JPH0642760U - フラワーコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運搬してまた花きをそのまま陳列することが
でき、しかもいずれの場合にも花きへの水の供給を行う
ことのできるフラワーコンテナを簡単な構成によって提
供すること。 【構成】 底面１１から内部に向けて膨出する下方連結
凹部１２を備えた容器本体１０と、略中央に花き４０の
軸を挿入し得る開口２１を備えて、この開口２１の周囲
であって各下方連結凹部１２に対向し得る位置に内部に
向けて膨出する上方連結凹部２２を備えた蓋体２０とに
より収納容器１００ａを構成し、この一つの収納容器１
００ａの各上方連結凹部２２に下端を嵌入し、上端を他
の収納容器１００ａの各下方連結凹部１２に嵌入した連
結体３０によって、一つの収納容器１００ａ上に他の収
納容器１００ａを連結体３０の高さで支持したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、蘭、菊、カーネーション、バラ等の花きを、所謂切り花として運搬 あるいは展示するのに適したフラワーコンテナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

花きの運搬を行なうには、その水分の蒸散がなされないように防湿シート等で 包み、これを例えば箱の中に収納して行われる。これだと、花きの防湿シートで の包み込みや箱詰めをしなければならないとともに、陳列するに際しては別の容 器を使用しなければならない。また、花きの生産場所と陳列場所が近接している 場所には、ポリバケツのような容器に水を張っておき、その中に花きを挿入して 運搬することも考えられるが、運搬途中における水のこぼれ出に対する対策を施 さなければならない。

【０００３】 一方、花きの例えば販売のための陳列について考えてみると、従来は前述した ポリバケツのような容器に水を入れて、その中に単に差し入れるだけにするとか 、高価な花きであれば、大き目の花びんに差し込んで陳列する等のことが行われ ている。つまり、前述した花きの運搬と、その陳列とは全く別のことであるとの 認識が一般的には強く、運搬と同時にそのまま陳列するということは全く考えら れていなかったので、運搬と陳列にそれぞれ別の手間が掛かってもやむを得ない ものと考えられていたのである。

【０００４】 また、運搬時にせよ、陳列時にせよ、花きは言わば生ものであって水を必要と し、この水の補給をどうするかによって、花きの運搬と陳列とは全く次限の異な ることであると考えられてきていることも事実であり、そのために、運搬も陳列 も言わば手間を掛けないように行なうということは、全く考えられていなかった のである。

【０００５】 そこで、本考案者等は、花きの運搬と陳列とを手間を掛けないで行うようにす るにはどうしたらよいかについて鋭意検討を重ねてきた結果、要するに、一つの 容器で運搬も陳列も行えるようにすればよく、そのためには容器を改良すればよ いことに気付いて、本考案を完成したのである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、以上のような経緯に基いてなされたもので、その解決しようとする 課題は、花きの運搬と陳列とを手間を掛けないで行えるようにすることである。

【０００７】 そして、本考案の目的とするところは、運搬してまた花きをそのまま陳列する ことができ、しかもいずれの場合にも花きへの水の供給を行うことのできるフラ ワーコンテナを簡単な構成によって提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決するために、本考案の採った手段は、実施例において使用す る符号を付して説明すると、 「底面１１から内部に向けて膨出する下方連結凹部１２を備えた容器本体１０ と、略中央に花き４０の軸を挿入し得る開口２１を備えて、この開口２１の周囲 であって各下方連結凹部１２に対向し得る位置に内部に向けて膨出する上方連結 凹部２２を備えた蓋体２０とにより収納容器１００ａを構成し、 この一つの収納容器１００ａの各上方連結凹部２２に下端を嵌入し、上端を他 の収納容器１００ａの各下方連結凹部１２に嵌入した連結体３０によって、一つ の収納容器１００ａ上に他の収納容器１００ａを連結体３０の高さで支持したこ とを特徴とするフラワーコンテナ１００」 である。

【０００９】

【考案の作用】

以上のように構成した本考案に係るフラワーコンテナ１００の作用を、その使 用の態様とともに、以下に詳述する。

【００１０】 まず、収納容器１００ａを構成する容器本体１０及び蓋体２０は、それぞれ下 方連結凹部１２及び上方連結凹部２２を有するものであるが、これら収納容器１ ００ａとなったときの内部側に膨出するものであるから、例えばこれらの容器本 体１０及び蓋体２０の製造を合成樹脂材料による一体成形によって容易に行える だけでなく、収納容器１００ａの外観を損なうものとなることはないのである。

【００１１】 なお、以下に示す実施例においては、容器本体１０としてその上縁外周部分に 位置決め部１４が形成してあって、この位置決め部１４には蓋体２０側の固定片 ２４が係止されるようになっているから、容器本体１０に対して蓋体２０を容易 に一体化できるだけでなく、その開放も容易となっているものである。従って、 これらの容器本体１０と蓋体２０からなる収納容器１００ａは、その一体化状態 が確実でありまた分解も容易であって、容器本体１０内の清掃等を容易に行える ものとなっているのである。

【００１２】 以上のように完成された一つの収納容器１００ａに対しては、図２に示すよう に、連結体３０の下端が蓋体２０側の各上方連結凹部２２に嵌入される。このと き、連結体３０として図６に示すような透明な板材が使用されるのであれば、収 納容器１００ａ上に位置する上方連結凹部２２は連続したものが採用されるが、 図１及び図２に示した実施例のフラワーコンテナ１００のように、複数の上方連 結凹部２２が採用されれば、この上方連結凹部２２の数以下の数の支持棒３１を 連結機３３によって連結した連結体３０が採用される。

【００１３】 図２に示したような連結体３０を使用する場合には、この連結体３０の蓋体２ ０側に対する固定は、各支持棒３１を連結している連結機３３を曲げながら各支 持棒３１の下端を蓋体２０側の各上方連結凹部２２内に差し込むことにより行う ものである。なお、この図２に示した実施例の連結体３０においては、図４の（ イ）に示すように、その中心部に縦溝３２が形成してあって各上方連結凹部２２ よりも少し大き目の外形のもとしてあるから、この支持棒３１を強制的に上方連 結凹部２２内に差し込めば、支持棒３１の下端は縦溝３２の存在による半径方向 の可撓性によって、差し込まれた状態を弾発的に維持することになるものである 。

【００１４】 そして、この連結体３０の上端には、図１または図６に示したように、他の収 納容器１００ａが、その底面１１に形成した各下方連結凹部１２によって連結さ れるのである。これにより、一つの収納容器１００ａ上に、他の収納容器１００ ａが、連結体３０の高さで支持されることになるのである。勿論、別の連結体３ ０を利用して、さらに別の収納容器１００ａを上方に支持することも可能である 。

【００１５】 以上のように組み立てた本考案のフラワーコンテナ１００においては、図１に 示したように、一つのフラワーコンテナ１００内に花き４０の軸を挿入すれば、 花き４０は開口２１によってバラけないように支持されるとともに、各花が二つ の収納容器１００ａ間にて展開されるのである。このとき、各花き４０の収納容 器１００ａ外にある部分は、連結体３０によって支えられているので、この連結 体３０の外方へ大きく突出したり倒れたりすることはないのであり、特に図６に 示したような透明な板からなる連結体３０を使用すれば、各花き４０の保護は確 実に行われる。

【００１６】 そして、各収納容器１００ａの容器本体１０内には、花き４０のための水や液 肥を入れておくことができるため、収納容器１００ａ内に挿入した花き４０への 給水や給肥が行えるのである。この水や液肥は、図１等に示したように、液体収 納部１３を底面１１上に形成しておけば、必要最小限の量のみを収納しておける ものである。

【００１７】 以上のように、花き４０をフラワーコンテナ１００に収納すれば、このままの 状態で運搬し得ることは当然として、このフラワーコンテナ１００によって陳列 場所まで運搬された花き４０はそのまま差し換えを行なうことなく陳列されるの である。この間、時間が経過したとしても、各容器本体１０内には水や液肥が収 納されているのであるから、花き４０がしおれたり枯れたりすることはないので ある。

【００１８】 従って、このフラワーコンテナ１００を使用することにより、花き４０に損傷 を与えることなく、その運搬と陳列とを何等手間を掛けることなく行えるのであ り、花き４０の販売にあって非常に有用なものとなっているのである。

【００１９】

【実施例】

次に、上記のようなフラワーコンテナ１００について、図面に示した各実施例 に従って説明すると、図１〜図５には本考案の第一実施例に係るフラワーコンテ ナ１００が示してある。

【００２０】 このフラワーコンテナ１００は、容器本体１０とこれに一体化された蓋体２０ とからなる収納容器１００ａを、少なくとも二つ使用して構成されるものであり 、各収納容器１００ａはこれらを所定の寸法引き離した状態で支持する少なくと も一つの連結体３０によって構成されるものである。すなわち、図１または図６ に示したフラワーコンテナ１００は、二つの収納容器１００ａと、これらの間に 入る一つの連結体３０を使用して構成した例が示してあるが、他の連結体３０を 利用することにより他の収納容器１００ａを更に組み付けて構成されることもあ り得るものである。

【００２１】 各収納容器１００ａを構成するための容器本体１０は、図２及び図３にも示し たように、概略バケツ形状のものであるが、その底面１１には連結体３０の上端 を挿入して固定するための下方連結凹部１２が、この容器本体１０内に膨出する ように一体的に形成してあるものである。本実施例では、連結体３０として支持 棒３１を有するものを対象としているので、下方連結凹部１２は支持棒３１が挿 入固定できる形状のものであって、複数形成してある。これらの下方連結凹部１ ２は、連結体３０による囲み空間を最大限とするために、容器本体１０の外周縁 に近い部分に形成するのがよいが、連結体３０として図１に示したような掛け梯 子形状のものを採用する場合には、必ずしも外周縁に設ける必要はない。

【００２２】 また、各容器本体１０の底面１１上には、図２及び図３に示したように、液体 収納部１３が一体的に形成してあり、この液体収納部１３によって囲まれた空間 内に一定量の水や液肥を収納できるようにしてある。しかしながら、容器本体１ ０それ自体が水等を収納できるものであるから、水等を収納する目的のみでこの 液体収納部１３を形成する必要はない。本実施例における液体収納部１３は、上 述したように、少量の水等を効率良く収納することの他、この液体収納部１３内 に各花き４０の下端を挿入することによって、蓋体２０側の開口２１とともに、 各花き４０が大きくバラけないようにするためのものである。

【００２３】 そして、この容器本体１０の上端縁外周面には、図２にも示したように、少な くとも一つの位置決め部１４が形成してあるのであり、この位置決め部１４には 、蓋体２０側の固定片２４が嵌合されて、容器本体１０に対する蓋体２０の位置 決め及び固定を行えるようにしてあるのである。

【００２４】 蓋体２０は、上記のような容器本体１０に対して、図３にも示したように嵌合 されるものであり、その略中央には、花き４０を挿入するための開口２１が形成 してある。本実施例の蓋体２０にあっては、図２に示したように、複数の移動防 止突条２３が一体的に形成してあり、これらの移動防止突条２３は蓋体２０の中 心に向けて突出している。これらの移動防止突条２３は、開口２１内に挿入され ていた花き４０が少なくなってきた場合にこれが倒れないようにするものであり 、花き４０の一部がこれに当接して支えられるようにしているものである。

【００２５】 また、この蓋体２０の外周面には、図２及び図３に示したように、容器本体１ ０側の位置決め部１４に係合し得る固定片２４が形成してあり、この固定片２４ の両面に形成したスリット２４ａによって、当該固定片２４は蓋体２０に対して 十分な可撓性を有したものとしてある。すなわち、図３にも示したように、この 固定片２４が容器本体１０側の位置決め部１４に係合することにより、蓋体２０ の容器本体１０に対する位置決め固定を確実に行なうとともに、蓋体２０を取り 外したい場合には、この固定片２４を外方に引くことによって、その容器本体１ ０に対する係合を容易に解除し得るようにしてあるのである。

【００２６】 そして、この蓋体２０には、容器本体１０側の下方連結凹部１２に対応する位 置及び数の上方連結凹部２２が一体的に形成してあるのであり、これら上方連結 凹部２２には、次に説明する連結体３０の下端が挿入固定されるのである。なお 、これらの上方連結凹部２２の形成場所は、容器本体１０側の各下方連結凹部１ ２と同様に適宜決定されるものである。

【００２７】 本実施例における連結体３０は、図１または図２に示したように、複数の支持 棒３１と、これらの支持棒３１を互いに連結する連結機３３とからなるものであ り、各支持棒３１は、図４の（イ）に示したように、その軸方向に延びる縦溝３ ２を形成したものである。この縦溝３２は、各支持棒３１の半径方向に対する可 撓性を付与するものであり、下方連結凹部１２または上方連結凹部２２の内径よ り大きな外形を有した支持棒３１を、下方連結凹部１２または上方連結凹部２２ 内に差し込んだ場合の弾力性を支持棒３１に付与するものである。また、各連結 機３３は、図４の（ロ）に示したような断面形状を有しているものであり、連結 体３０が各連結機３３において折曲できるようにしているものである。

【００２８】 この連結体３０としては、上述した連結機３３によって、図２に示したように 、全ての支持棒３１を互いに連結して一体的なものとして構成するように実施し てもよいが、図１に示したように、２本の支持棒３１を連結機３３によって連結 して掛け梯子のように構成したものを複数使用するように実施してもよいもので ある。このような掛け梯子形状の連結体３０を複数使用する方が、これらの間に 花き４０の略全体を露出できる空間を形成でき、また連結体３０自体を小さくで きることから、有利なことがある。

【００２９】 勿論、連結体３０の支持棒３１の数、従って下方連結凹部１２及び上方連結凹 部２２の数は、適宜決定すればよいものであり、例えば、図５に示したような四 角形状の収納容器１００ａの場合には、その四隅にそれぞれ一個づつ形成するよ うにして実施してもよいものである。なお、この図５に示した四角形状の収納容 器１００ａは、多数のフラワーコンテナ１００の運搬のための収納、及び多数の フラワーコンテナ１００の陳列のための配置において空間を無駄にするから有利 であり、一方図１等に示した丸型の収納容器１００ａにおいては、その方向性が 全くないことから陳列に際してレイアウト問題となることが少ないから有利であ る。

【００３０】 図６及び図７には、本考案の第二実施例に係るフラワーコンテナ１００が示し てあり、その第一実施例のフラワーコンテナ１００と異なる点は、連結体３０と して透明な板状のものを採用している点である。これにより、図７に示したよう に、板状の連結体３０の上下両端縁が挿入できるようにするために、各下方連結 凹部１２及び上方連結凹部２２も環状のものとしてある。このような板状の連結 体３０を採用する場合には、図６に示したように、各容器本体１０間の空間の殆 どを花き４０の収納のための空間とすることができるだけでなく、板状の連結体 ３０によって花き４０の全体を略隙間なく覆うことになるから、花き４０等から の水の蒸散を極力抑えて水の補給を少なくすることができるものである。

【００３１】 当然のことながら、板状の連結体３０によって各花き４０が外方への傾倒も防 止されるのであり、このフラワーコンテナ１００において使用される収納容器１ ００ａが丸型のものであっても、多数のフラワーコンテナ１００の陳列に際して 花き４０の存在が他のフラワーコンテナ１００の邪魔になることもないのである 。そして、何よりも、支持棒３１と縦溝３２とからなる特別製の連結体３０を用 意しなくてもよい点で有利なことがある。

【００３２】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案よれば、容器本体１０に蓋体２０を嵌合して収納容 器１００ａとし、一つの収納容器１００ａの上方連結凹部２２に下端が挿入され 、上端が他の収納容器１００ａの下方連結凹部１２に挿入される連結体３０によ って、少なくとも二つの収納容器１００ａを所定高さで支持するように構成した ので、運搬してまた花きをそのまま陳列することができ、しかもいずれの場合に も花きへの水の供給を行うことのできるフラワーコンテナを簡単な構成によって 提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフラワーコンテナによって花きを
陳列した状態を示す斜視図である。

【図２】容器本体に蓋体及び連結体の下端を組み付ける
工程を示す分解斜視図である。

【図３】フラワーコンテナを構成している一つの収納容
器の断面図である。

【図４】図２の１−１線及び２−２線に沿ってみた各部
分拡大断面図である。

【図５】収納容器を四角形状としたときの一列を示す分
解斜視図である。

【図６】本考案の他の実施例に係るフラワーコンテナの
正面図である。

【図７】同フラワーコンテナを構成している収納容器の
拡大部分断面図である。

【符号の説明】

１００ フラワーコンテナ １００ａ収納容器 １０ 容器本体 １１ 底面 １２ 下方連結凹部 １３ 液体収納部 ２０ 蓋体 ２１ 開口 ２２ 上方連結凹部 ３０ 連結体 ３１ 支持棒 ３３ 連結機 ４０ 花き

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面から内部に向けて膨出する下方連結
   凹部を備えた容器本体と、略中央に花きの軸を挿入し得
   る開口を備えて、この開口の周囲であって前記各下方連
   結凹部に対向し得る位置に内部に向けて膨出する上方連
   結凹部を備えた蓋体とにより収納容器を構成し、 この一つの収納容器の各上方連結凹部に下端を嵌入し、
   上端を他の収納容器の各下方連結凹部に嵌入した連結体
   によって、一つの収納容器上に他の収納容器を前記連結
   体の高さで支持したことを特徴とするフラワーコンテ
   ナ。