JPH064696B2 - 流動性改良ポリカ−ボネ−トの製法 - Google Patents

流動性改良ポリカ−ボネ−トの製法

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JPH064696B2 JP61013216A JP1321686A JPH064696B2 JP H064696 B2 JPH064696 B2 JP H064696B2 JP 61013216 A JP61013216 A JP 61013216A JP 1321686 A JP1321686 A JP 1321686A JP H064696 B2 JPH064696 B2 JP H064696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩基性触媒を用いてエステル交換法により芳香
族系ポリカーボネート又はポリエステルカーボネートを
製造する工程で、その初期縮合反応が終わった後の任意
の段階でアルキル基置換スチレンオキサイドを添加反応
せしめることにより流動性を改良し、成形加工性の良い
芳香族系ポリカーボネート又はポリエステルカーボネー
トを製造する方法に関するものである。
〔従来の技術とその問題点〕
芳香族系ポリカーボネート又はポリエステルカーボネー
トはその優れた機械的性質のために、工業用材料、電気
・電子用材料、自動車用材料、家庭用品材料など広い範
囲で使用されているが、その成形温度が高いため、応用
に制約のあるのが現状である。
従来から芳香族系ポリカーボネートの溶融流動性を改良
する方法としては数多くの提案がなされている。低分子
量のポリカーボネートを共存せしめる方法、可塑化効果
を持つ化合物を共存せしめる方法等はその代表的な例で
あるが、最近では、特開昭60-166321号公報に見られる
ようにポリマー主鎖に屈曲性の高いメチレン鎖を導入す
ることにより流動性を改良する方法、特開昭60-215019
号公報のように少量の3官能性以上の官能基をもつ分岐
化剤を用いて流動性を改良する方法、また特開昭60-203
632号公報のように長鎖の分子量調節剤を用いて流動性
を改良する方法等が提案されている。
エポキシ系化合物を芳香族系ポリカーボネートの安定剤
として使用することは公知であり、例えば特開昭48-903
50号公報、特開昭49-99745号公報、特開昭49-106562号
公報ではフォスファイト系化合物とエポキシ系化合物を
組み合わせて加えることにより耐熱安定性を向上せしめ
る方法が提案されており、また特開昭56-88456号公報で
はビスエポキシエーテル系化合物を耐加水分解安定剤と
して使用することが提案されている。併しこれらのエポ
キシ系化合物には顕著な流動性改良効果は見出されてい
ない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は芳香族系ポリカーボネート又はポリエステ
ルカーボネートの流動性を改良する検討で、初期縮合反
応が終了した後の任意の重合過程でアルキル基置換スチ
レンオキサイドを添加反応せしめることにより極めて経
済的且つ容易に流動性が改良され、安定性の良いバラン
スのとれた優れた機械的性質をもつ流動性改良芳香族系
ポリカーボネート又はポリエステルカーボネートの得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、塩基性触媒を用いてエステル交換法によ
り芳香族系ポリカーボネート又は芳香族系ポリエステル
カーボネートを製造する工程で、その初期縮合反応終了
後の任意の段階で炭素数4から22までのアルキル基置換
スチレンオキサイドを生成重合物に対し0.1から5重量
%の範囲になるように添加し、反応せしめることを特徴
とする流動性改良ポリカーボネート又はポリエステルカ
ーボネートの製法に関するものである。
ここで芳香族系ポリカーボネート又はポリエステルカー
ボネートとは、 で表わせる構造を持ち、R1,R2,R3,R4,は水素、ハロゲ
ン、炭素数4以下のアルキル基を、Xはアルキレン、ア
ルキリデン、シクロアルキレンのような2価の炭化水素
残基、-0-,-S0-,-S02-,-C0-を含む。Arは芳香族ジカル
ボン酸のカルボキシル基を除いた残基であり、p,q,p′,
q′は1から4の正の整数、1,1′は0又は1、mは正の
実数、nは0を含む正の実数でm+n=1である。ここに
1又は1′が0であることは夫々のフェニレン核が直結
することを意味する。
初期縮合反応の終わった後の任意の段階で反応系に添加
されるアルキル基置換スチレンオキサイドは、パラの位
置又はメタの位置(以下p−位又はm−位と略称する)
に置換基をもつ で表わせる化合物であって、nが4から22までの正の整
数であるものが挙げられ、アルキル基の水素の一部が炭
素数1から4までのアルキル基で置換された側鎖をもつ
置換基であってもよい。これらのアルキル置換スチレン
オキサイドは反応により得られる重合物に対し0.1から
5重量%の範囲になるように添加、反応せしめることが
望ましい。
本発明の内容を更に詳細に説明する。
本発明における芳香族系ポリカーボネート又はポリエス
テルカーボネートの製造は、2価のフェノール類と芳香
族系炭酸ジエステルから芳香族系ジカルボン酸エステル
の存在又は非存在下で塩基性触媒を用いてエステル交換
法により製造される。ここに云う塩基性触媒としては、
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、水素化物、アミド化物、炭酸塩、酢酸塩、アルコラ
ート、フェノラート、ボロハイドライドや第4級アンモ
ニウムヒドロキサイド、第4級アンモニウムハロゲナイ
ド、第4級アンモニウムボロハイドライドのような第4
級アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、テ
トラアルキルアンモニウムボロハイドライド、リチウム
アルミニウムハイドライド等が挙げられる。
2価のフェノール類としては、具体的には4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル−1,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
−1,1−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−1,1
−ブタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−1,1−イソ
ブタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ペンタン、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル−2,2−(4−メチルペンタ
ン)、4,4′−ジヒドロキシジフェニルジフェニルメタ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルフェニルメチルメ
タン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−1,1−シクロペ
ンタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−1,1−シクロ
ヘキサン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4′ジヒドロキシジフ
ェニルスルフォキサイド、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニスルホン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−
ジヒドロキシ(3,3′−ジメチルジフェニル)2,2−プロ
パン、4,4′−ジヒドロキシ(3,3′,5,5′−テトラメ
チルジフェニル)−2,2−プロパン等の化合物が挙げら
れる。
芳香族系炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネ
ート、ビス(p−クロルフェニル)カーボネート、ビス
(o−クロルフェニル)カーボネート、ビス(p−ニト
ロフェニル)カーボネート、ビス(o−ニトロフェニ
ル)カーボネート、ジトリルカーボネート等の非置換及
び該置換基をもつジアリールカーボネートが用いられ
る。
芳香族系ポリエステルカーボネートを得る場合には更に
芳香族系ジカルボン酸エステルの存在を必要とするが、
これにはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、p,p′
−ジフェニルジカルボン酸等のジメチルエステル、ジフ
ェニルエステルが含まれる。
エステル交換反応は2価のフェノール類、芳香族系炭酸
ジエステル、芳香族系ポリエステルカーボネートを得る
場合には更に芳香族系ジカルボン酸エステルを存在せし
め、窒素雰囲気下で加熱溶融し、混合攪拌下に塩基性触
媒を2価フェノール類に対し10-4モル%ないし10-2モル
%添加して反応を開始する。反応の進行に伴い芳香族な
いしは脂肪族のモノオキシ化合物が生成するので、留出
速度を制御しながら徐々に系の温度を高めてゆく。反応
系の温度を200ないし220℃に保持し、モノオキシ化合物
の留出速度を制御しながら更に反応系内の圧力を760mmH
gから徐々に下げ、生成するモノオキシ化合物を留去し
てゆく。理論量に近い量のモノオキシ化合物が留出し終
わった時点を初期縮合反応の終わった点と定義し、この
後任意の段階でアルキル基置換スチレンオキサイドを生
成重合物に対し0.1から5重量%の範囲になるように添
加し、更に反応を続行する。添加の方法は一度に所定量
を添加しても良く、任意の回数に分けて添加しても良
い。
アルキル基置換スチレンオキサイドとしては、スチレン
オキサイドのp−位又はm−位に炭素数4から22までの
アルキル基を置換基として持つ化合物が挙げられるが、
このアルキル基の一部の水素が炭素数1から4までのア
ルキル基で置換された側鎖をもつアルキル基であっても
良い。置換アルキル基主鎖の炭素数が3以下になると本
発明の特徴とする流動性改良効果は不充分であり、また
23以上になると得られる重合物が乳白濁傾向を帯び無色
透明性が損なわれるので好ましくない。具体的には、p
−n−ブチルスチレンオキサイド、p−n−ペンチルス
チレンオキサイド、p−n−ヘキシルスチレンオキサイ
ド、p−n−ヘプチルスチレンオキサイド、p−n−オ
クチルスチレンオキサイド、p−n−ノニルスチレンオ
キサイド、p−n−デシルスチレンオキサイド、p−ラ
ウリルスチレンオキサイド、p−ステアリルスチレンオ
キサイドなどのp−置換体、m−n−ブチルスチレンオ
キサイド、m−n−ペンチルスチレンオキサイド、m−
n−ヘキシルスチレンオキサイド、m−n−ヘプチルス
チレンオキサイド、m−n−オクチルスチレンオキサイ
ド、m−n−ノニルスチレンオキサイド、m−n−デシ
ルスチレンオキサイド、m−n−ラウリルスチレンオキ
サイド、m−ステアリルスチレンオキサイドなどのm−
置換体、p−(2−メチルオクチル)スチレンオキサイ
ド、p−(2,2,4−トリメチルオクチル)スチレンオキ
サイド等の側鎖をもつアルキル基置換スチレンオキサイ
ド等が挙げられる。これらのスチレンオキサイド誘導体
は夫々単独で添加反応させても、また混合物として添加
反応させても良い。添加反応させる量としては0.1から
5重量%の範囲が好ましく、0.1重量%未満では流動性
改良の目的が達せられず、5重量%よりも多くなると最
終的に得られる重合物の物性、特に硬度、曲げ弾性率、
熱変形温度等の値が低下するから好ましくない。
このアルキル基置換スチレンオキサイドの添加後は引続
き同一条件で約20ないし30分間溶融攪拌を続けてから更
に温度及び真空度を高めて重縮合反応を進め、最終的に
は270ないし290℃、圧力を数mmHg以下、好ましくは1mm
Hg以下に保って重縮合反応を完結して高分子量の重合物
を得る。このアルキル基置換スチレンオキサイドは初期
縮合反応終了後の任意の重合段階で添加して良い。重縮
合反応を完結し高分子量の溶融重合物に添加する場合
は、窒素気流下大気圧に戻して添加し約250℃ないし約2
70℃で約20ないし30分間攪拌混合下に反応を進めるだけ
でも良いし、更に真空度を高めて反応を完結しても良
い。このアルキル置換スチレンオキサイドの添加の時期
は、目的とする重合物の分子量及びアルキル置換スチレ
ンオキサイドの沸点などを勘案して定めれば良い。
なお反応に於ける2価フェノール類に対する芳香族系炭
酸ジエステルと芳香族系ジカルボン酸エステルの比は理
論的には等モルで高分子量の重合物が得られる筈である
が、芳香族系炭酸ジエステルの揮発によるバランスの崩
れを防止する意味と、比較的熱分解を起こし易い2価フ
ェノールを炭酸ジエステルとの反応で比較的安定なフェ
ニルカーボネート末端として反応を進めるため、理論量
よりやや過剰の炭酸ジエステルを用いて反応を進めるこ
とが好ましい。得られる重合物は、目的に応じて更に公
知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、カオリン、シリカ、マ
イカ、タルク、二酸化チタン、アルミナ、ガラス繊維、
炭素繊維などの充填剤や補強剤、着色のための染顔料、
エステルワックス、アマンドワックス、炭化水素系ワッ
クス等の離型剤、オクタブロモジフェニルやテトラブロ
モビスフェノールA系ポリカーボネート等の難燃化剤
等、各種添加剤を加えることが出来る。この材料は押出
成形や射出成形により家庭電気用器具、屋外証明用器
具、工業用部品等に用いられることは勿論、その溶融流
動性が良いため、精密成形用に適し、光学機器用材料と
して適している。
〔実施例〕
以下本発明を具体的に実施例を挙げて説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ビスフェノールA228gとジフェニルカーボネート230g
(ジフェニルカーボネート/ビスフェノールAのモル比
は1.075)を1容の攪拌機付反応容器に仕込み、窒素
置換後150ないし160℃で溶融状態になした。次に触媒と
して水酸化リチウムの0.01モル/濃度の水溶液を1m
添加(ビスフェノールAに対し10-3モル%)し、徐々
に温度を上げて約3時間で220℃まで昇温した。同時に
系内の圧力を徐々に下げて約30mmHgになし、180m
のフェノールを留出させた。ここで反応系内の圧力を窒
素下で常圧まで戻し、p−ステアリルスチレンオキサイ
ド2.44g(生成重合物に対し約1.0重量%)を添加し220
℃で約30分間攪拌を続け、後引続き再度減圧を開始し、
約2時間にわたって270℃,0.5mmHgにもたらした。この
状態で更に1時間反応を続けてポリカーボネートを得
た。得られた重合物は殆ど無色透明で、20℃の塩化メチ
レン溶液で測定して得られた固有粘度は0.342であっ
た。
耐熱性の評価として窒素気流中、昇温速度10℃/分の条
件で示差熱重量分析装置(理学電機(株)製)で熱分解
挙動を測定した。熱分解による重量減が元の重量の5%
に達した温度(T5)は451℃、重量減が元の重量の10%に
達した温度(T10)は460℃であった。
耐加水分解性を評価するために、熱プレスにより50mm×
50mm×0.6mm厚のシートを作成し、90℃,100%RHの恒温
恒湿槽内に吊り下げて加水分解による劣化を30日に於け
るシートの固有粘度の低下とシートの外観より評価した
30日後の固有粘度は0.318で初期の固有粘度に対する保
持率は93.0%であり、シート外観も無色透明が保たれ異
常は認められなかった。
また、キャピログラフ(東洋測機(株)製)を用い、28
0℃で測定した剪断速度102/秒に於ける溶融粘度は2510
ポイズ、剪断速度103/秒に於ける溶融粘度は1510ポイ
ズであった。以上の結果は以下の実施例及び比較例の結
果と共に表1に示した。
比較例1 実施例1との比較のために、実施例1においてp−ステ
アリルスチレンオキサイドを添加反応させることを除き
全く同様な実験を行った。即ち、ビスフェノールA228g
とジフェニルカーボネート230g(ジフェニルカーボネー
ト/ビスフェノールAのモル比は1.075)を1容の攪
拌付反応容器に仕込み、窒素置換後150ないし160℃で溶
融状態にした。引続き触媒として水酸化リチウムの0.01
モル/濃度の水溶液を1m添加(ビスフェノールA
に対し10-3モル%)し、徐々に温度を上げ、同時に系内
の圧力を徐々に下げ、約3時間で220℃,約20mmHgに達
せしめ、この間約180mlのフェノールを留出させた。引
続き約1時間にわたって系内の温度を260℃,0.8mmHgに
もたらせて反応を終了した。得られた重合物の20℃の塩
化メチレン溶液で測定して得られた固有粘度は0.340
で、実施例1で得られた重合物の固有粘度とほぼ等しい
が、280℃に於ける溶融粘度は剪断速度102/秒で4470ポ
イズ、103/秒で2750ポイズであって、実施例1の重合
物の溶融粘度に比し高い。表1に示す如く、実施例1は
比較例1に比し溶融流動性に対しては勿論、耐熱分解性
及び耐加水分解性にもp−ステアリルスチレンオキサイ
ドの効果が顕著に表われている。
比較例2 実施例1においてp−ステアリルスチレンオキサイドの
代わりにエポキシ化アマニ油2.44gを初期縮合終了後に
添加反応してポリカーボネートを得た。実施例1で示し
た重合物の固有粘度に近い重合物(〔η〕=0.341)の
物性を測定し、表1に示した。エポキシ化アマニ油は溶
融流動性改良に殆ど寄与していない。
実施例2 ビスフェノールA228g、ジフェニルカーボネート115g、
テレフタル酸ジフェニル79.6g、イソフタル酸ジフェニ
ル79.6gを1容の攪拌機付反応容器に仕込み、窒素置
換後150ないし160℃で溶融状態になした。次に触媒とし
てカリウムボロハイドハライドをフェノール容液の形で
ビスフェノールAに対し5×10-3モル%になるように添
加して実施例1と同様、昇温、減圧下に反応を進めた。
留出フェノールが約180mに達した時点で反応系の圧力
を窒素気流下で常圧に戻し、p−ステアリルスチレンオ
キサイド3.00gを添加(生成重合物に対し約1.0重量
%)し、220℃で約30分間撹拌を続けてから再度徐々に
昇温、減圧し、最終的に約3時間かけて270℃,0.3mmHg
にもたらし、更に1時間この状態で反応を継続してポリ
エステルカーボネートを得た。結果は表1に示す。
比較例3 実施例2においてp−ステアリルスチレンオキサイドを
添加することなく、同様な実験を繰り返し、実施例2の
重合物の固有粘度に近い固有粘度を持つ重合物について
その性状を測定した。
表1に示す如く、300℃に於ける溶融粘度は実施例2の
溶融粘度に比し可なり高く、ポリエステルカーボネート
に対してもp−ステアリルスチレンオキサイドの効果は
顕著である。
実施例3 実施例1において触媒としてテトラブチルアンモニウム
ブロマイドをビスフェノールAに対し5×10-4モル%用
い、p−ラウリルスチレンオキサイドを3.5g(生成重合
物に対し約1.4重量%)、重縮合反応が完了してから溶
融反応系に添加し、更に260℃で窒素気流下、約20分間
撹拌し、引き続き約0.5mmHg迄圧力を下げ、260℃で約30
分反応を続けて重合物を得た。その固有粘度は0.422で
あった。物性測定結果を表1に示す。
比較例4 実施例3においてp−ラウリルスチレンオキサイドを加
えることなく重合して得られた固有粘度0.421のポリカ
ーボネートの物性を測定した。実施例3と比較するとp
−ラウリルスチレンオキサイドの添加反応による溶融粘
度低下効果は明らかである。
実施例4 p−ステアリルスチレンオキサイドとp−ラウリルオキ
サイドの1:1混合物を4.0g(生成重合物に対し1.64重
量%)を添加反応させた例である。溶融粘度の低下効果
は大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性触媒を用いてエステル交換法により
    芳香族系ポリカーボネート又は芳香族系ポリエステルカ
    ーボネートを製造する工程で、その初期縮合反応終了後
    の任意の段階で炭素数4から22までのアルキル基置換ス
    チレンオキサイドを生成重合物に対し0.1から5重量%
    の範囲になるように添加し、反応せしめることを特徴と
    する流動性改良ポリカーボネート又はポリエステルカー
    ボネートの製法。
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