JPH0641267A - 磁気記録媒体の結合剤 - Google Patents

磁気記録媒体の結合剤

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JPH0641267A
JPH0641267A JP5146185A JP14618593A JPH0641267A JP H0641267 A JPH0641267 A JP H0641267A JP 5146185 A JP5146185 A JP 5146185A JP 14618593 A JP14618593 A JP 14618593A JP H0641267 A JPH0641267 A JP H0641267A
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JP
Japan
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thermoplastic polyurethane
polyurethane resin
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binder
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JP5146185A
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Shigeyoshi Kuroda
栄美 黒田
Itsuro Kayano
逸郎 柏野
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子鎖中に−SO3X(但し、Xはアルカリ
金属原子)及び第三級水酸基を有する熱可塑性ポリウレ
タン樹脂(A)および2個以上のイソシアネート基を有
する低分子量ポリイソシアネート(B)からなる磁気記
録媒体の結合剤。 【効果】磁性粉分散性、耐湿熱性、耐摩耗性に優れる磁
気記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱磁気記録媒体の結合剤
に関し、詳しくは分子鎖中に−SO3 X基(但し、Xは
アルカリ金属原子)及び第三級水酸基を有する熱可塑性
ポリウレタン樹脂および2個以上のイソシアネート基を
有する低分子量ポリイソシアネートから成る顔料分散性
及び耐湿熱性等の改善された性質を付与する磁気記録媒
体の結合剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂は高弾性、柔
軟性、耐摩耗性、耐寒性、強度等に優れる性質の活用で
その有機溶剤溶液が合成皮革用、塗料用、接着剤、磁気
記録媒体の結合剤等に巾広く用いられている。しかし、
熱可塑性ポリウレタン樹脂は、耐熱性、耐加水分解性、
耐湿熱性に劣る欠点がある。また近年、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂の結合剤は、使用の際、磁性粉体の分散性が
悪く、これが原因で電磁特性を満足すべきものが得られ
ない現状にある。
【0003】従来から、これらの欠点を解消するための
種々の方法が提案されているが、熱可塑性ポリウレタン
樹脂が本来有する高弾性、耐摩耗性、柔軟性、耐寒性、
強度等の性質を損うことなしに上記欠点を改善すること
は不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、磁気記
録媒体の結合剤として熱可塑性ポリウレタン樹脂の優れ
た諸性能を損うことなく上記欠点を改善する方法につき
鋭意研究の結果、分子鎖中に−SO3 X基(但し、Xは
アルカリ金属原子)及び第三級水酸基の導入された熱可
塑性ポリウレタン樹脂を用いることによって顔料分散性
が改善されることおよび低分子量ポリイソシアネートを
併用することによって硬化後のウレタン樹脂の耐湿熱
性、耐摩耗性等の耐久性をも向上させる結合剤を見出し
本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、分
子鎖中に−SO3 X基(X;アルカリ金属原子)及び第
三級水酸基を含有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)
及び2個以上のイソシアネート基を有する低分子量ポリ
イソシアネート(B)から成る磁気記録媒体の結合剤を
提供するものである。
【0006】本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン
樹脂(A)は、特に数平均分子量が10,000〜5
0,000、さらに好ましくは15,000〜45,0
00である。また熱可塑性ポリウレタン樹脂一分子中の
−SO3 X基数は平均値として0.2以上、好ましくは
0.5〜10、特に好ましくは0.5〜5であり、第三
級水酸基数は0.2以上、好ましくは0.5以上、さら
に好ましくは1〜20程度であることが望ましく、Xは
アルカリ金属原子であるが好ましくはNa,Kである。
すなわち数平均分子量10,000より小さいとポリウ
レタン樹脂の機械的性質、耐摩耗性、耐湿熱性に劣り、
50,000より大きいとポリウレタン樹脂の耐摩耗性
を向上させるものの、顔料分散性を極度に悪化させ、塗
料化が困難な事態に陥る場合が多い。また一分子中の−
SO3 X基数が0.2より少ないと顔料分散性の向上は
困難であり、10より多いと−SO3 X基の親水性の増
大によって、有機溶剤に対する溶解性および耐水性に劣
るので好ましくない。さらに一分子中の第三級水酸基数
が0.2より少ないと硬化後のウレタン樹脂の耐湿熱性
の向上は難かしい。
【0007】なお、本発明で用いる熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂の末端は両末端ともにイソシアネート基あるいは
水酸基、一方の端がイソシアネート基で他の端が水酸基
のいずれでもよい。
【0008】本発明で使用される分子鎖中に−SO3
基及び第三級水酸基を含有する熱可塑性ポリウレタン樹
脂(A)は、有機ジイソシアネート(A1 )と分子鎖中
に−SO3 X基を含むジオール(A2 )の単独および該
ジオールと分子鎖中に−SO 3 X基を含まない水酸基数
が2以上の第三級水酸基を含有するポリオール類
(A 3 )の混合物とを重合して得ることができるし、
(A1 )と(A2 )の重合体及び(A1 )と(A3 )の
重合体を別々に作り、これらを重合しても良いし、これ
らを混合して使用しても良い。
【0009】有機ジイソシアネート(A1 )としては、
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジ
ンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,
5−ナフタレンジイソシアネートおよびこれらの混合物
が挙げられる。これらのうち、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネートおよびこれらの混合物が好適であ
る。
【0010】分子鎖中に−SO3 X基を含有するジオー
ル(A2 )は、−SO3 Naの例ではジメチルイソフタ
レート−5−スルホン酸ナトリウムまたはジメチルサク
シネートスルホン酸ナトリウム等のジアルキルスルホイ
ソフタレートおよびジアルキルスルホサクシネートのよ
うな二塩基酸−スルホン酸ナトリウムまたはそれらのエ
ステルとコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の二塩
基酸およびこれらの酸エステルの混合物と炭素数2〜1
0を有するグライコール類例えば、エチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレ
ングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、2,2′−ジメチル1,3−プロ
パンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタ
メチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコー
ル、シクロヘキサン1,4−ジオール、シクロヘキサン
−1,4−ジメタノール等のグリコールの単独あるいは
これらの混合物との重縮合によって得られる分子量50
0〜6,000のポリエステルジオールを挙げることが
できる。また、上記スルホン酸ナトリウムのエステルと
過剰の炭素数2〜10の前記グライコールとのエステル
交換反応によって得られるジアルカノールスルホイソフ
タレートおよびジアルカノールスルホサクシネートと未
反応のグライコールとの混合物を挙げることができる。
【0011】−SO3 X基を含有しない第三級水酸基を
含有するポリオール類(A3 )としては、線状の末端水
酸基を有する第三級水酸基を含まない分子量500〜
6,000のジオール類を混合しても良いし、炭素数2
〜10を有する低分子量ジオールおよび分子鎖中に第三
級水酸基を有する炭素数4〜10のトリオールおよびこ
れらのトリオールを用いて得られる末端水酸基と分子鎖
中に第三級水酸基を少くとも1個以上有する分子量50
0〜6,000のポリエーテルポリオールおよびポリエ
ステルポリオール等のポリオール類単独であっても良
い。
【0012】線状の末端水酸基を有する分子量500〜
6,000のジオールとしては例えばポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオールを挙げられる。ポリエ
ーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等を示すことができる。ポリエステルポリオールと
しては前記の炭素数2〜10を有するグライコールの単
独または混合物と−SO3 X基を含まない前記二塩基酸
およびこれらの酸エステル、酸ハライドの単独または混
合物とを重縮合することによって得られるポリエステル
ポリオールが挙げられ、さらにε−カプロラクトンなど
のラクトンをグリコール等の存在下で開環付加重合した
ポリカプロラクトンジオール類が挙げられる。
【0013】炭素数2〜10を有する低分子量ジオール
類としては、前記ポリエステル類の製造に際し使用され
るグリコール類の単独あるいは混合物を用いることがで
きる。さらにビスフェノールA、ハイドロキノン等にエ
チレンオキサイドプロピレンオキサイドを2〜4モル付
加したジオール類が挙げられる。前記のうちで、線状の
末端水酸基を有する分子量500〜6,000のジオー
ルおよび炭素数2〜10を有する低分子量ジオール両者
ともに脂肪族ジオール類が好適である。
【0014】分子鎖中に第三級水酸基を有する炭素数4
〜10のトリオールとしては、例えば1,2,3−ヒド
ロキシ−2−メチル−プロパン、1,2,3−ヒドロキ
シ−2−エチルプロパン、1,2,4−ヒドロキシ−2
−メチルブタン、1,2,5−ヒドロキシ−2−メチル
ペンタン、1,3,5−ヒドロキシ−3−メチルペンタ
ン、1,3,6−ヒドロキシ−3−メチルヘキサン等の
単量体もしくは混合物が挙げられる。
【0015】また前記第三級水酸基を有する分子量50
0〜6,000のポリオールにプロピレンオキシド、エ
チレンオキサイドまたはブチレンオキサイドを付加した
ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリエチレンポリ
オール、ポリブチレンポリオール類がポリエーテルポリ
オール類として挙げられる。
【0016】さらに、第三級水酸基を有するトリオール
と前記低分子量グライコールとの混和系で前記二塩基酸
およびこれらの酸エステル、酸ハライドと重縮合するこ
とによって得られるポリエステル類が挙げられ、ε−カ
プロラクトン等のラクトンを該トリオール、およびグラ
イコールとの混和物の存在下で開環付加重合したポリカ
プロラクトンポリオール類が挙げられる。
【0017】上記ポリオールの分子鎖中の水酸基は第三
級であることが必須である。第一級および第二級の水酸
基は第三級の水酸基と比較してイソシアネートとの反応
性が速く、ポリウレタンの高分子量化または網状化現象
を生じ、熱可塑性ポリウレタン樹脂の生成が困難となる
ことによるものである。また本発明で使用される熱可塑
性ポリウレタン樹脂を製造するに際し、ポリオールと有
機ジイソシアネートのOH/NCOモル比は夫々の原料
中の不純物(水分、酸、加水分解塩素等)をも考慮して
0.85〜1.15/1.00好ましくは0.95〜
1.05/1.0が良い。これらの範囲をはずれると本
発明で求められている優れた諸性能が得られないので好
ましくない。
【0018】こうして得られたSO3 X基及び第三級水
酸基を有する熱可塑性ポリウレタンには、必要ならば触
媒および各種の安定剤を使用することができる。触媒と
して例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン等
の第三級アミン、モルホリン、N−メチルモルホリン等
の窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金
属塩、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド
等の有機金属化合物などが挙げられる。安定剤として例
えば置換ベンゾトリアゾール類などの紫外線に対する安
定剤、フェノール誘導体などの熱酸化に対する安定剤を
配合することによって熱可塑性ポリウレタンの上記諸性
能を著しく安定化させることができる。
【0019】さらにまた、上記熱可塑性ポリウレタン樹
脂を製造するにあたっては、従来の公知の方法をとるこ
とができ、所望により触媒の存在下で反応剤を十分に混
合後、反応混合物を平板もしくは平らな面上へ流して加
熱し、次で冷却後破砕する方法、反応混合物を押出機へ
注入する方法およびジメチルホルムアミド、トルエン、
キシレン、ベンゼン、ジオキサン、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の単一または混合溶剤系の有機溶媒
中で反応させる溶液反応法等の通常の製造法を用いるこ
とができる。
【0020】これらのうちで磁気記録媒体の結合剤とす
る場合は、固形熱可塑性ポリウレタン樹脂の溶解および
希釈用も含めて、水との親和性、溶解性の低いトルエ
ン、キシレン、ベンゼン等、溶解性に優れるシクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が好適である。
【0021】本発明では上記熱可塑性ポリウレタン樹脂
を最終的には適当な硬化剤で硬化して使用する必要があ
り、硬化剤として低分子量ポリイソシアネートが最適で
ある。
【0022】本発明で使用されるイソシアネート基が2
個以上の低分子量ポリイソシアネート(B)としては、
前記熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造に際し用いられる
有機ジイソシアネートおよびイソシアネート基が2個以
上の低分子量ポリイソシアネート(例えば低分子量ポリ
オールをイソシアネート化合物で末端イソシアネート基
とした化合物)等が挙げられ、分子量は150〜7,0
00程度のものである。イソシアネート基が2個以上の
低分子量ポリイソシアネートとしては例えば下記の化合
物が挙げられる。
【0023】
【化1】
【0024】この式の市販品としてはバーノックD−7
50、クリスボンNX(大日本インキ化学工業(株)製
品)、デスモデュールL(住友バイエル社製品)、コロ
ネートL(日本ポリウレタン社製品)、タケネートD
102 (武田薬品社製品)等が挙げられる。
【0025】
【化2】
【0026】市販品バーノックD−950 (大日本イ
ンキ化学工業(株)製品)トリフェニルメタン4,
4′,4″−トリイソシアネート
【0027】
【化3】
【0028】前記熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)と低
分子量ポリイソシアネート(B)の比率は特に限定され
るものではないが、好ましくは前記熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂100部に対して上記低分子量ポリイソシアネー
トを3〜40部加えて硬化させることによって硬化後の
結合剤の機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、耐湿熱性、耐
溶剤性および基材との密着性を大巾に向上させることが
できる。
【0029】なお、本発明の結合剤に必要ならば通常用
いられている熱可塑性ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、塩化ビニル重合
体、ポリビニルブチラール系樹脂、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル系共重合体、
エポキシ樹脂およびフェノキシ樹脂等の市販品をそのま
ま併用することによって顔料の分散性の改善、樹脂の硬
さの調整等に使用することができる。
【0030】本発明の磁性粉末とは、例えばγ−Fe2
3 粉末等の従来公知の磁性粉末が使用できる。この磁
性粉末は、結合剤100重量部に対し100〜1000
重量部、好ましくは100〜350重量部使用される。
【0031】次に本発明を実施例によって説明するが、
これはあくまで一態様でしかなく、本発明は実施例のみ
によって限定されるものではない。また文中「部」は全
て重量基準を示す。
【0032】
【実施例】
〔実施例1〜3および比較例1〜5〕1,4−ブタンジ
オール、アジピン酸、5−ソジウムスルホジメチルイソ
フタレートからなる分子量2,000 (アジピン酸/5
−ソジウムスルホジメチルイソフタレートのモル比の範
囲は表−1に示される。水酸基価56.1)のポリエス
テルジオール1モル、1,3,5−ヒドロキシ−3−メ
チルペンタン(配合比は表−1に示す)ジブチル錫ジラ
ウレート0.1部を混和後、4,4′−ジフェニル−メ
タンジイソシアネートをNCO/OH=1.00/1.
02のモル比となる様に添加した。これらの成分を混和
する前にポリオール、イソシアネートを夫々80℃、5
0℃に加熱した。
【0033】ポリオール混合物にイソシアネートを添加
するにあたっては、成分の緊密な接触を図るために約1
分間機械的混合を行った。次でこの反応混合物を120
℃に加熱されたバット上に流し込み1時間、さらに10
0℃で20時間静置し反応を完了させて熱可塑性ポリウ
レタン樹脂結合剤を調製した。
【0034】得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂結合剤
の−SO3 Na基数、第三級水酸基数、有機溶剤に対す
る溶解性、数平均分子量および磁性粉の分散性の測定結
果を表−1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】表−1の熱可塑性ポリウレタン樹脂からな
る結合剤の測定方法を以下に記した。
【0037】注1)含まれる−SO3 基数の測定;元素
分析法 前処理は酸素フラスコ燃焼法にてSO4 --とし、この基
をイオンクロマト(ダイオニック社製)法によって測定
し、−SO3 Na基数に換算した。
【0038】注2)第三級水酸基は全て未反応と仮定し
て仕込比と熱可塑性ポリウレタン樹脂の数平均分子量に
より算出した。
【0039】注3)有機溶剤に対する溶解性測定 不揮発分20%のシクロヘキサノン溶液の状態で評価 ◎;50℃、室温(23℃)にても全て溶解し、透明で
溶液の安定性良好。
【0040】○;50℃で完溶し透明な溶液、室温にて
透明なゼリー状態。固形層に分離。 ×;50℃にて懸濁状態、室温にて白濁不透明溶液層と
固形層に分離。
【0041】注4)数平均分子量の測定;ゲルパーミエ
ーション分析法によりポリスチレン換算にて分子量を測
定した。 測定機(LC−08型)、検出器(RI):日本分析工
業(株) 測定カラム:昭和電工(株)ショーデックス(Sho−
dex)A−806、A−805、A−804、A−8
03、A−802の5本系列
【0042】 注5)磁性粉の分散性 実施例1〜3または比較例1〜5で得られた 熱可塑性ポリウレタン樹脂 150部 シクロヘキサノン 600部 メチルエチルケトン 250部 γ−Fe2 3 磁性粉末 300部 上記の混合物をボールミル中で20時間練肉後得られた
磁性塗料を厚さ10μのポリエチレンテレフタレートの
基体フィルム上に乾燥後の厚みが10μになるように塗
布乾燥し、顕微鏡(40倍)下で磁性層の表面状態を観
察し、磁性粉の分散性を評価した。評価基準を下に記し
た。
【0043】 ◎;非常に優れている ○;優れている △;普通 ×;劣っている
【0044】〔実施例4〕分子量1,000 (水酸基価
112)のポリテトラヒドロフラン1.0モル、DES
(日本ヒドラジン(株)製、5−ソジウムスルホビスβ
−ヒドロキシエチルイソフタレート/エチレングリコー
ル 35/65重量比)0.5モル、ジブチル錫ジラウ
レート0.2部、2,4−トリレンジイソシアネート/
2,6−トリレンジイソシアネート(80/20混合
物)NCO/OH=1.00/1.02のモル比で実施
例1と同様の方法にて熱可塑性ポリウレタン樹脂結合剤
を調製した。
【0045】〔実施例5〕1,3,5−ヒドロキシ−3
−メチルペンタンを開始剤とする分子量3,000 (水
酸基価37.4)のポリカプロラクトン1.0モル、D
ES 0.8モル、ジブチル錫ジラウレート0.2部、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートNCO/OH
モル比で1.00/1.02で実施例1と同様の方法に
て熱可塑性ポリウレタン樹脂結合剤を調製した。
【0046】但し、実施例4、実施例5いずれもイソシ
アネートの温度は35℃にて反応させた。
【0047】実施例4〜5で得られた熱可塑性ポリウレ
タン樹脂の−SO3 Na基数、有機溶剤に対する溶解
性、数平均分子量および磁性粉の分散性の項目を前記と
同様の方法にて測定し、その結果を表−2に示した。
【0048】さらにまた、実施例1〜5、比較例3〜5
で得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂のポリイソシアネ
ートを架橋剤とする硬化皮膜の耐湿熱性の測定結果を表
−3に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】注5)硬化皮膜の耐湿熱性 不揮発分20%のシクロヘキサノン溶液100部にバー
ノックD−750 (大日本インキ化学工業社製低分子量
ポリイソシアネート)5部からなる溶液を離型紙上に塗
布し、80℃で5分間、次で120℃で10分間乾燥し
て得られた膜厚約100μの皮膜の物性ならびにこれら
の皮膜をさらに70℃で相対湿度95%の条件で2週間
経過後の皮膜の物性を測定した。
【0052】皮膜物性;オートグラIM−100型 島
津製作所(株)製 JIS K−6301に準じた。 表−1〜2の結果より実施例1〜5による本発明結合剤
が有機溶剤に対する溶解性を損うことなく、磁性粉の分
散性の向上に寄与していることが確認された。
【0053】 <磁気テープの耐摩耗性試験> 実施例1〜5または比較例2〜4により 得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂結合剤 40部 ビニライトVAGH(米国ユニオンカーバイト製, 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体) 60部 シクロヘキサノン 300部 メチルエチルケトン 300部 γ−Fe2 3 磁性粉末 350部 カーボンブラック 12部 潤 滑 剤 5部 上記の混合物をボールミル中で24時間練肉した後、バ
ーノックD−750 (大日本インキ化学工業社製,低分
子量ポリイソシアネート)20部添加しさらに1時間練
肉した後得られた磁性塗料を厚さ10ミクロンのポリエ
チレンテレフタレート基体フィルム上に乾燥後の厚みが
10ミクロンとなるように塗布乾燥し、所定の幅に裁断
して磁気記録テープを作った。そして、耐摩耗性を測定
した。
【0054】測定方法は、回転ディスクにて各テープの
磁性面を摩擦し、塗膜の摩耗量を測定した。その結果を
図1に示した。
【0055】図1より実施例1〜5の結合剤を用いた磁
気テープは耐久性能に優位性を発揮していることが確認
された。
【0056】
【発明の効果】本発明の結合剤は、磁性粉分散性、耐湿
熱性、耐摩耗性、流動性、永久伸び、有機溶剤溶解性等
に優れた磁気記録媒体を提供できる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜5及び比較例2〜4により
得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いた磁気テープ
の摩耗量(mg)と時間(分)の関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子鎖中に−SO3 X基(但し、Xはア
    ルカリ金属原子)及び第三級水酸基を有する熱可塑性ポ
    リウレタン樹脂(A)および2個以上のイソシアネート
    基を有する低分子量ポリイソシアネート(B)から成る
    磁気記録媒体の結合剤。
JP5146185A 1982-12-14 1993-06-17 磁気記録媒体の結合剤 Pending JPH0641267A (ja)

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