JPH0642724U - バンドクリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線束にコルゲートチューブを外嵌した際
に、コルゲートチューブの鋭い切断端縁による電線損傷
を防止すること、及びコルゲートチューブを位置規制す
るため該チューブに対して行われる従来のような粘着テ
ープ巻付け作業を不要とし、生産性の向上を図る。 【構成】 長さ方向の一端に差込み部(11a) を有し、他
端に該差込み部を挿通するとともに差込み部近傍から所
要長さにわたって設けた断面鋸歯状に連続する係止部(1
2)と掛合するロック部(15)を有する結束用バンドにおい
て、前記係止部の片側に沿って設けたリブ(13)と、該リ
ブによってバンド本体(11)の挿通ずれを防止するための
前記ロック部に設けた係合溝(18)と、前記バンド本体の
幅方向に延設したスカート部(14)とより成るバンドクリ
ップ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバンドクリップに関し、更に詳述すると、複数本の電線を収容して該 電線を保護するコルゲートチューブと共に用いられ、電線束のコルゲートチュー ブ端による損傷を防止するとともに、前記コルゲートチューブを位置規制できる バンドクリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

可撓管体として構成されるコルゲートチューブは、図５に示すように、複数本 の電線束１を所定領域にわたって保護または収束することを目的として該電線束 １に外嵌され、その端部が、図６に示すように電線束１と共にビニールテープ３ により巻回されて位置規制されている。

【０００３】 一方、従来より、複数本の電線を束ねる目的で使用される結束用のバンドクリ ップは知られている。図７にこのバンドクップを例示すると、バンドクリップ５ は、可撓性材料により形成されたバンド本体４を矢印Ａ方向に湾曲させて該本体 ４に形成された先端の差込み部４ａを、他端に設けたロック部５の挿入口５ａに 差込み、本体４に形成した連続する鋸歯状の係止部４ｂに、前記ロック部５に形 成された弾性係止爪（図示せず）を噛合させて電線束１を緊締できるように構成 されている。そして、このバンドクリップによる結束は、それまでのビニールテ ープを巻回しただけの方法に比べ、電線相互間にずれを生じさせないものとして 重用されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

処で、前記コルゲートチューブは、図５からも明らかなように、その切断位置 の具合によって端末部に、電線面に対接するエッジ２ａが形成された。このよう なエッジ２ａが形成されると、エッジはしかもビニールテープで電線面に締付け られているので、チューブ端末部を通過する電線と干渉して該電線を損傷させる ことがあった。本来、電線を保護する目的で使用されるコルゲートチューブにと って、このような事態を生じることは由々しきことである。

【０００５】 この考案は、上記した事情からなされたものであって、従前のコルゲートチュ ーブの使用に於いて生じる欠点を、本来は電線束を結束する目的だけのバンドク リップを適用して解消できる、改良された結束用のバンドクリップを提供するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案の上記目的は、長さ方向の一端に差込み部を有し、他端に該 差込み部を挿通するとともに、差込み部近傍から所要長さにわたって設けられた 断面鋸歯状に連続する係止部と掛合するロック部を有するバンドクリップにおい て、前記係止部の片側に沿って設けられたリブと、該リブによってバンドの挿通 ずれを防止するための前記ロック部に設けられたリブ係合溝と、バンドの幅方向 に延設されたスカート部とより成ることを特徴とするバンドクリップにより達成 される。

【０００７】

【作用】

このバンドクリップを電線束に取付ける際に、バンドの幅方向に延設したスカ ート部がコルゲートチューブと電線束との隙間に介在することにより、前記スカ ート部は、コルゲートチューブのエッジを電線面から分離させるので、電線束の 軸心方向へ何らかの力が加わっても、エッジによる電線面の損傷を保護すること ができる。また、前記バンドクリップは、コルゲートチューブの端末部と当接す るように該チューブに装着されることで、電線束を結束すると同時に前記コルゲ ートチューブを所定位置に位置規制できる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１乃至図３を参照して説明する。 図１は本考案の一実施例であるバンドクリップの全体斜視図、図２は図１のバ ンドクリップの使用状態を説明する要部切欠側面図、図３は同じく図１のバンド クリップの使用状態を説明する要部斜視図である。尚、電線束およびコルゲート チューブは従来と同一構造なので同一符号を用いて説明する。

【０００９】 図１において、可撓性材料で形成されるバンドクリップ１０は、先端部１１ａ が後述するロック部１５へ容易に挿通できるように幅を狭くかつ肉厚を薄く形成 されるとともに、この先端部近傍から他端に向かったバンド本体１１面には、電 線束の太さに対応した所要長さを有する、断面が鋸歯状に連続した形状の係止部 １２が設けてある。また前記本体１１面には、前記係止部１２の片側に沿って延 びたリブ１３が形成されている。

【００１０】 さらに前記バンド本体１１の片側の側面には、バンドクリップ１０の幅方向に 複数個のスカート部１４が、ほぼ等間隔に延設されているが、その板厚はバンド を電線束１（図２参照）に巻付けたときに電線束径の大小によりスカート部同士 が重複することもあるので、バンド肉厚より多少薄くしあると好ましい。 バンド本体１１の他端にはロック部１５が設けられており、該ロック部１５に は前記鋸歯状の係止部１２と噛合して電線束１への巻付け強さを固定する掛止体 １６が、図示しない弾性係止爪を有してバンド本体１１面との間にバンド挿通の ための隙間１７が存在するように形成されている。また、この掛止体１６には、 バンド本体１１を湾曲させて前記先端部１１ａを前記ロック部１５へ挿通して電 線束１に巻付ける際に、前記リブ１３と係合する係合溝１８を形成してバンド本 体１１の巻きずれ（横ずれ）を防止するようになっている。

【００１１】 いま、このバンドクリップ１０を電線束１に巻付けるには、前記係止部１２が 設けられた面と反対の背面が電線束１と接するように湾曲させ、前記先端部１１ ａを掛止体１６とバンド本体１１の表面との間の隙間１７に挿入し、リブ１３を 係合溝１８に係合して先端部１１ａを前記ロック部１５より引張ると、掛止体１ ６は係止部１２の歯を図３に示すように次々と通過させ、必要な強さに電線束１ を緊締する位置に来たときに、先端部１１ａを手離せばその時点で係止部１２と 掛止体１６とが噛合し、緊締状態が保たれる。

【００１２】 このバンドクリップ１０の緊締を行うに際して、このバンドクリップ１０は、 電線束１に挿通されて所定位置に置かれるコルゲートチューブ２の端末部に対し て適用し、先ずスカート部１４を前記電線束１とコルゲートチューブ２との隙間 に挿入して該コルゲートチューブ２のエッジ２ａが該スカート部１４と当接する ように装着するとともに、リブ１３を係合溝１８に係合して上記方法により緊締 を行う。尚、前記リブ１３を前記係合孔１７に係合させることにより、緊締時或 いは緊締後に於いてバンドクリップ１０の巻きずれ（横ずれ）は起こらない。

【００１３】 緊締がなされた時点で、コルゲートチューブ２のエッジ２ａは、図２に示すよ うにロック部１５の基部に於いてスカート部１４と当接して電線面から離される ので、該電線面を損傷させない。尚、コルゲートチューブ径が電線束１の径と略 等しく設けられ、両者間に充分な隙間がとれなくスカート部１４を該隙間に完全 に挿入することが無理な場合でも、図３に示すように前記スカート部１４が僅か でも挿入されていれば、前記コルゲートチューブ２のエッジ２ａが該スカート部 １４に当接するので、同様に電線面の損傷が防止できる。

【００１４】 又、このエッジ２ａが、図２に示すようにロック部１５の側面１５ａと当接す ることで、コルゲートチューブ２はその動きが規制されて位置ずれが阻止される ので、従来その目的で使用した粘着テープが不要となる。 図４は本考案の他の実施例で、先の実施例のようにスカート部を分割された複 数個とせずに、連続した一つのシート状としたものである。この場合も、スカー ト部２４の板厚をバンド本体２５のそれよりも薄くし、かつ延設方向にも薄くな るように形成しておけば、電線束への巻付けが円滑に行える。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、バンド本体の幅方向にスカート部を延 設して電線束とコルゲートチューブとの間の隙間に該スカート部を挿入させるこ とにより、コルゲートチューブの端末部に形成されるエッジによる従来のような 電線損傷が防止される。又、電線束を緊締するため該電線束に固定されるバンド クリップにコルゲートチューブが衝合する構成なので、コルゲートチューブを位 置規制でき、従来のテープ巻き作業を必要としない。従って作業の標準化と生産 性を大幅に向上できる。更に、本考案のバンドクリップは、従来構造と同様、汎 用性を有して異なる電線束の径に適用できて、本考案の目的を達成できるので、 製品の品質向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施例の全体斜視図である。

【図２】実施例の作用を示すための要部切欠側面図であ
る。

【図３】実施例の作用を示すための要部拡大斜視図であ
る。

【図４】他の実施例の全体斜視図である。

【図５】従来例の一部切欠側面図である。

【図６】従来例においてテープ固定作業を示す部分斜視
図である。

【図７】従来例のバンドクリップの斜視図である。

【符号の説明】

１ 電線束 ２ コルゲートチューブ ２ａ エッジ １０ バンドクリップ １１ バンド本体 １１ａ バンドクリップの先端部 １２ 係止部 １３ リブ １４ スカート部 １５ ロック部 １５ａ ロック部側面 １６ 掛止体 １７ 隙間 １８ 係合溝 ２４ スカート ２５ バンド本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長さ方向の一端に差込み部を有し、他端
   に該差込み部を挿通するとともに、差込み部近傍から所
   要長さにわたって設けられた断面鋸歯状に連続する係止
   部と掛合するロック部を有するバンドクリップにおい
   て、前記係止部の片側に沿って設けられたリブと、該リ
   ブによってバンドの挿通ずれを防止するための前記ロッ
   ク部に設けられたリブ係合溝と、バンドの幅方向に延設
   されたスカート部とより成ることを特徴とするバンドク
   リップ。