JPH0646157Y2

JPH0646157Y2 - ヘツドホン

Info

Publication number: JPH0646157Y2
Application number: JP13627385U
Authority: JP
Inventors: 正雄小林
Original assignee: フオスタ−電機株式会社
Priority date: 1985-09-04
Filing date: 1985-09-04
Publication date: 1994-11-24
Anticipated expiration: 2000-09-04
Also published as: JPS6244590U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、低音域補償用の音道を備えたヘッドホンに関
する。

（従来技術）従来、特にインナーイヤータイプのヘッドホンの如く比
較的小口径のヘッドホンにおいては、低音共振周波数の
増大による低音域再生音の聞き取りにくさを補償するた
め、種々の対策が講じられている。例えば実開昭59−17
7287号では、マグネットやヨーク、プレート、ボイスコ
イルおよび振動板等からなるドライバーユニットの背後
に取付けられた筐体に開口部を有するダクトを付設し、
このダクトの音道による等価インダクタンスをドライバ
ーユニットの音響回路に付加することによって全体の低
音共振周波数を下げ、低音域における音圧の低下を防い
で特性を改善している。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、この従来例においては、ダクトが筐体の
外部に突出しているため、使用時または保管時等にこの
ダクトが邪魔になる欠点があり、更に外観上も好ましく
ないという問題があった。

本考案は上記の問題点を解消するべく提案されたもの
で、その目的とするところは、従来のダクトに相当する
音道を筐体の内部に形成するとにより、低域補償をコン
パクトな形で実現でき、かつ特性的にも任意の設定が可
能であり、また、筐体の外形を簡素化して使い勝手をよ
くすると共に、外観の向上をも可能にしたヘッドホンを
提供することにある。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案は、スピーカの背後に
配設された筐体自体の内部に、筐体を利用して略渦巻状
またはＳ字形をなし、前記スピーカ側と筐体外部とに連
通する低音域補償用の音道を形成したことをその要旨と
するものである。

（作用）すなわち本考案においては、筐体内部に形成された音道
による等価的な共振回路がスピーカ本来の共振回路に付
加され、低音共振周波数を低下させて低音域における周
波数特性を補償・改善するものである。この場合、音道
は筐体を利用し、かつほぼ渦巻状等としているため、低
域補償をコンパクトな形で実現している。

また、設計の際、音道の形状や容積等にある程度の自由
度があり、特性的にも任意の設定が可能である。

（実施例）以下、図に沿って本考案の実施例を説明する。

第１図はいわゆるインナーイヤータイプのヘッドホンの
本考案にかかる第１実施例を示しており、この実施例は
スピーカ１の背後の筐体２自体の内部にコンパクトに音
道3aを形成したものである。

すなわち、このスピーカ１の内部構造は周知構造をな
し、かつこのスピーカ１の背面側には背面を覆うよう
に、ほぼ円錐台状の筐体２が設けられている。そして、
この筐体２の背部の平板状の背板2aは肉厚状に形成して
あり、この背板2aに同図（ロ）の如く渦巻状の溝を形成
すると共に、背板2aの前面に、つまりスピーカ１の背面
側に溝の中心と連通する通孔4aがほぼ中央部に形成され
た隔壁４を配設してこれら通孔4a、溝等によって音道3a
が形成されている。そして音道3aの端部の開口部2bを外
部に露出させ、また中心の開口部2cを隔壁４の通孔4aを
介してスピーカ１側に連通させて構成されている。

なお、その他、図中５はスピーカ１のリード線、６は筐
体２の前面に結合された音孔6aを有するスピーカ１のプ
ロテクタ、７はプロテクタ6,筐体２の下方部に設けられ
たブッシングで、このブッシング７を介してリード線５
が外部に導出されている。また、８はスピーカ１のマグ
ネット、９はスピーカ１の振動板、10はスピーカ１背面
のターミナル板である。

また、第１図（ハ）は（イ）図中Ｂ−Ｂ線の断面図であ
る。

しかして、この実施例では溝の巾等を適宜選定し、音道
3aによる等価インダクタンスおよび音響抵抗等による共
振回路がスピーカ１本来の音響回路の共振回路に加わる
ようにし、低音共振周波数を低下させることによって第
２図のａに示す如く従来例（図中、ｂ）に比べて低音域
における音圧の低下を補償することができ、良好な再生
音を得ることができる。

次いで、第３図は本考案の第２実施例であり、第１図
（ロ）に相当する要部断面図によって示してある。この
実施例は、筐体２の背板2a内に形成される音道3aの開口
部2bから内端部2b′までの形状をほぼＳ字形に形成した
もので、第１実施例と同様の低音域補償効果が得られる
ものである。

（考案の効果）以上のように本考案によれば、スピーカの背後の筐体自
体の内部に低音域補償用の音道が形成されているため、
低域補償がよりコンパクトな形で実現でき、また、特性
的にも任意の設定が可能となり、かつ従来のようにこの
音道を構成するダクト等が外部に突出して引掛かるとい
った不都合がなく、使用時における使い勝手が向上し保
管の際にも場所をとらない等の効果がある。

また、突起物のないシンプルな外観が得られる等の利点
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）は本考案の第１実施例を示す要部断面図、
同図（ロ）は同図（ハ）のＡ−Ａ断面図、同図（ハ）は
同じくＢ−Ｂ断面図、第２図は周波数特性を示す図、第
３図は本考案の第２実施例を示す要部断面図である。１……スピーカ、２……筐体 3a……音道、3b……背板４……隔壁

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】スピーカ１の背後に配設された筐体２の内
部に、前記スピーカ１側と筐体２外部とに連通する低音
域補償用の音道3aを形成し、この音道3aは、筐体２の背
板2aに形成された溝と、前記背板2aの内面に配設された
隔壁４とにより、略渦巻状またはＳ字形に形成されたこ
とを特徴とするヘッドホン。