JPH0647672U

JPH0647672U - 橋梁振動発電装置

Info

Publication number: JPH0647672U
Application number: JP8978592U
Authority: JP
Inventors: 勝好榛村
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-12-02
Filing date: 1992-12-02
Publication date: 1994-06-28

Abstract

(57)【要約】［目的］車両の通行時に発生する橋梁の振動エネルギ
ーを利用して発電する。［構成］橋桁の一端を一方の橋台に回動可能にピン支
持し、橋桁の他端を他方の橋台にバネを介して上下動可
能に支持し、前記橋桁の他端と他方の橋台との間に橋桁
の他端の上下運動を回転運動に変換する変換機構を設
け、該変換機構の回転軸に回転増速機構を介して発電機
を接続し、該発電機の出力端子に蓄電池を接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、橋梁の振動を利用して発電する橋梁振動発電装置に関するものである。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

従来は、橋梁の振動エネルギーを利用して発電するものがなく、橋梁部に設置する電光式の標識、信号機等の電源を、専ら電力会社から得るようにしていたため、経費が増大する欠点があった。本考案は、鋼製桁製の橋梁が車両の通行時に大きく上下方向に振動することに着目し、この振動を利用して発電する橋梁振動発電装置を得ることにより、上記標識、信号機等の電源に活用できるようにすることを目的とする。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、以下の如く構成したものである。即ち、橋桁の一端を一方の橋台に回動可能にピン支持し、橋桁の他端を他方の橋台にバネを介して上下動可能に支持し、前記橋桁の他端と他方の橋台との間に橋桁の他端の上下運動を回転運動に変換する変換機構を設け、該変換機構の回転軸に回転増速機構を介して発電機を接続し、該発電機の出力端子に蓄電池を接続する構成にしたものである。

【０００４】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。図において、図１は本考案が適用される橋梁の側面図、図２はそのＡ部拡大側面図、図３は上下運動を回転運動に変換する変換機構部の断面図である。図１および図２において、１は橋梁であり、Ｈ鋼により形成された鋼製の橋桁２の左端を支点軸３により左部の橋台４に上下方向に揺動可能に支持し、該橋桁２の右端をバネ５により右部の橋台６の段部６ａに上下動可能に支持する。上記橋桁２の右端部は、その右端面に取り付けた移動軸７を橋台６に固定したブラケット８の上下方向の長孔９に摺動可能に連結し、該長孔９と移動軸７とにより上記橋桁２の右端部の上下方向の移動量が最大３０mm程度となるように規制されている。なお、１ａは橋桁２の上面に敷設した床板である。

【０００５】上記橋桁２の右端と右部の橋台６との間に、橋桁２の右端の上下運動を回転運動に変換する変換機構１０を設ける。この変換機構１０は、図２および図３に示すようになっている。即ち、橋台６の段部６ａに固定したベース１１にケース１２を起立固定し、該ケース１２の上部にタービン１３を取付ける。このタービン１３は、ケーシング１４内にタービン羽根１５を収容して回転軸１６によりケーシング１４に回転自在に支持する。また、上記ケーシング１４の上方にシリンダ１７を配置し、連通路１７ｃによりケーシング１４の左部に接線方向から連通させる。上記シリンダー１７にピストン１８を上下方向に摺動可能に嵌合させ、ピストン１８に連結したロッド１９をケース１２から上方に突出させる。上記ロッド１９の上端は、橋桁２の上部に固定したＨ鋼製のブラケット２０の下面に当接させる。

【０００６】上記ケーシング１４およびシリンダ１７内に作動油（ア）を充填し、上記ケーシング１４の上部とシリンダ１７の上部とを戻り油路２１により連通させ、該戻り油路２１内にケーシング１４からシリンダ１７方向への作動油（ア）の流通を許容する逆止弁２２を設け、また、ピストン１８にシリンダ１７の上部室１７ａから下部室１７ｂへの作動油（ア）の流通を許容する逆止弁２３を取り付ける。

【０００７】上記ケース１２の下部に発電機２５を設置し、この発電機２５と前述したタービン１３とを回転増速機構２６を介して連結する。即ち、タービン１３の回転軸１６に大径の駆動スプロケット２７を、発電機２５の回転軸に小径の被動スプロケット２８を取付け、上記駆動スプロケット２７と被動スプロケット２８とにチェーン２９を懸回する。また、上記発電機２５の出力端子に蓄電池３０を接続し、該蓄電池３０の端子を橋梁１部に設置した電光式の標識、信号機等（図示省略）に接続する。

【０００８】上記実施例によれば、橋梁１を車両が通行すると、該車両の負荷によって橋桁２の右端部がバネ５の反力に抗して下動し、ブラケット２０を介してロッド１９、ピストン１８が下方に移動する。上記ピストン１８が下方に移動すると、逆止弁２３が閉塞され、シリンダ１７の下部室１７ｂの作動油（ア）が連通路１７ｃからケーシング１４内に吐出し、タービン１３が図２および図３において矢印（イ）方向に回転（左回転）される。上記タービン１３が回転されると、駆動スプロケット２７、チェーン２９、被動スプロケット２８により発電機２５が増速回転され、該発電機２５により発電された電気が蓄電池３０に充電される。なお、上記シリンダ１７の下部室１７ｂからケーシング１４内に流入した過剰の作動油（ア）は、戻り油路２１に吐出され、逆止弁２２を開いてシリンダ１７の上部室１７ａに流入する。

【０００９】また、上記車両の負荷が解除されると、バネ５の反力によって橋桁２の右端部が上動し、ブラケット２０を介してロッド１９、ピストン１８が上方に移動する。上記ピストン１８が上方に移動すると、戻り油路２１側の逆止弁２２が閉じるとともに、ピストン１８側の逆止弁２３が開き、シリンダ１７の上部室１７ａの作動油（ア）が下部室１７ｂに向かって流入し、次のタービン１３の駆動に備える。

【００１０】図４および図５は変換機構１０の第２実施例を示す。即ち、ケース１２内の上部に作動油（ウ）が収容されたシリンダ３５を取付け、このシリンダ３５内で上下動するピストン３６のロッド３７をケース１２から上方に突出させるとともに、該ロッド３７の上端を橋桁２に固定したＨ鋼製のブラケット２０の下面に当接させる。上記シリンダ３５の下方に外周に放射状の羽根３８ａを有する係合体３８を配置し、この係合体３８を回転軸３９を介してケース１２に回転自在に支持する。

【００１１】上記シリンダ３５の底部にガイドパイプ４０を係合体３８の接線方向に向けて垂下し、該ガイドパイプ４０の下部に加圧ロッド４１を摺動可能に嵌合させ。この加圧ロッド４１の下端にピン４２を介して係合爪４３を、図５において左右動可能に連結し、該係合爪４３の下端を上記羽根３８ａに接線方向から当接させる。上記係合爪４３は、復帰バネ４４および押圧具４５により係合体３８方向（右方）に回動付勢する。

【００１２】上記回転軸３９を回転増速機構４７を介してケース１２の下部に設置した発電機２５に連結する。即ち、回転軸３９に大径の駆動ギヤ４８を取付け、この駆動ギヤ４８を下部の中間軸４９に回転自在に支持した段付き遊動ギヤ５０の小径ギヤ５０ａに噛合させ、上記段付き遊動ギヤ５０の大径ギヤ（スプロケット）５０ｂをチェーン５１を介して発電機２５の回転軸に取り付けた小径の被動スプロケット２８に連結する。また、上記発電機２５の出力端子に蓄電池３０を接続し、該蓄電池３０の端子を橋梁１部に設置した電光式の標識、信号機等（図示省略）に接続する。なお、図４および図５において、図２および図３に附した符号と同符号の部分は該図２および図３と略同構造となっている。

【００１３】上記第２実施例によれば、車両の通過による負荷によって橋桁２の右端部がバネ５の反力に抗して下動し、ブラケット２０を介してロッド３７、ピストン３６が下方に移動すると、シリンダ３５の下部室の作動油（ウ）がガイドパイプ４０方向に流動し、加圧ロッド４１を下方に移動させる。さすれば、係合爪４３が羽根３８ａを下方に押圧して係合体３８を図５において矢印（イ）方向に回転（左回転）させる。上記係合体３８が回転されると、駆動ギヤ４８、小径ギヤ５０ａ、大径ギヤ５０ｂ、チェーン５１、被動スプロケット２８を介して発電機２５が増速回転され、該発電機２５により発電された電気が蓄電池３０に充電される。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案は、車両の通行時に発生する橋梁の振動エネルギーを利用して発電するようにしたので、橋梁部に設置する電光式の標識、信号機等の電源として活用することができ、経費が低減する効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用される橋梁の側面図である。

【図２】図１のＡ部拡大側面図である。

【図３】本考案による上下運動を回転運動に変換する変
換機構部の断面図である。

【図４】本考案による他の実施例を示す図２相当の要部
側面図である。

【図５】本考案による他の実施例を示す変換機構部の断
面図である。

【符号の説明】

１橋梁１ａ床板２橋桁３支点軸４橋台５バネ６橋台６ａ段部７移動軸８ブラケット９長孔１０変換機構１１ベース１２ケース１３タービン１４ケーシング１５タービン羽根１６回転軸１７シリンダ１７ａ上部室１７ｂ下部室１７ｃ連通路１８ピストン１９ロッド２０ブラケット２１戻り油路２２逆止弁２３逆止弁２５発電機２６回転増速機構２７駆動スプロケット２８被動スプロケット２９チェーン３０蓄電池３５シリンダ３６ピストン３７ロッド３８係合体３９回転軸４０ガイドパイプ４１加圧ロッド４２ピン４３係合爪４４復帰バネ４５押圧具４７回転増速機構４８駆動ギヤ４９中間軸５０段付き遊動ギヤ５０ａ小径ギヤ５０ｂ大径ギヤ（スプロケット）５１チェーン（ア）作動油（ウ）作動油

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】橋桁の一端を一方の橋台に回動可能にピ
ン支持し、橋桁の他端を他方の橋台にバネを介して上下
動可能に支持し、前記橋桁の他端と他方の橋台との間に
橋桁の他端の上下運動を回転運動に変換する変換機構を
設け、該変換機構の回転軸に回転増速機構を介して発電
機を接続し、該発電機の出力端子に蓄電池を接続したこ
とを特徴とする橋梁振動発電装置。