法、限外濾過法などにおいては、
ケースの端部で分離膜を封止した膜分離モジュール、特
に中空糸型膜分離モジュールが汎用されている。一方、
中空糸型膜分離モジュールによる分離操作は、一次側か
ら高圧下で中空糸膜に流体を供給し、流体中の所定の成
分を中空糸膜を通じて選択的に二次側に透過させ、非透
過成分を濃縮している。また、透過効率を高めるために
は、加熱流体を供給するのが有利である。このような中
空糸型膜分離モジュール、特に封止部には圧力履歴、熱
履歴が作用するので、モジュールには、中空糸束とケー
スとの間の高い封止性が要求される。
【0003】一方、ポリオレフィンやフッ素含有ポリマ
ーは、通常、表面エネルギーが小さく、接着に関与する
極性基を有しないため、これらのポリマーを含む被着体
の接着は、一般に困難である。そのため、これらの被着
体の接着には、ホットメルト型接着剤が使用されてい
る。
【0004】しかし、ホットメルト型接着剤は、一般に
粘度が高く耐熱性が低いため、汎用性に乏しい。特に、
膜分離モジュールのように、狭い空間に接着剤を注型に
より流し込んで接着させるのに適さない。
【0005】また、接着力を高めるため、被着体の表面
に物理的又は化学的処理を施す方法も知られている。特
に、接着力を向上させる上で有効な化学的処理剤とし
て、重クロム酸塩と濃硫酸とを含むクロム酸混液が知ら
れている。しかし、表面処理には長時間を要し、しかも
作業が煩雑である。例えば、前記クロム酸混液を用いる
と、表面処理に長時間を要するとともに、強い酸化剤で
あるため、危険性が高いこと、廃液処理が困難であるこ
となどの問題がある。また、特開平3−38221号公
報には、酸化剤によりポリオレフィン系中空糸を表面処
理することが開示されているが、前記と同様に作業が煩
雑である。
【0006】さらに、多孔質膜を用い、水などの液体に
溶存する気体を除去する場合、多孔質膜には、液体の非
透過性と、気体に対する選択的透過性が要求される。し
かし、前記多孔質膜を表面処理すると、膜分離に有効な
部位も表面処理され、親水化し易い。そのため、親水化
された部位で液体が透過する危険性がある。従って、分
離膜などには表面処理は適さない。
【0007】特開平3−68427号公報には、複数の
フッ素系多孔質中空分離膜の端部において膜内微細孔の
50%以上をポッティング材で埋めた膜分離モジュール
が提案されている。この膜分離モジュールは、フッ素系
多孔質中空分離膜の表面を、表面張力が小さな有機溶剤
で処理し、フッ素系多孔質中空分離膜の微細孔内に有機
溶剤を保持させた後、この状態でポッティング材を適用
し、ポッティング材を微細孔内に侵入させることにより
製造されている。
【0008】しかし、この方法で使用される有機溶剤は
揮散性を示すため、処理条件により、微細孔内の有機溶
剤の量が変動し、高い封止性を確実に付与できない場合
がある。しかも、有機溶剤で処理し、ポッティング材を
注入するため、簡単な操作で分離膜の端部を封止でき
ず、作業が煩雑である。
【0009】中空糸型膜モジュールでは、端部の封止用
接着剤として、ウレタン系接着剤が汎用されている。し
かし、ウレタン系接着剤は、一般に耐熱性及び耐薬品性
が低く、封止性が損われ易いため、常温で使用される膜
モジュールに限定して使用されている。
【0010】特公平3−47887号公報、特公平3−
64174号公報、特開平1−289884号公報およ
び特開平3−188927号公報には、耐熱性が比較的
高いビスフェノールA型エポキシ樹脂などを含むエポキ
シ系接着剤を用いた中空糸膜モジュールが開示されてい
る。また、特開平4−83518号公報には、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とビス(p−アミノシクロヘキシ
ル)メタンを含有するポッティング剤を用いた多孔質膜
モジュールが開示されている。
【0011】しかし、芳香族系エポキシ樹脂は、ポリオ
レフィンやフッ素含有ポリマーの中空糸が粗面を有する
多孔質であっても、接着性、ひいては封止性が小さい。
そのため、膜モジュールを用いて高温高圧下で被処理流
体を膜分離に供すると、封止部から短時間内に被処理流
体がリークし、膜分離操作を継続できなくなる。
【0012】これらの問題は、中空糸や平膜などの分離
膜に限らず、ポリオレフィンやフッ素含有ポリマーなど
を含む低エネルギー表面を有する被着体を接着する場合
にも同様に生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、表面処理しなくても、低エネルギー表面を有する被
着体に対して高い接着性を示すエポキシ系接着剤を提供
することにある。
【0014】本発明の他の目的は耐熱性の高いエポキシ
系接着剤を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、表面エネルギ
ーの小さな被着体に対しても高い接着性が得られる接着
方法を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、表面エネルギーの小
さな分離膜との接着性、耐熱性に優れるポッティング剤
で封止され、高温高圧下でも長期に亘り安定に使用でき
る膜モジュールを提供することにある。
【0017】
【発明の構成】本発明者は、これらの目的を達成するた
め鋭意検討の結果、オレフィン系ポリマーを主体とし、
必要に応じてフッ素含有ポリマーなどを含む粗面を有す
る被着体に対しても、非芳香族系エポキシ化合物が高い
接着力を有することを見いだし、本発明を完成した。
【0018】すなわち、本発明のエポキシ系接着剤は、
オレフィン系ポリマーを主体とし、粗面を有する被着体
の接着に適用される接着剤であって、非芳香族エポキシ
化合物を含んでいる。
【0019】また、本発明は、粗面を有する被着体を、
60゜以下の接触角を示す前記エポキシ系接着剤で接着
する接着方法;多孔質膜の少なくとも一部が、前記エポ
キシ系接着剤により接着されている膜含有構造体;およ
び多孔質中空糸膜の被着体の端部が前記エポキシ系接着
剤により封止されている膜モジュールを提供する。
【0020】前記エポキシ化合物には、分子中に少なく
とも1個のエポキシ基、好ましくは2個以上のエポキシ
基を有し、芳香環を含まない非芳香族系化合物、例え
ば、脂肪族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂
環脂肪族エポキシ化合物などが含まれる。エポキシ化合
物には、エピクロルヒドリンと、活性水素原子を有する
化合物、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ
基等を有する化合物との反応により得られるグリシジル
エーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポ
キシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物;二重
結合を過酢酸などの酸化剤で酸化したエポキシ化合物な
どが含まれる。
【0021】脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル
などのグリシジルエーテル型エポキシ化合物;ダイマー
酸などの多価カルボン酸とその無水物を原料とするグリ
シジルエステル型エポキシ化合物;脂肪族アミンを原料
とするグリシジルアミン型エポキシ化合物などが挙げら
れる。
【0022】一般に、脂肪族エポキシ化合物を用いた場
合、硬化物の耐熱性が低くなる問題がある。このような
場合、3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、
例えば、グリセリントリグリシジルエーテルなどを用い
ると、耐熱性を高めることができるので好ましい。
【0023】脂環族エポキシ化合物および脂環脂肪族エ
ポキシ化合物としては、例えば、水添ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水添ビス
フェノールS型エポキシ樹脂、水添フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシシクロヘキシ
ル)エタン、1,2−ジグリシジルオキシシクロヘキサ
ン、1,3−ジグリシジルオキシシクロヘキサン、1,
4−ジグリシジルオキシシクロヘキサンなどのグリシジ
ルエーテル型エポキシ化合物;ジグリシジルテトラヒド
ロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、
ジメチルグリシジルヘキサヒドロフタレートなどのグリ
シジルエステル型エポキシ化合物;N,N−ジグリシジ
ルアミノシクロヘキサン、2−メチル−N,N−ジグリ
シジルアミノシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−
4−グリシジルオキシシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−N,N−ジグリシジルアミノシクロヘキシル)メ
タン、1,2−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス
(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン
などのグリシジルアミン型エポキシ化合物;アリサイク
リックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポ
キシアジペートなどのシクロヘキセン環の二重結合を酸
化した脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。
【0024】また、他のエポキシ化合物には、トリグリ
シジルイソシアヌレート等の含複素環エポキシ化合物;
ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシ
アルキルヒダントインなどのヒダントイン型エポキシ化
合物;3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンな
どを原料とするスピロ環含有エポキシ化合物なども含ま
れる。
【0025】これらのエポキシ化合物は単独又は二種以
上の混合物として使用できる。
【0026】前記エポキシ化合物には、必要に応じて、
ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル
などの単官能反応性希釈剤を添加してもよい。
【0027】前記エポキシ化合物のなかで、脂肪族エポ
キシ化合物、脂環族エポキシ化合物、および脂環脂肪族
エポキシ化合物、特にシクロヘキサン単位を有する脂環
族又は脂環脂肪族化合物は、低エネルギー表面を有する
被着体、例えば、ポリオレフィンを含む被着体に対する
親和性及び接着性が特に高く、耐熱性も高い。前記シク
ロヘキサン単位としては、テトラヒドロフタレート単位
や、下記の単位が挙げられる。
【0028】
【化2】 (式中、R1 およびR2 は同一又は異なって、水素原子
又はメチル基を示す)また、グリシジルアミン型エポキ
シ化合物は、耐熱性の高い硬化物を与える。特にシクロ
ヘキサン単位を含むグリシジルアミン型エポキシ化合
物、なかでも2〜4個のグリシジル基を有するグリシジ
ルアミン型エポキシ化合物は、被着体に対する親和性及
び接着性のみならず、耐熱性の高い硬化物を生成する。
このようなエポキシ化合物には、例えば、1,2−ビス
(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサ
ン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチ
ル)シクロヘキサン、1,4−ビス(N,N−ジグリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが含まれる。特
に好ましいエポキシ化合物には、1,3−ビス(N,N
−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが含
まれる。
【0029】また、シクロヘキサン単位を含むグリシジ
ルエーテル型エポキシ化合物は、適度な柔軟性を有する
硬化物を与える。
【0030】このようなエポキシ化合物は、接着性を損
わない範囲で、芳香環を有するエポキシ化合物と併用し
てもよい。芳香族系エポキシ化合物には、例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など
が含まれる。非芳香族系エポキシ化合物と、芳香族系エ
ポキシ化合物との割合は、非芳香族系エポキシ化合物/
芳香族系エポキシ化合物=25〜100/75〜0(重
量比)、好ましくは35〜100/65〜0(重量比)
である。芳香族系エポキシ化合物の割合が多くなると、
接着強度が低下する。
【0031】本発明のエポキシ系接着剤は、慣用の硬化
剤及び/又は硬化促進剤を含んでいる。これらの化合物
は前記エポキシ化合物の種類に応じて適当に選択でき
る。硬化剤には、アミン系硬化剤、ダイマー酸などの多
価カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとの反応によ
り得られるポリアミノアミド系硬化剤、酸または酸無水
物系硬化剤などが含まれる。
【0032】アミン系硬化剤としては、例えば、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族アミン;メ
ンセンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジシク
ロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサンなどの脂環族アミン;2,4−ジアミノト
ルエン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジア
ミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミ
ン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミンなどの単環
式芳香族ジアミン;3,5−ジアミノ−4−クロロ安息
香酸アルキルエステル;4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタンなどのジアミノジフェニルメタン;
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホンなどの
ジアミノジフェニルスルホン;4,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル;N−アミノエチルピペラジンなどの複
素環系アミン;3,9−ビス(3−アミノプロピル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカンなどのスピロ環系アミンなどが例示される。
【0033】酸又は酸無水物系硬化剤としては、例え
ば、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物ポ
リアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物などの脂
肪族カルボン酸無水物とそのカルボン酸;メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセン
ジカルボン酸無水物、無水ヘット酸などの脂環族カルボ
ン酸無水物とそのカルボン酸;無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、テトラブロモ無水フタル酸などの
芳香族カルボン酸無水物とそのカルボン酸などが挙げら
れる。
【0034】また、硬化剤には、例えば、ジシアンジア
ミド、アジピン酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジ
ドなどの塩基性活性水素化合物も含まれる。
【0035】これらの硬化剤のうち、耐熱性の高い芳香
族系化合物、特に芳香族アミンが好ましい。なお、前記
シクロヘキサン単位を有するエポキシ化合物と組合せる
場合には、脂肪族アミン、脂環族アミンなども好まし
い。硬化剤は、一種又は二種以上の混合物として使用で
きる。
【0036】前記エポキシ化合物と硬化剤との割合は、
エポキシ化合物のエポキシ当量、硬化剤の構造や官能基
の数に応じて適当に選択できる。前記エポキシ化合物と
硬化剤との割合は、例えば、エポキシ基に対する硬化剤
の官能基の当量比が0.3〜1.5、好ましくは0.5
〜1.1程度である。
【0037】硬化促進剤としては、慣用の化合物、例え
ば、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,
8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(D
BU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン
−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.
2]オクタン(DABCO)などの第3級アミン、イミ
ダゾール類、ルイス酸、ブレンステッド酸などが挙げら
れる。
【0038】さらに、エポキシ系接着剤は、必要に応じ
て、充填剤、老化防止剤、補強剤などの種々の添加剤を
含んでいてもよい。
【0039】なお、エポキシ系接着剤は、接着作業性を
損わない範囲の粘度を有していればよい。例えば、膜モ
ジュールの封止部へ注入する場合、エポキシ系接着剤の
粘度は、例えば、50〜10000cps、好ましくは
100〜1000cps程度である。エポキシ系接着剤
は、必要に応じて有機溶媒を含んでいてもよい。
【0040】好ましいエポキシ系接着剤は、被着体に対
する接触角が60゜以下、好ましくは57゜以下であ
る。
【0041】本発明のエポキシ系接着剤は、種々の被着
体に対して高い接着性を示し、低エネルギー表面を有す
る被着体に好適に適用される。低エネルギー表面を有す
る被着体としては、臨界表面張力10〜35dyne/
cmを有するポリマー、例えば、オレフィン系ポリマー
を主体とする被着体が挙げられる。好ましいエポキシ系
接着剤は、低エネルギー表面を有する被着体に対して、
60゜以下、好ましくは25〜57゜程度の接触角を示
す。
【0042】なお、前記接触角は、被着体を構成する材
料からなる平板の平坦面における接触角を意味する。
【0043】オレフィン系ポリマーとしては、例えば、
ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、不飽和結合
を有するポリマー(例えばポリ−4−メチルペンテン−
1)などが例示される。
【0044】被着体はオレフィン系ポリマーを主体とし
て含んでいればよく、他のポリマー、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフッ
素含有ポリマーを一種又は二種以上含んでいてもよい。
【0045】好ましいポリマーには、臨界表面張力20
〜35dyne/cm程度のポリマー、例えば、ポリエ
チレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリ−4−メチルペンテン−1など、特にポリプロ
ピレンなどが含まれる。
【0046】被着体は、前記オレフィン系ポリマーを5
0重量%以上、好ましくは75重量%以上含んでいる。
【0047】被着体は粗面を有する。このような被着体
には、例えば、多孔質膜などの多孔質被着体が含まれ
る。多孔質被着体に前記エポキシ系接着剤を適用する
と、被着体を表面処理することなく、凹凸面による接着
表面積の増大及びアンカー効果と相まって、高い接着強
度を示す。
【0048】特に好ましい被着体は、多孔質膜、なかで
も多孔質中空糸膜である。このような多孔質膜を前記エ
ポキシ系接着剤で接着すると、接着表面積がさらに増大
し、実用上、問題のない接着強度を示す。特に多孔質中
空糸膜に対しては高い接着力を示す。
【0049】なお、前記被着体の表面粗さ、多孔質膜の
構造や中空糸膜の孔径などは特に制限されず、分離方式
や分離成分の種類などに応じて選択できる。被着体の表
面粗さは、例えば、凹凸部の深さが0.01μm以上、
好ましくは0.05〜10μm、さらに好ましくは1〜
5μm程度であってもよい。また、液体中の溶存気体を
分離する場合、多孔質膜の孔径は、例えば、0.001
μm以上、好ましくは0.01〜5μm、さらに好まし
くは0.05〜1μm程度である。
【0050】本発明の方法においては、多孔質膜などの
粗面を有する被着体、好ましくは多孔質中空糸膜の端部
を、前記エポキシ系接着剤で接着する。接着は、前記粗
面を有する被着体間に、エポキシ系接着剤を介在させ、
エポキシ化合物を硬化させることにより行なうことがで
きる。
【0051】また、エポキシ系接着剤は、被着体に対し
て60゜以下の接触角で接触させ、硬化させるのが好ま
しい。特に、加温下、例えば、30℃〜硬化温度未満、
好ましくは45〜75℃程度で、エポキシ系接着剤を被
着体に適用するのが好ましい。その際、加温雰囲気下
で、エポキシ系接着剤を被着体に適用してもよく、エポ
キシ系接着剤及び/又は被着体を加温してもよい。加温
下でエポキシ系接着剤を被着体に適用すると、接着強度
を容易に高めることができる。
【0052】なお、必要に応じて、被着体は、表面を清
浄化した後、接着に供してもよく、有機溶剤による処
理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、オゾン処理な
どの表面処理を施した後、接着に供してもよい。
【0053】また、硬化は、硬化剤の種類、被着体の耐
熱温度などに応じて適当に選択でき、例えば、室温〜1
50℃程度で行なうことができる。エポキシ系接着剤
は、低温で硬化させた後、さらに後硬化させてもよい。
【0054】本発明の膜含有構造体および膜モジュール
においては、前記被着体として多孔質膜、好ましくは多
孔質中空糸膜が使用される。この多孔質中空糸膜の端部
は、前記エポキシ系接着剤により接着封止されている。
【0055】前記多孔質膜を構成するポリマーとして
は、前記オレフィン系ポリマー及びフッ素含有ポリマー
の外に、種々のポリマー、例えば、酢酸セルロースなど
のセルロース系ポリマー;ポリ塩化ビニル;アクリロニ
トリル系ポリマー;アクリル系ポリマー;シリコーン樹
脂;ポリアミド;ポリイミド;ポリエーテルサルホン;
ポリサルホン;ポリフェニレンオキサイド;ポリフェニ
レンスルフィド;ポリアリレート;ポリエーテルエーテ
ルケトン;ポリエーテルイミド;ポリカーボネート;ポ
リビニルアルコール系ポリマーなどが例示される。液体
中の溶存気体を分離する場合、好ましい多孔質膜には、
オレフィン系ポリマー、フッ素含有ポリマー、ポリエー
テルサルホン、ポリサルホンなどの多孔質膜が含まれ
る。特に好ましい多孔質膜には、オレフィン系ポリマー
の多孔質膜が含まれる。
【0056】なお、膜含有構造体および膜モジュールに
おいて、多孔質膜には、必要に応じて、分離特性を損わ
ない範囲で、有機溶剤による処理、プラズマ放電処理、
コロナ放電処理、オゾン処理などの表面処理を施しても
よい。
【0057】中空糸膜を備えた膜分離モジュールは、通
常、複数の中空糸膜からなる中空糸束と、この中空糸束
を収容するケースとを備えている。このような中空糸型
膜モジュールにおいて、中空糸膜の端面が開口した状態
で、中空糸束の両端部が前記エポキシ系接着剤により接
着封止されていてもよい。
【0058】このような膜含有構造体や膜モジュールに
おいて、前記ケースは、中空筒状のケース本体と、この
ケース本体の一方の開口部を閉塞し、かつ流体を供給す
るための供給口が形成された蓋体と、前記ケース本体の
他方の開口部を閉塞し、かつ前記中空糸膜を透過しなか
った濃縮成分を流出させるための流出口が形成された蓋
体とを備えていてもよい。また、前記ケース本体には、
通常、前記中空糸膜を透過側、すなわち二次側に選択的
に透過した成分を流出させる流出口が形成されている。
【0059】ケースの材質は特に制限されず、プラスチ
ックや金属などであってもよい。さらに、ケースは必要
に応じて、前記流出口を通じて、透過側が減圧可能であ
ってもよく、通気可能な減圧可能なチャンバ内に配設さ
れていてもよい。
【0060】このような膜含有構造体や中空糸型膜モジ
ュールは、複数の中空糸膜からなる中空糸束をケース内
に収容し、前記中空糸膜の両端面のうち少なくとも一方
の端面を開口させた状態で、端面開口側の中空糸膜同士
とケースの端部とを封止剤により接着封止する方法で製
造できる。
【0061】前記エポキシ系接着剤を注入する方法とし
ては、慣用の方法、例えば、ケースを回転させながら、
中空糸束とケースとの端部に注入する遠心注入法などが
採用できる。
【0062】注入した封止剤を加熱硬化させることによ
り、中空糸膜が封止部に強固に固定された膜モジュール
が得られる。加熱硬化温度は、多孔質膜の種類に応じて
選択でき、通常、常温〜150℃程度である。
【0063】なお、膜含有構造体や中空糸膜は、両端面
のうち少なくとも一方の端面が開口していればよい。例
えば、複数の中空糸膜の一方の端部は、端面が開口した
状態で封止部で接着封止され、中空糸膜の他方の端部の
中空部は閉塞されていてもよい。また、複数の中空糸膜
の両端部を集束し、中空糸膜の端面が開口した状態で、
集束部を接着封止してもよい。
【0064】さらに、膜含有構造体および膜モジュール
は、ケースを備えることなく、複数の中空糸膜の少なく
とも一方の端部が相互に接着封止され、かつケースに装
着可能であってもよい。この場合、膜モジュールを、ケ
ースにカートリッジ式に装着できる。
【0065】また、膜含有構造体および膜モジュールに
おいて、多孔質膜は、中空糸膜に限らず、平膜などのシ
ート状膜、スパイラル膜などであってもよい。また、膜
モジュールは、管型モジュール、スパイラル型モジュー
ル、平板型モジュール、プリーツ型モジュールなどであ
ってもよい。
【0066】好ましい膜モジュールは、次の通りであ
る。
【0067】(1)オレフィン系ポリマーの多孔質中空
糸膜の端部が、非芳香族エポキシ化合物(脂肪族、脂環
族又は脂肪脂環族エポキシ化合物など)を含むエポキシ
系接着剤により封止されている膜モジュール。
【0068】(2)オレフィン系ポリマーの多孔質中空
糸膜の端部が、シクロヘキサン単位を有するエポキシ化
合物を含むエポキシ系接着剤により封止されている膜モ
ジュール。
【0069】(3)オレフィン系ポリマーの多孔質中空
糸膜の端部が、シクロヘキサン単位を含むグリシジルア
ミン型エポキシ化合物またはシクロヘキサン単位を含む
グリシジルエーテル型エポキシ化合物を含むエポキシ系
接着剤により封止されている膜モジュール。
【0070】本発明の膜分離モジュールは、例えば、液
体の膜分離、液体から気体成分の膜分離などに利用でき
る。
【0071】
【発明の効果】本発明のエポキシ系接着剤は、表面処理
することなく、低エネルギー表面及び粗面を有する被着
体に対して高い接着性を示す。
【0072】シクロヘキサン単位を有するエポキシ化合
物を含む接着剤や、被着体に対して、60゜以下の接触
角を示すエポキシ系接着剤は、低エネルギー表面を有す
る被着体に対してさらに高い接着性を示す。
【0073】また、エポキシ系接着剤は、多孔質膜、特
に中空糸膜の被着体に対して、さらに高い接着力を示
す。
【0074】本発明の方法によると、表面エネルギーの
小さな被着体であっても、強固に接着させることができ
る。
【0075】さらに、本発明の膜含有構造体や膜モジュ
ールによれば、接着性、耐熱性に優れるエポキシ系接着
剤により、表面エネルギーの小さな分離膜であっても強
固に接着封止でき、高温高圧下でも長期に亘り安定に使
用できる。
【0076】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0077】実施例1 (1)表面に約0.1μmの孔径を有するポリプロピレ
ン製多孔質平膜[ダイセル化学工業(株)、セルガード
2400]上に、温度50℃の雰囲気下、1,3−ビス
(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン
[三菱瓦斯化学(株)、TETRAD−C]とα,α′
−ジアミノ−m−キシレン[東京化成(株)]とを混合
したエポキシ系接着剤(混合割合:エポキシ基/アミン
活性水素=1/1当量)を1滴落し、50℃で硬化させ
た。
【0078】硬化した後、平膜と接着剤との界面との接
触角を、顕微鏡写真に基づいて測定したところ、42゜
であった。
【0079】(2)表面に約0.1μmの孔径を有する
ポリプロピレン製多孔質中空糸膜[ダイセル化学工業
(株)、セルガードX−10、内径240μm、外径3
00μm]2000本を、ポリカーボネート製円筒状ケ
ース(内径22mm、外径26mm、長さ106cm)
に挿入し、前記エポキシ系接着剤を中空糸膜の両端部に
注入し、50℃で接着硬化し、中空糸膜の両端部を封止
した。100℃で15時間に亘り後硬化した後、過剰な
接着剤が付着した両端部を切断し、中空糸膜の両端を開
口させ中空糸膜モジュールを作製した。
【0080】そして、膜モジュールに、80℃の熱水を
圧力2kg/cm2 で20時間通水したところ、接着封
止部からの液洩れが生じなかった。
【0081】実施例2 (1)実施例1で用いたエポキシ化合物50重量%とビ
スフェノールA型エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ
(株)、エピコート815]50重量%との混合物に、
α,α′−ジアミノ−m−キシレン[東京化成(株)]
をエポキシ基/アミン活性水素=1/1当量で混合し、
エポキシ系接着剤を調製した。
【0082】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、45゜で
あった。
【0083】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、80℃の熱水を圧力2k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0084】実施例3 (1)実施例1で用いたエポキシ化合物40重量%とビ
スフェノールA型エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ
(株)、エピコート828]60重量%との混合物に、
α,α′−ジアミノ−m−キシレン[東京化成(株)]
をエポキシ基/アミン活性水素=1/1当量で混合し、
エポキシ系接着剤を調製した。
【0085】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、55゜で
あった。
【0086】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、80℃の熱水を圧力2k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0087】比較例1 (1)実施例1で用いたエポキシ化合物に代えて、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ
(株)、エピコート828]に、α,α′−ジアミノ−
m−キシレン[東京化成(株)]をエポキシ基/アミン
活性水素=1/1当量で混合し、エポキシ系接着剤を調
製した。
【0088】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、68゜で
あった。
【0089】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて、
上記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同
様にして膜モジュールを作製し、80℃の熱水を圧力2
kg/cm2 で20時間通水したところ、通水開始後、
5時間経過時に中空糸膜と接着封止部との間から液洩れ
が生じた。
【0090】また、上記と同様にして作製した膜モジュ
ールに、50℃の温水を圧力1kg/cm2 で20時間
通水したところ、10時間経過時に中空糸膜と接着封止
部との間から液洩れが生じた。
【0091】比較例2 (1)実施例1で用いたエポキシ化合物に代えて、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ
(株)、エピコート828]に、スピロ環系アミンであ
る3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンをエポ
キシ基/アミン活性水素=1/1当量で混合し、エポキ
シ系接着剤を調製した。
【0092】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、67゜で
あった。
【0093】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて、
上記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同
様にして膜モジュールを作製し、80℃の熱水を圧力2
kg/cm2 で20時間通水したところ、通水開始後、
5時間経過時に中空糸膜と接着封止部との間から液洩れ
が生じた。
【0094】比較例3 (1)実施例1で用いたエポキシ化合物に代えて、ウレ
タン系接着剤を用いた。このウレタン系接着剤は、ウレ
タンプレポリマー[日本ポリウレタン(株)、コロネー
ト4403]と硬化剤[日本ポリウレタン(株)、ニッ
ポラン4221]とを混合して調製した。
【0095】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、32゜で
あった。
【0096】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて、
上記ウレタン系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同
様にして膜モジュールを作製し、80℃の熱水を圧力2
kg/cm2 で20時間通水したところ、通水開始後、
5時間経過時に接着封止部に亀裂が生じ、液洩れが生じ
た。
【0097】実施例4 (1)実施例1で用いたエポキシ化合物にトリエチレン
テトラミン[和光純薬(株)]をエポキシ基/アミン活
性水素=1/1当量で混合し、エポキシ系接着剤を調製
した。
【0098】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、44゜で
あった。
【0099】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、80℃の熱水を圧力2k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0100】実施例5 (1)水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル
[東都化成(株)、ST−3000]にα,α′−ジア
ミノ−m−キシレン[東京化成(株)]をエポキシ基/
アミン活性水素=1/1当量で混合し、エポキシ系接着
剤を調製した。得られた接着剤の平膜に対する接触角
を、実施例1(1)と同様にして測定したところ、43
゜であった。
【0101】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、50℃の温水を圧力1k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0102】実施例6 (1)水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル
[東都化成(株)、ST−3000]にトリエチレンテ
トラミン[和光純薬(株)]をエポキシ基/アミン活性
水素=1/1当量で混合し、エポキシ系接着剤を調製し
た。
【0103】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、40゜で
あった。
【0104】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、50℃の温水を圧力1k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0105】実施例7 (1)グリセリントリグリシジルエーテル[東都化成
(株)、YH−300]にα,α′−ジアミノ−m−キ
シレン[東京化成(株)]をエポキシ基/アミン活性水
素=1/1当量で混合し、エポキシ系接着剤を調製し
た。
【0106】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、44゜で
あった。
【0107】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、50℃の温水を圧力1k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0108】実施例8 (1)グリセリントリグリシジルエーテル[東都化成
(株)、YH−300]にトリエチレンテトラミン[和
光純薬(株)]をエポキシ基/アミン活性水素=1/1
当量で混合し、エポキシ系接着剤を調製した。
【0109】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、42゜で
あった。
【0110】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、50℃の温水を圧力1k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。
【0111】比較例4 (1)比較例1で用いた硬化剤に代えてトリエチレンテ
トラミン[和光純薬(株)]を用いる以外、比較例1と
同様に、エポキシ基/アミン活性水素=1/1当量で混
合し、エポキシ系接着剤を調製した。
【0112】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、67゜で
あった。
【0113】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、50℃の温水を圧力1k
g/cm2 で20時間通水したところ、通水開始後、1
2時間経過時に中空糸膜と接着封止部との間から液洩れ
が生じた。
【0114】実施例9 (1)水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル
[東都化成(株)、ST−3000]40重量%とビス
フェノールA型エポキシ樹脂[油化シェルエポキシ
(株)、エピコート828]60重量%との混合物に、
α,α′−ジアミノ−m−キシレン[東京化成(株)]
をエポキシ基/アミン活性水素=1/1当量で混合し、
エポキシ系接着剤を調製した。
【0115】得られた接着剤の平膜に対する接触角を、
実施例1(1)と同様にして測定したところ、53゜で
あった。
【0116】(2)実施例1(1)の接着剤に代えて上
記エポキシ系接着剤を用いる以外、実施例1(2)同様
にして膜モジュールを作製し、50℃の温水を圧力2k
g/cm2 で20時間通水したところ、接着封止部から
の液洩れが生じなかった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系ポリマーを主体とし、粗面
    を有する被着体の接着に適用される接着剤であって、非
    芳香族エポキシ化合物を含むエポキシ系接着剤。
  2. 【請求項2】 エポキシ化合物が、シクロヘキサン単位
    を有する請求項1記載のエポキシ系接着剤。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物が、下記のシクロヘキサ
    ン単位 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一又は異なって、水素原子
    又はメチル基を示す)を有する請求項1記載のエポキシ
    系接着剤。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物が、シクロヘキサン単位
    を含むグリシジルアミン型エポキシ化合物またはシクロ
    ヘキサン単位を含むグリシジルエーテル型エポキシ化合
    物である請求項1又は2記載のエポキシ系接着剤。
  5. 【請求項5】 被着体が、多孔質膜又は多孔質中空糸膜
    である請求項1記載のエポキシ系接着剤。
  6. 【請求項6】 オレフィン系ポリマーを主体とし、粗面
    を有する被着体を、60゜以下の接触角を示す請求項1
    ないし4のいずれかの項に記載のエポキシ系接着剤で接
    着する接着方法。
  7. 【請求項7】 被着体が、多孔質膜又は多孔質中空糸膜
    である請求項6記載の接着方法。
  8. 【請求項8】 多孔質膜の少なくとも一部が、請求項1
    ないし4のいずれかの項に記載のエポキシ系接着剤によ
    り接着されている膜含有構造体。
  9. 【請求項9】 多孔質中空糸膜からなる被着体の端部
    が、請求項1ないし4のいずれかの項に記載のエポキシ
    系接着剤により封止されている膜モジュール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012153746A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Yamamoto Chem Inc 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
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