JPH064763Y2 - 中折れシートバック構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は中折れシートバック構造に関し、詳しくは、シ
ートバックを下部シートバックと上部シートバックから
形成し、前記下部シートバック内の下部フレームに前記
上部シートバック内の上部フレームをリクライニング機
構を介して前後方向へ傾動可能に取付け、前記上部シー
トバックが中折れする中折れシートバック構造に係るも
のである。

（従来の技術とその問題点） 従来の中折れシートバック（Ａ′）は、第７図に示す様
に、シートクッション（図示せず）に連結する下部シー
トバック（ａ′）に対して、上部シートバック（ｂ′）
が前後方向に傾動可能に連結され、これた上下部シート
バック（ａ′）（ｂ′）は一枚状の連結する表皮
（ｃ′）で被包され、上部シートバック（ｂ′）の背面
（ｄ′）を被覆する表皮（ｅ′）の端末（ｆ′）がシー
トバック（Ａ′）内の固定ワイヤ（ｇ′）にホッグリン
グ（ｈ′）で結着して形成される。

従って、上部シートバック（ｂ′）を前傾すると、上部
シートバック（ｂ′）の背面（ｄ′）を被覆する表皮
（ｅ′）の端末（ｆ′）が固定ワイヤ（ｇ′）に結着さ
れているため、上部シートバック（ｂ′）の表皮端末
（ｆ′）が固定ワイヤ（ｇ′）方向へ引張られ、上部シ
ートバック（ｂ′）を前傾状態にロックすることができ
なくなる虞れがある。

その為、上部シートバック（ｂ′）の背面（ｄ′）を被
覆する表皮（ｅ′）を、上部シートバック（ｂ′）が前
傾する際の長さに設定すると、上部シートバック
（ｂ′）が復帰した際、表皮（ｅ′）がダブついてシワ
が発生する虞れがある。

そこで、本考案は斯様な従来品の不具合を除去し且つ外
観品質が良好な中折れシートバック構造を提供すること
を目的とする。

（課題を解決すべき手段） 上記目的を達成するための本考案に係る中折れシートバ
ック構造は、シートバックを下部シートバックと上部シ
ートバックから形成し、前記下部シートバック内の下部
フレームに前記上部シートバック内の上部フレームをリ
クライニング機構を介して前後方向へ傾動可能に取付
け、前記上部シートバックが中折れする中折れシートバ
ック構造において、前記上部フレームの左右の中折れヒ
ンジ部に先端が後方向へ突出するリンクをそれぞれ取付
け、このリンク間にワイヤを横架して前記ワイヤに前記
上部シートバック背面を被覆する表皮端末を結着し、こ
の表皮端末を前記上部シートバックの傾動と共に上下方
向へ移動させるものである。

（作用） 上記構成に係る中折れシートバック構造によれば、上部
シートバックが前傾すると、上部フレームの中折れヒン
ジ部のリンクも同様にその先端が上方向へ回動する。

その為、リンク間のワイヤに結着した表皮端末は上方向
へ移動するため、上部シートバックの背面の表皮は上部
シートバックと共に移動し、上部シートバックは前傾位
置にロックできる。

また、上部シートバックを復帰すると、リンクと共に表
皮端末も下方向へ移動する。

従って、上部シートバックの背面の表皮の長さを一定に
することができる。

また、上部フレームの中折れヒンジ部のリンクはその先
端が下部シートバック内で回動すると、上部シートバッ
クを前傾する際、上下部シートバックの背面に隙間が発
生することがなく、外観品質及び安全性が向上する。

（実施例） 本考案に係る一実施例を第１図乃至第６図に基づいて説
明する。

同図中、中折れシートバック(A)は、シートクッション
(B)に連結する下部シートバック(a)と上部シートバック
(b)からなる。

下部シートバック(a)には枠状からなる下部フレーム(1)
が配設され、この下部フレーム(1)の上方には上部シー
トバック(b)の上部フレーム(2)が取付けられる。

上部シートバック(b)の上部フレーム(2)は逆Ｕ字形状か
らなり、一方の下端(3)が下部フレーム(1)の一方の上端
(4)に回動自在に枢着される。

そして、上部フレーム(2)と下部フレーム(1)間には、一
方の連結部(6)に上部フレーム(2)が下部フレーム(1)に
対して中折れ調節するための従来周知の中折れ用リクラ
イニング機構（中折れ用リクライニングアジャスタ）
(5)が装着される。

上部フレーム(2)と下部フレーム(1)間には、それぞれ左
右にリンク(8)、(9)が上部フレーム(2)の傾動方向へ回
動すべく取付けられる。

前記リクライニングアジャスタ(5)側のヒンジピン(12)
には、リンク(8)の基端(10)が一体に取り付けられ、リ
ンク(8)の先端(11)は後方向へ延出し、リンク(8)がヒン
ジピン(12)と共に回動する。

ヒンジピン(12)は、下部フレーム(1)に回動可能に取り
付けられるとともに、上部フレーム(2)に固定されてい
る。

一方、下部フレーム(1)の他方の上端(4)には、ヒンジピ
ン(13)が下部フレーム(1)に回動可能に取り付けられる
とともに、ヒンジピン(13)に弓形状のリンク(9)の中央
部(14)が一体に取り付けられ、弓形状リンク(9)の中央
部(14)がヒンジピン(13)と共に回動する。

前記弓形状リンク(9)の上端(15)は上部フレーム(2)の他
方の下端(3)に後側から溶接して当接し、上部フレーム
(2)を後方向へ傾動する際、弓形状リンク(9)の上端(15)
は上部フレーム(2)の他方の下端(3)に押されて回動す
る。

弓形状リンク(9)の下端(16)は、前記リクライニングア
ジャスタ(5)側のリンク(8)の先端(11)と同様に、後方向
へ延出する。

そして、弓形状リンク(9)の下端(16)とリクライニング
アジャスタ(5)側のリンク(8)の先端(11)間にはワイヤ(1
7)が横架して取付けられ、このワイヤ(17)は両端のリン
ク(8)、(9)と共に同方向へ回動する。

前記ワイヤ(17)には上部シートバック(b)の背面(d)を被
覆する表皮(e)の端末(f)が結着される。

上下部シートバック(a)、(b)は一枚状の表皮(c)で被包
され、前述のように、上部シートバック背面(d)の表皮
端末(f)がワイヤ(17)に結着される。

(18)はシートバック(A)の背面パネル、(19)はリクライ
ニングアジャスタ(5)のスパイラルスプリングである。

上記構成に係る中折れシートバック構造は、上部シート
バック(b)を前傾すると、リンク(8)の基端(10)と弓形状
リンク(9)の中央部(14)が同方向へ回動する。

その為、リンク(8)の先端(11)と弓形状リンク(9)の下端
(16)間のワイヤ(17)は上部シートバック(b)の前傾方
向、すなわち上方向へ移動する。

従って、表皮端末(f)はワイヤ(17)と共に移動するた
め、上部シートバック背面(d)の表皮(e)は引張られるこ
とがなく、上部シートバック(b)を前傾する際、上部シ
ートバック(b)を確実に前傾位置にロックできる。

また、上部シートバック(b)を復帰する際、上部シート
バック(b)を後方向へ押すと、リンク(8)、(9)は回動
し、ワイヤ(17)が共に移動して上部シートバック背面
(d)の表皮(e)にたるみによるシワ発生が生じないので、
外観上見栄えが良く、外観品質が向上する。

更に、上下部シートバック(a)、(b)を一枚状の表皮(c)
で被覆した際、上部シートバック(b)の背面(d)を被覆す
る表皮(e)の長さを一律に設定できるので、表皮(c)の被
覆作業が簡単に行なえる。

その上、リンク(8)の先端(11)と弓形状リンク(9)の下端
(16)の回動範囲を下部シートバック(a)内に設定する
と、上部シートバック(b)を前傾する際、ワイヤ(17)は
下部シートバック(a)内に位置する。

従って、上部シートバック(b)と下部シートバック(a)間
の背面に隙間が発生しないので、外観品質及び安全性が
向上する。

（考案の効果） この考案によれば、次の効果が生じる。

上部シートバックの背面の表皮端末は上部シートバッ
クの前傾と共に移動するので、表皮端末が引張られるこ
とがなく、上部シートバックを前傾位置に確実にロック
することができる。

表皮端末が上部シートバックと共に移動するので、上
部シートバック背面の表皮の長さを変えることなく一律
に設定しえる。

従って、表皮の被覆作業が容易化する。

上部シートバックを復帰した際に、上部シートバック
背面の表皮はたわむことがないので、シワが生じない。

従って、外観上見栄えが良く、外観品質が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る中折れシートバック構造を用いた
自動車シートの斜視図、第２図は第１図に示す中折れシ
ートバック構造の上下部フレーム構造の斜視図、第３図
は第２図に示すワイヤ、リンクの分解斜視図、第４図は
第２図の上下部フレーム構造の側面図、第５図は第１図
に示す中折れシートバックの一部断面の側面図、第６図
は第５図に示す要部の側面図、第７図は従来の中折れシ
ートバック構造の側面図である。 図中、(A)は中折れシートバック、(a)は下部シートバッ
ク、(b)は上部シートバック、(1)は下部フレーム、(2)
は上部フレーム、(5)はリクライニングアジャスタ、
(8)、(9)はリンク、(17)はワイヤ、(d)は上部シートバ
ック背面、(f)は表皮端末である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックを下部シートバックと上部シ
   ートバックから形成し、前記下部シートバック内の下部
   フレームに前記上部シートバック内の上部フレームをリ
   クライニング機構を介して前後方向へ傾動可能に取付
   け、前記上部シートバックが中折れする中折れシートバ
   ック構造において、前記上部フレームの左右の中折れヒ
   ンジ部に先端が後方向へ突出するリンクをそれぞれ取付
   け、このリンク間にワイヤを横架して前記ワイヤに前記
   上部シートバック背面を被覆する表皮端末を結着し、こ
   の表皮端末を前記上部シートバックの傾動と共に上下方
   向へ移動させることを特徴とする中折れシートバック構
   造。