JPH0642116B2 - クリ−ニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1)発明の目的 この発明は電子写真複写機、プリンタなどの静電写真プ
ロセスを利用する画像形成装置、とくにそのクリーニン
グ装置に関するものである。

走行する像担持体に可転写トナー像を形成し、該トナー
像を紙を主とする転写材に転写し、このさい転写に寄与
しなかった像担持体表面の残留トナーを除去する工程を
くり返す周知の画像形成装置における、残留トナー除去
手段としては、従来から、ウレタンゴムなどの弾性材か
らなるクリーニングブレードを用いるものがそのトナー
除去機能がすぐれているためにひろく実用されている。

しかしながら像担持体表面に付着する物質はトナーのみ
ならず、転写紙から発生する微細な紙片、空気中の塵
埃、転写紙から析出されるロジン、タルクなどの析出物
ないしは、画像形成装置内の高圧部材の存在に起因する
コロナ生成物など種々な異物があり、クリーニングブレ
ードはトナーの除去にはすぐれた機能を発揮するが、上
述のような各種の異物には必ずしも有効ではなかった。

そしてこのような異物が像担持体表面に付着すると、こ
れが空気中の水分を吸収して低抵抗化し、このために画
像流れが生ずるおそれがあった。

このような不都合をさけるために、前述のような異物を
像担持体表面から除去すべく、該表面に研磨剤を供給す
るようなことも提案されているけれどもその作用が安定
性を欠き満足すべき結果が得られていない。

また本出願人は、像担持体表面から除去された广トナー
を捕捉搬送するため像担持体に近接してマグネットロー
ラなどをそなえたものにおいて、これら両者の近接部分
空所に多量のトナーを集積させて、このトナーによって
像担持体表面を摺擦して異物を除去するようなものを提
案している。このようなものは異物除去機能はすぐれて
いるけれども、多量のトナーを集積させるためにこれが
クリーニング装置外に散逸して各部を汚染したり、画像
形成に悪影響をあたえたりする不都合を生じたり、常時
トナーを像担持体に摺擦するためにクリーニングの負担
が大となり、クリーニング不良をおこすおそれがあっ
た。

本発明はこのような事態に対処すべくなされたものであ
って、像担持体表面近傍の湿度を検知することにより、
これがあらかじめ設定した湿度に達したときにのみ像担
持体表面に多量のトナーを供給して該表面を摺擦して前
述の異物を除去し、常時良好な画像を安定的に得られる
ようなクリーニング装置を得ることを目的とするもので
ある。

(2)発明の構成 上記の目的を達成するため、本発明は、記録材にトナー
像を転写した後の像担持体表面をクリーニングするクリ
ーニングブレードと、像担持体回転方向にみて上流側に
設けられ、前記ブレードによって像担持体から除去され
た磁性トナーを表面に担持する回転可能なマグネットロ
ーラと、該ローラ表面に担持されローラの回転とともに
移動する磁性トナーを前記像担持体と前記ローラとの間
に堰き止める堰き止め部材とを有し、前記堰き止め部材
で堰き止められた磁性トナーで像担持体表面を摺擦する
クリーニング装置において、像担持体近傍の湿度が所定
値よりも低いときには、堰き止め部材によって堰き止め
られるトナー量を、湿度が所定値より高いときよりも少
なくする手段をそなえたことを特徴とするものたであ
る。

このように構成することによって、環境湿度によって適
切な量の磁性トナーを所定位置に貯溜できるので、常時
安定的に良好なクリーニングを行うことができる。

以下添付の図面によって本発明の実施例について説明す
る。

第１図は本発明によるクリーニング装置を、回転円筒状
の感光体を用いる複写機に適用した場合を示す要部側面
図である。感光体１の近傍所定位置には感光体の軸線方
向に平行にのびているクリーニング装置２が配設してあ
り、トナーには磁性トナーを使用するものとする。

前記感光体の周辺には、感光体表面光導電層を一様に帯
電させる手段、これに光像を照射して静電潜像を形成す
る手段、該潜像を顕像化する現像手段、このトナー顕像
を転写材に転写する手段などが配装してあるが、それら
は本発明には直接関係ないのでそれらについての説明は
省略する。

前記クリーニング装置２には、クリーニングブレード３
が配されており、その端縁のエッジが感光体表面に圧接
して、転写手段において転写に寄与せず感光体に付着し
たままのトナーが該ブレードに達したときにこれをかき
落す。かき落されたトナーは、マグネットローラ４によ
って捕捉され、さらにその回転にともなってクリーニン
グ装置内の广トナー貯溜部に至り、さらに必要に応じて
スクリューコンベア５によってクリーニング装置外に排
出されるものとする。

このようなクリーニング装置において、本発明において
は該装置内に、前記マグネットローラ４に対して接離す
るスクレーパ部材６を配してある。

スクレーパ部材６は、第２図に示すように、適数の開口
６ｃを形成した板体６ｂとこれに取着した支持杆６ａと
からなっていてクリーニング装置内に装着されており、
その位置で回動自在となっていて、第１図に実線で示
す、マグネットローラに対して当接する位置とこれから
離れた点線位置を選択的にとり得るようになっている。

第３図は上記のようにスクレーパ部材６を揺動させる手
段を略示するもので、支持杆６ａの端部適所に取着した
プーリ９に巻回したワイヤ８の一方にばね７を取着し
て、板体６ｂを常時図示反時計方向に回動習性をあたえ
ており、該ワイヤの他端をソレノイドＳＯＬに取着して
ある。したがって該ソレノイドを付勢することによって
ワイヤ８をばね７の作用に抗して牽引してプーリ９を、
従ってスクレーパ部材６を図示時計方向に回動させるこ
とができるものとする。

第3b図はスクレーパの変位を段階的に変位させ得るよう
に構成したもので、このように構成することによってさ
らにトナー量の調整を好適に行なうことができる。

このものにおいては、スクレーパ６は揺動支点６ａに支
持されており、その一端に取着したコロ１２にカム１０
が当接している。カム１０は１１ａを軸として回動でき
るようになっており、ワンウェイクラッチ１１が同軸に
配されており、このワンウェイクラッチがレバーＬによ
って作動するようになっている。

レバーの自由端にはソレノイドＳＯＬが取着してあり、
このソレノイドの付滅勢によってワンウェイクラッチ、
したがってカム１０を段階的に回動させ得るので、ソレ
ノイドを数回付滅勢してそのカム面位置に従ってスクレ
ーパの位置を複数位置定めることができる。

感光体１の周辺近傍には、たとえばMgCr₂O₄とTiO₂とか
らなる多孔質焼結体によるセラミックの湿度センサを用
い、これを感光体表面近傍適所に配置して（不図示）、
その出力をCPUに入力する。ＣＰＵは湿度センサの出力
を演算処理し、設定湿度、たとえばＲＨ７０％以上の場
合にはスクレーパ部材６のソレノイドをオンしてスクレ
ーパ部材をマグネットローラ４に接近させてその表面を
搬送させるトナーを当該部分に集積して、該集積トナー
によって感光体表面を摺擦して、これに付着する前述の
ような異物を除去する。湿度が７０％を下まわるとソレ
ノイドはオフとなり、スクレーパ部材６はローラ４から
はなれてトナーをクリーニング装置内貯溜部に搬送し、
トナーによる感光体の摺擦を行なわない。

第４図は上記の作動を示すフローチャートを示すもので
ある。

上記の場合はソレノイドは、感光体の前回転からコピー
後の後回転までオン状態となる場合を示しているが、湿
度センサの出力値によって、タイマを用いてソレノイド
のオン時間を種々変化させることができる。第５図は湿
度値を所定範囲ごとに区分して段階的にソレノイドのオ
ン時間を変化させる場合を、第６図は連続的にオン時間
を制御する場合を夫々示すグラフである。

第７図は湿度によってスクレーパ部材の位置をかえるこ
とによって貯溜するトナーの量をかえるようにした場合
を示すものである。たとえば、第１図々示のようなクリ
ーニング装置において、マグネットローラ４とこれと近
接している部分のクリーニング装置筐体内面間の間隔ｌ
₂を２mm、マグネットローラと感光体との間隔ｌ₁を３mm
とすると、マグネットローラによって搬送されるトナー
は、スクレーパ部材６が該ローラから離れている場合、
間隔ｌ₁の部分においては磁気ブラシの高さがほぼ2.5mm
程度となり感光体には接触しない。スクレーパ部材６を
マグネットローラに接近させてゆき第１図の符号Ｌに相
当する距離を変化させてゆくことによってトナーの堆積
量を変化させてトナーによる摺擦作用を変えることによ
り、湿度に応じてより強力に異物を除去し得るようにす
ることができる。

前述の湿度設定値、たとえば７０％以下の場合には、上
述の例のようにトナーが感光体に摺擦しないように構成
しておくことにより、低湿時において比電荷が高く感光
体に吸着しやすいトナーを、より多量にクリーニングブ
レードなどのクリーニング手段位置に送給してクリーニ
ング負荷を高めてクリーニング不良などの事態を生じな
いようにすることが好ましい。

(3)発明の効果 本発明は以上説明した構成、作用を具備しており、像担
持体周辺が高湿の雰囲気にある場合にのみトナーを像担
持体表面に摺擦させるようにしてあるから、転写紙から
の析出物、コロナ生成物などの異物が像担持体表面を低
抵抗化して画像形成に悪影響を及ぼすことを確実に阻止
し得るとともに、これら異物による影響が少ないと思わ
れる状態のときにはトナーを多量に供給することがない
から、全体として少量のトナーで充分な摺擦効果が得ら
れることになり、像担持体を損傷したり、トナーが飛散
して画像形成装置各部を汚損したりあるいはクリーニン
グブレードなどのクリーニング手段に過大な負荷をあた
えてクリーニング不良を生ずるような事態をさけること
ができ長期に亘って安定して良質の画像を得ることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるクリーニング装置の実施例を示す
要部側面図、 第２図はスクレーパ部材の構成を示す一部の平面図、 第3a図はスクレーパ部材を作動させる機構例を示す説明
図、 第3b図はスクレーパ部材を作動させる他の機構例を示す
説明図、 第４図は本発明によるクリーニング装置の作動態様を示
すフローチャート、 第５図、第６図、第７図は、湿度とスクレーパの作動と
の関係を示すグラフである。 １……感光体、２……クリーニング装置、３……クリー
ニングブレード、４……マグネットローラ、６……スク
レーパ部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録材にトナー像を転写した後の像担持体
   表面をクリーニングするクリーニングブレードと、像担
   持体回転方向にみて上流側に設けられ、前記ブレードに
   よって像担持体から除去された磁性トナーを表面に担持
   する回転可能なマグネットローラと、該ローラ表面に担
   持されローラの回転とともに移動する磁性トナーを前記
   像担持体と前記ローラとの間に堰き止める堰き止め部材
   とを有し、前記堰き止め部材で堰き止められた磁性トナ
   ーで像担持体表面を摺擦するクリーニング装置におい
   て、 像担持体近傍の湿度が所定値よりも低いときには、堰き
   止め部材によって堰き止められるトナー量を、湿度が所
   定値より高いときよりも少なくする手段をそなえたこと
   を特徴とするクリーニング装置。