JPH0645613A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法

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JPH0645613A
JPH0645613A JP19859792A JP19859792A JPH0645613A JP H0645613 A JPH0645613 A JP H0645613A JP 19859792 A JP19859792 A JP 19859792A JP 19859792 A JP19859792 A JP 19859792A JP H0645613 A JPH0645613 A JP H0645613A
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semiconductor
semiconductor substrate
substrate
layer
metal
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JP19859792A
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English (en)
Inventor
Motoji Shibata
元司 柴田
Michio Okajima
道生 岡嶋
Osamu Kusumoto
修 楠本
Kazuo Yokoyama
和夫 横山
Takao Toda
隆夫 任田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板平面内における素子の占有面積の小さい
半導体素子およびその製造方法を提供すること。 【構成】 半導体基板1上に形成された柱状結晶2の先
端部分と根元部分に、導電体層3,7によりドレイン電
極8、ソース電極9を形成し、さらに、それら導電体層
3,7間かつ柱状結晶2の側面の所定の領域に、半導体
層5と絶縁体層4,6の層状構造を用いてゲート電極1
0を形成する半導体素子、およびその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子、特に微細
構造素子における半導体素子およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】LSIは、トランジスタの発明以来、プ
レーナーIC技術、フォトリソグラフィー技術、イオン
注入技術等を導入し、これらをさらに発展させることに
より、高集積化が行われている。これまでのLSIの高
集積化の方法は、主に半導体表面上に作製される素子を
比例縮小することにより実現されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような方法では、今後さらに、高集積化を進めて行くに
は問題点がある。例えばMOSFETの作製において、
比例縮小則を用いて微細化した場合、素子と各電極間の
コンタクト抵抗および電圧降下はそれぞれ縮小率の2
乗、1乗に反比例するので、半導体表面上における電極
のサイズには微細化の制限があり、基板平面における素
子の大きさは電極サイズによって決まってしまう。さら
に、ソース、ゲート、ドレイン領域を半導体基板面内に
設けるため、MOSFETの占有面積が大きいという課
題がある。このような課題は、接合型FET、MESF
ETでも同様である。
【0004】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、基板平面内における素子の占有面積の小さい半導体
素子およびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、少
なくとも半導体基板表面に設けられた柱状結晶からなる
第1半導体と、第1半導体の先端部分と根元部分の間の
側面の所定の領域に接して又は埋め込まれて設けられた
第1半導体と異なる伝導型を持つ第2半導体とを備え、
第2半導体にはゲート電極、第1半導体の先端部分と根
元部分にはソース電極とドレイン電極あるいはドレイン
電極とソース電極が設けられている半導体素子である。
【0006】請求項2の本発明は、少なくも半導体基板
表面に設けられた柱状結晶からなる第1半導体と、第1
半導体の先端部分と根元部分の間の側面の所定の領域に
接して又は埋め込まれて設けられた絶縁体層と、絶縁体
層上に形成された導電体部分とを備え、導電体部分には
ゲート電極、第1半導体の先端部分と根元部分にはソー
ス電極とドレイン電極あるいはドレイン電極とソース電
極が設けられている半導体素子である。
【0007】請求項3の本発明は、少なくとも半導体基
板表面に設けられた柱状結晶である第1半導体と、第1
半導体の先端部分と根元部分の間の側面の所定の領域に
接して又は埋め込まれて設けられ、第1半導体とショッ
トキー障壁を形成する金属部分とを備え、金属部分には
ゲート電極、第1半導体の先端部分と根元部分にはソー
ス電極とドレイン電極あるいはドレイン電極とソース電
極が設けられている半導体素子である。
【0008】請求項5の本発明は、金属を半導体基板表
面に局所的に析出させ、その後半導体基板表面の温度を
金属と基板材料との共晶点温度以上かつそれぞれの融点
以下に設定することで、半導体基板表面の金属析出場所
に局所的な合金液滴領域を形成し、気相−液相−固相反
応を用いることにより半導体基板表面上に柱状結晶を局
所的に成長させる半導体素子の製造方法である。
【0009】請求項12の本発明は、さらに半導体基板
表面上に第1導電層−絶縁体層−第2半導体−絶縁体層
−第2導電層より成る多層膜を、第1導電層、第2導電
層がそれぞれ柱状結晶の根元部分及び先端部分に導通
し、半導体層が柱状結晶の所定の領域に接して導通する
ように堆積させる請求項5記載の半導体素子の製造方法
である。。
【0010】また、例えば半導体基板表面上に柱状結晶
を局所的に成長させ、その後、所定の方法により柱状結
晶の側面の所定の領域に接して柱状結晶とは異なる伝導
型をもつ半導体または柱状結晶とショットキー障壁を形
成する金属を形成するか、または柱状結晶とは異なる伝
導型をもつ半導体を埋め込むか、または絶縁体層とその
絶縁体層上に導電体を形成し、さらに、柱状結晶の先端
部分および根元部分に導電体により電極を形成する半導
体素子の製造方法である。
【0011】
【作用】本発明は、基板上に設けられた微細な半導体の
柱状結晶の先端部分と根元部分の間の側面の所定の領域
に接する又は埋め込まれるように、柱状結晶と異なる伝
導型を持つ半導体部分で構成され、半導体部分をゲート
電極とし、先端部分と根元部分にはソース電極とドレイ
ン電極あるいはドレイン電極とソース電極を設けている
ので、基板に対して高さ方向にソース−ゲート−ドレイ
ン領域および、電極が形成可能であり、占有面積の小さ
い半導体素子を実現できる。ここで例えば、ゲート電極
の直下には空乏層が形成され、ゲート電極に印加する電
圧によって空乏層の幅は変化するので、ソース−ドレイ
ン間を流れる電流はこのゲート電極に印加する電圧によ
って制御することが可能である。
【0012】また、基板上に設けられた微細な半導体の
柱状結晶の先端部分と根元部分の間の側面の所定の領域
に接する又は埋め込まれるように、絶縁体層と絶縁体層
上に形成された導電体部分で構成され、導電体部分をゲ
ート電極とし、先端部分と根元部分にはソース電極とド
レイン電極あるいはドレイン電極とソース電極を設けて
いるので、基板に対して高さ方向にソース−ゲート−ド
レイン領域および、電極が形成可能であり、占有面積の
小さい半導体素子を実現できる。ここで例えば、ゲート
電極直下の柱状結晶と絶縁体層の界面には、ゲート電極
に印加する電圧によって変化するチャネルの領域が形成
され、ソース−ドレイン間を流れる電流はこのゲート電
極に印加する電圧によって制御することが可能である。
【0013】また、基板上に設けられた微細な半導体の
柱状結晶の先端部分と根元部分の間の側面の所定の領域
に接する又は埋め込まれるように、柱状結晶を構成して
いる半導体とショットキー障壁を形成する金属部分を構
成し、金属部分をゲート電極とし、先端部分と根元部分
にはソース電極とドレイン電極あるいはドレイン電極と
ソース電極を設けているので、基板に対して高さ方向に
ソース−ゲート−ドレイン領域および、電極が形成可能
であり、占有面積の小さい半導体素子を実現できる。こ
こで例えば、ゲート電極直下の柱状結晶の界面には、シ
ョットキー障壁のため空乏層が形成される。ゲート電極
に印加する電圧によって空乏層の幅は変化するので、ソ
ース−ドレイン間を流れる電流はこのゲート電極に印加
する電圧によって制御することが可能である。
【0014】また、金属は基板材料と共晶型相平衡を示
す材料でその共晶点温度は金属、半導体基板材料各々の
融点より低いので、半導体基板表面を共晶点温度以上か
つ各々の融点以下に加熱することで、金属が析出した場
所のみ局所的に基板材料と金属が合金化し融解した状
態、即ち合金液滴領域が形成される。
【0015】次に、合金液滴領域が形成された状態の基
板上にいわゆる気相−液相−固相反応を生じさせる。具
体的には例えば下記の作用が生じる。即ち、基板上に少
なくとも基板材料構成元素あるいは所定の元素を含むハ
ロゲン化物あるいは有機金属化合物あるいは水素化物等
で構成される所定の圧力の気体を直接、あるいは熱もし
くは電磁波もしくはその他のエネルギーを用いて分解し
て基板表面に曝す。気体原子は液滴中に取り込まれ、続
いて原子は液滴中を拡散して下地基板との界面に到達し
析出する。即ち半導体基板上の局所的な領域において柱
状結晶をエピタキシャル成長できる。
【0016】また、更に半導体基板表面上に第1導電層
−絶縁体層−第2半導体−絶縁体層−第2導電層より成
る多層膜を、第1導電層、第2導電層がそれぞれ柱状結
晶の根元部分及び先端部分に導通し、半導体層が柱状結
晶の所定の領域に接して導通するように堆積させること
により、第2半導体層により、柱状結晶にゲート電極を
さらに第1導電層および第2導電層によって、ソース電
極とドレイン電極あるいはドレイン電極とソース電極を
柱状結晶に作製しすることができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0018】(実施例1)本発明の第1実施例の半導体
素子を以下に示す。図1は、本実施例の半導体素子の断
面図である。ほう素をドープした比抵抗が1kΩcm程
度以下のP型シリコンの単結晶の半導体基板1の(11
1)面上に、直径100nm、長さ3μmのP型シリコ
ンの柱状結晶2を形成し、厚さ200nmのP型シリコ
ンの導電体層3、厚さ50nmのSiO2の絶縁体層
4、厚さ1μmのN型シリコンの半導体層5、厚さ50
nmのSiO2の絶縁体層6、厚さ200nmのP型シ
リコンの導電体層7を絶縁体層6上及び柱状結晶2の側
面に接するように形成する。続いて、金の細線を導電体
層3、7および半導体層5に接触させてドレイン電極
8、ソース電極9、ゲート電極10を取り出した。この
半導体素子の、ソース−ドレイン間に電圧を印加し、ゲ
ート電極10に印加する電圧によってドレイン電流を制
御する接合型FETの良好な特性を得ることができた。
また、従来の半導体基板表面にプレーナー技術を用いて
作製された接合型FETと比較して基板の占有面積を非
常に小さくできた。さらに、ソース、ドレインを構成す
る導電体層3、7に柱状結晶2と伝導型が同じで、不純
物濃度が柱状結晶2より高い半導体を用い、ゲートを構
成する半導体層5に柱状結晶2と伝導型が異なり、不純
物濃度が柱状結晶2より高い半導体を用いることにより
素子の特性が向上した。
【0019】なお、本実施例1では、半導体層5を柱状
結晶2の側面に接するように形成したが、接する位置、
形状および大きさを限定するものではない。
【0020】また、柱状結晶2にN型領域を埋め込んで
も同様の効果が得られた。
【0021】また、絶縁体層4、6としてSiO2を用
いたが、物質を限定するものではない。
【0022】また、金の細線を用いて電極を取り出して
いるが、ソース、ドレインを構成する導電体層3、7お
よび、ゲートを構成する半導体層5と良好なオーミック
コンタクトを形成できる導電体であればよい。
【0023】また、導電体層3、7にはP型シリコンを
用いたが、柱状結晶2とショットキー障壁を作らない導
電体であればよい。 (実施例2)本発明の第2実施例の半導体素子を以下に
示す。図2は、本実施例の半導体素子の断面図である。
リンをドープした比抵抗が1kΩcm程度以下のN型シ
リコンの単結晶の半導体基板11の(111)面上に、
直径100nm、長さ3μmのN型シリコンの柱状結晶
12を形成し、厚さ200nmのP型シリコンの導電体
層13、厚さ50nmのSiO2の絶縁体層14を半導
体基板11上及び柱状結晶12の側面に接するように形
成する。絶縁体層14上方に露出している柱状結晶12
の側面に熱酸化により厚さ50nmのSi02の絶縁体
層15を形成する。さらに、絶縁体層14上に、厚さ1
μmのポリシリコンの導電体層16を形成する。導電体
層16の上にSiO2の絶縁体層17を200nm形成
し、絶縁体層17上方に露出している絶縁体層15を反
応性イオンエッチングによって取り除き、続いて、P型
シリコンの導電体層18を絶縁体層17上に柱状結晶1
2の側面に接するように200nm形成する。
【0024】続いて、金の細線を導電体層13、16、
18に接触させてドレイン電極19、ゲート電極20、
ソース電極21を取り出した。この半導体素子の、ソー
ス−ドレイン間に電圧を印加し、ゲート電極20に印加
する電圧によってドレイン電流を制御するMISFET
の良好な特性を得ることができた。また、従来の半導体
基板表面にプレーナー技術を用いて作製されたMISF
ETと比較して基板の占有面積を非常に小さくできた。
【0025】さらに、ソース、ドレインを形成する導電
体層13、18に柱状結晶12と伝導型が異なり、不純
物濃度が柱状結晶12より高い半導体を用いることによ
り素子の特性が向上した。
【0026】なお、本実施例2では、絶縁体層15、導
電体層16を柱状結晶12に幅1μmの帯状に形成した
が、接する位置、形状および大きさを限定するものでは
ない。
【0027】また、絶縁体層14、15、17としてS
iO2を用い、導電体層16として、ポリシリコンを用
いたが物質を限定するものではない。
【0028】また、金の細線を用いて電極を取り出して
いるが、ソース、ドレイン、ゲートを形成する導電体層
13、16、18と良好なオーミックコンタクトを形成
できる導電体であればよい。
【0029】また、導電体層13、18にはP型シリコ
ンを用いたが、柱状結晶12とショットキー障壁を作ら
ない金属を用いても良い。 (実施例3)本発明の第3実施例の半導体素子を以下に
示す。図3は、本実施例の半導体素子の断面図である。
亜鉛をドープした比抵抗が1kΩcm程度以下のP型G
aAsの単結晶の半導体基板22の(111)面上に、
直径100nm、長さ3μmのP型GaAsの柱状結晶
23を形成し、厚さ200nmのP型GaAsの導電体
層24、厚さ50nmのSiO2の絶縁体層25、厚さ
1μmで柱状結晶23とショットキー障壁を作るAlの
金属層26、厚さ50nmのSiO2の絶縁体層27、
厚さ200nmのP型GaAsの導電体層28を半導体
基板22上及び柱状結晶23の側面に接するように形成
する。続いて、金の細線を導電体層24、28および金
属層26に接触させてドレイン電極29、ソース電極3
0、ゲート電極31を取り出した。この半導体素子のソ
ース−ドレイン間に電圧を印加し、ゲート電極31に印
加する電圧によってドレイン電流を制御するMESFE
Tの良好な特性を得ることができた。また、従来の半導
体基板表面にプレーナー技術を用いて作製されたMES
FETと比較して基板の占有面積を非常に小さくでき
た。
【0030】さらに、ソース、ドレインを形成する導電
体層に柱状結晶と伝導型が同じで、不純物濃度が柱状結
晶より高い半導体を用いることにより素子の特性が向上
した。
【0031】なお、本実施例3では、金属層26を柱状
結晶23の側面に接するように形成したが、接する位
置、形状および大きさを限定するものではない。
【0032】また、金属層26にはAlを用いたが柱状
結晶23を構成する半導体と良好なショットキー障壁を
形成する金属であれば良い。
【0033】また、絶縁体層25、27としてSiO2
を用いたが、物質を限定するものではない。
【0034】また、金の細線を用いて電極を取り出して
いるが、ソース、ドレインを形成する導電体層24、2
8と良好なオーミックコンタクトを形成できる導電体で
あればよい。
【0035】また、導電体層24、28にはP型GaA
sを用いたが、柱状結晶23とショットキー障壁を作ら
ない導電体であれば良い。
【0036】また、上記実施例1、2、3では、柱状結
晶は円柱状であるが、最小幅100nm以下、長さ10
0nm以上の柱状結晶であれば同様の効果が確認され
た。また、実施例1、2、3ではそれぞれ、半導体基板
および柱状結晶をP型シリコン、N型シリコン、P型G
aAsで形成したが、半導体基板および柱状結晶は、単
元素半導体あるいは化合物半導体であれば伝導型はP,
Nのどちらでも同様の効果が得られた。
【0037】また、半導体基板と柱状結晶の伝導型の種
類を同じ物にすることで、柱状結晶の根元部分に形成し
ていた電極を基板上の任意の位置に移動することができ
た。
【0038】また、ソース及びドレイン電極はその電極
の役割を逆にしても同様に動作した。 (実施例4)本発明の第4実施例の半導体素子の製造方
法を以下に示す。高真空チャンバー内で、先端曲率が数
100nm以下の金製の針を基板の表面に対峙して配置
する。針は直径0.1〜1mmの金線を塩酸中で電界研
磨して作成した。これは機械的な切断あるいは研磨によ
っても得られる。ほう素をドープした比抵抗が1kΩc
m程度以下の表面が平滑な(111)面のP型シリコン
の半導体基板を用いた。比抵抗は、走査トンネル顕微鏡
(以下ではSTMと呼ぶ)で観察あるいは加工するため
のトンネル電流が流れる程度以下であればよい。まず、
STMの観察モードで金を析出したい場所を観察し、表
面が平滑であることを確認した。次にそのまま針の面内
走査を停止し、典型的にはVt=3〜10V程度、印加
時間Δt=数100〜50msecのパルス電圧を印加
した。その後、再びこの領域を観察したところ、図4
(a)に示すように、半導体基板32の領域内の所定の
位置に直径数100nm、高さ5nm程度の金の突起3
3が形成されていることを確認した。本実施例では針側
が正バイアスとなるパルス電圧を印加したが、極性を変
えても同様の結果がえられた。また、作業を大気中で行
っても概ね同じような結果がえられた。この突起33
は、上記パルス電圧によってnmオーダーの距離の針・
基板間に誘起される107〜108V/cm以上の高電界
により針の先端の金原子がイオン化し蒸発して、あるい
は針先端の温度が局所的に上昇し蒸発して対峙する基板
上に堆積した等の原因によると考えられる。突起33を
形成するには印加するパルス電圧にしきい値電圧Vth
存在した。本実施例ではVthは概ね3〜5V程度であっ
た。加工のための印加電圧Vtは、針側から金が蒸発
し、かつ半導体基板32側からはシリコンはほとんど蒸
発しない範囲の電圧が適当である。 次に、半導体基板
32上に気相−液相−固相反応を生じさせた。具体的に
は下記の作業を行った。即ち、金の突起33を作製した
半導体基板32をCVD装置に設置し、基板温度をこの
系における共晶点温度以上かつ金の融点以下に加熱し
た。典型的には、おおよそ50℃以上370℃以下の温
度に設定した。この状態では、図4(b)に示すように
金の突起33はシリコン基板と金が合金化し融解した液
滴34になっている。
【0039】ここに、所定のモル比の純化した水素とS
iCl4と微量のBBr3よりなる混合気体を導入した。
すると、還元反応によってシリコンと微量のボロンが供
給され、液滴34の場所のみP型シリコンの柱状結晶3
5が基板に垂直な方向に成長した。しかも柱状結晶35
の先端には液滴34が残存していた。その様子を図4
(c)に示す。
【0040】これらの成長機構は以下の様である。即
ち、半導体基板32上のSiCl4およびBBr3の気体
を分解して基板表面に曝す。その際、気体原子は半導体
基板32表面および液滴34に単位面積、単位時間に同
じ数だけ衝突するが、その内凝集し結晶成長に寄与する
原子の割合(以後、適合係数と呼ぶ)が両者で圧倒的に
異なる成長条件が存在する。即ち固体基板表面では、曝
される気体の過飽和度が小さかったり、系の温度が低か
ったり、あるいは基板表面に殻生成のきっかけとなるス
テップや吸着物などが少なく結晶表面の完全性が高い場
合、その適合係数は非常に小さいのに対して、液体表面
は微視的に非常に凹凸が多く原子を捕まえる能力が高く
適合係数はほぼ1に近い。従って上記のような条件下に
この系をおくと、気体原子は優先的に合金液滴領域に取
り込まれる。よって、半導体基板32の上には気相中か
らシリコン及びほう素をほとんど析出しないのに対し
て、液体の適合係数は1に近いので金の液滴34の中に
は気中からシリコン及びほう素が効率よく取り込まれ
た。捕らえられた原子は液滴34の中を拡散して下地の
半導体基板32との界面に到達し析出した。つまりシリ
コン結晶が下地基板の局所的な領域においてのみエピタ
キシャル成長した。ここで、金のシリコン結晶中におけ
る偏析係数は10ー4以下と、成長する柱状結晶35中に
金は殆ど取り込まれない。従って成長が進んでも液滴3
4は常に成長する柱状結晶35の上部に残存し、本成長
機構を長く保つこととなる。
【0041】続いて、半導体基板32の上に導電体層3
6、絶縁体層37、半導体層38、絶縁体層39、導電
体層40より成る多層膜を作製した。なお、本実施例4
では、多層膜を堆積後、電極を容易に取り出すため、導
電体層36、半導体層38、導電体層40にマスクを用
いた電子ビーム蒸着法によりそれぞれの層にタングステ
ンを堆積させた。使用したマスクの形状を図5に示す。
これらのマスク41、42、43はタングステンを堆積
する範囲を選択できるように、さらに柱状結晶35の周
辺にはタングステンを堆積させないように設計した。こ
のように、タングステンを堆積させることにより、多層
膜堆積後に行う反応性イオンエッチングによって、容易
に電極が取り出せた。
【0042】具体的には、基板温度700℃で、微量の
BBr3を含むSiCl4のCVD法によって、厚さ20
0nmのP型シリコンの導電体層36を堆積後、マスク
41を用いた電子ビーム蒸着法で、厚さ200nmのタ
ングステン層44形成した。
【0043】次に、低温CVD法より、基板温度420
℃で、厚さ70nmのSiO2に約10%P25を含ん
だPGS(フォスフォシリケート グラス(Phosphosili
cateGlass))の絶縁体層37を堆積させ、絶縁体層3
7を緻密にするため、窒素雰囲気中で、基板温度900
℃でアニールを行った。さらに、微量のPCl3を含む
SiCl4のCVD法によって、厚さ1μmのN型シリ
コンの半導体層38を堆積後、マスク42を用いた電子
ビーム蒸着法で、厚さ200nmのタングステン層45
を形成した。さらに、低温CVD法より、基板温度42
0℃で、厚さ100nmのPGSの絶縁体層39を堆積
させ、絶縁体層39を緻密にするため、窒素雰囲気中
で、基板温度900℃でアニールを行った。さらに、微
量のBBr3を含むSiCl4のCVD法によって、厚さ
200nmのP型シリコンの導電体層40を堆積後、マ
スク43を用いた電子ビーム蒸着法で、厚さ200nm
のタングステン層46を形成した。なお、シリコンの柱
状結晶35は、半導体基板32に対して垂直に成長して
いるので、CVD法を用いての堆積工程では、下地から
堆積し、柱状結晶35の側面には付着しなかった。この
堆積工程終了後の状態を図4(d)に示す。図4(d)
は柱状結晶35を含む断面図である。
【0044】次に、HBrとHClの混合ガスを用いた
反応性イオンエッチングにより、不要な部分をエッチン
グしてタングステン層44、45、46を表面に露出さ
せた。タングステン層44、45、46に金の細線を溶
着してドレイン電極47、ゲート電極48、ソース電極
49を取り出した。この状態の模式図を図4(e)に示
す。完成した半導体素子は接合型FETの良好な特性を
示した。また、従来の半導体基板表面にプレーナー技術
を用いて作製された接合型FETと比較して基板の占有
面積を非常に小さくできた。
【0045】さらに、ソース、ドレインを構成する導電
体層36、40に柱状結晶35と伝導型が同じで、不純
物濃度が柱状結晶35より高い半導体を用い、ゲートを
構成する半導体層38に柱状結晶35と伝導型が異な
り、不純物濃度が柱状結晶より高い半導体を用いること
により素子の特性が向上した。
【0046】なお、本実施例4では、針に金を用いた
が、これに代えて、銀を用いて同様の製法で作成を試み
たところ、金を用いた場合同様に良好な結果を得た。数
V程度の所定の電圧Vtを、所定の時間Δtだけ印加し
たところ銀の微細な突起がシリコン基板上に形成でき
た。次に突起を形成した基板を開管CVD装置に設置
し、基板温度を典型的にはおおよそ50℃以上900℃
以下の温度に設定し、ここに所定のモル比の純化した水
素とSiCl4のおよび微量のBBr3の混合気体を導入
したところ、金の液滴を用いた場合同様P型シリコンの
柱状結晶が基板に垂直な方向に成長した。金、銀以外に
も銅、ニッケル、鉄等の針を用いて先端からその構成金
属を蒸発させ突起を形成し、その局所的な液滴からシリ
コンを成長させることにより、柱状結晶を得ることがで
きた。
【0047】また、柱状結晶、導電体層及び半導体層を
形成するシリコンの供給源としてSiCl4をドーパン
トとして微量のBBr3またはPCl3を用いたが、シリ
コンの供給源としてはSiH4、SiHCl3、SiH3
Clを用い、ドーパントとしてはBCl3,B26,P
OCl3,PH3を用いた水素還元法で行ってもよい。
又、ガスの分解にプラズマ、あるいはECRを利用して
もよい。
【0048】また、絶縁体層としてPSGを用いたが、
物質を限定するものではない。
【0049】また、半導体層38を柱状結晶35の側面
に接するように形成したが、接する位置、形状および大
きさを限定するものではない。
【0050】また、柱状結晶35にアニールすることに
よりN型領域を埋め込んでも同様の効果が得られた。
【0051】また、タングステン層を用いて電極を取り
出しているが、ソース、ドレインを構成する導電体層お
よび、ゲートを構成する半導体層と良好なオーミックコ
ンタクトを形成でき、多層膜を堆積する工程において、
柱状結晶及びその他の半導体中に拡散し悪影響を及ぼさ
ない導電体であればよい。
【0052】また、導電体層にはP型シリコンを用いた
が、柱状結晶とショットキー障壁を作らない金属または
ポリシリコンを用いても良い。 (実施例5)本発明の第5実施例の半導体素子の製造方
法を以下に示す。図6(a)に示すように、第4実施例
と同様の方法を用いて、ほう素をドープした比抵抗が1
kΩcm程度以下の表面が平滑な(111)面のP型シ
リコンの半導体基板50の上に柱状結晶51を形成し
た。
【0053】続いて、図6(b)〜(d)、及び図7
(a)〜(b)に示すように、半導体基板50表面の上
に導電体層52−絶縁体層53−導電体層54−絶縁体
層55−導電体層56より成る多層膜を、導電体層54
と柱状結晶51の間には絶縁層57を作製する工程を行
った。なお、本実施例5では、以上の工程終了後に電極
を容易に取り出すため、導電体層52、54、56の堆
積後、および、絶縁体層55の堆積後、マスクを用いた
電子ビーム蒸着法によりそれぞれの層にタングステンを
堆積させた。使用したマスクは実施例4で用いたものと
同様である。
【0054】具体的には、基板温度700℃で、微量の
BBr3を含むSiH4の熱分解CVD法によって、厚さ
200nmのP型シリコンの導電体層52を堆積後、マ
スク41を用いた電子ビーム蒸着法で、厚さ200nm
のタングステン層58を形成した。次に、低温CVD法
より、基板温度420℃で、厚さ70nmのSiO2
約10%P25を含んだPGSの絶縁体層53を堆積さ
せ、絶縁体層53を窒素雰囲気中で、基板温度900℃
でアニールを行った。この様子を図6(b)に示す。続
いて、乾燥酸素中で、基板温度1000℃で柱状結晶5
1の表面に厚さ50nmのSiO2の絶縁層57を作製
した。この様子を図6(c)に示した。さらに、マスク
42を用いて電子ビーム蒸着法により、厚さ1μmのA
lの導電体層54を堆積後、さらに、厚さ200nmの
タングステン層59を形成した。次に、マスク42を取
り除き、低温CVD法より、基板温度420℃で、厚さ
50nmのSiO2に約10%P25を含んだPGSの
絶縁体層55を堆積させ、絶縁体層55のアニールを行
った。さらに、マスク43を用いた電子ビーム蒸着法
で、タングステン層60を形成した。この様子を図6
(d)に示す。次に、HBrとHClの混合ガスを用い
た反応性イオンエッチングにより、柱状結晶51の側面
に作製された絶縁層57を取り除いた。反応性イオンエ
ッチングでは、柱状結晶51の長さ方向をイオンの進行
方向にほぼ垂直にし、さらに柱状結晶51を回転させる
ことにより目的の領域のみのエッチングを行うことがで
きた。この様子を図7(a)に示す。さらに、微量のB
Br3を含むSiH4の熱分解CVD法によって、厚さ2
00nmのP型シリコンの導電体層56を堆積後、マス
ク43を用いた電子ビーム蒸着法で、厚さ200nmの
タングステン層61を形成した。この様子を図7(b)
に示す。なお、シリコンの柱状結晶51は半導体基板5
0に垂直に成長しているので、CVD法を用いての堆積
工程では、下地から堆積し、柱状結晶51の側面には付
着しなかった。次に、HBrとHClの混合ガスを用い
た反応性イオンエッチングにより、不要な領域を取り除
き、タングステン層58、59、61を表面に露出させ
た。タングステン層58、59、61に金の細線を溶着
してドレイン電極62、ゲート電極63、ソース電極6
4を取り出した。この様子を図7(c)に示す。
【0055】完成した半導体素子はMISFETの良好
な特性を示した。また、従来の半導体基板表面にプレー
ナー技術を用いて作製されたMISFETと比較して基
板の占有面積を非常に小さくできた。
【0056】さらに、ソース、ドレインを形成する導電
体層52、56に柱状結晶51と伝導型が異なり、不純
物濃度が柱状結晶51より高い半導体を用いることによ
り素子の特性が向上した。
【0057】なお、本実施例5では、柱状結晶51、導
電体層52、56を形成するシリコンの供給源としてS
iH4をドーパントとして微量のBBr3を用いたが、シ
リコンの供給源としてはSiCl4、SiHCl3、Si
3Clを用い、ドーパントとしてはBCl3,B26
用いた水素還元法で行ってもよい。又、ガスの分解にプ
ラズマ、あるいはECRを利用してもよい。
【0058】また、絶縁体層53、55、57としてP
SGまたはSiO2を用いたが、物質を限定するもので
はない。
【0059】また、絶縁体層57および導電体層54を
柱状結晶51の側面に接するように形成したが、接する
位置、形状および大きさを限定するものではない。
【0060】また、タングステン層58、59、61を
用いて電極を取り出しているが、ソース、ドレインを構
成する導電体層および、ゲート形成する半導体層と良好
なオーミックコンタクトを形成でき、多層膜を堆積する
工程において、柱状結晶51及びその他の導電体層5
2、54、56に拡散し悪影響を及ぼさない導電体であ
ればよい。
【0061】また、導電体層52、56にはP型シリコ
ンを用いたが、柱状結晶51とショットキー障壁を作ら
ない金属またはポリシリコンを用いても良い。
【0062】(実施例6)本発明の第6実施例を以下に
示す。表面が平滑な(111)面でその比抵抗が1kΩ
cm程度以下のドープされたP型GaAsを半導体基板
として用いた。第4実施例同様の方法で、高真空中で金
製の針をGaAs基板に対峙させ所定のパルス電圧を印
加したところ、図8(a)に示すように、直径100n
m、高さ5nm程度の金の微小な突起66がGaAs基
板65上に形成された。本実施例6では針側が正バイア
スとなるパルス電圧を印加したが、極性を変えても同様
の結果がえられた。また、作業を大気中で行っても概ね
同じような結果がえられた。次に突起66が形成された
半導体基板65をMOCVD装置に設置し、外部から高
周波加熱により基板温度をおおよそ100℃以上550
℃以下の温度に設定し、ここに、所定の圧力で所定のモ
ル比のトリメチルガリウムと水素希釈したアルシンにド
ーパントとしてジエチル亜鉛を微量に含む混合気体を導
入したところ、図8(b)に示すように、直径100n
m、高さ5μmのp−GaAsの柱状結晶67が基板に
垂直な方向に成長した。成長した結晶は良質の単結晶で
あった。特に500℃以下の成長温度で選択成長性の良
好な結果が得られた。続いて、図8(c)に示すよう
に、半導体基板65表面上に導電体層68、絶縁体層6
9、金属層70、絶縁体層71、導電体層72の多層膜
を作製した。なお、本実施例6では、多層膜を堆積後、
導電体層68、金属層70、導電体層72から電極を容
易に取り出すため、絶縁体層69および金属層70はマ
スク42を用いて、絶縁体層71、導電体層72、金−
亜鉛合金で構成される電極層73はマスク43を用いて
堆積させた。使用したマスクは実施例4で用いたもので
ある。
【0063】具体的には、基板温度700℃で、トリメ
チルガリウムと水素希釈したアルシンにドーパントとし
てジエチル亜鉛を微量に含む混合気体を熱分解すること
によって厚さ1μmのp−GaAsの導電体層68を堆
積させた。次に、低温CVD法より、基板温度300℃
で、厚さ70nmのSiO2の絶縁体層69を堆積させ
た。さらに、基板温度300℃で、電子ビーム蒸着法に
より厚さ1μmのAlの金属層70を形成した。続い
て、低温CVD法より、基板温度300℃で、厚さ70
nmのSiO2の絶縁体層71を堆積させ、基板温度7
00℃で、トリメチルガリウムと水素希釈したアルシン
にドーパントとしてジエチル亜鉛を微量に含む混合気体
を熱分解することによって厚さ200nmのp−GaA
sの導電体層72を堆積後、電子ビーム蒸着法で厚さ5
00nmの金−亜鉛合金の電極層73を形成した。この
様子を図7(c)に示す。なお、GaAsの柱状結晶6
7は、半導体基板65に垂直に成長しているので、MO
CVD法を用いての堆積工程では、下地から堆積し、柱
状結晶67の側面には付着しなかった。次に、HBrと
HClの混合ガスを用いた反応性イオンエッチングによ
り、不要な領域を取り除き、導電体層68、金属層7
0、電極層73を露出させた。導電体層68、金属層7
0、電極層73に金の細線を溶着してドレイン電極7
4、ゲート電極75、ソース電極76を取り出した。こ
の様子を図7(d)に示す。完成した半導体素子の、ソ
ース−ドレイン間に電圧を印加し、ゲート電極に印加す
る電圧によってドレイン電流を制御するMESFETの
良好な特性を得ることができた。また、従来の半導体基
板表面にプレーナー技術を用いて作製されたMESFE
Tと比較して基板の占有面積を非常に小さくできた。
【0064】さらに、ソース、ドレインを形成する導電
体層に柱状結晶67と伝導型が同じで、不純物濃度が柱
状結晶より高い半導体を用いることにより素子の特性が
向上した。
【0065】なお、本実施例6では、針に金を用いた
が、これに代えて、銀を用いて同様の製法で作成を試み
たところ、金を用いた場合同様に良好な結果を得た。数
V程度の所定の電圧Vtを、所定の時間Δtだけ印加し
たところ銀の微細な突起がGaAs基板上に形成でき
た。次に突起を形成した半導体基板をMOCVD装置に
設置し基板温度700℃で、トリメチルガリウムと水素
希釈したアルシンにドーパントとしてジエチル亜鉛を微
量に含む混合気体を熱分解することによって、金の液滴
を用いた場合同様p−GaAsの柱状結晶が基板に垂直
な方向に成長した。金、銀以外にも銅、ニッケル、鉄等
の針を用いて先端からその構成金属を蒸発させ突起を形
成し、その局所的な液滴からGaAsを成長させること
により、上記実施例6同様、柱状の微細構造を得ること
ができた。
【0066】また、柱状結晶67、導電体層68、72
を形成するGaAsの供給源としてトリメチルガリウム
と水素希釈したアルシンにを用い、ドーパントとしてジ
エチル亜鉛を用いたが、GaAsの供給源としてはトリ
エチルガリウム等のガリウムの有機金属と水素希釈した
アルシンを用い、ドーパントとしては亜鉛の有機金属ま
たはCdの有機金属を用いたMOCVD法で行ってもよ
い。
【0067】また、絶縁体層としてSiO2を用いた
が、物質を限定するものではない。
【0068】また、金属層70を柱状結晶67の側面に
接するように形成したが、接する位置、形状および大き
さを限定するものではない。
【0069】また、金属層70にはAlを用いたが柱状
結晶67を構成する半導体と良好なショットキー障壁を
形成する金属であればいずれでも良い。
【0070】また、導電体層、金属層、電極層を用いて
電極を取り出しているが、ソースドレインを構成する導
電体層および、ゲートを形成する金属層と良好なオーミ
ックコンタクトを形成でき、多層膜を堆積する工程にお
いて、柱状結晶67及びその他の半導体中に拡散し悪影
響を及ぼさない導電体であればよい。
【0071】また、導電体層68、72にはp−GaA
sを用いたが、柱状結晶67とショットキー障壁を作ら
ない金属を用いても良い。
【0072】また、上記実施例6では、GaAs基板上
にGaAsの柱状結晶をホモエピタキシャル成長させ、
さらに半導体素子を作製したが例を挙げたが、同様の製
法でGaAs基板上にInAsの柱状結晶をヘテロエピ
タキシャル成長させ、半導体素子を作ることができた。
また同様の製法で例えばGaP等、他のIII-V族あるい
はII-VI族あるいはIV-IV族等の2元系あるいは多元系の
化合物半導体の柱状結晶を成長させ、半導体素子を作る
こともできた。基板材料もGaAsのみならず他のIII-
V族あるいはII-VI族あるいはIV-IV族等の2元系あるい
は多元系の化合物半導体を用いることができた。
【0073】また、上記実施例4から6では、それぞ
れ、接合型、MISFET、MESFETを作製した
が、半導体基板および柱状結晶の種類、その伝導型を制
限するものではなくあらゆる組合せが可能であった。ま
た作製できる半導体素子を制限するものでもない。
【0074】また、上記実施例4から6では、柱状結晶
を成長させる半導体基板上に、導電体層を作製し、前記
導電体層から電極を取り出していたが、柱状結晶と半導
体基板の伝導型が同じであれば、前記半導体基板上の任
意の位置に電極を構成することができるので、導電体層
を形成する工程を省くことができる。なお、前記半導体
基板と前記柱状結晶がヘテロエピタキシャル成長である
ときには、バンドギャップの違いにより半導体素子のキ
ャリアの流れが阻害されないことが必要条件となる。 (実施例7)本発明の実施例4から6までは、金属の微
小突起を形成する方法として、金属製の針先端からその
構成金属元素自体を蒸発させて基板上に付着させる方法
を用いていたが、本実施例では、所定の金属元素を含有
する気体中で、基板に近接して対峙させた先鋭な針と基
板との間にトンネル電流あるいは電界放出電流を流し、
その作用により前述の気体を分解し基板上に微小突起を
形成する。
【0075】具体的には、C55Pt(C35)ガスを
チャンバー内に導入し、そのガス圧を典型的には5×1
-6〜760Torrにした。基板には表面が平滑な
(111)面である低抵抗シリコン単結晶を用いた。チ
ャンバー内で、タングステン製の針をシリコン基板に近
接した距離に対峙させ典型的には試料電圧Vs=1〜1
0V程度、印加パルス時間Δt=数nsec〜数100
msec程度のパルス電圧を所定のデューティー比で印
加したところ、直径100nm、高さ5nm程度の微小
な突起が形成された。この微小な突起は上記ガスがトン
ネル電流あるいは電界放出電流により分解され堆積した
Ptよりなるものと考えられる。本実施例では試料側が
正バイアスとなるパルス電圧を印加したが、極性を変え
ても同様の結果がえられた。その後は上記実施例4から
6と同様のプロセスにより半導体素子が得られた。
【0076】本実施例に使用する有機金属ガスは上記の
55Pt(C35)以外のPtを含有する所定の有機
金属ガスであってもよく、また他のAu、Ag、Cu、
Pd、Ni等を含む有機金属を用いてもよい。また、針
としてはW以外にもPt、Au等を用いてもよい。本実
施例はシリコン基板以外の単元素半導体あるいは化合物
半導体に対しても有効であった。 (実施例8)次に本発明の第8実施例を以下に示す。希
釈したKAu(CN)2溶液中にPtIr針とシリコン
(111)基板を浸し、針を基板に近接させ典型的には
試料電圧Vs=−1〜−10V程度の負電圧を印加した
ところ、直径数nm〜数100nm程度の微小な突起が
形成された。光照射下でより良好な結果が得られた。こ
の微小な突起は上記の溶液中のAuイオンがトンネル電
流あるいは電界放出電流あるいはイオン電流により中性
化し、析出したものと考えられる。その後上記実施例4
から6と同様のプロセスを施すことにより半導体素子が
得られた。
【0077】本実施例に使用する溶液は上記のKAu
(CN)2以外のAuを含有する所定の溶液であっても
よく、また他のAg、Cu、Pt、Pd、Ni等を含む
溶液を用いてもよい。また、針としてはPtIr以外に
もW、Au等を用いてもよい。本実施例はシリコン基板
以外の単元素半導体あるいは化合物半導体に対しても有
効であった。
【0078】なお、本実施例4から8では、1つの柱状
結晶からなる半導体素子の製造方法を示したが、実施例
4から8において、半導体基板上の複数の位置で加工作
用を行わせ、さらに所定の工程を行うことにより半導体
基板上に複数の半導体素子を作製することができた。さ
らに、作製された素子間を接続することにより簡単な論
理回路を作製することができた。
【0079】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、半導体基板表面に設けられた柱状結晶からなる
第1半導体と、第1半導体の先端部分と根元部分の間の
側面の所定の領域に接して又は埋め込まれて設けられた
第1半導体と異なる伝導型を持つ第2半導体とを備えて
いるので、基板平面内における素子の占有面積を小さく
できるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施例1の半導体素子の概略断
面図である。
【図2】本発明にかかる実施例2の半導体素子の概略断
面図である。
【図3】本発明にかかる実施例3の半導体素子の概略断
面図である。
【図4】同図(a)、(b)、(c)、(d)は、本発
明にかかる実施例4の半導体素子の製造方法の工程断面
図、同図(e)は、作製された半導体素子の概略図であ
る。
【図5】実施例4の半導体素子の製造方法で用いたマス
クの概略図である。
【図6】同図(a)、(b)、(c)、(d)は、本発
明にかかる実施例5の半導体素子の製造方法の工程断面
図である。
【図7】同図(a)、(b)は、本発明にかかる実施例
5の半導体素子の製造方法の工程断面図、同図(c)
は、作製された半導体素子の概略図である。
【図8】同図(a)、(b)、(c)は、本発明にかか
る実施例6の半導体素子の製造方法の工程断面図、同図
(d)は、作製された半導体素子の概略図である。
【符号の説明】
1、11、22、32、50、65 半導体基板 2、12、23、35、51、67 柱状結晶 3、7、13、16、18、24、28、36、40、
52、54、56、68、72 導電体層 4、6、14、15、17、25、27、37、39、
53、55、57、69、71 絶縁体層 5、38 半導体層 8、19、29、47、62、74 ドレイン電極 9、21、30、49、64、76 ソース電極 10、20、31、48、63、75 ゲート電極 26、70 金属層 33、66 突起 34 液滴 41、42、43 マスク 44、45、46、58、59、60、61 タングス
テン層 73 電極層
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7376−4M H01L 29/80 B (72)発明者 横山 和夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 任田 隆夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも半導体基板表面に設けられた
    柱状結晶からなる第1半導体と、前記第1半導体の先端
    部分と根元部分の間の側面の所定の領域に接して又は埋
    め込まれて設けられた前記第1半導体と異なる伝導型を
    持つ第2半導体とを備え、前記第2半導体にはゲート電
    極、前記第1半導体の先端部分と根元部分にはソース電
    極とドレイン電極あるいはドレイン電極とソース電極が
    設けられていることを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも半導体基板表面に設けられた
    柱状結晶からなる第1半導体と、前記第1半導体の先端
    部分と根元部分の間の側面の所定の領域に接して又は埋
    め込まれて設けられた絶縁体層と、その絶縁体層上に形
    成された導電体部分とを備え、前記導電体部分にはゲー
    ト電極、前記第1半導体の先端部分と根元部分にはソー
    ス電極とドレイン電極あるいはドレイン電極とソース電
    極が設けられていることを特徴とする半導体素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも半導体基板表面に設けられた
    柱状結晶からなる第1半導体と、前記第1半導体の先端
    部分と根元部分の間の側面の所定の領域に接して又は埋
    め込まれて設けられ、前記第1半導体とショットキー障
    壁を形成する金属部分とを備え、前記金属部分にはゲー
    ト電極、前記第1半導体の先端部分と根元部分にはソー
    ス電極とドレイン電極あるいはドレイン電極とソース電
    極が設けられていることを特徴とする半導体素子。
  4. 【請求項4】 半導体基板の伝導型と前記第1半導体の
    伝導型とは、同じ種類の伝導型であることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の半導体素子。
  5. 【請求項5】 金属を半導体基板表面上に局所的に析出
    させ、その後半導体基板表面の温度を前記金属と基板材
    料との共晶点温度以上かつそれぞれの融点以下に設定す
    ることで、前記半導体基板表面上の金属析出場所に局所
    的な合金液滴領域を形成し、気相−液相−固相反応を用
    いることにより前記半導体基板表面上に柱状結晶を局所
    的に成長させることを特徴とする半導体素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 尖鋭な先端を有する導電性の針を前記半
    導体基板表面に近接させ、前記半導体基板材料と共晶型
    相平衡を示す金属を含有する所定の圧力の気体中で、前
    記針と前記半導体基板表面の間に所定の電界を印加しト
    ンネル電流あるいは電界放出電流を流すことにより前記
    半導体基板表面に少なくとも前記金属を局所的に析出さ
    せることを特徴とする請求項5記載の半導体素子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 尖鋭な先端を有する導電性の針を前記半
    導体基板表面に近接させ、前記半導体基板材料と共晶型
    相平衡を示す金属を含有する液体中で、前記針と前記半
    導体基板表面の間に所定の電界を印加しトンネル電流あ
    るいは電界放出電流あるいはイオン電流を流すことによ
    り前記半導体基板表面に少なくとも前記金属を局所的に
    析出させることを特徴とする請求項5記載の半導体素子
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板材料と共晶型相平衡を示す金
    属を含有し、尖鋭な先端を有する導電性の針を前記半導
    体基板表面に近接させ、真空中あるいは所定の圧力の気
    体中で、前記針と前記半導体基板表面の間に所定の電界
    を印加し、前記針先端からその構成元素を蒸発させ対向
    する前記半導体基板表面に局所的に付着させることを特
    徴とする請求項5記載の半導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 気相−液相−固相反応が、少なくとも前
    記半導体基板材料構成元素あるいは所定の元素を含むハ
    ロゲン化物あるいは有機金属化合物あるいは水素化物等
    で構成される所定の圧力の気体を直接、あるいは熱もし
    くは電磁波もしくはその他のエネルギーを用いて分解し
    て前記半導体基板表面に曝すことで合金液滴領域に所望
    の元素を溶解させ、液滴領域に接する前記半導体基板表
    面上に結晶を局所的に析出させる反応であることを特徴
    とする請求項5記載の半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 液滴を形成する金属がAu、Ag、C
    u、Pt、Pd、Ni、Ir、Rh、Co、Os、R
    u、Fe、Hg、Cd、Znのいずれかを含むことを特
    徴とする請求項5記載の半導体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 柱状結晶あるいは半導体基板が、単元
    素半導体あるいは化合物半導体で構成されていることを
    特徴とする請求項5記載の半導体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 半導体基板表面上に第1導電層−絶縁
    体層−第2半導体−絶縁体層−第2導電層より成る多層
    膜を、前記第1導電層、第2導電層がそれぞれ前記柱状
    結晶の根元部分及び先端部分に導通し、前記半導体層が
    前記柱状結晶の所定の領域に接して導通するように堆積
    させることを特徴とする請求項5記載の半導体素子の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 第1導電層を堆積する工程に変えて、
    前記半導体基板上に電極を形成することを特徴とする請
    求項12記載の半導体素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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