JPH0641933Y2 - 物品の荷ぞろえ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、多数の物品を傾斜コンベア上に荷ぞろえする
物品の荷ぞろえ装置に関し、特に物品に損傷を与えるこ
となく、能率よく荷ぞろえをなし得る物品の荷ぞろえ装
置に関する。

本考案は、多種類の物品を多数の発送先に配送する配送
センタなどで、ソータ装置により仕分けられた荷ぞろえ
ラインに利用するに適する。

〔概要〕

本考案は、物品を傾斜コンベア上に載置し、その物品を
ゆっくり送出する物品の荷ぞろえ装置において、 傾斜コンベアの中間部に制動装置を設け、これを荷ぞろ
えを行うときには制動状態とし、排出するときには一斉
に解除するように制御することにより、 物品に損傷を与えることなく、また物品の自走しやすさ
に係わらず荷ぞろえのライン長が長い場合にも高速かつ
容易に仕分け操作が行えるようにするものである。

〔従来の技術〕

物品の荷ぞろえ装置に関する従来技術としては、特開昭
57−93804号公報、特特開昭60−248503号公報、特開昭6
1−2612号公報に記載のもの等が知られている。

上記公報の記載について略述すると、特開昭57−93804
号公報には、回転自在に軸支されたローラがその軸方向
と直交する方向に傾斜する斜面に沿って適宜間隔で配設
され、斜面の下端部に位置する適宜本のローラの回転を
制動する制動手段が設けられて成るローラコンベアが記
載されている。

また、特開昭60−248503号公報には、フローラックの出
口側において、物品の切出し装置と、該切出し装置に連
動した物品のブレーキ装置を設けたフローラック装置が
記載されている。

また、特開昭61−2612号公報には、搬送コンベアから搬
送されてきた荷を一次仕分けコンベアで搬送しながら一
次仕分けして複数の一次ストレージコンベアに渡し、一
次仕分けされた荷を各一次ストレージコンベア単位で一
次側循環コンベアに取り出して、上記一次仕分けコンベ
アに対して上下いずれかに並設した二次仕分けコンベア
に渡し、この二次仕分けコンベアで搬送しながら二次仕
分けして複数の二次ストレージコンベアに渡し、二次仕
分けされた荷を各二次ストレージコンベア単位で二次側
循環コンベアに取り出した後に、トラックへの積込み部
へ搬送する仕分け方法が記載されており、各コンベアと
して駆動ベルトコンベア、グラビティローラコンベアな
どを適宜採用できる旨の記載がある。

また、実公昭52−37574号公報として、フリーローラコ
ンベアの途中にブレーキ装置を設け、このブレーキ装置
により、フリーローラコンベアで加速される物品を減速
して、目的の場所まで搬送させるようにしたブレーキ装
置の技術が開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記の物品の荷ぞろえ装置には以下のような問
題点がある。

すなわち、特開昭57−93804号公報においては、制動手
段が傾斜コンベアの下端部に配設されているため制動効
果を得るには、制動手段をローラに強く弾接する必要が
あり、その結果として最下端になるコンテナケースを取
り出しても上流側にあるコンテナケースの制動状態は解
除されず、下端部に向かって物品を所望の速度で搬送す
ることは困難であった。

また、特開昭60−248503号公報においては、物品に直接
ブレーキ装置が作用するため物品に損傷が生じることが
あり、ブレーキ装置が物品の切出し装置に連動している
ため、傾斜コンベアから物品を送出するときにブレーキ
装置が断続的に作動することとなり、物品を高速で連続
的に送出することはできなかった。

また、特開昭61−2612号公報においては、ストレージコ
ンベアとしてグラビティローラコンベアなどを適宜採用
できる旨の記載はあるが、具体的な記載はなく、もしグ
ラビティローラコンベアをブレーキ装置等を備えず使用
した場合には、大きな力で下端部に設けられたストッパ
に衝突するので物品に損傷を与えることとなる。

さらに、実公昭52−37574号公報においては、フリーロ
ーラコンベアの勾配を大きくし、そのフリーローラコン
ベアの途中にブレーキ装置を設けて減速することによ
り、物品を途中で停滞することなく目的場所まで搬送す
るため、荷ぞろえのために一定量の物品をコンベア上に
停滞させる必要のある装置には適さないものである。特
に物品の重量が軽くて、コンベア上で自走しがたい物品
であって停滞し易いものに対する考慮がなかった。

本考案はこせらの問題点を解決するもので、 荷ぞろえラインを長くとれる、 荷ぞろえラインの上流側は物品が高速に移動し、下
流側ではゆっくり送出され、また軽い物品が上流側に停
滞したとしても、物品を下流へゆっくりと搬送できる、 物品に損傷を与えない、 荷ぞろえ命令に応じて制御できる、 全体が安価である、 効率良く荷ぞろえができる 物品の荷ぞろえ装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、荷ぞろえを行う傾斜コンベアを備え、この傾
斜コンベアの下流端に荷ぞろえ中は傾斜コンベア上に下
流から順次物品を滞留させ荷ぞろえが完了すると物品を
傾斜コンベアの下流端から排出する払出し装置が設けら
れ、上記傾斜コンベアは、物品を載置するために回転自
在に軸支されたローラがコンベアの流れ方向と直交する
ように設けられ、物品の流れを停止させる手段を含む物
品の荷ぞろえ装置において、 上記停止させる手段は、上記コンベアの搬送経路の中間
部に配設され、上記その中間部の複数のローラの回転を
制動する制動装置と、この制動装置を駆動する駆動装置
と、この駆動装置を電気的に制御する制御装置とを備
え、上記傾斜コンベアの上流側にこの傾斜コンベアに物
品を押下する引込みコンベアを備え、上記制御装置は、
上記傾斜コンベア上に物品の荷ぞろえする場合には上記
制動装置を制動状態とし、上記傾斜コンベアの下流端か
ら上記荷ぞろえされた物品を排出する場合は上記払出し
装置の排出動作に連動して一斉に制動を解除する手段を
含むことを特徴とする。

制動装置は、中間部の隣接する複数のローラに対して同
時にその回転を制動する制動板を含むことが好ましい。

制御装置は、上位の荷ぞろえを制御するコンピュータに
より制御される構成であることが好ましい。

〔作用〕

コンベアは、回転自在のローラを多数備えた傾斜コンベ
アであり、この傾斜コンベアの中間部でこのローラの回
転に制動をかける。これにより、この中間部で物品は停
滞する。制動をゆるめることによりゆっくり物品を送出
できる。

またこの傾斜コンベア上で物品の荷ぞろえを行うときに
は制動装置を制動状態とすることによりコンベア上に荷
ぞろえを行う。荷ぞろえが完了すると制動を一斉に解除
して払い出し装置により傾斜コンベア下流から物品を排
出する。

このように、物品には直接に制動力が加えられないの
で、物品を損傷することがなく、また物品の自走しやす
さに関係なく荷ぞろえができる。また、長い傾斜コンベ
アを用いて効率良く荷ぞろえができる。

制動装置は、制御装置の電気信号により制御されるので
上位装置からの命令で制御できる。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案一実施例の縦断面図である。第１図にお
いて、上下二層に設置された分岐コンベア１および１′
によって、仕分けされた物品は引込みコンベア２および
２′によりそれぞれ上下二層の傾斜コンベアからなる荷
ぞろえラインに載置される。この荷ぞろえラインの物品
の流れのそれぞれの下流端には、払出し装置５および
５′があり、搬送コンベア６および６′に物品を切出し
て、その一端が上下に上げ下げされる積込みコンベア７
を介して、物品は図外のコンテナに積み込まれる。

払出し装置５および５′は荷ぞろえラインのローラコン
ベア３および３′の下流端に設けられており、第１図に
示されるように、ストッパとアクチュエータとを備え、
荷ぞろえ中はストッパによってローラコンベア３および
３′を流下してくる物品を下流端から順次ローラコンベ
ア３および３′上に滞留させる。荷ぞろえが完了する
と、払出し装置５および５′はストッパを解除すること
でローラコンベア３および３′に滞留された物品を搬送
コンベア６および６′に排出する。

第２図は第１図に示すＡ部詳細図である。

ここに本考案の特徴とするところは、荷ぞろえラインに
設けられた長く傾斜したローラコンベア３および３′の
搬送経路の中間部Ａに制動装置４および４′が配設され
ることにある。この制動装置は第２図に示すように中間
部のローラ８を制動するゴムライニングされた制動板９
を含む。この制動板９を破線に示す位置に駆動する駆動
装置は、制動装置取付フレーム11に設置されたアクチュ
エータ10とこのアクチュエータ10にパイプ12Aおよびホ
ース12Bを介して圧力エアを送出する電磁弁13とを含
む。この駆動装置を制御する制御装置は上位の荷ぞろえ
を制御するコンピュータ14とこの制御指令を入出力イン
タフェース15を介して受け取り電気信号を送出する制御
回路16とを含む。

さらにローラコンベア３および３′の制動装置４および
４′のあるＡ部の上流位置に載置された物品は、傾斜し
たローラの区間が長いので自走により加速される。また
自走しにくい物品の場合でも、物品が連続して載置され
るとローラコンベア３および３′の上流に設けられた引
込みコンベア２および２′の駆動力により物品は下流側
に押し出される。

多品種の物品はその１ロットの個数に多少の差異があっ
ても、これを能率よく荷ぞろえするためには、荷ぞろえ
ラインのローラコンベア３および３′の長さを長大に
し、かつ引込みコンベア２および２′の物品の送出速度
を20m/分以上、好ましくは60m/分程度に速くする必要が
ある。

第３図は、本考案で物品を荷ぞろえする動作の説明図を
示す。第３図において、引込みコンベア２により、ロー
ラコンベア３に送り出された物品は傾斜による自重の分
力によって自走し、加速しながら下流側に進む。ローラ
コンベア３の中間部の制動装置４のところでこの物品は
制動される。もし自走してくる物品の数が少ない場合
は、物品は制動装置４の上流側で停滞するが、上流より
さらに物品が送り込まれると、多数の物品の自重の分力
により、制動をかけられたローラ８の上を物品が滑って
通過する。この場合物品はゆっくりと払出し装置５に到
達する。

自走しにくい物品、たとえば容積は大きくても重量の軽
い物品などの場合は、制動装置４の上流側に多数停滞す
ることがあるが、このときは引込みコンベア２のところ
まで連続して停滞すれば、引込みコンベアの駆動力によ
り逐次下流に押されるので物品は払出し装置５に到達す
る。

ローラコンベア３および３′が複数配設されている場合
は、分岐荷ぞろえがすべて完了し、それぞれの払出し装
置５および５′によってライン別切出しが開始されると
きに、全ラインの制動を解除する。すなわち、一斉操作
を行うので電磁弁13は上下二層に対し各１個設ければよ
い。

なおライン別に解除するようにしてもよく、この場合は
各ラインごとに電磁弁を設ければよい。

一度に全ラインの制動を解除すると、全ラインに停滞し
た物品が同時に発進して衝撃が大きくなるので、電磁弁
の動作を短時間のオン・オフを繰り返すことにより、徐
々に制動部のローラが回転するようにすることができ
る。このようにすると、各ラインとも静かに個別に発進
するので衝撃は少ない。

これらは、その日の荷ぞろえプログラムを上位のコンピ
ュータ14に入力し、その指令を入出力インタフェース15
を介して制御回路16に与えることにより行われる。

このようにすれば、3000ケース／時以上の物品の荷ぞろ
えもきわめて容易に損傷を与えることなく行うことがで
きる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、物品の荷ぞろえ装置において、荷ぞろ
えラインの長さが十分長いものが設置でき、物品はこの
荷ぞろえラインの上流では高速に移動しても下流側では
ゆっくり送出されることができるので、物品の荷ぞろえ
速度が高くても物品に損傷を与えることがない。また、
傾斜コンベアの上流側には引込みコンベアが設けられて
自走しにくい物品などの停滞を防止するので、能率良く
荷ぞろえをすることができる。

荷ぞろえをする場合は制動装置を用いて荷ぞろえし、荷
ぞろえが完了すると、制動装置を一斉に解除して払い出
しを行うことができるため、荷ぞろえ命令による複雑な
制御を行うことができ、しかも物品の切出し時間を短縮
でき、多量の物品の荷ぞろえを短時間に行うことができ
る。また、物品の荷ぞろえ装置が安価に設置できる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図。 第２図は第１図に示すＡ部詳細図。 第３図は荷ぞろえ動作の説明図。 １、１′……分岐コンベア、２、２′……引込みコンベ
ア、３、３′……ローラコンベア、４、４′……制動装
置、５、５′……払出し装置、６、６′……搬送コンベ
ア、７……積込みコンベア、８……制動がかかるロー
ラ、９……制動板、10……アクチュエータ、11……制動
装置取付フレーム、12A……パイプ、12B……ホース、13
……電磁弁、14……上位のコンピュータ（CPU）、15…
…入出力インタフェース（I/O）、16……制御回路。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】荷ぞろえを行う傾斜コンベアを備え、 この傾斜コンベアの下流端に荷ぞろえ中は傾斜コンベア
   上に下流から順次物品を滞留させ荷ぞろえが完了すると
   物品を傾斜コンベアの下流端から排出する払出し装置が
   設けられ、 上記傾斜コンベアは、物品を載置するために回転自在に
   軸支されたローラがコンベアの流れ方向と直交するよう
   に設けられ、物品の流れを停止させる手段を含む 物品の荷ぞろえ装置において、 上記停止させる手段は、 上記コンベアの搬送経路の中間部に配設され、上記その
   中間部の複数のローラの回転を制動する制動装置と、 この制動装置を駆動する駆動装置と、 この駆動装置を電気的に制御する制御装置と、 を備え、 上記傾斜コンベアの上流側にこの傾斜コンベアに物品を
   押下する引込みコンベアを備え、 上記制御装置は、上記傾斜コンベア上に物品の荷ぞろえ
   する場合は上記制動装置を制動状態とし、上記傾斜コン
   ベアの下流端から上記荷ぞろえされた物品を排出する場
   合は上記払出し装置の排出動作に連動して一斉に制動を
   解除する手段を含む ことを特徴とする物品の荷ぞろえ装置。
2. 【請求項２】制動装置は、中間部の隣接する複数ローラ
   に対して同時にその回転を制動する制動板を含む実用新
   案登録請求の範囲第（１）項に記載の物品の荷ぞろえ装
   置。
3. 【請求項３】制御装置は、上位の荷ぞろえを制御するコ
   ンピュータにより制御される構成である実用新案登録請
   求の範囲第（１）項に記載の物品の荷ぞろえ装置。