JPH0643514B2 - ガリウム粒子含有合成樹脂組成物及びそのスキー用滑走面材その他への利用 - Google Patents
ガリウム粒子含有合成樹脂組成物及びそのスキー用滑走面材その他への利用Info
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- JPH0643514B2 JPH0643514B2 JP17649789A JP17649789A JPH0643514B2 JP H0643514 B2 JPH0643514 B2 JP H0643514B2 JP 17649789 A JP17649789 A JP 17649789A JP 17649789 A JP17649789 A JP 17649789A JP H0643514 B2 JPH0643514 B2 JP H0643514B2
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は粉末状で得られる新規な形態の金属ガリウム粒
子を合成樹脂中に均一の混合せしめたガリウム粒子含有
合成樹脂組成物とこの合成樹脂組成物またはそれを加工
した成形物を用いた利用物品に関するものである。
子を合成樹脂中に均一の混合せしめたガリウム粒子含有
合成樹脂組成物とこの合成樹脂組成物またはそれを加工
した成形物を用いた利用物品に関するものである。
［従来技術］ 従来、合成樹脂に金属あるいは非金属を混合させた複合
材は種々のものが知られており、充填剤として様々な種
類の金属および非金属が単独あるいは組み合わせて用い
られている。
材は種々のものが知られており、充填剤として様々な種
類の金属および非金属が単独あるいは組み合わせて用い
られている。
一方、スキー用滑走面材は、近年木製品からプラスチッ
ク材への移行が顕著であり、雪が板に付着せず且つ、ス
ピードの出るものが市販されるように成った。これに伴
なって改良されたスキー用表面材製造のための研究もし
きりに進められ、幾つかの特許が出願されている。例え
ば、特開昭５８−４５７３号公報「スキー用表面材」に
はワックス、パラフィンまたはこれらの混合物のサイク
ロデキストリン類包接化合物をプラスチックスに混練し
たことを特徴とするスキー用表面材が開示されており、
更に特開昭６２−２１７９８０号公報「スキー用滑走面
材とその製造方法」には、超高分子ポリオレフィン系樹
脂の顆粒を、高分子ポリオレフィン系樹脂内に均一に分
散させたスキー用滑走面シートが開示されている。
ク材への移行が顕著であり、雪が板に付着せず且つ、ス
ピードの出るものが市販されるように成った。これに伴
なって改良されたスキー用表面材製造のための研究もし
きりに進められ、幾つかの特許が出願されている。例え
ば、特開昭５８−４５７３号公報「スキー用表面材」に
はワックス、パラフィンまたはこれらの混合物のサイク
ロデキストリン類包接化合物をプラスチックスに混練し
たことを特徴とするスキー用表面材が開示されており、
更に特開昭６２−２１７９８０号公報「スキー用滑走面
材とその製造方法」には、超高分子ポリオレフィン系樹
脂の顆粒を、高分子ポリオレフィン系樹脂内に均一に分
散させたスキー用滑走面シートが開示されている。
一方、ガリウムをメタル状で固体潤滑剤としての用途に
利用する技術は米国特許第３３９１０８０号及び同第３
４０５０６３号公報に開示されているように既によく知
られている。しかしながらガリウム自体の融点が29.78
℃と極めて低く、この為、加工処理時に特別の配慮を要
するので、金属ガリウムからなる固体潤滑剤の用途は非
常に限られたものであった。
利用する技術は米国特許第３３９１０８０号及び同第３
４０５０６３号公報に開示されているように既によく知
られている。しかしながらガリウム自体の融点が29.78
℃と極めて低く、この為、加工処理時に特別の配慮を要
するので、金属ガリウムからなる固体潤滑剤の用途は非
常に限られたものであった。
一方、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂
に二硫化モリブデン（MoS2）、グラファイト等を混入し
たプラスチック歯車材も公知である。しかしこれらは二
硫化モリブデン又はグラファイトを数％以上添加しない
と潤滑性がでない上、材質の色が黒色であるという大き
な欠点を有していて、何らかの改善が求められていた。
に二硫化モリブデン（MoS2）、グラファイト等を混入し
たプラスチック歯車材も公知である。しかしこれらは二
硫化モリブデン又はグラファイトを数％以上添加しない
と潤滑性がでない上、材質の色が黒色であるという大き
な欠点を有していて、何らかの改善が求められていた。
［発明が解決しようとする課題］ プラスチック組成物やスキー用滑走面材として更に撥水
性や耐摩耗性の優れた材質が望まれていたが、現状では
上述の特許に開示されているようなものが最高レベルの
ものであり、さらに改良された性質をもつものの出現が
求められていた。
性や耐摩耗性の優れた材質が望まれていたが、現状では
上述の特許に開示されているようなものが最高レベルの
ものであり、さらに改良された性質をもつものの出現が
求められていた。
［課題を解決するための手段］ 本発明者等はかかる課題を解決する為鋭意研究していた
ところ、金属ガリウム又はガリウム合金をある手段によ
り150ミクロン以下、さらには50ミクロン以下の微粒子
状態で製造できるという知見を得、さらにこのようにし
て得たガリウム粒子又はガリウム合金粒子（以下、単に
ガリウム粒子という）の表面をパラフィン等によってコ
ーティングすることによって従来樹脂類とは混合が不可
能とされていた金属ガリウムの樹脂中への均質分散を可
能にすることができたのである。このようにして金属ガ
リウム粉末を均一に混合分散させた合成樹脂組成物の製
造が可能となり、その特性を生かした種々の応用物品が
開発された。
ところ、金属ガリウム又はガリウム合金をある手段によ
り150ミクロン以下、さらには50ミクロン以下の微粒子
状態で製造できるという知見を得、さらにこのようにし
て得たガリウム粒子又はガリウム合金粒子（以下、単に
ガリウム粒子という）の表面をパラフィン等によってコ
ーティングすることによって従来樹脂類とは混合が不可
能とされていた金属ガリウムの樹脂中への均質分散を可
能にすることができたのである。このようにして金属ガ
リウム粉末を均一に混合分散させた合成樹脂組成物の製
造が可能となり、その特性を生かした種々の応用物品が
開発された。
すなわち本発明の目的は、第一に、合成樹脂に金属ガリ
ウム粒子を混合分散せしめたガリウム粒子含有合成樹脂
組成物を提供することであり、第二に、合成樹脂と金属
ガリウム粒子とを混合せしめた後、押し出し法又は焼結
法で成形するガリウム粒子含有合成樹脂成形体の製造方
法を提供することであり、第三に、上記の合成樹脂内に
ガリウム粒子を均一に混合せしめた樹脂成形物からなる
雪又は氷上滑走具用滑走面材を提供することであり、第
四に、ガリウム粒子を溶融合成樹脂内に均一に混練し
て、押し出し成形して得た樹脂成形体を滑走表面材とし
て使用したことを特徴とする改善された滑走性を持つス
キーを提供することであり、第五に、上記滑走面を持つ
ボブスレー用橇やスノーサーフィンボード等を提供する
ことであり、第六に前記樹脂成形体からなるプラスチッ
ク歯車を提供することであり、第七にすべり性の要求さ
れる襖などの建具あるいは撥水性の要求される室外用部
材等の建築用材を提供することであり、第八に水中にお
いてすべり性や撥水性の要求されるモーターボート等の
船舶用材を提供することであり、第九にプラスチック粒
子表面にガリウム等を付着せしめたものを、合成樹脂中
に混合分散させたガリウム含有合成樹脂組成物を提供す
ることである。
ウム粒子を混合分散せしめたガリウム粒子含有合成樹脂
組成物を提供することであり、第二に、合成樹脂と金属
ガリウム粒子とを混合せしめた後、押し出し法又は焼結
法で成形するガリウム粒子含有合成樹脂成形体の製造方
法を提供することであり、第三に、上記の合成樹脂内に
ガリウム粒子を均一に混合せしめた樹脂成形物からなる
雪又は氷上滑走具用滑走面材を提供することであり、第
四に、ガリウム粒子を溶融合成樹脂内に均一に混練し
て、押し出し成形して得た樹脂成形体を滑走表面材とし
て使用したことを特徴とする改善された滑走性を持つス
キーを提供することであり、第五に、上記滑走面を持つ
ボブスレー用橇やスノーサーフィンボード等を提供する
ことであり、第六に前記樹脂成形体からなるプラスチッ
ク歯車を提供することであり、第七にすべり性の要求さ
れる襖などの建具あるいは撥水性の要求される室外用部
材等の建築用材を提供することであり、第八に水中にお
いてすべり性や撥水性の要求されるモーターボート等の
船舶用材を提供することであり、第九にプラスチック粒
子表面にガリウム等を付着せしめたものを、合成樹脂中
に混合分散させたガリウム含有合成樹脂組成物を提供す
ることである。
［作用］ 本発明において使用できる合成樹脂としては、金属ガリ
ウム微粒子が均一に混合できる材質であればよく、その
ような樹脂の典型的な例を示すと、ポリスチレン；ポリ
塩化ビニル；ポリ酢酸ビニル；ポリアクリロニトリル；
ポリ（メタ）アクリル酸及びその塩又はエステル、例え
ばポリメタクリル酸メチル；ポリアクリルアミド又はそ
の誘導体、例えばその四級化物又はＮ−メチロール誘導
体；ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィ
ン；ポリテトラフルオロエチレン；ポリカーボネート；
ポリフエニレンスルフィド；ポリブタジエン、ポリイソ
プレン及びポリクロロプレン等の天然および合成ゴム；
及びスチレン／ブタジエンゴム、アクリロニトリル／ブ
タジエン／スチレンゴム等のほか、これらを含めて上記
重合体の構成員である単量体と他の共重合体の構成員で
ある単量体との共重合体；並びにポリウレタン樹脂、ナ
イロン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂及びエポキシ樹脂等がある。
ウム微粒子が均一に混合できる材質であればよく、その
ような樹脂の典型的な例を示すと、ポリスチレン；ポリ
塩化ビニル；ポリ酢酸ビニル；ポリアクリロニトリル；
ポリ（メタ）アクリル酸及びその塩又はエステル、例え
ばポリメタクリル酸メチル；ポリアクリルアミド又はそ
の誘導体、例えばその四級化物又はＮ−メチロール誘導
体；ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィ
ン；ポリテトラフルオロエチレン；ポリカーボネート；
ポリフエニレンスルフィド；ポリブタジエン、ポリイソ
プレン及びポリクロロプレン等の天然および合成ゴム；
及びスチレン／ブタジエンゴム、アクリロニトリル／ブ
タジエン／スチレンゴム等のほか、これらを含めて上記
重合体の構成員である単量体と他の共重合体の構成員で
ある単量体との共重合体；並びにポリウレタン樹脂、ナ
イロン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂及びエポキシ樹脂等がある。
ガリウム粒子の粒径としては、150ミクロン以下、さら
に好ましくは50ミクロン以下が合成樹脂体とのなじみが
よいことを確認している。混合比率は合成樹脂100重量
部に対してガリウム粒子0.001〜30重量部が適当であり
さらに好ましくは0.05〜10重量部である。
に好ましくは50ミクロン以下が合成樹脂体とのなじみが
よいことを確認している。混合比率は合成樹脂100重量
部に対してガリウム粒子0.001〜30重量部が適当であり
さらに好ましくは0.05〜10重量部である。
本発明のスキー用滑走面材としては、分子量10万以上の
高分子合成樹脂材に、150ミクロン以下、好ましくは50
ミクロン以下のガリウム粒子を均一に混合せしめた樹脂
材が、充分な撥水性、耐摩耗性を示し、好ましいことが
確認された。
高分子合成樹脂材に、150ミクロン以下、好ましくは50
ミクロン以下のガリウム粒子を均一に混合せしめた樹脂
材が、充分な撥水性、耐摩耗性を示し、好ましいことが
確認された。
更に本発明の大きな特徴として、氷点下の低温において
は、滑走面材表面部にあるガリウム粒子が、その極く一
部は表面上にとけ出した後こすられて平らに広げられて
いるが大部分は表面下に埋没している状態となりこれら
のガリウムがそれ自体膨張するため表面に露出した部分
は滑走面材である樹脂材表面を薄く覆い、これに連接し
た埋没部分は膨張してますます滑走面から脱落分離し難
い状態になるという効果がある。この場合、市販のワッ
クスを塗布すると、ワックスが薄い層にのばされたガリ
ウム露出部分によく合体すると共に、これらのガリウム
粒子の中にも若干浸透する為、滑走表面上にはガリウム
−ワックスの混合体が安定に存在する状態となり、これ
により、撥水性がよくなり、滑走性が一段と向上すると
共に、ガリウム−ワックス混合体が滑走面から容易に離
脱しないという効果が発揮されることがわかった。加え
て、氷点下ではガリウムの硬度が高まるため、雪の結晶
が滑走面につきささらず、高滑走性が長時間にわたり保
証されるのである。
は、滑走面材表面部にあるガリウム粒子が、その極く一
部は表面上にとけ出した後こすられて平らに広げられて
いるが大部分は表面下に埋没している状態となりこれら
のガリウムがそれ自体膨張するため表面に露出した部分
は滑走面材である樹脂材表面を薄く覆い、これに連接し
た埋没部分は膨張してますます滑走面から脱落分離し難
い状態になるという効果がある。この場合、市販のワッ
クスを塗布すると、ワックスが薄い層にのばされたガリ
ウム露出部分によく合体すると共に、これらのガリウム
粒子の中にも若干浸透する為、滑走表面上にはガリウム
−ワックスの混合体が安定に存在する状態となり、これ
により、撥水性がよくなり、滑走性が一段と向上すると
共に、ガリウム−ワックス混合体が滑走面から容易に離
脱しないという効果が発揮されることがわかった。加え
て、氷点下ではガリウムの硬度が高まるため、雪の結晶
が滑走面につきささらず、高滑走性が長時間にわたり保
証されるのである。
即ち、例えば、スキー用滑走面材にワックシングを行な
う場合、滑走面材中その表面部に存在するガリウム粒子
の表面が一部融解して、滑走面に添って広がる。一方ワ
ックス自体も溶融状態あるいは固体状態でその上に塗布
され加熱されて均一にされる為、滑走面材の中に浸透す
ると共に、ガリウム粒子の表面でガリウム−パラフィン
の混合体を生成する。常温以下において該滑走面材表面
では上述の状態で、ワックスが固まるので雪上のスキー
操作時には従来パラフィン単独のワックシングでは、パ
ラフィン剥離が早かったのに対し、ガリウム−ワックス
混合物は従来例に比較し数倍の耐剥離性を有することが
確認された。すなわち、ガリウム粒子を用いて得られた
大きな効果の一つとして、低温になるとガリウム自体が
膨張することにより一層剥離し難くなることが判明し
た。このため１／100秒を競うプロの大会や、温度変化
の大きいスキー場においてガリウム粒子の有する滑性が
生かされ驚異的な効果が発揮されるのである。
う場合、滑走面材中その表面部に存在するガリウム粒子
の表面が一部融解して、滑走面に添って広がる。一方ワ
ックス自体も溶融状態あるいは固体状態でその上に塗布
され加熱されて均一にされる為、滑走面材の中に浸透す
ると共に、ガリウム粒子の表面でガリウム−パラフィン
の混合体を生成する。常温以下において該滑走面材表面
では上述の状態で、ワックスが固まるので雪上のスキー
操作時には従来パラフィン単独のワックシングでは、パ
ラフィン剥離が早かったのに対し、ガリウム−ワックス
混合物は従来例に比較し数倍の耐剥離性を有することが
確認された。すなわち、ガリウム粒子を用いて得られた
大きな効果の一つとして、低温になるとガリウム自体が
膨張することにより一層剥離し難くなることが判明し
た。このため１／100秒を競うプロの大会や、温度変化
の大きいスキー場においてガリウム粒子の有する滑性が
生かされ驚異的な効果が発揮されるのである。
本発明の樹脂組成物の他の利用例としてプラスチック歯
車材がある。プラスチックの材質としてはナイロン樹
脂、ポリプロピレン樹脂等現在その方面で使用されてい
るものは全て、ガリウム粒子とよく混合することを確認
している。この場合、ガリウム粒子の粒径に特に制限は
なく、通常0.5〜50ミクロンのものを使用できるが、３
〜10ミクロン位のものが特になじみ易いことが確認され
た。添加量も0.01〜10重量％あるいはそれ以上の広い範
囲を採用できるが最終製品の0.1重量％程度で、スキー
等の滑走面材としても歯車材としても理想的な潤滑性が
充分に発揮されることを確認している。
車材がある。プラスチックの材質としてはナイロン樹
脂、ポリプロピレン樹脂等現在その方面で使用されてい
るものは全て、ガリウム粒子とよく混合することを確認
している。この場合、ガリウム粒子の粒径に特に制限は
なく、通常0.5〜50ミクロンのものを使用できるが、３
〜10ミクロン位のものが特になじみ易いことが確認され
た。添加量も0.01〜10重量％あるいはそれ以上の広い範
囲を採用できるが最終製品の0.1重量％程度で、スキー
等の滑走面材としても歯車材としても理想的な潤滑性が
充分に発揮されることを確認している。
本発明の樹脂組成物あるいは成形体のさらにそのほかの
利用例として、優れたすべり性を生かした引戸、襖、敷
居などの室内用建築材あるいは撥水性の要求される屋外
用部材等の建築用材の他、水中で使用されるモーターボ
ート等の船舶用材がある。
利用例として、優れたすべり性を生かした引戸、襖、敷
居などの室内用建築材あるいは撥水性の要求される屋外
用部材等の建築用材の他、水中で使用されるモーターボ
ート等の船舶用材がある。
本発明の利点の一つは、ナイロン樹脂等の有する性質を
そのまま維持し、ガリウム粒子の潤滑性を更に生かせる
ことである。
そのまま維持し、ガリウム粒子の潤滑性を更に生かせる
ことである。
本発明に従って合成樹脂中に添加するガリウム粒子はガ
リウム単独でもよいし、ガリウムと亜鉛，インジウム，
アルミニウム等との合金を粒子化したものでもよい。
又、これらの粒子の表面をコーティング剤で被覆したも
のを用いてもよいことを確認している。この場合、コー
ティング剤としてはワックス等の滑性化剤、カップリン
グ剤、重合可能なモノマー、プロピレン重合体、アタク
チック重合体、エチレンオキシド等の重合体などが使用
できる。
リウム単独でもよいし、ガリウムと亜鉛，インジウム，
アルミニウム等との合金を粒子化したものでもよい。
又、これらの粒子の表面をコーティング剤で被覆したも
のを用いてもよいことを確認している。この場合、コー
ティング剤としてはワックス等の滑性化剤、カップリン
グ剤、重合可能なモノマー、プロピレン重合体、アタク
チック重合体、エチレンオキシド等の重合体などが使用
できる。
上記のものと別の態様の本発明の樹脂組成物として予め
用意した金属ガリウム又はガリウム合金を融解した融体
中に１〜30μｍ径のプラスチック粒子を浸漬せしめて、
プラスチック粒子表面にガリウムを付着させ、次いでこ
れらの粒子を合成樹脂中に混合分散せしめた樹脂組成物
があるが、これらも上述の各種応用材として利用できる
ことが確認された。
用意した金属ガリウム又はガリウム合金を融解した融体
中に１〜30μｍ径のプラスチック粒子を浸漬せしめて、
プラスチック粒子表面にガリウムを付着させ、次いでこ
れらの粒子を合成樹脂中に混合分散せしめた樹脂組成物
があるが、これらも上述の各種応用材として利用できる
ことが確認された。
［実施例１］ 合成樹脂としてポリエチレンを用い、該ポリエチレン10
0重量部に対して、第１表に示す組成の平均５ミクロン
のガリウム粒子を３重量部混入し、通常の攪拌機によっ
て混合した後、押し出し成型機で巾50cm、長さ100cm、
厚さ２cmのシート状成形物をつくった。ガリウムは該成
形物中に均一に分散混合されており、成形物はすべり
性、撥水性、耐摩耗性の優れたものであることが確認さ
れた。
0重量部に対して、第１表に示す組成の平均５ミクロン
のガリウム粒子を３重量部混入し、通常の攪拌機によっ
て混合した後、押し出し成型機で巾50cm、長さ100cm、
厚さ２cmのシート状成形物をつくった。ガリウムは該成
形物中に均一に分散混合されており、成形物はすべり
性、撥水性、耐摩耗性の優れたものであることが確認さ
れた。
［実施例２］ 高密度ポリエチレン（分子量10〜30万）50重量部を加
熱、溶融し、これに平均粒径５ミクロン以下のガリウム
粒子を１重量部添加して充分混練し、常法によりシート
状に押し出し成形して、スキー用滑走面材をつくった。
このスキー用滑走面材には、ガリウム粒子が均一に分散
されていることが確認された。この表面に融解したパラ
フィンワックスを塗布したところ、ワックスの一部は滑
走面材の中に浸透すると共に、ガリウム粒子表面でガリ
ウム−ワックス混合物となっていることが判明した。更
に雪温が低くなるとガリウム粒子自体が膨張する為、滑
走中ガリウム−ワックス混合物はより一層剥離しにくい
性質を有することも確認された。即ちガリウム粒子の膨
張作用によりガリウムが滑走面が長時間安定に維持さ
れ、ガリウム−ワックスの板面からの剥離が生じなくな
ることがわかった。
熱、溶融し、これに平均粒径５ミクロン以下のガリウム
粒子を１重量部添加して充分混練し、常法によりシート
状に押し出し成形して、スキー用滑走面材をつくった。
このスキー用滑走面材には、ガリウム粒子が均一に分散
されていることが確認された。この表面に融解したパラ
フィンワックスを塗布したところ、ワックスの一部は滑
走面材の中に浸透すると共に、ガリウム粒子表面でガリ
ウム−ワックス混合物となっていることが判明した。更
に雪温が低くなるとガリウム粒子自体が膨張する為、滑
走中ガリウム−ワックス混合物はより一層剥離しにくい
性質を有することも確認された。即ちガリウム粒子の膨
張作用によりガリウムが滑走面が長時間安定に維持さ
れ、ガリウム−ワックスの板面からの剥離が生じなくな
ることがわかった。
［実施例３］ ナイロン樹脂を加熱、溶融し、これに５ミクロンのガリ
ウム粒子を0.1重量％となる割合で混入せしめて通常の
押し出し成形を行なった後、プラスチック歯車材として
のシート状組成物を得た。
ウム粒子を0.1重量％となる割合で混入せしめて通常の
押し出し成形を行なった後、プラスチック歯車材として
のシート状組成物を得た。
該組成物は無色透明で潤滑性、耐摩耗性に富み且つナイ
ロン樹脂製歯車材が本来有している優れた性質は全く損
なわれていないことが確認された。
ロン樹脂製歯車材が本来有している優れた性質は全く損
なわれていないことが確認された。
［比較例１］ ナイロン樹脂を加熱、溶融し、これに10ミクロンのＭｏ
Ｓ２粒子を５重量％となる割合で混入せしめて通常の押
し出し成形を行なった後、プラスチック歯車材としての
シート状組成物を得た。該組成物の色彩は、黒色で、潤
滑性はＭｏＳ２粒子を含まないナイロン樹脂性歯車材に
比し若干の向上が見られた。
Ｓ２粒子を５重量％となる割合で混入せしめて通常の押
し出し成形を行なった後、プラスチック歯車材としての
シート状組成物を得た。該組成物の色彩は、黒色で、潤
滑性はＭｏＳ２粒子を含まないナイロン樹脂性歯車材に
比し若干の向上が見られた。
［実施例４］ ポリプロピレン樹脂を加熱、溶融し、これに５ミクロン
のガリウム粒子を0.1重量％となる割合で混入せしめて
通常の押し出し成形法により建築用材としての板状組成
物を得た。
のガリウム粒子を0.1重量％となる割合で混入せしめて
通常の押し出し成形法により建築用材としての板状組成
物を得た。
該組成物は無色透明で潤滑性、撥水性に富む為、室内用
としてはすべりのよい襖材として用いることができ、
又、他の用途として、雪氷や水滴を付着させない屋外用
の建築用材として使用できた。
としてはすべりのよい襖材として用いることができ、
又、他の用途として、雪氷や水滴を付着させない屋外用
の建築用材として使用できた。
［実施例５］ ポリプロピレン樹脂を加熱、溶融し、これに５ミクロン
のＧａ−10Ｚｎ合金粒子を１重量％となる割合で混入せ
しめて通常の押し出し成形を行なった後、モーターボー
ト等に使用する船舶用材としてのシート状組成物を得
た。該組成物は若干黒色であるが潤滑性と発水性に富
み、更に、耐摩耗性に優れていることが確認された。
のＧａ−10Ｚｎ合金粒子を１重量％となる割合で混入せ
しめて通常の押し出し成形を行なった後、モーターボー
ト等に使用する船舶用材としてのシート状組成物を得
た。該組成物は若干黒色であるが潤滑性と発水性に富
み、更に、耐摩耗性に優れていることが確認された。
［実施例６］ 第２表に示す組成の金属ガリウム又はガリウム合金融液
中に、平均粒径５μｍのプラスチック粒子を約３０分浸
漬せしめて粒子表面にガリウム又は含ガリウム金属を付
着させ、次いでこれらの粒子を分離回収した後、母材合
成樹脂としてのポリエチレン100重量部に対して、前記
金属付着プラスチック粒子を20重量部混入し、通常の攪
拌機によって混合した後、押し出し成型機で巾50cm、長
さ100cm、厚さ２cmのシート状成形物をつくった。ガリ
ウム又は、含ガリウム金属は成形物中に均一に分散混合
されており、成形物はすべり性、撥水性、耐摩耗性の優
れたものであることが確認された。得られた成形物を利
用して実施例２〜実施例５に示す応用物を試作したとこ
ろ含ガリウム粒子を用いたものに比較し若干の差はある
ものの充分使用に耐えるものであることが確認された。
中に、平均粒径５μｍのプラスチック粒子を約３０分浸
漬せしめて粒子表面にガリウム又は含ガリウム金属を付
着させ、次いでこれらの粒子を分離回収した後、母材合
成樹脂としてのポリエチレン100重量部に対して、前記
金属付着プラスチック粒子を20重量部混入し、通常の攪
拌機によって混合した後、押し出し成型機で巾50cm、長
さ100cm、厚さ２cmのシート状成形物をつくった。ガリ
ウム又は、含ガリウム金属は成形物中に均一に分散混合
されており、成形物はすべり性、撥水性、耐摩耗性の優
れたものであることが確認された。得られた成形物を利
用して実施例２〜実施例５に示す応用物を試作したとこ
ろ含ガリウム粒子を用いたものに比較し若干の差はある
ものの充分使用に耐えるものであることが確認された。
［発明の効果］ 以上のように本発明にかかる合成樹脂組成物あるいはそ
れを用いて得られるスキー用滑走面材等の成形物は、従
来得られなかった微粉状金属ガリウム粒子が開発されて
初めて製造できたものである。又、その後の研究により
予め用意したガリウム又は含ガリウム金属融液にプラス
チック粒子を分散浸漬せしめて得られる金属付着プラス
チック粒子を合成樹脂に混合分散させることによっても
上記とほぼ同等の合成樹脂組成物が得られ、同様の用途
に使用できることがわかった。
れを用いて得られるスキー用滑走面材等の成形物は、従
来得られなかった微粉状金属ガリウム粒子が開発されて
初めて製造できたものである。又、その後の研究により
予め用意したガリウム又は含ガリウム金属融液にプラス
チック粒子を分散浸漬せしめて得られる金属付着プラス
チック粒子を合成樹脂に混合分散させることによっても
上記とほぼ同等の合成樹脂組成物が得られ、同様の用途
に使用できることがわかった。
これらの樹脂組成物を用いて得られるスキーや橇等の雪
又は氷上滑走用具用の滑走面材は撥水性、耐摩耗性、及
び滑走性のすべてに優れたものであり、また同樹脂組成
物を用いて得られるプラスチック歯車材は、プラスチッ
クの優れた特性を損なうことなく、潤滑性を著しく高め
る効果がある。又、これらは通常の合成樹脂成形方法に
よって製造できる為に、安価に且つ大量に所望の製品を
産出できる効果を有するものである。
又は氷上滑走用具用の滑走面材は撥水性、耐摩耗性、及
び滑走性のすべてに優れたものであり、また同樹脂組成
物を用いて得られるプラスチック歯車材は、プラスチッ
クの優れた特性を損なうことなく、潤滑性を著しく高め
る効果がある。又、これらは通常の合成樹脂成形方法に
よって製造できる為に、安価に且つ大量に所望の製品を
産出できる効果を有するものである。
Claims (7)
- 【請求項１】合成樹脂中に金属ガリウム粒子又はガリウ
ム合金粒子を均一に混合分散させたものからなるガリウ
ム粒子含有合成樹脂組成物。 - 【請求項２】合成樹脂中に金属ガリウム粒子又はガリウ
ム合金粒子を混合分散させた後、押し出し法又は焼結法
で成形することからなるガリウム粒子含有合成樹脂成形
体の製造方法。 - 【請求項３】合成樹脂中に金属ガリウム粒子又はガリウ
ム合金粒子を均一に混合分散させた合成樹脂成形体から
なる雪又は氷上滑走具用滑走面材。 - 【請求項４】合成樹脂中に金属ガリウム粒子又はガリウ
ム合金粒子を均一に混合分散させた合成樹脂成形体から
なるプラスチック歯車。 - 【請求項５】合成樹脂中に金属ガリウム粒子又はガリウ
ム合金粒子を均一に混合分散させた合成樹脂成形体から
なる建築用材。 - 【請求項６】合成樹脂中に金属ガリウム粒子又はガリウ
ム合金粒子を均一に混合分散させた合成樹脂成形体から
なる船舶用材。 - 【請求項７】プラスチック粒子表面に金属ガリウム又は
ガリウム合金を付着せしめたものを、合成樹脂中に混合
分散させたものからなるガリウム含有合成樹脂組成物。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| YU01739/89A YU173989A (en) | 1989-04-27 | 1989-09-11 | Synthetic resin compound, which contains galium particles, and it's use in a gliding surface material for skis and other uses |
| US07/408,770 US5069803A (en) | 1989-04-27 | 1989-09-18 | Synthetic resin composition containing gallium particles and use thereof in the glide surfacing material of skis and other applications |
| DE68920996T DE68920996T2 (de) | 1989-04-27 | 1989-09-20 | Verwendung von Galliumteilchen enthaltende synthetische Harzzusammensetzungen als Gleitbelagsmaterial für Skier und andere Anwendungen. |
| EP89117407A EP0399092B1 (en) | 1989-04-27 | 1989-09-20 | Use of a synthetic resin composition containing gallium particles in the glide surfacing material of skis and other applications |
| AT89117407T ATE118027T1 (de) | 1989-04-27 | 1989-09-20 | Verwendung von galliumteilchen enthaltende synthetische harzzusammensetzungen als gleitbelagsmaterial für skier und andere anwendungen. |
| FI894719A FI894719A (fi) | 1989-04-27 | 1989-10-05 | Syntetisk hartskomposition innehaollande galliumpartiklar och dess anvaendning som glidytmaterial foer skidor samt andra applikationer. |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10812689 | 1989-04-27 | ||
| JP1-108126 | 1989-04-27 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0373177A JPH0373177A (ja) | 1991-03-28 |
| JPH0643514B2 true JPH0643514B2 (ja) | 1994-06-08 |
Family
ID=14476598
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17649789A Expired - Fee Related JPH0643514B2 (ja) | 1989-04-27 | 1989-07-07 | ガリウム粒子含有合成樹脂組成物及びそのスキー用滑走面材その他への利用 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0643514B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05285250A (ja) * | 1992-04-10 | 1993-11-02 | Dowa Mining Co Ltd | ガリウム粒子含有樹脂組成物および滑走具用滑走面材 |
| WO1998029165A1 (fr) * | 1996-12-26 | 1998-07-09 | T-One Co., Ltd. | Plaque decorative pour element coulissant |
-
1989
- 1989-07-07 JP JP17649789A patent/JPH0643514B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0373177A (ja) | 1991-03-28 |
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