JPH0640964Y2 - オペレートチェック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、シリンダの制御に用いるオペレートチェッ
ク装置に関する。

（従来の技術） 第３〜５図に示した従来の装置は、バルブ本体１に一対
のアクチュエータポート２、３を形成するとともに、一
方のアクチュエータポート２をシリンダＳのロッド側室
４に接続し、他方のアクチュエータポート３をピストン
側室５に接続している。

また、このバルブ本体１にはスプール孔６を形成し、こ
のスプール孔６にスプール７を摺動自在に内装してい
る。そして、このスプール７が図示の中立位置にあると
きは、上記両アクチュエータポート２、３が、ポンプ通
路８及びタンク通路９のいずれにも連通しないようにし
ている。

このようにしたスプール７には、第１、２環状溝10、11
を形成している。

そして、このスプール７を図面右方向に切り換えると、
上記第１環状溝10を介して、ポンプ通路８と一方のアク
チュエータポート２とが連通するとともに、第２環状溝
11を介して、他方のアクチュエータポート３とタンク通
路９とが連通する。また、スプール７を図面左方向に切
り換えると、アクチュエータポート２側が第１環状溝10
を介してタンク通路９に連通し、アクチュエータポート
３が第２環状溝11を介してポンプ通路８に連通する構成
にしている。

さらに、上記アクチュエータポート２側には、スリーブ
12を嵌着しているが、このスリーブ12には、その外端部
に軸線方向に走行する凹部21を備えるとともに、凹部21
に連通孔22を形成している。そして、このスリーブ12の
外側にポート部材13を螺合している。また、ポート部材
13には、上記凹部21に連通する複数の通油孔26を形成す
るとともに、このポート部材13の中央に第２固定絞り27
を形成している。

このようにしたスリーブ12には、第１チェックポペット
14を内装しているが、この第１チェックポペット14の外
周にはスリット23を形成し、このスリット23と上記スリ
ーブ12の連通孔22とが相まって可変オリフィスを構成す
るようにしている。

また、第１チェックポペット14には第１固定絞り25を形
成しているとともに、第１チェックポペット14の外周と
スリーブ12との間に空間24を形成している。そして、こ
の第１チェックポペット14はスプリングｙの作用で、通
常は、上記スリーブ12に形成したシート部15を閉じてい
る。

また、スリーブ12内の上記第１チェックポペット14の反
対側にはピストン室16を形成するとともに、このピスト
ン室16にピストン17を内装し、このピストン17には他方
のアクチュエータポート３側の圧力をパイロット圧とし
て作用させるとともに、このパイロット圧作用面とは反
対側面にプッシュロッド18を当接している。また、この
プッシュロッド18は、スリーブ12に形成した摺動孔19を
貫通して第１チェックポペット14側に突出させている。

しかして、スプール７を図面右方向に切り換えると、ポ
ンプ通路８が一方のアクチュエータポート２側に連通す
るので、ポンプ通路８からの供給流体の圧力作用で、第
１チェックポペット14がスプリングｙに抗して移動しシ
ート部15を開く。このように第１チェックポペット14が
移動すると上記のようにアクチュエータポート２側に供
給された圧力流体は、シート部15→空間24→第１固定絞
り25を介して第１チェックポペット14の背面に入り、第
２固定絞り27を経由する自由流れとなってシリンダＳの
ロッド側室４に供給される。そして、ポンプ通路８から
の供給流量が多くなれば、この第１チェックポペット14
がさらに移動し、スリット23が連通孔22に開口するの
で、上記の流路に加えてシート部15→空間24→連通孔22
→通油孔26を経由し、上記と同様にシリンダＳに供給さ
れる。

また、このときに他方のアクチュエータポート３がタン
ク通路９に連通するので、ピストン側室５の戻り流体
が、このアクチュエータポート３からタンク通路９に戻
り、当該シリンダＳの負荷Ｗを上昇させる。

スプール７を上記とは反対である左方向に切り換える
と、ポンプ通路８の圧力流体がアクチュエータポート３
を経由してピストン側室５に供給されるとともに、この
ときの供給圧がピストン17にも作用する。

したがって、ピストン17が図面左方向に移動し、プッシ
ュロッド18を介して第１チェックポペット14をスプリン
グｙに抗して押し開く。第１チェックポペット14が開弁
すると、ロッド側室４の流体が、ポート部材13の通油孔
26→凹部21→連通孔22→空間24に至る外部流路と、ポー
ト部材13の第２固定絞り27→第１固定絞り25を経由し、
空間24に至って上記外部流路と合流する内部流路とを経
由し、シート部15からアクチュエータポート２→第１環
状溝10→を介してタンク通路９に流れ、シリンダＳは負
荷Ｗを下降させる。しかし、アクチュエータポート３側
の圧力が低くて当該第１チェックポペット14の開度が小
さく、しかも可変オリフィスのスリット23が閉じている
状態では、シリンダＳからの戻り流体は、第２固定絞り
27および第１固定絞り25を経由してアクチュエータポー
ト２→タンク通路９に戻され、シリンダＳは負荷Ｗをゆ
っくりと降下させる。

なお、図中符号20はダンパオリフィスである。

（本考案が解決しようとする問題点） 上記のようにした従来の装置では、ピストン17にパイロ
ット圧が作用して第１チェックポペット14内にシリンダ
Ｓからの戻り流路が形成された制御流れにおいて、その
制御流れの圧力が第１チェックポペットに背圧として直
接作用してしまう。そのためにハンチング現象が発生し
やすくなり、しかも、当該装置のインチング性が悪くな
るという問題があった。

また、アクチュエータポート２がポンプ通路８に連通し
て第１チェックポペット14が開き、自由流れとして第１
チェックポペット内を流体が通過するときに、第２固定
絞り27における圧力損失が大きく、第１チェックポペッ
ト14の背面圧力が高くなって第１チェックポペット14
が、スプリングｙに抗して移動し難いという問題もあっ
た。

この考案の目的は、ハンチングの発生を防止し、かつ、
圧力損失の少ないオペレートチェック装置を提供するこ
とである。

（問題点を解決する手段） スリーブの内側に第１チェックポペットを内装し、スリ
ーブの外端にポペットケースで第１チェックポペットの
背面側室を区画し、そのポペットケースの外側にポート
部材を螺合させる。

このような構成において、ポペットケースには第２チェ
ックポペットとスプリングとを内装するとともに、この
第２チェックポペットはシリンダへの自由流れのみを許
容するものである。

（本考案の作用） この考案は、シリンダへの供給流体圧によって第１チェ
ックポペットが開弁する自由流れのときには、ポペット
ケースの第２チェックポペットを押し開いてシリンダへ
流れる。

また、ピストンにパイロット圧が作用して、シリンダの
流体がタンク通路へ戻る制御流れのときには、上記のピ
ストンによって第１チェックポペットが開かれるが、ポ
ペットケースの第２チェックポペットは閉じたままとな
り、第１チェックポペットの背面側室の圧力上昇を阻止
する。

（本考案の効果） この考案は、ピストンにパイロット圧力が作用して第１
チェックポペットが開弁した制御流れのときには、第２
チェックポペットが閉じるので、第１チェックポペット
の固定絞りによる内外差圧を発生することがなく、第１
チェックポペットのハンチング現象を防止できる。

したがって、微小流量域においても負荷Ｗのインチング
操作性が向上する。

また、第１チェックポペット以外に第２チェックポペッ
トを設けたので、自由流れにおける流路を十分大きく形
成できる。そのために、流路系の内部抵抗が減少する。

（本考案の実施例） 第１、２図に示した実施例のスリーブ12の内側には第１
チェックポペット14を内装し、その外端にポペットケー
ス30を嵌着するとともに、このポペットケース30の外側
にポート部材31を螺合している。そして、上記ポペット
ケース30にはボールからなる第２チェックポペット30a
とスプリング30bとを内装するとともに連通孔29、32を
形成している。

また、スリーブ12内であって、上記第１チェックポペッ
ト14の反対側の挿入孔には、ピストン室16を形成すると
ともに、このピストン室16にピストン17を内装してい
る。このピストン17には他方のアクチュエータポート３
側の圧力をパイロット圧として作用させるとともに、こ
のパイロット圧作用面とは反対側面にプッシュロッド18
を当接している。このプッシュロッド18は、スリーブ12
に形成した摺動孔19を貫通して第１チェックポペット14
側に突出させている。

なお、プッシュロッド18とピストン17とで、この考案の
押圧体を構成している。

しかして、スプール７が図面右方向に切り換って、アク
チュエータポート２側に圧力流体が供給されると、その
圧力作用で第１チェックポペット14がスプリングｙに抗
して移動し、シート部15を開く。このように第１チェッ
クポペット14が移動すると、アクチュエータポート２側
に供給された圧力流体は、供給流量が少ないときには可
変オリフィスが開口しないのでシート部15→空間24→第
１固定絞り25を介して第１チェックポペット14の背面に
流入して連通孔29に至り、スプリング30bに抗して第２
チェックポペット30aを押し開いて連通孔32からシリン
ダＳのロッド側室４へ供給される。また、供給流量が多
いときには第１チェックポペット14の移動量も多いので
可変オリフィスが形成され、スリット23が連通孔22に開
口するので上記流路に加えて空間24を介し可変オリフィ
スのスリット23→連通孔22→空間28を経由して上記同様
にシリンダＳへ自由流れとして供給される。

また、スプール７を図示の中立位置に戻せば、第１チェ
ックポペット14は閉じてシリンダＳの負荷Ｗを保持する
が、このときには、ポペットケース30の第２チェックポ
ペット30aがスプリング30bの作用で閉じるので、第１チ
ェックポペット14の背面にシリンダＳ側の圧力が作用す
るのを防止する。

つぎに、スプール７が上記とは反対の図面左方向に切り
換って、アクチュエータポート３側に圧力流体が供給さ
れると、その圧力がピストン17に作用するので、当該ピ
ストン17が移動するとともに、プッシュロッド18で第１
チェックポペット14を押す。このように第１チェックポ
ペット14が押されると、シート部15が開くが、当該第１
チェックポペット14が開くと可変オリフィスのスリット
23が連通孔22に開口し、空間28→連通孔22→可変オリフ
ィスのスリット23→シート部15を経由してアクチュエー
タポート２に戻される。

しかして、このときにはポペットケース30の第２チェッ
クポペット30aは閉じているので第１チェックポペット1
4内への流路は形成されない。したがって、第１チェッ
クポペット14にシリンダＳ側の圧力が背圧として作用す
ることがなく、第１チェックポペット14のシート部15は
所望の開度を保持できる。

なお、図中符号33は背面側室で、第１チェックポペット
14とポペットケース30との間に形成するとともに、この
背面側室33は、第２チェックポペット30aでポート部材3
1と区画されている。

また、第１チェックポペット14内、背面側室33及び第２
チェックポペットで、ポート部材31に連通する自由流れ
流路を構成する。

さらにまた、スリーブ30の外方、ポペットケースの外方
及び第１チェックポペットの可変絞りであるスリット23
で、ポート部材31に連通する制御流れ流路を構成するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面第１、２図はこの考案の実施例を示すもので、第１
図は断面図、第２図は要部拡大断面図、第３〜５図は従
来装置の断面図で、第３図は断面図、第４図は要部拡大
断面図、第５図は第１チェックポペットの側面図であ
る。 １…バルブ本体、２、３…アクチュエータポート、Ｓ…
シリンダ、７…スプール、８…ポンプ通路、９…タンク
通路、12…スリーブ、13…ポート部材、14…第１チェッ
クポペット、17…本考案の押圧体を構成するピストン、
18…本考案の押圧体を構成するプッシュロッド、30a…
第２チェックポペット、31…ポート部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バルブ本体に一対のアクチュエータポート
   を形成し、このアクチュエータポートをシリンダに接続
   し、しかも、このバルブ本体に設けたスプールの切換え
   方向に応じて、いずれか一方のアクチュエータポートを
   ポンプ通路に、他方のアクチュエータポートをタンク通
   路に連通し、かつ、上記バルブ本体にスリーブを内装
   し、その外側にポート部材をら合するとともに、このス
   リーブには、一方のアクチュエータポートからシリンダ
   への流れを自由流れとする第１チェックポペットを設
   け、他方のアクチュエータポート側の圧力作用で移動す
   る押圧体で、上記第１チェックポペットを開弁し、タン
   クへの戻りを制御流れとしたオペレートチェック装置に
   おいて、上記スリーブの外方に、ポペットケースをはめ
   るとともに、このポペットケースに第２チェックポペッ
   トを設け、この第２チェックポペットで第１チェックポ
   ペットの背面側室を区画するとともに、この第２チェッ
   クポペットは、背面側室を通過する自由流れの流通のみ
   を許容する構成にし、かつ、スリーブとポペットケース
   外方及び第１チェックポペットのシート部を連通する制
   御流れ流路を設けるとともに、この制御流れ流路過程
   に、第１チェックポペットの移動量に応じて開度が決ま
   る可変オリフィスを設ける一方、第１チェックポペット
   内と背面側室及び第２チェックポペットでポート部材に
   連通する自由流れ流路を構成したオペレートチェック装
   置。