JPH0649025B2 - 水洗便所用収納ボックス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） 本発明は水洗便所用収納ボックスに関するものである。

（従来の技術） 従来の水洗便所においては、壁面に対し直接トイレット
ペーパーホルダを固設し、前記とは別の位置（例えば床
等）に放水装置の制御部や汚物入れが別個設けられてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記水洗便所においては室内スペースが特に限
られていることから室内にまとまりがなくなるととも
に、不衛生な印象を与えるといった問題がある。そこ
で、トイレットペーパーホルダや放水装置の制御部や汚
物入れを一体に形成した水洗便所用収納ボックスが提案
されているが、合成樹脂にて形成されていることから強
度的に問題があった。

本発明の目的は水洗便所のコーナー部に必要備品をまと
めて収納位置できるばかりでなく、トイレットペーパー
ホルダ等の備品収納部が設けられる合成樹脂製パネルに
対して充分な強度を付与するとともに、同パネルには利
用者センサの重量負担を掛けず、かつパネルのセ設計自
由度が保証された軽量の水洗便所用収納ボックスを提供
することにある。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） 本発明は前記目的を達成するために、剛性材からなる複
数の縦補強枠と、同じく剛性材からなり央部が水洗便所
のコーナー部に沿うように折曲げ形成され、かつ前記縦
補強枠の少なくとも上下両端部に背面側が固定される複
数の横補強枠とから前面側が開放された補強用枠体を構
成するとともに、同補強用枠体の前面側に合成樹脂製の
パネルを取着して箱体を形成し、前記縦補強枠の上端部
に固定された横補強枠の両端間には取付枠を架設し、同
取付枠に対し水洗便器に洗浄水を放水する放水装置の制
御回路と接続される利用者センサを取着する一方、前記
パネルには前記利用者センサに対応する窓と、トイレッ
トペーパーホルダと、汚物入れ箱が裏面側に配置された
開閉扉とを設けたことを要旨としている。

（作用） 即ち、補強用枠体と合成樹脂製パネルとにより内部に広
い収納空間を有する軽量の収納ボックスが形成される。
そして、合成樹脂製のパネルには剛性材からなる補強用
枠体により充分な強度が付与される。一方、利用者セン
サの重量は剛性材からなる補強用枠体の前面側上部に架
設された同じく剛性材からなる取付枠により受持たれ、
合成樹脂製パネルにその重量負担が掛かることはない。
また、パネルの裏面側と対応する補強用枠体の前面側は
利用者センサを取着した取付枠の架設部分を除いて中央
部分が大きく開放される。

（実施例） 以下、この発明を具体化した一実施例について第１図か
ら第９図に従って説明する。

第２図に示すように合成樹脂にて形成したパネル１及び
後記する枠体５３等からなる収納ボックスＢは水洗便所
Ａ内に設けた水洗便器Ａ１の右前方にあたる水洗便所Ａ
の側壁コーナー部Ｃ１にその背面側を向けて配置される
ようになっている。前記パネル１は前面パネル部１ａ
と、同前面パネル部１ａと所定の角度をなしてその左右
に設けた側面パネル部１ｂ，１ｃとから形成されてい
る。尚、第２図に想像線で示すように水洗便器Ａ１の左
前方にあたる水洗便所Ａの側壁コーナー部Ｃ２に前記収
納ボックスＢを配置してもよい。

前記パネル１の裏面側には第３図に示すように縦方向３
本の縦補強枠としての金属板材５１及び中央部にて９０
度折曲げ形成した横方向３本の横補強枠としての金属板
材５２を組み合せた背面山形をなす補強用枠体としての
枠体５３が設けられ、同枠体５３は前記横方向の板材５
２の両端部を更に折曲げ形成した取付部５４において前
記パネル１の側面パネル部１ｂ，１ｃとそれぞれ取付ね
じ５５によって固定されている。そして、パネル１と前
記枠体５３とから箱体５６が構成されている。尚、前記
取付部５４と側面パネル部１ｂ，１ｃ裏面間には緩衝部
材５７が介装されている。

前記横方向の板材５２の内、上部の板材５２はその取付
部５４間に後記する利用者センサ３３，３４が取着され
る取付枠としての取付板材５８が前面パネル部１ａと平
行して架設されている。

前記パネル１の上端部には第４図に示すように同パネル
１と側壁コーナー部Ｃ１との間の空間上方を閉塞する五
角形状の蓋２が一対の取付ねじ３ａ，３ｂとによって着
脱可能に取着されるとともに、蓋２の後端部下面は対応
する中央部の板材５１の上端部５１ａが当接することに
より、この水洗便所の利用者が蓋２の上に持物を載置し
た時にその重量を支えるようになっている。又、前記蓋
２の前面側周縁には突条４が設けられ、利用者の持物の
落下を防止するようになっている。

前面パネル部１ａの下部裏面からパネル１内方に向かっ
て五角箱形に形成された収納部６が設けられ、同収納部
６内には同収納部６と断面相似形をなし、上面を後方へ
角度θを持つ傾斜面とした汚物入れ箱５が収納されてい
る。前記収納部６の前面下部には開閉扉７がヒンジ８に
よってその上部側が開閉可能となるように取着されてい
る。前記開閉扉７の背面には上下方向に延びる断面Ｔ字
状の取付突部９が設けられ、汚物入れ箱５はその前側部
（第５図左側部）に設けた断面Ｌ字状をなす一対の取付
部材１０間に前記取付突部９が挿入されることによって
前記開閉扉７に対し上下方向へ着脱可能に取着されてい
る。

又、前記開閉扉７上部には鉄板１１が取着され、前面パ
ネル部１ａ裏面に設けた磁石１２にて吸着され、前記開
閉扉７が不用意に開かないようになっている。そして、
第６図に示すように前記開閉扉７はその前面に設けた指
掛け凹部１３を操作して前記磁石１２の吸着力に抗して
引き倒して開放させると、汚物入れ箱５は開放され、前
記正面の傾斜にて斜め上方へ大きく開口するため汚物を
容易に入れることができ、開閉扉７を閉じれば汚物入れ
箱５は再び前記収納部６内に収納され、水洗便所Ａの美
観を損ねることはない。

又、前記開閉扉７の裏面両側には前記収納部６内に配置
される弾性突片１４が設けられ、その弾性突片１４の先
端には外側方に向かって突出した半円球状の係止突部１
５が設けられている。そして、前記係止突部１５は開閉
扉７の所定角度開放時（第６図にＰ２で示す状態）にお
いて、収納部６の前面両側部に設けた係止部１６に当接
し、開閉扉７の所定角度の開放状態が維持されるように
なっている。開閉扉７を更に引き倒すと、前記係止突部
１５は前記弾性突片１４の弾性に抗して収納部６内から
前記係止部１６を乗越え、係止部１６の前部に凹設した
退避部１７に係入し、開閉扉７は完全に開いた状態（第
６図にＰ１で示す状態）となるようになっている。この
開いた開閉扉７を再び閉じれば係止突部１５は退避部１
７から係止部１６を乗越えて収納部６内に復帰し、再び
開閉扉７の所定角度の開放状態を維持できるようになっ
ている。

収納部６の上方には給水管１８、放水装置としての電磁
弁１９及び排水管２０が配設され、又、前面パネル部１
ａの上部にはタッチスイッチ２１が設けられている。そ
して、前記タッチスイッチ２１の表面に利用者が手を触
れて操作すると、後記する放水制御装置３５によって前
記電磁弁１９は励磁制御されて水洗便器Ａ１に対し洗浄
水が放水されるようになっている。尚、前記タッチスイ
ッチ２１の裏面には利用者による操作（手による接触）
によってタッチスイッチ２１の表面に生じた極僅かの電
位差を正確に検出すべく、その電位差をリード線等を引
き回すことなく直ちに増幅する増幅回路２１ａが直付さ
れている。

尚、前記給水管１８及び排水管２０は前面パネル部１ａ
の左側に設けた側面パネル部１ｂの外側縁から横Ｕ字状
に切欠形成された上下一対の切欠部２２を介してパネル
１内に導入されるようになっている。又、前面パネル部
１ａの右側に設けた側面パネル部１ｃの外側縁には前記
切欠部２２と同形状の切欠部２３が形成され、同切欠部
２３には舌片状の盲蓋２４がその周縁に沿って凹設した
係合溝２４ａにて嵌挿されている。

前記タッチスイッチ２１の下部にあたる前面パネル部１
ａの中央部には、使用中のトイレットペーパー２５を収
納するトイレットペーパーホルダとしてのペーパー収納
部２６が断面チャンネル状に内方へ凹設されている。そ
して、前記使用中のトイレットペーパー２５は逐次引き
出して使用可能となるように、前記ペーパー収納部２６
の前面下部において軸２７によって支承されている。

尚、前記ペーパー収納部２６は前記トイレットペーパー
２５の上部に予備のトイレットペーパー２８を収納でき
るように上下方向に延設され、収納部２６内に収納され
た予備のトイレットペーパー２８は前記ペーパー収納部
２６の前面に上部を軸支した前蓋２９の下部を開くこと
により前記ペーパー収納部２６内に投入され、前記前蓋
２９に設けた透視窓３０よりその存在が確認されるよう
になっている。

前記タッチスイッチ２１の上方にあたる前面パネル部１
ａの上部には、赤外線透過性を備えた黒色の合成樹脂か
らなるセンサ窓３２が設けられている。そして、同セン
サ窓３２の裏面側には利用者による利用状態を検知する
左右一対の利用者センサ３３，３４が配設されている。

前記左側の利用者センサ３３は第３図及び第７図に示す
ように前記枠体５３の取付板材５８の裏面に固定した支
持金具３６と取付金具３７とを介して縦向きに取着され
ている。前記支持金具３６には第８図に示すように前後
方向を向く前後一対の長孔３８が透設され、取付金具３
７には左右方向を向く円弧状の長孔３９が共通の中心を
持つように互いに向きあって前後一対透設され、両長孔
３８，３９を重ね合せた後ボルト３８ａが挿通されてい
る。そして、ボルト３８ａを両長孔３８，３９内におい
て移動させ、ナット３９ａを締め付けることによって前
記利用者センサ３３は前後左右方向に取付位置を適宜調
節可能となっている。又、取付金具３７に利用者センサ
３３を一対のボルト４０にて取着するための一対のボル
ト孔４１の内、後部側のボルト孔４１は前部側のボルト
孔４１を中心とする円弧状となるように上下に延設さ
れ、利用者センサ３３の取付金具３７に対する取付角度
を適宜調節可能となっている。

尚、右側の利用者センサ３４においても取付板材５８に
対し、前記支持金具３６と基端部を連結して一体に設け
た支持金具４２及び取付金具４３を介して横向きに取着
されている。そして、前記支持金具４２には第９図に示
すように前後方向を向く前後一対の長孔４４が透設さ
れ、取付金具４３には透孔４５が前後一対透設され、前
記長孔４４と透孔４５を重ね合せた後ボルト４６が挿通
されている。なお、前記透孔４５の内、前側の透孔４５
は上下方向に円弧状に透設され、前記利用者センサ３３
の場合と同様にボルト４６を長孔４４及び透孔４５内に
おいて移動させ、ナット４６ａを締付けることによって
前記利用者センサ３４は前後方向の取付位置及び上下の
取付角度を適宜調節可能となっている。又、取付金具４
３に利用者センサ３４を固定するボルト４７において
も、取付金具４３に透設した前後一対の円弧状のボルト
孔４７ａ内において移動させることにより利用者センサ
３４の取付金具４３に対する取付角度を適宜変更可能と
している。

前記利用者センサ３３，３４の下方には利用者によるタ
ッチスイッチ２１の操作に基づく増幅回路２１ａからの
信号と利用者センサ３３，３４からの検知信号とによっ
て電磁弁１９を所定時間だけ励磁制御する制御回路とし
ての放水制御装置３５が配設されている。

前記放水制御装置３５は取付板材５８と対応する板材５
２の取付部５４に対して吊下金具４８を介して取付され
ている。

さて、上記構成された水洗便所用収納ボックスの作用に
ついて説明する。

まず、汚物入れ箱５の収納部６及びペーパー収納部２６
等が設けられた合成樹脂製のパネル１の裏面には金属板
材５１，５２からなる枠体５３が取着されて箱体５６が
構成され、同パネル１は枠体５３によって補強される。
又、板材５２の内、上部の板材５２の取付部５４に制御
装置３５が取着され、その取付部５４間に架設された取
付板材５８に左右一対の利用者センサ３３，３４が取着
される。前記利用者センサ３３，３４は前記取付板材５
８に対し支持金具３６，４２及び取付金具３７，４３を
介して縦横にしかも角度調節可能に取着されるので、確
実に利用者の利用状態を検知することができる。更に、
蓋２は取付ねじ３ａ，３ｂにて取着されているので、容
易に取外して前記利用者センサ３３，３４の調節又は点
検を容易に行うことができる。

又、前記箱体５６は裏面側が山形となっているので、水
洗便所Ａの側壁コーナー部Ｃに場所を取ることなく配置
される。更に、汚物入れ箱５が取着された開閉扉７には
係止突部１５が設けられているため、同開閉扉７は利用
者によって所定角度開放されると停止するばかりか、誤
って開け過ぎた場合には弾性突片１４が撓むことにより
完全に開くため、利用者による力の加え過ぎによって開
閉扉７が破損することはない。

従って、この水洗便所用収納ボックスにおいては、汚物
入れ箱５、給水管１８、電磁弁１９、排水管２０、トイ
レットペーパー２５，２８、利用者センサ３３，３４、
制御装置３５といった水洗便所Ａに必要な備品が箱体５
６内にまとまって収納配置され、しかも、利用者センサ
３３，３４及び制御装置３５の重量はすべて金属枠体５
３にかかるため、前面パネル１にはその荷重がかかるこ
とがなく、パネル１は強度上有利な設計ができる。

さらに、前記パネル１が取着される枠体５３の前面側に
はその上部に利用者センサ３３等を取着するための取付
板材５８が架設されるだけで、その中央部は大きく開放
されているため、同枠体５３を構成する各板材５１，５
２，５８により前記パネル部１ａ裏面に設けられるペー
パー収納部２６等を位置的に制約することもない。従っ
て、枠体５３は前記パネル１に対して同パネル１の設計
上の自由度を保証しつつ補強用枠体としての機能を発揮
することができる。

なお、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、パネル１と蓋２とを一体に形成して実施したり、配
管方式に応じて使用しない切欠部２２，２３に適宜盲蓋
２４を付替えて実施する等、この発明の趣旨から逸脱し
ない範囲で任意に変更してもよい。

発明の効果 以上詳述したように、本発明においては水洗便所に必要
な各種備品をコーナー部にまとめて収納配置できるばか
りでなく、収納ボックスを補強用枠体と合成樹脂製パネ
ルとからなる内部に広い空間を備えた軽量なものにで
き、さらにパネルの裏面側と対応する補強用枠体の前面
側中央部が大きく開放されるので、各種備品収納部が設
けられる前記パネルの設計自由度を保証することがで
き、しかも該合成樹脂製パネルに対しては剛性材からな
る補強用枠体により充分な強度を付与できるとともに、
重量負担の大きい利用者センサの荷重は取付枠を介して
補強用枠体で受持ち、前記パネルには掛からないように
したので、パネルを強度上有利に設計することができる
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図から第９図は本発明を具体化した一実施例を示
し、第１図は箱体の正面図、第２図は水洗便所の平面
図、第３図は枠体の背後から見た斜視図、第４図はパネ
ルと蓋の背後から見た斜視図、第５図は汚物入れとその
収納部を示す平面図、第６図は箱体の側断面図、第７図
は利用者センサの取付状態を示す側面図、第８図は同じ
く利用者センサの取付状態を示す平面図、第９図は同じ
く利用者センサの取付状態を示す側面図である。 パネル１、汚物入れ箱５を収納する収納部６、放水装置
としての電磁弁１９、トイレットペーパーホルダとして
のペーパー収納部２６、利用者センサ３３，３４、制御
回路としての制御装置３５、縦補強枠としての金属板材
５１、横補強枠としての金属板材５２、補強用枠体とし
ての枠体５３、箱体５６、取付枠としての取付板材５
８、水洗便所Ａ、水洗便器Ａ１、収納ボックスＢ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 勝則 愛知県犬山市字上小針１番地 株式会社高 松電気製作所内 (72)発明者 大村 鉦次 愛知県犬山市字上小針１番地 株式会社高 松電気製作所内 (56)参考文献 特開 昭54−54435（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−81046（ＪＰ，Ｕ)

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】剛性材からなる複数の縦補強枠（５１）
   と、同じく剛性材からなり央部が水洗便所（Ａ）のコー
   ナー部（Ｃ１）に沿うように折曲げ形成され、かつ前記
   縦補強枠（５１）の少なくとも上下両端部に背面側が固
   定される複数の横補強枠（５２）とから前面側が開放さ
   れた補強用枠体（５３）を構成するとともに、 同補強用枠体（５３）の前面側に合成樹脂製のパネル
   （１）を取着して箱体（５６）を形成し、 前記縦補強枠（５１）の上端部に固定された横補強枠
   （５２）の両端間には取付枠（５８）を架設し、 同取付枠（５８）に対し水洗便器（Ａ１）に洗浄水を放
   水する放水装置（１９）の制御回路（３５）と接続され
   る利用者センサ（３３，３４）を取着する一方、 前記パネル（１）には前記利用者センサ（３３，３４）
   に対応する窓（３２）と、トイレットペーパーホルダ
   （２６）と、汚物入れ箱（５）が裏面側に配置された開
   閉扉（７）とを設けたことを特徴とする水洗便所用収納
   ボックス。
2. 【請求項２】前記箱体（５６）の上面には同箱体（５
   ６）内の空間上方を閉塞する蓋（２）が取着されている
   特許請求の範囲第１項に記載の水洗便所用収納ボック
   ス。
3. 【請求項３】利用者センサ（３３，３４）は前記取付枠
   （５８）に対し角度調節可能に取着されたものである特
   許請求の範囲第１項又は第２項の内いずれか一項に記載
   の水洗便所用収納ボックス。
4. 【請求項４】パネル（１）はその左右両側に放水装置
   （１９）の配管を裏面側に導入可能かつ、不使用時には
   盲蓋（２４）を装着可能な切欠部（２３）を備えたもの
   である特許請求の範囲第１項乃至第３項の内いずれか一
   項に記載の水洗便所用収納ボックス。