JPH0647898U - 発熱体の保管容器及びその貯蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体の保管容器及びその貯蔵庫に係り、発
熱体の除熱効率を高め、再利用可能な状態を維持したま
ま、生活圏から隔離して長期間保管可能とする。 【構成】 ヒートパイプを有する容器本体に収納される
発熱体が、保管室の内底部の保管孔に装填され、空気の
自然対流によって発熱体が冷却される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、発熱体の保管容器及びその貯蔵庫に係り、特に、使用済燃料等のよ に長期間にわたって発熱する発熱体を生活圏から隔離した状態で保管するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

原子力プラント関連施設において発生する高レベル放射性廃液等をガラス固化 処理し、その固化パッケージを地層処分する技術として、実開平３ー１２５２９ ５号公報「放射性廃棄物の地層処分構造」が提案されている。

【０００３】 一方、原子炉で使用された使用済燃料等を再処理することなく貯蔵する技術と して、特開平３ー２７３１９８号公報「使用済燃料及び放射性廃棄物の貯蔵庫」 が提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、保管対象物が使用済燃料等の高発熱体であると、前者の地層処分技術 では冷却が不十分になり易く、後者の人工的な貯蔵技術では、冷却性や施設の用 地収得性等で難がある。

【０００５】 本考案は、上記課題を有効に解決するもので、発熱体の除熱効率を高めるこ と、生活圏から隔離した状態で長期間保管可能とすること、再利用可能な状 態を維持することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案にあっては、以下の手段を提供している。 第１の手段は、使用済燃料等の発熱体を密閉状態に収納する容器本体と、該容 器本体の壁に貫通状態に配され吸収部が容器本体内に位置するとともに放熱部が 容器本体外に位置するヒートパイプとを具備する構成の発熱体の保管容器として いる。 第２の手段は、放射線遮蔽壁によって囲まれた給気口及び排気口を有する保管 室と、該保管室の内底部に明けられ発熱体が装填される保管孔とを具備する構成 の発熱体の貯蔵庫としている。

【０００７】

【作用】

第１の手段にあっては、発熱体によってヒートパイプの吸熱部が加熱されると 、ヒートパイプを介して容器本体外に熱伝達され、放熱部よりその近傍の熱媒体 に放熱されて発熱体の除熱がなされる。 第２の手段にあっては、保管孔に装填された発熱体の熱が、保管室の空気対流 によって除去され、保管室の空気は、給気口及び排気口により換気される。

【０００８】

【実施例】

図１ないし図３に基づいて、本考案に係る発熱体の保管容器及びその貯蔵庫 の一実施例について説明する。 各図において、符号１は地表、１ａは放射性遮蔽壁（地層）、２は保管室（ア クセストンネル）、３は給気口、４は排気塔、５は排気口、６は保管孔、１０は 保管容器、１１は容器本体、１２はヒートパイプ、Ｘは発熱体である。

【０００９】 以下、その詳細について説明すると、前記保管室（アクセストンネル）２は、 図１に示すように、地層１ａに掘削されたもの等とされ、その内底部に複数の保 管孔６が明けられるとともに、保管室２の周辺位置と地上の給気口３とが接続さ れ、かつ、保管室２の中央位置と地上の排気口５とが接続されている。

【００１０】 前記被保管体１０にあっては、図２及び図３に示すように、保管孔６に装填状 態に埋設されるものであり、コンクリート製の容器本体１１と、該容器本体１１ の中心部に上藍１１ａから突出した状態に配されるヒートパイプ１２と、容器本 体１１の内壁とヒートパイプ１２との間に内部空間を複数の区画に仕切るように 配される隔壁１１ｂとを有している。

【００１１】 前記発熱体Ｘは、図２及び図３例にあっては使用済燃料であり、隔壁１１ｂに よって区画された複数の空間に収納される。

【００１２】 以下、発熱体Ｘの冷却について説明する。 発熱体Ｘを隔壁１１ｂで区画された空間に装填して隔壁１１ｂを被せた状態に すると、発熱体Ｘの熱によって容器本体１１の内部空気やヒートパイプ１２の一 部（吸熱部１２ａ）が加熱されてヒートパイプ１２の内部の作動流体が蒸発し、 この蒸気流が放熱部１２ｂに達すると、図１の保管室（アクセストンネル）２の 内部空気によって冷却される。 液化した作動流体は、ヒートパイプ１２のウイック１２ｃを経由して図２の矢 印で示すように下部まで戻され、吸熱部１２ａで再び蒸発が促される循環が繰り 返されることによって発熱体Ｘの冷却が行なわれる。

【００１３】 保管容器１０からの放熱によって高温となった空気は、保管室（アクセストン ネル）２の天井は近くに上昇するが、図１にあっては保管室（アクセストンネル ）２の中央部付近の空気が相対的に高温となるために、各矢印で示すように、高 温空気が排気塔４を経由して排気口５から排出されるとともに、給気口３から低 温の空気が保管室（アクセストンネル）２に取り入れられることにより空気の入 れ替えが行なわれる。

【００１４】 〔他の実施態様〕 本考案に係る発熱体の保管容器及びその貯蔵庫にあっては、一実施例に代えて 次の技術を採用することができる。 ａ）発熱体が化学反応によって少しずつ熱放出するものであること。 ｂ）容器本体内に収納される発熱体や、容器本体から突出状態に配されるヒート パイプの数または配置を任意とすること。 ｃ）容器本体の構成壁をステンレス鋼等によって構成すること。 ｄ）保管室の天井等を空気対流の発生に好適な形状とすること。

【００１５】

【考案の効果】

本考案に係る発熱体の保管容器及びその貯蔵庫によれば、以下の効果を奏する 。 （１） 発熱体を収納する容器本体と、容器本体の壁を貫通した状態に配される ヒートパイプとを具備する保管容器とすることにより、発熱体の熱を容器外に効 率良く伝達して、発熱体の温度上昇を抑制することができるとともに、構造の単 純化を図ることができる。 （２） 給気口及び排気口を有する保管室と、保管室の内底部に明けられ発熱体 が装填される保管孔とを具備する貯蔵庫とすることにより、放射線遮蔽壁を地層 によって構成して、地層処分及び生活圏からの隔離を容易に実施することができ る。 （３） 保管室の保管孔に発熱体を装填することにより、発熱体を引き出すこと が容易となり、再利用時の便を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る発熱体の貯蔵庫の一実施例を示す
正断面図である。

【図２】本考案に係る発熱体の保管容器の一実施例を示
す正断面図である。

【図３】本考案に係る発熱体の保管容器の一実施例を示
す平断面図である。

【符号の説明】

１ 地表 １ａ 放射性遮蔽壁（地層） ２ 保管室（アクセストンネル） ３ 給気口 ４ 排気塔 ５ 排気口 ６ 保管孔 １０ 保管容器 １１ 容器本体 １１ａ 上藍 １１ｂ 隔壁 １２ ヒートパイプ １２ａ 吸熱部 １２ｂ 放熱部 １２ｃ ウイック Ｘ 発熱体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用済燃料等の発熱体を密閉状態に収納
   する容器本体と、該容器本体の壁に貫通状態に配され吸
   熱部が容器本体内に位置するとともに放熱部が容器本体
   外に位置するヒートパイプとを具備することを特徴とす
   る発熱体の保管容器。
2. 【請求項２】 放射線遮蔽壁によって囲まれた給気口及
   び排気口を有する保管室と、該保管室の内底部に明けら
   れ発熱体が装填される保管孔とを具備することを特徴と
   する発熱体の保管容器の貯蔵庫。