JPH0641363Y2 - パラボラアンテナのフィードホーンカバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は空中電波を受信するパラボラアンテナに関
し、特に詳しく言うと、パラボラアンテナのフィードホ
ーンを雨や雪あるいは鳥等から保護するためのカバーに
関する。

〔従来の技術〕

通信衛星放送の実用化に伴い、この放送を受信するため
の受信機とともに小型のパラボラアンテナも種々提供さ
れている。このようなパラボラアンテナは、静止通信衛
星の方向、例えば東京地区においては反射鏡を38°傾け
て設置して通信衛星からの電波を受け、この反射鏡で反
射した電波を僅かに上向きにその開口部が位置するよう
に配置されたフィードホーンを介して受信コンバータで
受信された12GHzの高周波をUHFの帯域に変換して受像機
に送っている。

フィードホーンは上述したようにその開口部が上方に向
いているため、その開口部から雨や雪等が入り易く、こ
れらの侵入により受信感度の低下をきたしてしまう。そ
こで従来より、この開口部にポリスチレンやポリエステ
ル等の高周波損失の少ない合成樹脂で作られたキャップ
を嵌合して雨等がフィードホーン内に入るのを防止して
いる。

しかしながら、通信衛星からの電波は微弱であり、フィ
ードホーンのキャップに雨粒が付着したり、雪が積もる
と受信感度が低下してしまう。更に、フィードホーンに
鳥が止まりこのキャップをくちばしでつついて破損させ
てしまうこともある。そこでフィードホーンの先端部を
覆うようなカバーを設けたものも種々提供されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来のフィードホーンカバーはフィード
ホーンの径に合せて作られており、径が変わるとそれ用
に改めて制作しなけばならず、汎用性がなく、またフィ
ードホーンの先端の貼着等により固定されており、着脱
が容易でなかった。

そこでこの考案の目的は、着脱が容易で、フィードホー
ンの径がある程度異なって装着可能なフィードホーンカ
バーを提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、球面状の反射鏡と、この反射鏡で反射した
電波を受けるよに先端に開口部が形成された円筒部で構
成されたフィードホーンとを有するパラボラアンテナの
フィードホーンカバーにおいて、このフィードホーンカ
バーをフィードホーンの開口部を覆うに庇部と、フィー
ドホーンの円筒部の略半周を覆う支持部と、この支持部
の庇部と相対する端部に形成されたフラップ部とが弾性
を備えた合成樹脂で一体的に形成し、フラップ部にこれ
らフラップ部を互いに相接するように締持する締付けね
じを取付けたものである。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す一実施例について説明す
る。パラボラアンテナの全体構造は良く知られているの
で、図面およびその詳細な説明は省略する。フィードホ
ーン１は小開口円錐形を例にとっているが、小開口角錐
形でもよいことは勿論である。フィードホーン１の円錐
形部２の開口にはポリスチレンやポリエステル等の高周
波損失の少ない合成樹脂で作られたキャップ３が従来と
同様に嵌合されている。フィードホーン１の円錐形部２
にはキャップ３と同様なポリスチレンやポリエステル等
の高周波損失の少ない合成樹脂の板状体で作られたカバ
ー４が取付けられている。

このカバー４は、フィードホーン１の円錐形部２を覆う
ように延在するほぼ半円錐形の庇部５と、フィードホー
ン１の円筒部６の略半周を覆う支持部７とを有してい
る。支持部７はその後端部の両側にフラップ部８を有
し、これら２つのフラップ部８はねじ９により締め付け
られることにより、相接して円筒部６をその内部に挟持
する。

以上のように、カバー４はねじ９の操作によりフィード
ホーン１に対する着脱が行なえ、その庇部５で確実にキ
ャップ３上を半円形に覆うことができ、キャップ３に雨
や雪等が付着するのを防止することができる。また庇部
５をある程度長く構成すれば小鳥はもとより鳥等の比較
的大きな鳥が庇部５に止まっても、そのくちばしがキャ
ップ３に届かないので、くちばしでつついてキャップ３
を破損する等の被害からも防ぐことができる。フィード
ホーン１に対するカバー４の固定は、フラップ部８に設
けられたねじ９を締め付けることにより行っており、極
めて簡単に着脱できるとともに、カバー４は弾性を有す
る合成樹脂で作られているので、フィードホーン１の直
径が多少変わってもその外周に追随して変形させること
ができ、ねじ９の締め付け強度を調整するだけ確実に固
定することができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のパラボラアンテナのフィード
ホーンカバーは簡単な構造で確実にフィードホーンに固
定でき、フィードホンの径がある程度異なって装着する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例をフィードホーンに取付けた
状態で示す斜視図である。 図面において、１はフィードホーン、２はその円錐形
部、３はキャップ、４はカバー、５は庇部、６は円筒
部、７は支持部、８はフラップ部、９はねじである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】球面状の反射鏡と、この反射鏡で反射した
   電波を受けるように先端に開口部が形成された円筒部で
   構成されたフィードホーンとを有するパラボラアンテナ
   のフィードホーンカバーにおいて、このフィードホーン
   カバーは前記フィードホーンの前記開口部を覆うに庇部
   と、前記フィードホーンの前記円筒部の略半周を覆う支
   持部と、この支持部の前記庇部と相対する端部に形成さ
   れたフラップ部とが弾性を備えた合成樹脂で一体的に形
   成されており、前記フラップ部にはこれらフラップ部を
   互いに相接するように締持する締付けねじが取付けられ
   ていることを特徴とするパラボラアンテナのフィードホ
   ーンカバー。