JPH0648864A - 天然石材の表面処理方法 - Google Patents

天然石材の表面処理方法

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JPH0648864A
JPH0648864A JP18182792A JP18182792A JPH0648864A JP H0648864 A JPH0648864 A JP H0648864A JP 18182792 A JP18182792 A JP 18182792A JP 18182792 A JP18182792 A JP 18182792A JP H0648864 A JPH0648864 A JP H0648864A
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Makoto Fukuda
誠 福田
Mitsuo Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然石材の表面に、高硬度で、かつ、耐磨傷
性、耐水性、耐熱性、耐汚染性に優れたセラミック質層
を、密着させることができる天然石材の表面処理方法を
提供する。 【構成】 シリル基含有ビニル系樹脂がオルガノアルコ
キシシラン100 重量部に対して60〜180 重量部である塗
料組成物を下塗り剤S1 として、天然石材1の表面1a
に塗布して、下塗り層2を形成する。下塗り層2を硬化
させた後、下塗り層2を、表面1aの非平面部3に埋設
した埋設部4のみを残して研磨する。シリル基含有ビニ
ル系樹脂がオルガノアルコキシシラン100 重量部に対し
て10〜60重量部である塗料組成物を上塗り剤S2 とし
て、研磨面に塗布して、セラミック質層6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然石材の表面処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】大理石、御影石等の天然石材は、それ自
身のもつ意匠性、質感、高級感が広く好まれ、内外装用
の建築材料、テーブルトップ、キッチントップ、バニテ
ィトップ、浴室の壁、床等に広く使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、天然石材
は、多孔質であり、石種によってはひび割れ、亀裂等が
あり、水や油分が浸透しやすく汚染しやすい。
【0004】従って、水回りの用途では、シミ、汚れが
多く発生し、一旦発生すれば、その汚れ等を除去するこ
とができなかった。
【0005】さらに、天然石材が大理石である場合、そ
の主成分は炭酸カルシウムであり、酸に弱く、外装材等
に使用した場合、酸性雨に浸食されやすいという欠点が
ある。
【0006】そこで、シラン系吸水防止剤、シリコン系
樹脂、フッ素樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等
の被覆層で天然石材を被覆する表面処理が行なわれるよ
うになった。
【0007】ところが、このような表面処理を行なった
場合でも、目的とする耐水性、防汚性を得ると同時に、
耐熱性、耐磨傷性、天然石材との密着性を十分に満足す
るものではなかった。
【0008】また、天然石材の表面には、小孔、亀裂が
多く、この状態で、上述の被覆層を形成した場合、小
孔、亀裂等により、被覆層の表て面に凹凸部が形成され
るという欠点もある。
【0009】そのため、天然石材の表面の小孔、亀裂等
を樹脂にて埋めることが行なわれることになった。
【0010】しかし、埋める樹脂としては、エポキシ系
樹脂等であり、透明なものではなく、天然石材ごとに色
合わせが必要となり、しかも、天然石材の本来の美しさ
を損なうことがあった。
【0011】また、孔埋めと防汚処理加工とをエステル
系樹脂によって同時に行なう方法も開発されたが、この
場合、複数回(5〜10回)の重ね塗りを必要とし、塗布
のたびに常温硬化をさせねばならず、作業性が悪く、し
かも、コスト高となる。
【0012】そこで、本発明は、天然石材の表面に、そ
の表て面に凹凸が形成されることのない平面状のセラミ
ック層を確実に密着することができ、天然石材が耐水
性、防汚性、耐熱性、耐磨傷性に優れたものとなると共
に石材の本来の美しさも損なわせることのない天然石材
の表面処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る天然石材の表面処理方法は、一般式
RSi(OR1 3 (式中、Rは炭素数1〜8の有機
基、R1 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜
4のアシル基を示す)で表わされるオルガノアルコキシ
シランの部分縮合物と、一般式Si(OR2 4 (式
中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表わさ
れるテトラアルキルシリケートと、末端あるいは側鎖に
加水分解性基と結合したケイ素原子を有するシリル基を
重合体分子中に少なくとも1個を有するシリル基含有ビ
ニル系樹脂と、一般式Al(OR3 n 〔OR(R4
=CHCOR5 3-n (式中、R3 およびR4 はアルキ
ル基、R5 はアルキル基またはアルコキシ基、nは0〜
3の整数を示す)で表わされるアルミニウム化合物およ
び該アルミニウム化合物の部分加水分解物の群から選ば
れる少なくとも1種と、を主成分とする塗料組成物から
なるセラミック質層を、天然石材の表面に形成する天然
石材の表面処理方法であって、シリル基含有ビニル系樹
脂がオルガノアルコキシシラン100 重量部に対して60〜
180 重量部である塗料組成物を下塗り剤として、上記天
然石材の表面に塗布して、該表面上の小孔、亀裂等から
なる非平面部に埋設される埋設部を有する下塗り層を、
形成し、次に、該下塗り層が硬化した後、該埋設部を残
して上記天然石材の表面が露出するまで該下塗り層を研
磨し、その後、シリル基含有ビニル系樹脂がオルガノア
ルコキシシラン100 重量部に対して10〜60重量部である
塗料組成物を上塗り剤として、上記天然石材の研磨面に
塗布して該天然石材の表面にセラミック質層を形成する
ものである。
【0014】
【作用】下塗り剤を天然石材の表面に塗布して、下塗り
層を形成すれば、この下塗り層の埋設部により、天然石
材の表面の小孔、亀裂等からなる非平面部の孔埋めがな
される。
【0015】その後、この下塗り層は研磨されるが、こ
の場合、埋設部以外は取り除かれることになる。つま
り、その研磨面は平面状とされ、凹凸部はない。
【0016】そして、この研磨面に上塗り剤を塗布すれ
ば、これにより、天然石材の表面上にセラミック質層が
形成される。
【0017】従って、セラミック質層の表て面は凹凸部
が形成されることのない平面状となり、しかも、下塗り
剤と上塗り剤は、夫々、同種のシリル基含有ビニル系樹
脂が含まれており、密着性がよく、しかも、透明度が大
であり、天然石材の外観が損なわれることがない。
【0018】
【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を
詳説する。
【0019】まず、図2に示すように、天然石材1の表
面1aを、水、アルコール、ケトン系溶剤で洗浄・脱脂
し、清浄な状態とする。
【0020】次に、下塗り剤S1 を、表面1a上に、図
3に示すように、塗布し、下塗り層2を形成する。
【0021】なお、塗布方法としては、ハケ塗り、ヘラ
塗り、フローコーター、バーコーター、ロールコータ
ー、エアースプレー、エアレススプレー等の方法を採用
することができる。
【0022】従って、下塗り剤S1 は、表面1aの小
孔、亀裂等の非平面部3に浸透し、形成される下塗り層
2には、非平面部3に埋設される埋設部4が形成され
る。
【0023】ここで、下塗り剤S1 とは、オルガノアル
コキシシランの部分縮合物と、テトラアルキルシリケー
トと、シリル基含有ビニル系樹脂と、アルミニウム化合
物および該アルミニウム化合物の部分加水分解物の群か
ら選ばれる少なくとも1種と、を主成分とする塗料組成
物である。
【0024】しかも、この下塗り剤S1 は、シリル基含
有ビニル系樹脂がオルガノアルコキシシラン100 重量部
に対して60〜180 重量部とされる。
【0025】しかして、オルガノアルコキシシランの部
分縮合物は、一般式RSi(OR13 (式中、Rは炭
素数1〜8の有機基、R1 は炭素数1〜5のアルキル基
または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表わされる。
【0026】また、テトラアルキルシリケートは、一般
式Si(OR2 4 (式中、R2 は炭素数1〜4のアル
キル基を示す)で表わされる。
【0027】さらに、シリル基含有ビニル系樹脂は、末
端あるいは側鎖に加水分解基と結合したケイ素原子を有
するシリル基を重合体分子中に少なくとも1個を有する
ものである。
【0028】そして、アルミニウム化合物は、一般式A
l(OR3 n 〔OR(R4 )=CHCOR5
3-n (式中、R3 およびR4 はアルキル基、R5 はアル
キル基またはアルコキシ基、nは0〜3の整数を示す)
で表わされる。
【0029】従って、上述の如き下塗り剤S1 は、その
粘度が50〜 150cpsとなり、この下塗り剤S1 を表面
1aに塗布した際に、この下塗り剤S1 は、表面1aの
非平面部3に確実に浸透する。なお、天然石材1の裏面
1bまで達している亀裂3bには、下塗り剤S1 は図例
の如く裏面1b側まで浸透しない。
【0030】ところが、シリル基含有ビニル系樹脂がオ
ルガノアルコキシシラン100 重量部に対して180 重量部
以上であれば、粘度が 150cps以上となり、反応性が
鈍い物質となって、後の硬化工程において多くの時間を
費やすことになり、好ましくなく、逆に、シリル基含有
ビニル系樹脂が60重量部以下であれば、粘度が50cps
以下となり、亀裂3bに浸透した下塗り剤S1 が裏面1
bまで達し、目止め剤の効果がなくなる。
【0031】次に、脱水、脱アルコールを行ない、100
〜220 ℃(好ましくは、140 〜200℃)で10〜60分間加
熱し、下塗り層2を硬化する。
【0032】硬化した後、下塗り層2を研磨する。この
場合、図4に示すように、表面1aが露出するまで研磨
する。
【0033】従って、下塗り層2は、非平面部3を孔埋
めしている埋設部4のみが残り、その研磨面5は平面状
となる。
【0034】また、研磨の際には、粉塵が発生するの
で、研磨の後、その研磨面5を、水、アルコール、ケト
ン系溶剤等で洗浄・脱脂し、清浄な状態とする。
【0035】ところで、研磨面5は、♯200 〜♯1000好
ましくは♯400 〜♯800 程度に仕上げる(つまり、少し
荒い仕上げ)が、一般的に石材でいわれる本磨き仕上げ
等の鏡面仕上げであってもよい。
【0036】なお、天然石材1は、一般に、その表面1
aを艶だしのためにワックスがけが行なわれているの
で、この研磨により、このワックスを除去することにな
る。
【0037】次に、研磨面5にエアースプレー又はエア
レススプレー等にて上塗り剤S2 を塗布して図1に示す
ように、セラミック質層6を形成する。
【0038】しかして、上塗り剤S2 は、下塗り剤S1
と同様、オルガノアルコキシシランの部分縮合物と、テ
トラアルキルシリケートと、シリル基含有ビニル系樹脂
と、アルミニウム化合物および該アルミニウム化合物の
部分加水分解物の群から選ばれる少なくとも1種と、を
主成分となる塗料組成物である。
【0039】しかも、この上塗り剤S2 は、シリル基含
有ビニル系樹脂がオルガノアルコキシシラン100 重量部
に対して10〜60重量部とされ、その粘度が10〜50cps
とされる。
【0040】上塗り剤S2 を塗布する際には、研磨面5
は、清浄状態であり、上塗り剤S2の石材1への密着性
が向上し、しかも、天然石材1のごみ、汚れ等による塗
膜の汚染等を防止することができる。さらに、研磨面5
は少し荒い状態で研磨されているので、上塗り剤S2
密着しやすい。
【0041】また、上塗り剤S2 の塗布前には、石材1
の表面1aのワックスが除去されており、上塗り剤S2
のはじきが防止され、石材1との密着性が向上する。
【0042】次に、塗布した後は、天然石材1を水平に
保持する(以下、これをレベリングという)。
【0043】即ち、上塗り剤S2 は上述の如くその粘度
が10〜50cpsであるので、適度に流れて肉厚寸法が均
一な塗膜を形成する。
【0044】粘度が50cps以上であれば、流れにくく
なり、均一な塗膜が形成されず、逆に、10cps以下で
あれば、塗料組成物内部の相溶性がなくなり、クラック
が発生しやすくなるからである。
【0045】なお、低粘度の配合はアルコール等の溶剤
で希釈すればよい。
【0046】しかして、形成される上塗り剤S2 の厚さ
寸法は、ドライの状態で10〜 100μm好ましくは20〜50
μm程度とする。
【0047】これは、10μm以下では均一な塗膜の作製
が困難であると共に耐久性に劣るからであり、100 μm
以上であれば、クラックが発生して高硬度の塗膜の作製
が困難であり、しかも、その肉厚を大きくしすぎるとい
わゆる「コテコテ」に塗ったようになり、天然石材1の
もつ風合いやその意匠性を損ねる虞れがあるからであ
る。
【0048】なお、塗布する際のスプレー圧は、上塗り
剤S2 が研磨面5に当った後跳ね返らないように設定
し、3.0kg/cm2 以下、好ましくは、1.0 〜2.0kg/cm2
する。
【0049】しかして、使用される塗料組成物の中に含
まれるオルガノアルコキシシランの部分縮合物とテトラ
アルキルシリケートとシリル基含有ビニル系樹脂とがな
す主成分の比率は20〜75%が好ましい。
【0050】即ち、20%以下であれば、石材1との密着
性が十分に得られないとともに、塗膜を耐磨傷性、耐熱
性等に優れたものとすることができず、また、75%以上
であれば、塗膜厚の範囲が狭い範囲に限定されると共に
(高硬度の塗膜が得られるものの)膜歪によるクラック
の発生等でもって塗膜の作製が困難となる。
【0051】この際の粘度調整用の溶剤としては、沸点
が100 ℃以上のものを使用するのが好ましい。
【0052】なお、上塗り剤S2 の塗布方法としては、
フローコーター、ロールコーター、バーコーター等で行
なうも自由である。
【0053】次に、1〜15分間のレベリングを行なった
後、100 〜220 ℃(好ましくは、140 〜200 ℃)で10〜
60分間の加熱を行なって、脱水、脱アルコールをして、
上塗り剤S2 を硬化し、天然石材1の表面1aにセラミ
ック質層6を形成する。
【0054】ところで、上述の如く、使用する溶剤はそ
の沸点が100 ℃以上であるので、加熱の際、上塗り剤S
2 が硬化する前に溶剤が蒸発し、形成される塗膜(セラ
ミック質層6)の表面が不均一となったり、外観が損な
われることがない。
【0055】即ち、溶剤の沸点100 ℃以下であれば、硬
化する前に溶剤が蒸発し、セラミック層6の表面の均一
性や外観が損なわれる。
【0056】なお、天然石材1の石種によっても、石材
内部に含まれる水分が加熱の際に気泡となって蒸発し、
形成されるセラミック層6が均一なものとならないの
で、上塗り剤S2 を塗布する前に、50℃以下の予熱を加
え、石材内部の水分を蒸発させておけば、均一な塗膜を
形成することができる。
【0057】また、用途に応じて、上塗り剤S2 に顔料
を加え艶消しの風合を得るようにするも好ましい。
【0058】さらに、天然石材1から垂れるのを防止す
る防止剤、密着性を向上させる密着付与剤、消泡剤等の
塗料一般に使用される添加剤を適当量配合するも可能で
ある。
【0059】次に、実験例を示す。
【0060】天然石材1として大理石(ロッソアシア
ゴ)を使用し、その表面の洗浄、脱脂を行ない、表1に
示す下塗り剤S1 ハケにて大理石の表面に塗布する。こ
の際、小孔3a、亀裂3b等の非平面部3に下塗り剤S
1 が十分に埋まるようにする。なお、大理石の肉厚寸法
は12mmとした。
【0061】
【表1】
【0062】なお、表1において反応性シロキサンオリ
ゴマーとは、ペンタメチルジシロキサンの片末端に官能
基を有するダイマー型反応性シロキサンオリゴマーまた
は/およびテトラメチルジシロキサンの両末端に官能基
を有するダイマー型反応性シロキサンオリゴマーであ
る。
【0063】この反応性シロキサンオリゴマーは、組成
物の各成分間の結合促進剤およびバッファー剤としての
効果がある。
【0064】次に、150 ℃で30分間下塗り剤S1 が塗布
された大理石(天然石材1)を加熱し、下塗り剤S1
硬化させて下塗り層2を形成する。
【0065】その後、下塗り層2を、大理石の表面が露
出するまで研磨する。
【0066】研磨後に、洗浄、脱脂し、表1に示す上塗
り剤S2 をスプレーにて、硬化後の膜厚が20mmとなるよ
うに、塗布する。
【0067】塗布後、5分間のレベリングを行ない、そ
の後、150 ℃で30分間加熱し、24時間室温にて放置し
た。
【0068】そして、得られた石材と、以下に述べる比
較例にて得られた石材と、を評価した。
【0069】比較例1とは、表2に示すように、上塗り
剤S2 と下塗り剤S1 とを使用しない天然のままの石材
(大理石)であり、比較例2とは、下塗り剤S1 を使用
せずに、表2に示される配合の上塗り剤S2 を使用した
石材(大理石)であり、比較例3〜比較例6は、表2と
表3に示される配合の下塗り剤S1 と上塗り剤S2 とを
使用した石材(大理石)である。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】比較例2〜6において、下塗り層2及びセ
ラミック質層6を形成する場合、実験例と同様の方法に
よって行なった。
【0073】しかして、評価は以下の方法で行なって表
4にその結果を示した。
【0074】外観評価 目視により、石材の表面風合が損なわれているか否かを
観察する。
【0075】密着性評価 (a)直径が19.5mmでかつ重量が28.1gの鋼球を、90cm
の高さからセラミック質層6上に自由落下させ、その衝
撃によるセラミック質層6の状態を観察する。
【0076】(b)セラミック質層6に、2mm間隔で25
個の升目を刻み、その後、この升目上に粘着テープを貼
り、次に、この粘着テープを剥離し、この剥離状態を観
察する。
【0077】耐擦傷性評価 硬度(7H)の鉛筆を使用して、セラミック質層6の硬
度を観察する。
【0078】耐熱性評価 200 ℃に加熱されたプレートを、セラミック質層6上に
載置し、20分間そのまま放置した後、該プレートを除去
し、セラミック質層6の状態を観察する。
【0079】耐酸性評価 塩酸を10%に希釈し、その希釈した塩酸をセラミック質
層6上にピペットにより滴下し、24時間そのまま放置し
た後、該セラミック質層6の状態を観察する。
【0080】耐汚染性評価 油性マジック(黒)、クレヨン(黒)、食酢、醤油、を
直径が10mmの円形の範囲内に塗工又は滴下し、24時間そ
のまま放置した後、水洗又はアルコール洗浄を行ないセ
ラミック質層6の状態を観察する。
【0081】目止め効果評価 市販の赤色の酸性染料を1g/リットルの濃度に水で溶解
させてなる溶液を、大理石の亀裂部近傍に滴下し、2時
間そのまま放置した後、水洗いを行ない、亀裂部の内部
及び大理石の裏面への浸透状況を調べる。
【0082】
【表4】
【0083】また、表4には、上述の評価とは別に、塗
料組成物の硬化時間の良、不良をも評価した。
【0084】従って、実験例のように表面処理加工した
石材が全ての評価に対しても優れていることがわかる。
【0085】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。
【0086】 天然石材1の表面1aに高硬度で耐磨
傷性、耐水性、耐熱性、耐汚染性に優れた塗膜(セラミ
ック質層6)を形成することができる。
【0087】 セラミック質層6の天然石材1への密
着性が優れ、この方法により表面加工処理を行なった天
然石材1を、キッチントップ、バニティトップ、カウン
タートップ、及び水回り用の内装材として使用したとし
ても、長期にわたって、優れた防汚性、防水性を発揮す
ることができる。
【0088】 下塗り剤S1 と上塗り剤S2 とは、同
種のシリル基含有ビニル系樹脂を含んでいるので、密着
性がよく、容易に剥離することがない。
【0089】 下塗り剤S1 と上塗り剤S2 とは、透
明が大であり、天然石材1の外観、意匠性を損なうこと
がなく、天然石材1の自然な美しさを保持することがで
きる。
【0090】 比較的短時間で全作業を終了すること
ができ、作業性に優れしかも安価に処理することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る天然石材の表面処理方法にて表面
処理された状態の天然石材の要部拡大断面図である。
【図2】表面処理する前の天然石材の要部拡大断面図で
ある。
【図3】下塗り層を形成した状態の要部拡大断面図であ
る。
【図4】下塗り層を研磨した状態の要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 天然石材 1a 表面 2 下塗り層 3 非平面部 4 埋設部 5 研磨面 6 セラミック質層 S1 下塗り剤 S2 上塗り剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式RSi(OR1 3 (式中、Rは
    炭素数1〜8の有機基、R1 は炭素数1〜5のアルキル
    基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表わされる
    オルガノアルコキシシランの部分縮合物と、一般式Si
    (OR2 4 (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基
    を示す)で表わされるテトラアルキルシリケートと、末
    端あるいは側鎖に加水分解性基と結合したケイ素原子を
    有するシリル基を重合体分子中に少なくとも1個を有す
    るシリル基含有ビニル系樹脂と、一般式Al(OR3
    n 〔OR(R4 )=CHCOR5 3-n (式中、R3
    よびR4 はアルキル基、R5 はアルキル基またはアルコ
    キシ基、nは0〜3の整数を示す)で表わされるアルミ
    ニウム化合物および該アルミニウム化合物の部分加水分
    解物の群から選ばれる少なくとも1種と、を主成分とす
    る塗料組成物からなるセラミック質層を、天然石材の表
    面に形成する天然石材の表面処理方法であって、シリル
    基含有ビニル系樹脂がオルガノアルコキシシラン100 重
    量部に対して60〜180 重量部である塗料組成物を下塗り
    剤として、上記天然石材の表面に塗布して、該表面上の
    小孔、亀裂等からなる非平面部に埋設される埋設部を有
    する下塗り層を、形成し、次に、該下塗り層が硬化した
    後、該埋設部を残して上記天然石材の表面が露出するま
    で該下塗り層を研磨し、その後、シリル基含有ビニル系
    樹脂がオルガノアルコキシシラン100 重量部に対して10
    〜60重量部である塗料組成物を上塗り剤として、上記天
    然石材の研磨面に塗布して該天然石材の表面にセラミッ
    ク質層を形成することを特徴とする表面処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030079238A (ko) * 2002-04-02 2003-10-10 허도석 폐타일 재생방법
JP2008507470A (ja) * 2004-07-24 2008-03-13 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 自然石の封止法
KR20180082978A (ko) * 2017-01-11 2018-07-19 차인규 내열성, 내알코올성 및 내약품성을 구비하는 가구용 천연대리석 및 그 제조방법

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