JPH0643580B2 - 高透光性蛍光膜の形成方法 - Google Patents

高透光性蛍光膜の形成方法

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JPH0643580B2
JPH0643580B2 JP12294092A JP12294092A JPH0643580B2 JP H0643580 B2 JPH0643580 B2 JP H0643580B2 JP 12294092 A JP12294092 A JP 12294092A JP 12294092 A JP12294092 A JP 12294092A JP H0643580 B2 JPH0643580 B2 JP H0643580B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高透光性蛍光膜を形成
する方法に関する。更に詳しくは、蛍光体構成成分によ
るゾルをゲル化することにより高透光性蛍光膜を形成す
る方法に関する。本明細書に於いて「高透光性蛍光膜」
とは、上記蛍光膜中に空隙の極めて少ない蛍光膜であ
り、透明もしくは乱反射の極めて少ない、高い透光性を
有する蛍光膜(板状体も含む)の事である。
【0002】
【従来の技術】蛍光体は、ほとんどの場合、数μmない
し数十μmの大きさの微粒子が集まってできた蛍光膜の
形で利用される。蛍光膜がこの程度の大きさの微粒子か
ら成り立っているために、つぎのような問題が生ずる場
合がある。すなわち、ある蛍光体の粒子から蛍光が発生
されても、その光は、螢光面の外へ出るまでにほかの蛍
光体の粒子に何度かあたり、その表面で不規則な反射を
受けてから蛍光面外へ出て行く。そこで、陰極線管の蛍
光面の場合には、内側の面からでる蛍光を外側から見る
ために、この不規則な反射の影響が強くでる。この結
果、像に“カブリ”が生じてコントラストを悪くし、輝
度の低下の原因ともなる。
【0003】したがって、微粒子で構成されず、粒子間
に空隙の無い蛍光膜もしくはそれに近い蛍光膜をつくる
ことが出来れば、輝度も向上し、コントラスト、鮮鋭度
も格段に改善される。
【0004】従来、このような高透光性傾向膜を得るた
めには次のような方法があった。
【0005】1つには、真空蒸着方法である。これは通
常の蛍光体粉末を蒸気源に入れ、5×10-5mmHg以
上の真空度で被蒸着板上に蒸着するものである。ここで
は蒸着を途中でやめると原料の蛍光体と、できた蛍光膜
とで組成が違ってくるので、全部蒸着させることが必要
である。また原料中の蒸発しやすい成分が先に蒸発しで
しまい、原料の全部が蒸着したとしても、蛍光体により
かなり組成の異なった蛍光面ができやすい。
【0006】この様にしてできた高透光性蛍光膜は、こ
のままでは蛍光をほとんど示さない。これは、蛍光体の
母体中に付活剤が完全には入り込んでいない事、母体の
多くが無定形の状態にあって結晶状態ではない事、によ
ると言われている。そこで、この蒸着膜を適当に加熱す
れば、母体の結晶化および付活剤の母体中への拡散が行
なわれ、発光するようになる。
【0007】この方法が一番適している蛍光体は自己付
活型の蛍光体である。熱処理の時間、温度は非常にきび
しい条件で管理する必要があり、実際上かなり困難を伴
なう。そこで考えられた方法は、あらかじめ被蒸着板を
加熱しておいて蒸着を行なうものである。この方法によ
れば、蒸着時間を短縮させ、処理温度を低下させること
ができる。
【0008】もう1つの高透光性蛍光膜作製方法は、気
相反応法(ケミカルベーパーデポジョン)によるもので
ある。これは、気相反応により生じた蛍光体を基板上に
付着させるものである。この方法は硫化亜鉛系蛍光体に
使用できる。具体的には、真空系へ接続した容器内部に
硫化水素を1〜2mmHgの圧で注入する。容器内部に
保持されている基板は、あらかじめ500〜600℃に
加熱されている。この容器内に金属亜鉛と塩化マンガン
の混合物少量を落下させる。これが硫化水素と反応し、
生じたZnS:Mnが基板に付着する。
【0009】しかし、上記の気相反応方法では、製作可
能な蛍光体の種類が限定される。そこでゾルゲル法が提
案された。ここで「ゾルゲル法」とは、出発原料として
目的とする蛍光体化合物の金属アルコキシド、金属アセ
テートなどの有機酸金属化合物もしくは金属塩を加水分
解することによりゾルを形成し、このゾルをゲル化する
方法である。
【0010】以下、出発原料が金属アルコキシドであ
り、蛍光体がランタノイド系金属とアルミニウムとから
なる複合金属酸塩蛍光体(以下ランタノイド系アルミン
酸塩蛍光体という)を例としてゾルゲル法を説明する。
ランタノイド系アルミン酸塩蛍光体は、従来、母体とな
る、ランタノイド系金属の酸化物と酸化アルミニウム
と、付活剤となるランタノイド系金属の酸化物とを充分
混合し、必要に応じて融剤等を添加し、1500℃乃至
2000℃、更にはそれ以上の高温で10数時間もの長
時間焼成する事によって得ていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの様な
従来法によると、得られるランタノイド系アルミン酸塩
蛍光体は粉末かあるいは形状の一定しない蛍光体とな
る。従って希望する高透光性蛍光膜にするには蒸着など
の方法によらなくてはならない。また、従来法では焼成
する温度が高くしかも長時間焼成する必要があるため容
易には製造出来ず、この点が産業上大きな問題であっ
た。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の蒸着方
法、気相反応法とは根本的に異なり、ゾルゲル法を用い
て高透光性蛍光膜を作製するものである。この方法は、
従来方法と比較して格段に安価な高透光性蛍光膜を提供
するものであり、その工業上の利点は計り知れない。
【0013】本発明者は、上記の如き従来技術の問題点
を解決すべく、より低温で且つ高透光性を示し、所望の
形状・粒度のランタノイド系アルミン酸塩蛍光膜を得る
ために種々研究を重ねた結果、目的とするランタノイド
系アルミン酸塩蛍光膜を構成する金属成分のアルコキシ
ドを加水分解することによって得たゾルをゲル化する場
合には、その後の焼成は低い温度で且つ短時間に容易に
行なうことができ、また高透光性を示し所望の形状、粒
度のランタノイド系アルミン酸塩高透光性蛍光体が得ら
れることを見出した。
【0014】即ち、本発明のランタノイド系アルミン酸
塩蛍光体の製造方法は、(i)ランタノイド系金属のアル
コキシドを加水分解することによって得られたランタノ
イドゾル(母体と付活剤の2種類)とアルミニウムのア
ルコキシドを加水分解することによって得られたアルミ
ニウムゾルとの混合物、(ii)ランタノイド系金属のアル
コキシド(母体と付活剤の2種類)とアルミニウムのア
ルコキシドとの混合物を加水分解することによって得ら
れたゾル、及び(iii)ランタノイド系金属とアルミニウ
ムとの複合物のアルコキシドを加水分解することによっ
て得られた複合ランタノイドアルミニウムゾルのうち少
なくとも1つのソルをゲル化させた後、300℃乃至1
300℃の温度で焼成することを特徴とするものであ
る。
【0015】尚、ランタノイドとは、原子番号57のラ
ンタンから原子番号71のルテチウムに至る15個の希
土類元素であるLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,
Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u、及び原子番号39のYを総称するものである。
【0016】上記ゾル混合物(i)は、たとえば次の様に
して得られる:無水ハロゲン化ランタノイドとアルカリ
金属アルコキシドとをアルコール中で反応させた後、溶
媒をベンゼンで置換し、生成したアルカリ金属ハライド
を沈殿させ濾過して取り除き、ランタノイドアルコキシ
ドのベンゼン溶液を得る。次にこの溶液に水を加え加水
分解することにより、ランタノイド水酸化物のゾルであ
るランタノイドゾルを得る。一方、例えばアルミニウム
アルコキシド1モルに対して100モルの水を加え、7
5℃で加水分解し、更に上記アルミニウムアルコキシド
1モルに対して0.1モルの塩酸を加え95℃で解膠す
ることによってアルミニウムゾルを得る。上記ランタノ
イドゾルと上記アルミニウムゾルとを混合することによ
りゾル混合物(i)が得られる。
【0017】上記ゾル(ii)はたとえば次の様にして得ら
れる:ランタノイドアルコキシドとアルミニウムアルコ
キシドとを目的とするランタノイドアルミン酸塩蛍光体
の組成比になるように量比を調整し、ベンゼンに溶解す
る。次に、この溶液を4時間還流した後、水を加え加水
分解することによりゾル(ii)が得られる。
【0018】上記複合ゾル(iii)はたとえば次の様にし
て得られる:アルカリ金属を窒素気流中で過剰のアルコ
ールと反応させアルカリ金属アルコラートを合成し、こ
れにアルカリ金属と等モルのアルミニウムアルコキシド
を加え、約2時間還流しアルカリ金属アルミニウムアル
コキシドを合成する。これをランタノイドハライドアル
コール溶液に加え、4時間還流し反応させた後、溶媒を
ベンゼンで置換し、生成したアルカリ金属ハライドを沈
殿させ濾過して取り除き、ランタノイドアルミニウムア
ルコキシドのベンゼン溶液を得る。次にこの溶液に水を
加え加水分解することにより複合ランタノイドアルミニ
ウムゾル(iii)を得る。この場合、目的とする組成のラ
ンタノイドアルミン酸塩蛍光体の形成を容易にするため
に、加水分解前にランタノイドアルミニウムアルコキシ
ドに対し少量のランタノイドアルコキシド又はアルミニ
ウムアルコキシドを添加することもできる。
【0019】尚、以上のゾル調製において用いられるハ
ライドのハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素および
ヨウ素に何れでも良いが特に反応安定性の点から塩素が
最適である。また、使用されるアルコールは、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、s−ブチルアルコール、アミルアルコー
ル、イソアミルアルコールなどの1価アルコールである
が、特にイソプロピルアルコールが着色等の問題を生ぜ
ず好ましい。
【0020】本発明方法における上記(i)(ii)及び/又
は(iii)のゾルのゲル化は、水分を除去する等の方法で
行なわれる。このゲル化により透明の薄膜や厚膜を形成
するには、上記ゾルをポリスチレン、ポリプロピレン又
はテフロンなどの表面エネルギーの小さな容器中に入れ
て乾燥させると良い。石英基板などの上にコートする方
法も良い。
【0021】また、ゲル化により球状の粉末を得るに
は、界面活性剤を添加した非水溶媒中で上記ゾルを攪拌
することによりゾル溶媒との界面張力の差を利用して球
状ゾルとした後水を除去しゲル化する。尚、この時の攪
拌速度を調節することにより直径が数μm乃至約1mm
程度の球状ゲル物質が得られる。本発明方法において
は、以上の如くにして成形されたゲル物質を300℃乃
至1300℃の温度で短時間焼成することにより、目的
とするランタノイドアルミン酸塩蛍光体から成る高透光
性蛍光膜が得られる。なお、得られた蛍光膜は従来法に
より得られたそれと発光スペクトルは全く同様であっ
た。
【0022】以上出発原料を金属アルコキシドを用いて
説明したが本方法以外に、有機酸と金属ハライドの反応
物である有機金属酸の加水分解、金属ハライドの加水分
解による方法でも同様に高透光性蛍光膜とすることがで
きる。
【0023】本発明で作成可能な蛍光体としては、たと
えば、Pナンバーで示される様なカラーTV用蛍光体、
白黒TV用蛍光体、及び各種電子管用蛍光体、低速電子
管用蛍光体、電場発光用蛍光体、光電導体、ランプ用蛍
光体、赤外応用蛍光体、蓄光用蛍光体、放射線用蛍光体
などがあるが、これらの他の公知の蛍光体も作成可能で
ある。
【0024】特に酸化物蛍光体は作製しやすい。
【0025】本発明で得られた蛍光体の透明度は透過率
として測定した。
【0026】透過率の測定には、30m/m角で厚さ1
m/mの石英ガラス上に、従来法による平均粒度6μm
のランタノイドアルミン酸塩蛍光体を厚さ100μmに
沈降塗布でコートした。本発明に於ける透明蛍光体は、
ランタノイドアルミン酸塩ゾルを前述の石英ガラス上に
コートして自然乾燥して、100μmの平滑なゲル体を
得た。これを1000℃で1時間焼成し、アルミン酸塩
蛍光体とした。
【0027】ここで得られた測定試料を水平に光学台上
に配置し、100m/mの距離をおいてタングステンラ
ンプ光源より光を照射し、測定試料を通過後、試料より
10m/m離したホトセルにて受光し、蛍光体を塗布し
ていない1m/m厚の石英ガラスに対する透過率を測定
した。その結果、従来法による蛍光体膜の透過率は5〜
10%の範囲であったが、本発明による高透光性蛍光膜
は30〜90%の範囲であった。
【0028】本発明の応用分野としては、従来から蛍光
膜が使用されている所はいずれも問題なく使用可能であ
る。更に高精細度管への応用が考えられる。これは、ペ
ネトレーション型陰極線管の場合であり、現在は粒子状
の蛍光体をブラウン管内部にコートしている。本発明の
高透光性蛍光膜の応用は次のように行なう。B,G,R
の三色をそれぞれ三層コートし、その三層の間に高透光
性絶縁物(たとえばゾルゲル法で得られる高透光性Al
3,SiO2膜)を挿入する。このようにすれば従来に
まして高輝度でかつ解像度の良いペネトレーション型陰
極線管が得られる。
【0029】以下に実施例について説明する。
【0030】
【実施例】
[実施例1]高純度酸化イットリウムと塩化アンモニウ
ムを混合し、350℃の温度で1時間反応させた後、反
応生成物の無水塩化イットリウムをエタノールで抽出
し、更に溶媒のエタノールをイソプロピルアルコールで
置換した。また金属ナトリウムをイソプロピルアルコー
ルとベンゼンとの混合溶液に入れ、82℃で還流するこ
とによって得たアルコラートを、上記無水塩化イットリ
ウム溶液と混合し、更に82℃で還流した後、溶媒をベ
ンゼンで置換し、濾過により塩化ナトリウムを除去して
イットリウムイソプロポキシドのベンゼン溶液を得た。
この溶液に水を加えて加水分解しイットリウムゾルを得
た。
【0031】同様にしてセリウムのゾルを得た。
【0032】次に、アルミニウムアルコキシド1モルに
対して100モルの水を加え、75℃で加水分解し、更
にこのアルミニウムアルコキシド1モルに対して0.1
モルの塩酸を加え95℃で解膠することによってアルミ
ニウムゾルを得た。
【0033】以上得られたイットリウムゾルとアルミニ
ウムゾルとをそれぞれでモル比で(イ)1:1、(ロ)
3:5及び(ハ)1:2で混合し、更にセリウムゾルを
混合物1モルに対して2.5×10-3モル混合し、テフ
ロン溶器に入れ、室温乾燥して透明なゲル状の成形体膜
を得た。次にこれを1000℃で2時間焼成してそれぞ
れ(イ)YAlO3:Ce+Y3Al512:Ce(ロ)
3Al512:Ce及び(ハ)Y2Al49:Ceで組
成式が示されるセリウムアルミン酸イットリウム蛍光体
から成る高透光性蛍光膜が得られた。この事はX線回折
により同定された。
【0034】[実施例2]イットリウムイソプロポキシ
ドとアルミニウムイソプロポキシドとセリウムイソプロ
ポキシドとをモル比で3:5:5×10-3の割合でベン
ゼン溶液中で混合し、82℃の温度で4時間還流した
後、充分水を加えて加水分解しイットリウムゾルとアル
ミニウムゾルとセリウムゾルとの混合物を得た。
【0035】これを実施例1と同様にしてゲル化し焼成
したところ組成式がY3Al512:Ceで示されるセリ
ウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体からなる高透光
性蛍光膜が得られた。この事はX線回折により同定され
た。
【0036】[実施例3]金属カリウムを窒素気流中で
過剰のイソプロピルアルコールと反応させカリウムイソ
プロポキシド[i−C37OK]を合成し、これに上記
金属カリウムと等モルのアルミニウムイソプロポキシド
を加え2時間還流してカリウムアルミニウムイソプロポ
キシド{KAl(i−OC374}を合成した。これ
を塩化イットリウムイソプロピルアルコール溶液及び塩
化セリウムイソプロピルアルコール溶液に加え4時間還
流し、イットリウム・セリウム・アルミニウムイソプロ
ポキシド{Y・Ce[Al(i−OC3743}を合
成した。反応副生成物のKClは溶媒をベンゼンに置換
した後濾別した。得られたアルコキシドに過剰の蒸留水
を添加し還流により複合イットリウムアルミニウムゾル
を得た。
【0037】これを実施例1と同様にしてゲル化により
成形し、1000℃で焼成することにより組成式がY3
Al512:Ceのセリウム付活アルミン酸イットリウ
ム蛍光体からなる高透光性蛍光膜を得た。この事はx線
回折で同定された。
【0038】[実施例4]実施例1において出発原料の
高純度酸化イットリウムのかわりに高純度酸化ガドリニ
ウムを用いて、以下同様の方法によりガドリニウムゾル
を得た。
【0039】このガドリニウムゾルとアルミニウムゾル
とセリウムゾルとをモル比で3:5:5×10-3に混合
し、ゾル化により成形し、更に焼成したところ、組成比
がGd3Al512:Ceで示されるセリウム付活アルミン
酸ガドリニウム蛍光体から成る高透光性蛍光膜が得られ
た。この事はX線回折で同定された。
【0040】[実施例5]実施例3におけると類似の方
法で得られたイットリウムアルミニウムセリウムイソプ
ロポキシド{Y・Ce[Al(i−O(C3743
にその1モルに対し0.4モルのアルミニウムイソプロポ
キシド[Al(i-OC3H7)3]を加え4時間還流することにより
充分混合した後、加水分解し、ゾルを得た。
【0041】このゾルをゲル化した後1000℃で2時
間焼成すると組成式がY3Al512:Ceで示されるセ
リウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体から成る高透
光性蛍光膜が得られた。この事はX線回折で同定され
た。
【0042】[実施例6]実施例3におけると類似の方
法で得られたイットリウムアルミニウムセリウムイソプ
ロポキシド{Y・Ce[Al(i−OC3743}に
その1モルに対し0.2モルのイットリウムイソプロポキ
シド[Y(i−OC373]を加え、18時間還流す
ることにより充分混合した後、加水分解し、ゾルを得
た。
【0043】このゾルをゲル化した後1000℃で2時
間焼成すると、組成式がYAlO3:Ce(六方晶)で
示されるセリウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体か
ら成る高透光性蛍光膜が得られた。また上記ゲルを12
00℃で2時間焼成すると組成式がYAlO3:Ce
(斜方晶、ペロブスカイト型)で示されるセリウム付活
アルミン酸イットリウム蛍光体から成る高透光性蛍光膜
が得られた。これらの事はX線回折で同定された。
【0044】[実施例7]実施例1同様にして、ユウロ
ピウムゾルを得た。このユウロピウムゾルを実施例1で
得られたイットリウムゾルとモル比で1:5×10-3
混合し、ゲル化した後、1100℃で2時間焼成すると
組成式がY23:Euで示される赤に発光する蛍光体か
ら成る高透光性蛍光膜が得られた。
【0045】[実施例8]実施例1と同様にしてシリカ
ゲル、テルビウムゾル、ユウロピウムゾルを得た。以上
得られた各種ゾルと実施例1で得られたイットリウムゾ
ル、セリウムゾルを次の示成式になるように混合した。
2SiO5:Eu、Y2SiO5:Tb、Y2SiO5:C
e(但しEu、Tb、Ceは5×10-5モル)これらの
ゾルをゲル化後1200℃で2時間焼成すると上記示成
式で示される蛍光体が得られた。これはそれぞれ赤・緑
・青を示した。
【0046】[実施例9]実施例7に於けるイットリウ
ムゾルをゲル化して8μmの球状酸化イットリウムを得
た。この表面にユウロピウムゾル、テルビウムゾル、セ
リウムゾルを厚さ0.5μmになる様にコートし、ゲル
化後1000℃で焼成した。焼成によりユウロピウム、
テルビウム、セリウムはそれぞれイットリウム中に拡散
し、高透光性の蛍光体粒子となった。これはX線回折に
より同定した。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明方法によれば、従来
法に比べてより低い温度で且つより短かい時間での焼成
によりランタノイドアルミン酸塩蛍光体が得られ、エネ
ルギー消費量は少ない。更に本発明方法によれば、成形
物を得ようとする場合には、所望の形状のものが直ちに
得られ、また粒状物を得ようとする場合には粒度コント
ロールが容易であるので所望の粒度のものが得られると
いう大きな利点がある。更に他の利点は、従来粉末品に
比べて高輝度比が得られることにある。すなわち本発明
によれば、従来の方法で得られたものと比較して、10
〜20%の輝度比向上が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体の母体構成元素の各元素および蛍
    光体の付活剤構成元素中の各元素をそれぞれ含有する金
    属アルコキシド、有機酸金属化合物または金属塩を加水
    分解することにより、前記蛍光体構成に必要な各元素を
    含有するゾルを得、次いで該ゾルを、得たい形状の器に
    入れてゲル化し膜を形成した後、300℃〜1300℃
    で焼成する事を特徴とする高透光性蛍光膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 上記焼成の温度が500℃〜1300℃
    の範囲にある事を特徴とする請求項1記載の高透光性蛍
    光膜の形成方法。
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JPH05132668A (ja) 1993-05-28

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