JPH0647008U - 車軸用軸受装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的構造も簡単で且つ有効な防水機能を有
する車軸用軸受装置を提供すること。 【構成】 車軸３を通した車軸管の外端部に取付けたハ
ウジング６に軸受外輪２を嵌合すると共に該車軸３には
内輪４を嵌合しこれら内・外輪間にシ−ルリング５を設
け、前記ハウジング端にはバッキングプレ−ト７を取付
けると共に該バッキングプレ−ト７には前記外輪２を固
定する抑え蓋８を取付けて成る車軸用軸受装置１におい
て、前記内輪４の内周面又は車軸３の前記抑え蓋８の内
側にスリンガ−９を嵌合したことを特徴とする車軸用軸
受装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車の車軸管の外端部側（車輪側）の車軸を支持する軸受装置 、特に軸受内への泥水やダスト等の侵入を防止することの出来る車軸用軸受装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車の半浮動式リヤアクスルでは図３に示すように車軸（回転軸）３の端部 に設けたフランジ３ａに車輪を取付け、該フランジ３ａより内側に軸受装置１を 配置した構造とするものが知られている（実開平３−１０２６１９）。 この軸受装置１は外輪２側を車軸管端部のハウジング６に、内輪４を車軸３に それぞれ嵌合してあるが、泥水等の侵入を防止するためこの軸受装置１にはシ− ルリング５を嵌め込んだものが使用される。またこのような半浮動式リヤアクス ルでは軸受装置１の外輪２を嵌め込むハウジング６の外側にバッキングプレ−ト ７が設けられ、更に該バッキングプレ−ト７には軸受装置１を抑えるように抑え 蓋８が固定されているが、該抑え蓋８は車軸３の段部３ｂとの間に小さな隙間ｄ が形成されるよう取付けられるためダスト侵入の役目をする。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記するように半浮動式リヤアクスルの軸受装置においてシ−ルリング５のみ では防水対策が不完全であり、一方別個に密封装置を組み込むのは構造的にも煩 雑になる傾向がある。この考案はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その 目的とするところは比較的構造も簡単で且つ有効な防水機能を有する車軸用軸受 装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案は上記する課題を解決するために、車軸を通した車軸管の外端 部に取付けたハウジングに外輪を嵌合すると共に該車軸には内輪を嵌合しこれら 内・外輪間にシ−ルリングを設け更に前記ハウジング端にはバッキングプレ−ト を取付けると共に該バッキングプレ−トには前記外輪を固定する抑え蓋を取付け て成る車軸用軸受装置において、前記内輪の内周面又は車軸の前記抑え蓋の内側 にスリンガ−を嵌合配置したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

車軸用軸受装置を上記手段とすると、スリンガ−９と抑え蓋８とがラビリン ス構造を形成し、また該スリンガ−の遠心作用により泥水やダスト等が侵入しに くくなる。更にスリンガ−９と抑え蓋８との間に水が侵入しても下側のドラムブ レ−キやディスクブレ−キ等に設けた水抜き穴（図示せず）から素早く排出する ことが出来る。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の具体的実施例について図面を参照して説明する。 図１はこの考案の車軸用軸受装置１の軸方向の一部断面図である。この図にお いて説明の都合上、同一構成部品には図３と同一の符号を使用して説明する。 車軸３の端部に形成されたフランジ３ａ内側には段部３ｂが形成され、軸受装 置１は該段部３ｂの内側に配置される。この車軸３に形成された段部３ｂには防 水用のスリンガ−９が圧入嵌合され、軸受装置１はハウジング６と車軸３との間 に配置される。

【０００７】 次に、前記軸受装置１の外輪２を嵌合するハウジング６は懸架装置を介して支 持される車軸管（図示せず）の開口端部に固定されて取付けられるが、該ハウジ ング６端には軸受装置１の外輪２を嵌合し、更に外輪２固定用としてバッキング プレ−ト７を取付ける。こうして軸受装置１を取付けた後、更に該バッキングプ レ−ト７には抑え蓋８が取付けられる。また、車軸３に嵌合された軸受装置１の 内輪４内側にはアキシアル荷重による軸受装置の移動を防止するため内側より固 定用リング１０が嵌め込まれる。前記ハウジング６と該固定用リング１０との間 にもダスト侵入のためのシ−ル１１が配置されている。尚、前記スリンガ−９は 軸受装置の内輪４に仮止めするようにしても良い。

【０００８】 この車軸用軸受装置を以上のように構成すれば、スリンガ−９と抑え蓋８とが ラビリンス構造を形成し、また該スリンガ−の遠心作用により泥水やダスト等が 侵入しにくくなる。更にスリンガ−９と抑え蓋８との間に水が侵入しても下側の ドラムブレ−キやディスクブレ−キ等に設けた水抜き穴（図示せず）から素早く 排出することが出来る。

【０００９】 図２はこの考案にかかる車軸用軸受装置の変形実施例である。即ち、スリンガ −９は車軸３の段部３ｂに嵌合させるのではなく、軸受装置の内輪４の内周面に 嵌合させても良い（スリンガ−９の向きは逆でも良い）。このようにスリンガ− ９を内輪４の内周面に取付けても同様の作用効果を生じさせることが出来る。

【００１０】

【考案の効果】

この考案の車軸用軸受装置は以上詳述したような構成としたので、簡単な構造 でしかも効果的に泥水やダストの侵入を防止することが出来る。またこのような 防水構造としても組立てにくくなる等の不都合はなくコスト的にも安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の車軸用軸受装置の軸方向の一部断面
図である。

【図２】この考案にかかる車軸用軸受装置の変形実施例
の軸方向の一部断面図である。

【図３】従来の車軸用軸受装置の軸方向の一部断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 車軸軸受装置 ２ 外輪 ３ 車軸 ３ａ フランジ
３ｂ 段部 ４ 内輪 ５ シ−ルリング
６ ハウジング ７ バッキングプレ−ト ８ 抑え蓋
９ スリンガ−

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車軸を通した車軸管の外端部に取付けた
   ハウジングに外輪を嵌合すると共に該車軸には内輪を嵌
   合しこれら内・外輪間にシ−ルリングを設け更に前記ハ
   ウジング端にはバッキングプレ−トを取付けると共に該
   バッキングプレ−トには前記外輪を固定する抑え蓋を取
   付けて成る車軸用軸受装置において、前記内輪の内周面
   又は車軸の前記抑え蓋の内側にスリンガ−を嵌合配置し
   たことを特徴とする車軸用軸受装置。