JPH063983A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

Info

Publication number
JPH063983A
JPH063983A JP16049892A JP16049892A JPH063983A JP H063983 A JPH063983 A JP H063983A JP 16049892 A JP16049892 A JP 16049892A JP 16049892 A JP16049892 A JP 16049892A JP H063983 A JPH063983 A JP H063983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
fixing
heating element
heating
fixing film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16049892A
Other languages
English (en)
Inventor
Yumi Nakamura
由美 中村
Takeshi Watanabe
毅 渡辺
Tsuneji Masuda
恒司 桝田
Kensaku Kusaka
健作 草加
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP16049892A priority Critical patent/JPH063983A/ja
Publication of JPH063983A publication Critical patent/JPH063983A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体の温度分布の均一化、温度差によるフ
ィルム寄り制御、加熱体の非通紙部の過昇温の抑制等を
図ることができる定着装置を提供すること。 【構成】 加熱体1に定着フィルムを接触させてこれを
移動せしめ、該定着フィルムに記録材を密着させてこれ
を定着フィルムと共に加熱体1位置を通過せしめ、加熱
体1から定着フィルムを介して記録材に熱エネルギを与
えることによって該記録材上の未定着画像を定着する定
着装置において、前記加熱体1を、記録材の移動方向と
直交する方向の両端部に通電用電極4a,4bを有する
抵抗発熱体1bと、該抵抗発熱体1bから分岐してこれ
と平行に配される複数の分岐電路1d,1e,1f,1
gと、該分岐電路1d〜1gの発熱制御装置14(発熱
制御手段)を含んで構成する(第1発明)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、レーザビーム
プリンタ等の画像形成装置の定着装置、特に加熱体に定
着フィルムを接触させてこれを移動させ、該定着フィル
ムの加熱体とは反対側の面に記録材を密着させてこれを
フィルムと共に移動させて加熱体を通過せしめ、加熱体
から定着フィルムを介して記録材に熱エネルギを与える
ことによって、記録材上に転写された未定着画像を定着
する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、定着装置としては熱ローラ定着方
式を採用するものが多用されていた。この定着装置は、
所定の温度に加熱された加熱ローラと、弾性層を有して
加熱ローラに圧接される加圧ローラとによって記録材を
挟持搬送することによって、記録材上に転写された未定
着画像を熱と圧力で定着する装置である。
【0003】しかしながら、斯かる熱ローラ定着装置
は、次のような欠点を有していた。
【0004】即ち、第1に、所定温度に立ち上げるまで
の所要時間(画像形成動作禁止の時間、所謂ウェイトタ
イム)が長く、第2に、大きな熱容量が必要であるため
に比較的大きな電力が必要であり、第3に、加熱ローラ
が高温となるためにこれを耐熱特殊軸受で支持する必要
があり、第4に、加熱ローラに直接手が触れると危険で
あるために加熱ローラを覆う保護部材が必要であり、第
5に、熱及びローラの曲率によって記録材がローラに巻
き着いてジャム発生の原因となる等の欠点があった。
【0005】そこで、本出願人は、上記問題を解消する
定着装置としてフィルム定着方式(SURF方式)を採
用する定着装置を先に提案した(特開昭63−3131
82号公報参照)。
【0006】ここで、フィルム定着方式を採用した定着
装置を図40及び図41に基づいて概説する。尚、図4
0は定着装置の構成図、図41は加熱体の断面図であ
る。
【0007】図40において、1は加熱体であって、こ
れは断熱性の高いホルダー2によって支持されている。
又、加熱体1の上方には駆動ローラ8とテンションロー
ラ9が回転自在に配されており、これら駆動ローラ8と
テンションローラ9及び前記加熱体1には薄いエンドレ
スベルト状の定着フィルム7が巻装されている。
【0008】そして、上記加熱体1には加圧ローラ10
が両者間に前記定着フィルム7を挟んで圧接されてお
り、該加圧ローラ10の加熱体1への圧接部には定着ニ
ップ部が形成されている。
【0009】ところで、前記加熱体は1、図41に示す
ように、アルミナ基板等のヒータ基板1aに抵抗発熱体
1bをスクリーン印刷し、この抵抗発熱体1bの上にガ
ラスコート層1cを形成して構成されている。尚、ガラ
スコート層1cは定着フィルム7と接触し、高い絶縁性
及び滑り性を有している。
【0010】而して、駆動ローラ8が回転駆動される
と、これに巻き掛けられた定着フィルム7が移動して加
熱体1を摺動し、この定着フィルム7の移動によって加
圧ローラ10が従動回転する。加熱体1は長手方向(図
40の紙面垂直方向)両端部に不図示の通電用電極を有
しており、両電極から加熱体1に電圧が印加されること
によって該加熱体1が単位長さ当り所定の発熱量をもっ
て発熱する。
【0011】従って、記録材が定着フィルム7に密着し
てこれと共に移動せしめられ、加熱体1と加圧ローラ1
0との定着ニップ部を通過すると、該記録材には加熱体
1から定着フィルム7を介して熱エネルギが与えられ、
記録材に転写された未定着画像が定着される。
【0012】ところで、従来の加熱体1における抵抗発
熱体1bの有効全長域は、定着装置を組み込んだ画像形
成装置に供給して使用可能な最大サイズの記録材の幅
(最大幅、最大サイズ幅)に対応した長さに設定されて
いる。このため、定着実行時には抵抗発熱体1bの有効
全長域が単位長さ当りの所定の発熱量をもって発熱し、
従って、使用される記録材のサイズ幅の大小に拘らず、
使用可能な最大幅の記録材及びそれより小さい各種サイ
ズの記録材に対しても所定の画像定着処理が実行されて
いた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱体
1は製造上、不可避的に長手方向に温度分布(抵抗分
布)を有し、この温度分布が或る規定範囲内に入るよう
にすると生産性が低下してしまう。又、実際、真に温度
分布の均一な加熱体1を製造することは至難である。
【0014】従って、加熱体1の温度分布の不均一は或
る程度は許容せざるを得ないが、温度分布が或る規定範
囲を逸脱すると、長手方向に不均一な定着が行なわれた
り、所謂フィルム寄り制御が悪影響を蒙る。又、加熱体
1の非通紙部に過昇温が生じる虞れがある。
【0015】そこで、第1発明の目的とする処は、発熱
体の温度分布の均一化、温度差によるフィルム寄り制
御、加熱体の非通紙部の過昇温の抑制等を図ることがで
きる定着装置を提供することにある。
【0016】又、従来の熱ローラ定着方式では加熱体で
ある加熱ローラが加熱全領域に亘って所定の温度に維持
されているため、最大サイズの記録材よりも小さいサイ
ズの記録材を用いる場合、加熱ローラの非通紙部は記録
材によって熱を奪われないため、記録材が通過した部分
(通紙部)に比べて温度が上昇したままの状態に保たれ
る。このことは電力の無駄な消費を招き、加熱ローラの
非通紙部の過昇温による該加熱ローラ及び加圧ローラの
損傷を招く虞れがある。尚、図42に加熱体(加熱ロー
ラ)の通紙部と非通紙部の温度を示す。
【0017】他方、従来のフィルム定着方式(SURF
方式)では、手差しによって記録材を供給した場合、発
熱体1が最大サイズの記録材幅に対応する加熱全長域に
亘って発熱するよう通電制御がなされるため、供給され
た記録材の長手方向幅が最大サイズの記録材幅よりも小
さい場合には、加熱体1の非通紙部の熱エネルギは画像
定着に供されず、加熱体1の非通紙部の過昇温が生じて
前述と同様の問題が発生する。
【0018】従って、第2、第3発明の目的とする処
は、定着方式及び記録材の供給方式に拘らず、加熱体の
非通紙部の過昇温を防いで、加熱体や発熱体の熱損に伴
う耐久寿命の低下、定着フィルムや加圧部材の耐久性低
下、定着フィルムの走行不安定化等を防止することがで
きる定着装置を提供することにある。
【0019】ところで、前記問題を解決するために、加
熱体1への通電開始当初から該加熱体1の通紙域での発
熱量が非通紙部のそれよりも大きくなるように設定する
と、次のような問題が生じる場合があった。
【0020】即ち、通電開始から記録材が定着ニップ部
に突入するまでの間に加熱体1に長手方向の温度差が生
じるため、定着フィルム7や加圧ローラ10等にも同方
向に温度差が生じ、定着フィルム7の走行に異常が生じ
たり、記録材の端部で加熱不良が生じて画質低下を招く
虞れがある。
【0021】そこで、第4発明の目的とする処は、加熱
体の長手方向温度差を解消し、定着フィルムの走行異常
や記録材端部の加熱不良を防止することができる定着装
置を提供することにある。
【0022】又、従来のSURF定着方式において、発
熱体から分岐する分岐電路を設けた場合、発熱体は定着
ニップ部内にあるために定着フィルムと加圧ローラの双
方に熱が奪われるが、分岐電路は定着フィルムにしか熱
が奪われないため発熱体に比べて昇温が激しく、次のよ
うな問題が発生していた。即ち、定着フィルムが熱的な
ダメージを受け、これにシワが発生したり、これの寄り
制御が不可能となっていた。又、ヒータ基板の温度分布
の不均一による割れや発熱体及び分岐電路の断線が生じ
ていた。
【0023】従って、第5発明の目的とする処は、分岐
電路の過昇温を防いで定着フィルムへの熱的なダメージ
を解消し、ヒータ基板の割れや発熱体及び分岐電路の断
線を防ぐことができる定着装置を提供することにある。
【0024】ところで、例えば通電開始時から温調温度
に達するまでの時間(立上がり時間)を早くするには発
熱体の幅を狭くしなければならず、又、温調温度に達し
た後に良好な定着性を得るためには発熱体の幅く広くし
なけらればならない。
【0025】しかしながら、従来のSURF定着方式に
おいては発熱体が1本しかなかったため、前記相反する
要求を満足することができず、特に低温でのコピー時に
定着不良が発生し易いという問題があった。
【0026】従って、第6発明の目的とする処は、立上
がり時間の短縮化を図りつつ、良好な定着性を得ること
ができる定着装置を提供することにある。
【0027】一方、従来の加熱体への電力供給方法で
は、図43に示すように加熱体に電力を供給していない
状態から、短時間に加熱体に電力を供給して該加熱体の
温度を定着に必要な温度まで急激に高めるため、更には
記録材1枚目の定着を良好にするために加熱体に予め設
定された必要、且つ最大の電力を一度に供給するため、
以下のような問題があった。
【0028】即ち、図41に示すように、加熱体1は、
前述のようにヒータ基板1a上に抵抗発熱体1bをスク
リーン印刷し、全面をガラスコート層1cで被覆した構
成を有しているため、該加熱体1に一度に大電力をかけ
ると、この加熱体1の構成物質の熱膨張係数が互いに異
なることから、表面のガラスコート層1cにクラックが
生じる等して当該加熱体1が劣化し、その寿命が低下す
るという問題が発生する。
【0029】従って、第7発明の目的とする処は、短時
間で加熱体を定着に最適な温度まで高めて記録材1枚目
の定着を良好なものとしつつも、加熱体にかかる負荷を
軽減して該加熱体の長寿命化を実現することができる定
着装置を提供することにある。
【0030】ところで、SURF定着方式を採る従来の
定着装置にあっては、定着フィルムの走行駆動制御に異
常が発生した場合、直ちに定着実行動作を停止してしま
うため、以下のような問題があった。
【0031】即ち、未定着トナー像を担持した記録材が
定着ニップ部を移動通過中に加熱体への通電をOFF
し、定着フィルムの駆動を停止するため、記録材が定着
装置内に残ってしまい、これを定着装置外に取り出す作
業を行なう際に未定着トナーが定着フィルムや加圧ロー
ラ等に付着し、定着フィルムや加圧ローラ等が汚れ、オ
フセットの発生、定着フィルムや加圧ローラ等の耐久性
低下を招いていた。
【0032】従って、第8発明の目的とする処は、定着
フィルムの走行駆動制御に異常が発生した場合でも、定
着フィルムや加圧ローラ等の未定着トナーによる汚れの
問題を解消してオフセットの発生や定着フィルム等の耐
久性低下を防ぐことができる定着装置を提供することに
ある。
【0033】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく第
1発明は、加熱体に定着フィルムを接触させてこれを移
動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録材を
密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を移動
通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材に熱
エネルギを与えることによって該記録材上の未定着画像
を定着する定着装置において、前記加熱体を、記録材の
移動通過方向と直交する方向の両端部に通電用電極を有
する抵抗発熱体と、該抵抗発熱体から分岐してこれと平
行に配される複数の分岐電路と、該分岐電路の発熱制御
手段を含んで構成したことをその特徴とする。
【0034】第2発明は、複数枚の同一サイズ記録材に
連続して同一画像を定着する場合、1枚目の記録材の大
きさを検知し、2枚目以降の記録材の定着の際に記録材
の大きさに対応して前記加熱体の配熱を制御する制御手
段を定着装置に設けたことをその特徴とする。
【0035】第3発明は、加熱体に定着フィルムを接触
させてこれを移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側
の面に記録材を密着させてこれを定着フィルムと共に加
熱***置を移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介
して記録材に熱エネルギを与えることによって該記録材
上の未定着画像を定着する装置であって、前記加熱体
は、記録材の移動通過方向と直交する方向の両端部に通
電用電極を有する抵抗発熱体と、該抵抗発熱体の長手方
向に沿う途中部の少なくとも1箇所から分岐して選択的
に通電制御される分岐電路を含んで構成される定着装置
において、記録材が定着ニップ部外を移動通過している
ときには、所定の時間、前記加熱体の抵抗発熱体のみに
通電することを特徴とする。
【0036】第4発明は、加熱体に定着フィルムを接触
させてこれを移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側
の面に記録材を密着させてこれを定着フィルムと共に加
熱***置を移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介
して記録材に熱エネルギを与えることによって該記録材
上の未定着画像を定着する装置であって、記録材の移動
通過方向と直交する方向について、複数の寸法の記録材
を加熱処理可能であり、加熱体の長手方向に関する単位
長さ当たりの通電発熱量を加熱体の長手方向位置に関し
て変化させる切換手段を有し、記録材が定着ニップ部を
通過する加熱体の長手方向位置に応じて、加熱体の長手
方向の単位長さ当りの通電発熱量を変化させる切換手段
を有する定着装置において、前記加熱体への通電開始か
ら所定時間内は、加熱体の長手方向の単位長さ当たりの
通電発熱量を該加熱体の長手方向発熱幅全域に亘って略
均一にすることを特徴とする。
【0037】第5発明は、加熱体に定着フィルムを接触
させてこれを移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側
の面に記録材を密着させてこれを定着フィルムと共に加
熱***置を移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介
して記録材に熱エネルギを与えることによって該記録材
上の未定着画像を定着する装置であって、前記加熱体
は、記録材の移動通過方向と直交する方向の両端部に通
電用電極を有する抵抗発熱体と、該抵抗発熱体の長手方
向に沿う途中部の少なくとも1箇所から分岐して選択的
に通電制御される分岐電路を含んで構成される定着装置
において、前記分岐電路の単位長さ当たりの発熱量Q1
とその分岐電路の分岐位置から非通紙側の抵抗発熱体の
単位長さ当たりの発熱量Q2との間に、 Q1<Q2 なる関係が成立するよう構成したことをその特徴とす
る。
【0038】第6発明は、加熱体に定着フィルムを接触
させてこれを移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側
の面に記録材を密着させてこれを定着フィルムと共に加
熱***置を移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介
して記録材に熱エネルギを与えることによって該記録材
上の未定着画像を定着する定着装置において、前記加熱
体を、記録材の移動通過方向と直交する方向に互いに平
行に配される複数の抵抗発熱体と、該抵抗発熱体を選択
的に通電制御する制御手段を含んで構成したことをその
特徴とする。
【0039】第7発明は、加熱体に定着フィルムを接触
させてこれを移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側
の面に記録材を密着させてこれを定着フィルムと共に加
熱***置を移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介
して記録材に熱エネルギを与えることによって該記録材
上の未定着画像を定着する定着装置において、前記加熱
体に電力を供給していない状態から、短時間に徐々なる
電力増加を行なう手段を設けたことを特徴とする。
【0040】第8発明は、加熱体に定着フィルムを接触
させてこれを移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側
の面に記録材を密着させてこれを定着フィルムと共に加
熱***置を移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介
して記録材に熱エネルギを与えることによって該記録材
上の未定着画像を定着する定着装置において、前記定着
フィルムの走行駆動制御に異常が発生したとき、定着装
置内にある記録材を定着装置外に排出した後、定着装置
の全ての駆動及び通電を停止することを特徴とする。
【0041】
【作用】第1発明によれば、分岐電路の発熱制御手段の
作用によって加熱体の長手方向温度分布が均一化するた
め、発熱体の温度分布の均一化、温度差によるフィルム
寄り制御、加熱体の非通紙部の過昇温の抑制等を図るこ
とができる。
【0042】第2発明によれば、複数枚の同一サイズ記
録材に連続して同一画像を定着する場合、1枚目の記録
材の大きさの検知に基づき、2枚目以降の記録材の定着
の際に記録材の大きさに対応して加熱体の配熱が制御さ
れるため、加熱体の非通紙部の過昇温が抑制され、加熱
体や発熱体の熱損に伴う耐久寿命の低下、定着フィルム
や加圧部材の耐久性低下、定着フィルムの走行不安定化
等が防止される。
【0043】第3発明によれば、加熱体の記録材通過領
域(通紙部)と記録材非通過領域(非通紙部)との温度
差が小さく抑えられ、定着フィルムの走行性の不安定化
及び加熱体の非通紙部の過昇温が防がれる。
【0044】第4発明によれば、加熱体への通電開始か
ら所定時間内は、加熱体の長手方向の単位長さ当たりの
通電発熱量が該加熱体の長手方向発熱幅全域に亘って略
均一とされるため、加熱体の長手方向温度分布に起因す
る定着フィルムの走行異常や記録材端部の加熱不良の発
生が防がれる。
【0045】第5発明によれば、分岐電路の過昇温が抑
えられ、定着フィルムへの熱的なダメージが解消されて
ヒータ基板の割れや発熱体及び分岐電路の断線が防がれ
る。
【0046】第6発明によれば、複数の発熱体が選択的
に通電制御されるため、立上がり時間の短縮化を図りつ
つ、良好な定着性を得ることができる。
【0047】第7発明によれば、加熱体に電力を供給し
ていない状態から短時間で加熱体を記録材の定着に最適
な温度に高めることができ、且つ記録材1枚目の定着を
良好なものとし、更には加熱体にかかる負荷を軽減して
該加熱体の長寿命化を実現することができる。
【0048】第8発明によれば、定着フィルムの走行駆
動制御に異常が発生したときには、定着装置内にある記
録材を定着装置外に排出した後、駆動及び通電の全てが
停止されるため、定着フィルムや加圧ローラ等の未定着
トナーによる汚れの問題が発生せず、オフセットの発生
や定着フィルム等の耐久性低下が防がれる。
【0049】
【実施例】
<第1発明>以下に第1発明の第1実施例を図1乃至図
4に基づいて説明する。尚、図1は加熱体の制御ブロッ
ク図、図2は本発明に係る定着装置の構成図、図3は定
着フィルムの断面図、図4は画像形成装置の構成図であ
る。
【0050】先ず、画像形成装置を図4に基づいて概説
すると、固定の原稿台ガラス120上に原稿119を載
置し、所定の複写条件を設定した後、コピースタートボ
タンをONすると、感光ドラム139が図示矢印方向に
回転駆動される。
【0051】又、光源121と第1ミラー123が原稿
台ガラス120の下面に沿って図の左方のホームポジシ
ョンから右方へ所定の速度Vで往動し、第2、第3ミラ
ー124,125がV/2の速度で往動することによっ
て、原稿台ガラス120上の原稿119の下向き画像面
が図4の左方から右方に照明走査され、その照明走査光
の原稿面反射光が結像レンズ129及び第4、第5、第
6固定ミラー126,127,128を経て感光ドラム
139の表面に結像露光(スリット露光)される。
【0052】感光ドラム139の表面は露光前に一次帯
電器130によって正又は負の所定電位に一様に帯電さ
れており、該表面に前記露光がなされることによって、
該感光ドラム139の表面には原稿画像に対応したパタ
ーンの静電潜像が順次形成されていく。そして、感光ド
ラム139上に形成された静電潜像は現像装置131に
よって現像されてトナー像として顕画化される。
【0053】一方、不図示の給紙手段によって記録材P
が給送され、該記録材Pはガイド133を通って所定の
タイミングで感光ドラム139と転写帯電器134との
間の転写部へ導入され、感光ドラム139上のトナー像
の転写を受ける。
【0054】トナー像の転写を受けた記録材Pは、不図
示の分離手段によって感光ドラム139の面から順次分
離され、除電針135によって背面電荷の除電を受けた
後、搬送部138及びガイド118によって本発明に係
る定着装置60に導入され、定着装置60でトナー像の
定着を受けた後に機外に排出される。
【0055】ここで、本発明に係る上記定着装置60の
構成を図2に基づいて説明すると、同図において1は低
熱容量の線状加熱体であって、これは断熱性の高いホル
ダー2によって支持されている。尚、ホルダー2は断熱
性、耐熱性及び剛性の高い材料、例えば、PPS(ポリ
フェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミ
ド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエ
ーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、こ
れらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材
料で構成される。
【0056】又、加熱体1の上方には駆動ローラ8とテ
ンションローラ9が回転自在に配されており、これら駆
動ローラ8とテンションローラ9及び前記加熱体1には
薄いエンドレスベルト状の定着フィルム7が巻装されて
いる。尚、この定着フィルム7は耐熱性、離型性及び耐
久性の高い厚さ100μm以下(好ましくは、40μm
以下)の単層或いは複合層フィルムで構成される。
【0057】図3に複合層フィルムから成る定着フィル
ム7の構造を示すが、該定着フィルム7は基層(ベース
フィルム)としての耐熱層7aの外面(トナー像に対面
する側の面)に離型層7bを積層して構成される。ここ
で、耐熱層7aは、例えば、PI(ポリイミド)、PE
EK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエ
ーテルサルフォン)、PEI(ポリエーテルイミド)、
PPA(ポリパラバン酸)等の高耐熱性樹脂フィルム
や、Ni、SUS、Al等の金属箔等、強度及び耐熱性
に優れたフィルムで構成される。又、離型層7bの材質
としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)、PFA、FEP等の等のフッ素樹脂、シリコン
樹脂等が好ましい。尚、離型層7bにカーボンブラッ
ク、グラファイト、導電性ウィスカ等の導電剤を混入す
る等の方法によって、定着フィルム7の表面の抵抗値を
下げることができ、これにより定着フィルム7のトナー
当接面の帯電を防止することができる。又、耐熱層7a
に対する離型装置7bの積層形成は、離型層フィルムの
接着ラミネート、離型層材料の静電塗装(コーティン
グ)、蒸着、CVD(Chemical Vapour Deposition)等
の成膜技術による積層、耐熱層材料と離型層材料の共押
し出しによる2層フィルム化等で行なうことができる。
【0058】ところで、前記加熱体1には加圧ローラ1
0が両者間に前記定着フィルム7を挟んで総圧4〜7K
gで圧接されており、加圧ローラ10の加熱体1への圧
接部には定着ニップ部が形成されている。尚、加圧ロー
ラ10はシリコンゴム等の離型性の高い材質で構成され
るゴム弾性層12を有し、これは軸11を中心に図示矢
印方向(記録材Pの搬送方向に対して順方向)に回転す
る。
【0059】而して、前記加熱体1は定着フィルム7の
移動方向に直交する方向(定着フィルム7の幅方向)を
長手方向とするものであって、これの構成の詳細は図1
に示される。
【0060】即ち、加熱体1は、図1に示すように、ア
ルミナ基板等のヒータ基板1aに抵抗発熱体1b及び該
抵抗発熱体1bから分岐する分岐電路1d,1e,1
f,1gをスクリーン印刷し、これら抵抗発熱体1bと
分岐電路1d〜1gの上にガラスコート層1cを形成し
て構成されている。尚、ガラスコート層1cは定着フィ
ルム7と接触し、高い絶縁性と滑り性を有している。
【0061】ところで、上記抵抗発熱体1bの両端には
通電用電極4a,4dが設けられており、分岐電路1d
〜1gの各端部には通電用電極4b,4c,4e,4f
がそれぞれ設けられている。そして、電極4aは図示の
ように加熱体駆動回路13に電気的に接続されており、
電極4b〜4fは発熱制御装置14に電気的に接続され
ている。尚、発熱制御装置14はトライアックを有し、
任意のduty比で通電をON/OFFすることによって抵
抗発熱体1b及び分岐電路1d〜1gの発熱量を制御す
るものである。
【0062】又、前記ヒータ基板1aの裏面(抵抗発熱
体1bを設けた面とは反対側の面)の両端近傍には温度
センサー5a,5bが取り付けられており、該温度セン
サー5a,5bは図示のようにMPU(マイクロコンピ
ュータ)50に接続されている。尚、温度センサー5
a,5bとしては、ヒータ基板1a上にスクリーン印刷
されるPt膜等の低熱容量の測温抵抗体、或いは低熱容
量のサーミスタ等が用いられる。
【0063】その他、図1において15は操作パネル、
16はメモリ、17は電源である。
【0064】ここで、定着装置60の作用を説明する。
【0065】図2に示すように、トナー像Taの転写を
受けた前記記録材Pがガイド118に案内されて加熱体
1と加圧ローラ10との圧接部(定着ニップ部)に導入
されると、該記録材Pは定着フィルム7によって図示矢
印方向へ送られ、加熱体1と加圧ローラ10との圧接部
を狭圧力を受けつつ通過する。
【0066】而して、加熱体1は画像形成スタート信号
によって所定のタイミングで通電されて加熱される。即
ち、図1に示される加熱体駆動回路13を駆動して電極
4a,4d間に電力を供給すると、抵抗発熱体1bはそ
の全長手幅域において発熱する。このとき、温度センサ
ー5a,5bによってそれぞれ検知された温度の差が或
る規定範囲外にあれば、加熱体駆動回路13が駆動され
て分岐電路1d〜1gの中から適当なものが選択されて
当該分岐電路(1d〜1g)が通電され、温度センサー
5a,5bによって検知された温度の差が所定の規定範
囲内に入るように、発熱制御装置14によって発熱量が
制御される。
【0067】上記の結果、抵抗発熱体1bの長手方向温
度分布は均一化され、加熱体1と加圧ローラ10との圧
接部(定着ニップ部)を通過する記録材Pは、加熱体1
から定着フィルム7を介して熱エネルギを与えられ、定
着フィルム7の下面に密着するトナー像Taは幅方向に
一様に加熱されて軟化・溶融し、永久画像として記録材
P上に均一に定着される。尚、このとき選択される分岐
電路(1d〜1g)及び発熱制御装置14の通電duty比
は、記録材Pの幅、温度センサー5a,5bによって検
知された温度の差や給電量との関係から適切に決定され
る。
【0068】ところで、定着フィルム7は温度の高い方
に寄る性質を有し、温度センサー5a,5bによって検
知された温度の差が規定範囲内にある場合には、その温
度差が維持され、且つ温度センサー5a,5bによって
検知された各温度を各温度センサー5a,5bが交互に
検知するように加熱体駆動回路13が駆動され、所定の
分岐電路(1d〜1g)が通電されて該分岐電路(1d
〜1g)に対して直列に接続された発熱制御装置14に
よって発熱が制御され、この結果、温度差によるフィル
ム寄り制御が適正に行なわれる。
【0069】一方、抵抗発熱体1bの長手幅よりも小さ
い幅の記録材を使用する場合、加熱体1の記録材が通過
しない部分(非通紙部)は記録材に熱を奪われないため
に昇温していたが、本実施例では、温度センサー5a,
5bによって検知された温度の差が規定範囲内に入るよ
うに前述と同様に加熱体駆動回路13が駆動されて所定
の分岐電路(1d〜1g)が通電され、その分岐電路
(1d〜1g)と直列に接続された発熱制御装置14に
よって発熱量が制御されるため、加熱体1の非通紙部の
昇温抑えられ、均一な定着性が得られるとともに、加熱
体1や抵抗発熱体1bの熱損に伴う耐久寿命の低下、定
着フィルム7や加圧ローラ10等の耐久性低下、定着フ
ィルム7の走行不安定化が防がれる。
【0070】次に、第1発明の第2実施例を図5に基づ
いて説明する。尚、図5は第2実施例に係る加熱体の制
御ブロック図であり、本図においては図1に示したと同
一要素には同一符号を付している。
【0071】本実施例では、分岐電路1d,1e,1
f,1gを抵抗発熱体1aの通紙方向両側に配し、更に
前記第1実施例における発熱制御装置14の代わりに可
変抵抗体6(6a,6b,6c,6d)を設けて抵抗可
変装置18に通電させるようにしている。
【0072】又、ヒータ基板1aの裏面には3個の温度
センサー5a,5b,5cを設け、中央の温度センサー
5aの検知温度を基準値とし、この基準値と温度センサ
ー5b,5cの各検知温度との差及び各検知温度に基づ
いて発熱量の制御を行なう。即ち、抵抗可変装置18に
よって可変抵抗体6(6a,6b,6c,6d)の抵抗
値を変化させ、抵抗発熱体1bの長手方向温度分布が均
一化するよう発熱量を制御する。
【0073】従って、本実施例においても均一な定着性
が得られる他、温度差によるフィルム寄り制御、加熱体
1の非通紙部温度の制御等が図られる。
【0074】尚、以上の第1、第2実施例における発熱
制御装置14、可変抵抗体6、抵抗可変装置18及び分
岐電路1d〜1gの配置はそれぞれ任意に選択すること
ができる。
【0075】次に、第1発明の第3実施例を図6及び図
7に基づいて説明する。尚、図6は第3実施例に係る加
熱体の制御ブロック図、図7は同加熱体の断面図であ
る。
【0076】図6において、1e,1fは抵抗発熱体で
あって、これらの長手方向に沿って電極4g,4hが設
けられている。又、一方の抵抗発熱体1eの両端には通
電用電極4i,4jが設けられており、他方の抵抗発熱
体1fの一端には通電用電極4kが設けられており、こ
れらの通電用電極4i,4j,4kは各加熱体駆動回路
13と結線されている。
【0077】更に、ヒータ基板1a上には伝導部材20
が前記電極4gと4hを導通させるように該電極4g,
4hに接触してい設けられており、該伝導部材20は、
紙幅センサー19によって通紙幅が検知され、これに基
づいて伝導部材駆動回路21が駆動されて当該伝導部材
20に接続されたワイヤー22が長手方向(図6の左右
方向)に移動する。
【0078】ところで、加熱体1においては、図7に示
すようにヒータ基板1aのフィルム摺動側はガラスコー
ト層1cで被覆され、反対側には抵抗発熱体1e,1
f、電極4g,4h、伝導部材20及びワイヤー22が
設けられている。
【0079】而して、通電用電極4i,4j,4kに電
圧が印加されると、抵抗発熱体1e,1fは所定の発熱
量をもって発熱し、この熱は発熱体1からヒータ基板1
a及びガラスコート層1cを経て定着フィルム7に伝え
られて定着に供される。尚、ヒータ基板1a及びガラス
コート層1cは共に極めて薄く、熱容量も小さいため、
発熱体1からの熱は大きな時間遅れ及び損失なく定着フ
ィルム7に伝えられる。
【0080】又、本実施例においても、前記第2実施例
と同様にヒータ基板1aの裏面に3個の温度センサー5
a,5b,5cが設けられ、中央の温度センサー5aの
検知温度を基準値として該検知温度(基準温度)と温度
センサー5b,5cの各検知温度との差及び各検知温度
に基づいて発熱量の制御が行なわれる。即ち、発熱制御
装置12によって抵抗発熱体1e,1fの発熱量を変化
させ、抵抗発熱体1e,1fの長手方向温度分布が均一
化するよう発熱量を制御する。
【0081】従って、本実施例によっても前記第1及び
第2実施例にて得られたと同様の効果が得られる。 <第2発明>次に、第2発明の第1実施例を図8に基づ
いて説明する。
【0082】図8は加熱体1の制御ブロック図であり、
同図中、1aはヒータ基板、1bは抵抗発熱体、1d,
1e,1f,1gは抵抗発熱体1bから分岐する分岐電
路であって、抵抗発熱体1bの裏面の各分岐電路1d〜
1gの分岐点には温度センサー5a,5b,5c,5d
が取り付けられている。そして、各温度センサー5a〜
5dはMPU50に接続されている。
【0083】又、上記抵抗発熱体1b及び分岐電路1d
〜1gには電極4a,4b,4c,4d,4eが設けら
れており、これらの電極4a〜4dは各加熱体駆動回路
13に結線されている。尚、図8において、26は温度
センサー、27はデコーダ、15は操作パネル、16は
メモリ、17は電源である。
【0084】ここで、複数枚の同一サイズ記録材に連続
して同一の画像を形成する場合の加熱体1の制御につい
て説明する。
【0085】操作パネル15のスタートボタンを押した
とき、MPU50から加熱体1の全長手幅に対応したデ
コード信号がデコーダ27に送られ、デコードされた信
号は全長手幅に対応した加熱体駆動回路III を選択的に
駆動する。各加熱体駆動回路13はそれぞれ各一方の端
子を前記通電用電極4b〜4eに結線し、他方の端子は
共通化して電源17を介して抵抗発熱体1bの電極4a
(共通電極)に結線している。この場合、抵抗発熱体1
bの両端部の電極4a,4f間のみに電圧が印加され、
従って、抵抗発熱体1bのみが通電状態となり、該抵抗
発熱体1bの有効全長域m(A3)が単位長さ当り所定
の発熱量をもって発熱して、装置に供給された記録材の
長手幅に依存することなく、画像定着が支障なく実行さ
れる。
【0086】而して、1枚目の記録材が定着装置の発熱
体1を通過すると、発熱体1の熱エネルギの一部が記録
材に奪われ、記録材の通過によって発熱体1の温度は降
下する。このときの温度センサー5a,5b,5c,5
dの温度検知信号がMPU50に送られる。温度検知信
号は温度センサー5a,5b,5c,5dの順にMPU
50に取り込まれ、4つの温度検知信号の中で最初に発
熱体1の温調温度に略等しい温度信号となった温度セン
サー(5a〜5d)を取り付けている分岐点から分岐し
ている分岐電路(1d〜1g)を2枚目以降の記録材の
分岐電路とする。
【0087】即ち、 長手方向最大サイズ記録材が供給されると、記録材の
通過によって加熱体1の温度は全長手幅に亘って全体的
に同程度降下する。前述の温度検知方法及び分岐位置検
知方法により分岐点は見い出されないので、2枚目以降
の記録材についても加熱体駆動回路III が駆動され、発
熱体1bの両端の電極4a,4f間のみに電圧が印加さ
れ、発熱体1bのみが通電状態となり、2枚目以降の長
手方向最大サイズ記録材の画像定着が支障なく実行され
る。
【0088】長手幅がB4版シートのそれと同一であ
るような記録材が供給されると、該記録材の通過によっ
て長手幅K(B4)の部分の発熱体1bの温度が降下す
る。前述の各温度センサー5a〜5dの取付け位置によ
り、温度センサー5dの位置は温度降下しないので、前
述の温度検知方法及び分岐位置検知方法より分岐電路は
1fとなる。MPU50からこれに対応したデコード信
号がデコーダ27を介して分岐電路1fに対応した加熱
体駆動回路IVと加熱体駆動回路III を駆動して記録材通
過部kの発熱体1bの部分は単位長さ当りの所定の発熱
量をもって発熱し、装置に供給された記録材の画像定着
が支障なく実行される。非通紙部(m−k)に対応する
発熱体1bの部分は分岐電路1fと並列の通電回路構成
となり、発熱量が小さくなって発熱体1bの非通紙部の
過昇温が抑えられる。
【0089】長手方向幅がA4版シート、B5版シー
トのそれとそれぞれ同一であるような記録材が供給され
る場合の発熱体1bの通電制御も前述と同様である。
【0090】長手方向幅が画像形成装置に供給して使
用できる最小サイズ紙のそれと同一であるような記録材
が供給される場合の発熱体1bの通電制御も前述と同様
である。
【0091】記録材の長手方向幅が定形紙の長手幅で
はない不定形記録材が供給される場合、1枚目の記録材
が定着装置の発熱体1bを通過した直後に前述の温度検
知方法及び分岐位置検知方法によって適切な分岐電路
(1d〜1g)が見い出される。このように記録材の長
手方向幅が装置での使用可能範囲の長手幅であれば、あ
らゆる不定形記録材の画像定着が支障なく実行される。
【0092】次に、他の実施例として、熱ローラ定着方
式での加熱体制御を示す。
【0093】図9はその他の実施例の加熱制御回路ブロ
ック図であって、本実施例では従来技術である熱ローラ
定着方式に加熱体制御回路を組み込んでいる。加熱ロー
ラ32の内部には2本の加熱体33,34が設けられて
いる。尚、一方の加熱体33は固定型加熱体であり、他
方の加熱体34は移動型加熱体である。
【0094】又、図9において、5a,5b,5c,5
dは温度センサーであって、これらは加熱ローラ32の
外部に取り付けられており、これらの長手方向の取付け
位置は前記第1実施例の場合と同様である。
【0095】図10に加熱ローラ32と加圧ローラ35
の断面を示すが、加圧ローラ35は加熱ローラ32に圧
接されて従動回転する。
【0096】而して、操作パネル15のスタートボタン
を押す前、固定型加熱体33と移動型加熱体34は図9
に示す位置にあり、これらは加熱ローラ32の全長手幅
mに亘って画像定着に支障のない発熱量をもって発熱し
ている。そして、操作パネル15のスタートボタンが押
されると、装置に供給された記録材の長手幅に依存する
ことなく画像定着が実行される。
【0097】1枚目の記録材が定着装置の加熱ローラ3
2及び加圧ローラ35を通過すると、加熱体33,34
から加熱ローラ32に供給された熱エネルギの一部が記
録材に奪われ、記録材の通過によって加熱ローラ32の
表面の温度は降下する。
【0098】ところで、温度センサー5a,5b,5
c,5dは図10に示すように記録材と接触した後、記
録材と離れた直後の加熱ローラ32の温度変化を測定で
きる位置に取り付けられている。このらの温度センサー
5a〜5dの温度検知信号がMPU50に送られる。す
ると、温度検知信号は5a,5b,5c,5dの順にM
PU50に取り込まれ、この4つの温度検知信号の中で
最初に加熱ローラ32の温調温度に略等しい温度信号と
なった温度センサー(5a〜5d)が取り付けてある位
置が記録材の長手方向の端となる。
【0099】長手方向最大サイズ記録材が供給される
と、記録材の通過によって加熱ローラ32の表面温度は
全長手幅に亘って同程度降下する。前述の温度検知方法
及び記録材端部検知方法により記録材端部は見い出され
ないため、記録材は2枚目以降も1枚目と同様に加熱さ
れ、2枚目以降の長手方向最大サイズ記録材の画像定着
が支障なく実行される。
【0100】長手幅がB4版シートのそれと同一であ
るような記録材が供給されると、該記録材の通過によっ
て加熱ローラ32の長手幅Kの表面温度が降下する。温
度センサー5a〜5dは実施例と同様に取り付けられて
いるため、この取付け位置により温度センサー5dの位
置は温度降下しない。従って、前述の温度検知方法よ
り、移動型加熱体34を図11に示すように移動させ
る。この結果、記録材通過部kのみが加熱されることに
なり、装置に供給された記録材の画像定着が支障なく実
行される。そして、加熱ローラ32の記録材非通過部
(m−k)に対応する部分は加熱されないため、その過
昇温が抑えられる。
【0101】長手方向幅がA4版シート、B5版シー
トのそれとそれぞれ同一であるような記録材が供給され
る場合の加熱体33,34の位置はそれぞれ図12、図
13に示され、加熱ローラ32の熱制御も前述と同様で
ある。
【0102】長手方向幅が画像形成装置に供給して使
用できる最小サイズ紙のそれと同一であるような記録材
が供給される場合、加熱ローラ32は固定型加熱体33
のみによて加熱され、移動型加熱体34は発熱しない。
この結果、長手方向にhの幅だけ加熱され、画像定着は
支障なく実行される。この場合、加熱ローラ32の記録
材非通過部(m−h)は発熱しないため、その過昇温が
抑えられる。
【0103】記録材の長手方向幅が定形紙の長手方向
幅でない不定形記録材が供給される場合、1枚目の記録
材が定着装置の加熱ローラ32を通過した直後、前述の
温度検知方法によって移動型加熱体34の適切な移動位
置が見い出される。このように記録材の長手方向幅が装
置での使用可能範囲の長手幅であれば、あらゆる不定形
記録材の画像定着が支障なく実行される。
【0104】尚、移動型加熱体34は、供給される記録
材の長手方向幅に対応して加熱ローラ32内を長手方向
に移動できるように不図示の小型モータをその右端部に
付帯しており、小型モータはMPU50からの加熱体通
電信号と連動した加熱体移動信号によって駆動される。
【0105】次に、第2発明の第3実施例を図14に示
す。
【0106】本実施例では、長さがそれぞれh(最
小)、i(B5)、j(A4)、m(A3)に対応する
5本の加熱体36a,36b,36c,36d,36e
を加熱ローラ32の中心部に挿入している。
【0107】而して、前述の温度検知センサー5a,5
b,5c,5dによる温度検知方法及び記録材端部検知
方法により、各々の加熱体駆動回路を介して1本の加熱
体(36a〜36e)のみに通電される。尚、本実施例
では、加熱体36a〜36eを移動させるための小型モ
ータは必要なく、構成を簡略化することができる。 <第3発明>次に、第3発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0108】本発明は、記録材が定着ニップ部外を移動
通過しているとき、加熱体の抵抗発熱体のみに所定時間
だけ通電するものであって、図15は第1実施例に係る
加熱体の表面図、図16は通電シーケンスとそのときの
加熱体温度の経時変化を示す図である。
【0109】ここでは、記録材サイズがB5版で2枚連
続コピーしたときの通電シーケンスを説明する。
【0110】コピースタート後に定着装置が駆動を開始
し、同時に抵抗発熱体1bに通電される。加熱体1の通
紙領域、非通紙領域の温度がT0 =25℃から上昇し、
T2=200℃(温調温度)に達した直後、1枚目の記
録材が定着ニップ部に突入する。同時にB5版に対応し
た分岐電路1dを通電することにより加熱体1の非通紙
領域の温度がT1 =190℃まで下がる。1枚目の記録
材の後端が定着ニップ部から出るのが不図示のセンサー
で検知されると、分岐電路1bの通電をOFFする。
【0111】加熱体1の非通紙領域の温度は再び上昇
し、2枚目の記録材が定着ニップ部に突入する前にT2
になる。更に、2枚目の記録材が定着ニップ部に突入す
ると同時に、分岐通電1dをONすると、加熱体1の非
通紙領域の温度はT1 まで下がり、記録材の後端が定着
ニップ部から出ると同時に発熱体1bと分岐電路1dへ
の通電を共にOFFする。
【0112】上記のようにすれば、小サイズ紙の連続コ
ピー中でも、加熱体1の通紙領域の温度と非通紙領域の
温度の差を約10℃以内に抑えることができるととも
に、加熱体1の非通紙域の異常昇温も防ぐことができ
る。
【0113】次に、第2実施例を図17及び図18に基
づいて説明する。尚、図17は第2実施例に係る加熱体
の表面図、図18は通電シーケンスとそのときの加熱体
温度の経時変化を示す図である。
【0114】本実施例は、発熱体1bと分岐電路1dへ
の通電を図17に示す温度センサー5a,5bの検知温
度によって制御したものである。
【0115】即ち、定着実行動作中に、記録材通過領域
(通紙部)にある温度センサー5a検知温度T2 と非通
紙領域にある温度センサー5bの検知温度T1 との差が
ΔT>10℃になると、発熱体1bのみの通電に切り替
え、検知温度T2 =T1 になると、分岐通電1dの通電
に切り替える。このようにすれば、加熱体1の通紙領域
と非通紙領域の温度差を約10℃以内に抑えることがで
き、且つ非通紙領域の異常昇温を防止することできる。
【0116】又、図19に第3実施例を示すが、本実施
例では、発熱体1bと分岐電路1dの通電をコピー枚数
によって切り替えるようにしている。
【0117】即ち、コピー開始後、奇数枚目の記録材が
定着ニップ部から出るのを不図示のセンサーで検知する
と、通電を分岐電路1dに切り替える。又、偶数枚目の
記録材が定着ニップ部から出ると、通電を発熱1bのみ
にする。このようにすれば、前記と同様の効果を得るこ
とができる。 <第4発明>次に、第4発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0118】図20は、加熱体1をフィルムとの摺動面
側から見た図と加熱体1の通電制御回路ブロック図を合
成した図である。
【0119】図20において、1bは加熱体1のヒータ
基板1aのフィルム摺動面である下面に形成された抵抗
発熱体、1d,1e,1fは発熱体1bの途中の所定位
置よりそれぞれ分岐された第1、第2、第3の3本の分
岐電路である。各分岐電路1d〜1fは、本実施例の場
合何れも発熱体1bと同材質、同一厚さ、同一幅に設定
されている。発熱体1bはヒータ基板1aの下面の略中
央部にヒータ基板1aの長手に沿って一直線状に形成さ
れている。4aと4bはこの発熱体1bの左端部と右端
部に設けられたAg等の良導電材質の通電用電極(入力
端子)である。
【0120】kは上記電極4a,4b間の発熱体1bの
有効全長域であり、本実施例の場合は、装置に供給して
使用できる最大サイズ記録材をA3版とし、その幅に対
応する長さ寸法に設定されている。
【0121】又、本実施例では、発熱体1bの左端側の
基線イを基準とする所謂片側基準で各種サイズの記録材
が供給され、第1の分岐電路1d、第2の分岐電路1
e、第3の分岐電路1fはそれぞれこの基線イからh,
i,jの距離位置において発熱体1bから分岐されてお
り、各自由端部は発熱体1bの右端部に対応する位置或
いはその外側位置まで延長して形成されている。
【0122】ここで、各距離h,i,jは本実施例の場
合はそれぞれB5版、A4版、B4版シートの幅に対応
する長さ寸法に設定されている。
【0123】4d,4e,4fは各分岐電路1d,1
e,1fの自由端部に設けられたAg等の良導電材質の
通電用電極(入力端子)である。
【0124】温度センサー5は、ヒータ基板1aの上面
側、即ち発熱体1b等を設けた側とは反対側で、且つ最
小通紙領域である領域h内に配置されている。
【0125】又、図20において、15は画像形成装置
の操作パネルであり、これには図21に示すように、電
源スイッチ15a、複写枚数設定キー15b、枚数表示
器15c、使用記録材サイズ指定操作キー(サイズ選択
キー)15d、コピースタートキー15e等が配置され
ている。
【0126】而して、画像形成スタート信号により画像
形成装置が画像形成動作を開始した後に所定のタイミン
グで定着フィルムの走行及び加熱体1への通電が開始さ
れる。
【0127】ここで、加熱体1の通電制御を図22に基
づいて説明する。尚、図22は定着器動作のタイミング
チャートである。
【0128】時刻t0 で画像形成装置の電源スイッチ1
5aがONされたとする。その後、時刻t1 でユーザー
がサイズ選択キー15dにより、使用する記録材サイズ
を指定(ここでは、B例えばA4サイズ(210mm
幅)が指定されたとする)すると、そのA4幅のサイズ
情報が、MPU50に取り込まれる。又、時刻t2 でユ
ーザーが複写枚数設定キー15bによりコピーする枚数
(ここでは、n枚とする。ただしn≧2)を指定する
と、枚数情報もまたMPU14に取り込まれる。
【0129】その後、時刻t3 でコピースタートキー1
5eが押されると、画像形成動作が開始すると同時に、
定着フィルムの回転駆動も開始する。同じ時刻t3 に、
加熱体駆動回路Iが駆動を開始し、発熱体1bの両端部
の電極4a,4b間に所定の電圧Eが印加される。
【0130】一方、同時刻t3 では他の加熱体駆動回路
II〜IVは駆動を停止しており、第1〜第3の各分岐電路
1d,1e,1fは開路状態に保たれ、発熱体1bのみ
が通電状態となり、該発熱体1bの有効全長域kが長手
方向で略均一に急速に昇温を開始する。
【0131】時刻t4 で、有効全長域よりhだけ短いA
4幅の記録材が定着ニップ部に突入するが、時刻t4 ま
でに加熱体1は所定の定着温度まで昇温している。
【0132】時刻t3 で通電を開始してから記録材が定
着ニップ部に突入する時刻t4 までの間、加熱体1の長
手方向温度が均一なため、定着フィルム、駆動ローラ、
テンションローラ(従動ローラ)の軸方向温度が均一と
なり、定着フィルムの走行に蛇行等が生じることなく安
定する。時刻t4 からt5 まで記録材が定着ニップ部内
に滞在するが、この間に加熱体1の有効全長域hが均一
に発熱するため、記録材の幅方向全域に亘って良好な定
着性が得られる。但し、加熱体1有効全長域hの内の記
録材が通過しない領域(非通紙領域)で、所謂非通紙部
昇温が発生するが、時間(t4 −t5 )は2〜数秒の時
間であるため、昇温も小さく、加熱体1等の部品に損傷
はなく、又、定着フィルムの走行に問題は生じない。
【0133】1枚目の記録材の定着処理終了後、時刻t
6 に定着器よりも排紙ローラ側に配置された不図示の排
紙センサーによって1枚目の記録材の定着動作終了が検
知される、その検知信号がMPU50に取り込まれる。
すると、同時に時刻t1 でMPU50に取り込まれた通
紙サイズの情報(A4サイズ:210mm幅)に応じた
デコード信号がデコーダ27に送られ、デコードされた
信号は指定サイズ幅に対応する加熱駆動回路Iと同III
を駆動する。すると、発熱体1b及び第2の分岐電路1
eに対する通電系が閉路し、A4サイズの記録材の通紙
域に対応する領域iの発熱体1の部分が単位長さ当り所
定の発熱量をもって発熱し、A4サイズの記録材の画像
定着が支障なく実行される。
【0134】一方、非通紙部(k−i)に対応する発熱
体1bの部分、即ち、第2の分岐電路1eの分岐点から
発熱体1bの他端側の電極4bまでの発熱体1b部分は
第2の分岐電路1eと並列の通電回路構成となり、両者
に電流が分流するので、この発熱体1b部分の単位長さ
当たりの発熱量は通紙部iの発熱体1b部分のそれより
も小さくなる。又、この発熱体1b部分と第2の分岐電
路1eとの単位長さ当たりの発熱量の和も通紙部iの発
熱体1b部分のそれよりも小さくなる。
【0135】このような分岐通電が時刻t6 から2枚目
の記録材が定着ニップ部に突入する時刻t7 までの間行
なわれた。1枚目の記録材の定着動作において非通紙部
(k−i)に発生した若干の昇温は相殺される。時刻t
7 で2枚目のA4サイズの記録材が定着ニップ部に突入
するが、引き続き加熱体駆動回路I及び同III が駆動さ
れるので、非通紙部(k−i)に対応する部分の発熱量
が通紙部iより小さくなり、この結果、非通紙部(k−
i)の発熱体1b部分の過昇温が防止される。
【0136】一方、時刻t3 から時刻t6 までは全発熱
領域kを均一に発熱させているため、時刻t6 から発熱
体1b通紙部(k−i)の部分の発熱を減少させても、
2枚目の記録材の定着処理時に、A4幅記録材の第2の
分岐電路1eの分岐点側の紙端に対応する位置の加熱体
1の表面温度が、領域iから発熱体1b通紙域(k−
i)への伝熱により過度に低下するこがなく、2枚目の
記録材に対して良好な定着性が得られる。
【0137】以下、2枚目の記録材と同様に、3枚目,
…n枚目の記録材に対する定着動作が行なわれた後、時
刻t11にn枚目の記録材の定着動作終了が不図示の排紙
センサーによって検知されると、加熱体駆動回路I及び
同III をOFFし、加熱体1への通電を停止する。その
後、定着フィルムは、放熱を目的として非加熱状態で所
定の時間空回転された後、時刻t12で停止する。その
後、所定の時間経過後、電源スイッチ15aが自動的に
OFFする。
【0138】尚、時刻t1 において指定される記録材サ
イズがA4幅(210mm幅)以外のときには、前記の
シーケンスと比べ、下記の点が変更となる。
【0139】B5幅(182mm幅)の記録材のと
き:時刻t6 において、加熱体駆動回路III の代わりに
加熱体駆動回路IVが駆動される。その結果、第1の分岐
電路1dに対する通電系が閉路し、A4サイズの場合と
同じメカニズムで領域(k−h)の過昇温が防止され
る。
【0140】B4幅(257mm幅)の記録材とき:
時刻t6 において、加熱体駆動回路III の代わりに加熱
体駆動回路IIが駆動され、領域(k−j)の過昇温が防
止される。
【0141】A3幅(297mm幅)の記録材のと
き:加熱体駆動回路 II ,III,IV は常にOFFされ、A
3版記録材の1枚目からn枚目まで良好な定着性が得ら
れ、且つ過度な非通紙部昇温は発生しない。
【0142】ここで、比較例について図23に基づいて
説明する。
【0143】図23は比較例を示すタイミングチャート
であって、図示のように時刻t1 でA4サイズを指定し
たとする。
【0144】コピースタートキー15eがONした時刻
t3 に、加熱体駆動回路Iと同IIIが同時にONする。
【0145】記録材が定着ニップ部に突入する時刻t4
までに加熱体1の領域(k−i)が領域iより低温にな
る。従って、定着フィルム及び駆動ローラにも軸方向の
温度差が生じる。すると、時刻t4 までに定着フィルム
の走行が、上記各部材の長手方向温度分布の影響を受
け、不良となる。具体的には、定着フィルムが、発熱体
1b面における長手方向領域(k−i)から領域iの方
向に向かって変位する。
【0146】又、時刻t3 からt4 まで領域iから領域
(k−i)へ放熱するため、領域iの領域(h−i)と
の境界を成す端部領域の温度が低下し、1枚目の記録材
の上記端部領域に対応する長手方向位置の定着性が低下
する虞れがある。
【0147】ユーザーが設定するコピー枚数が十分多け
れば、上記のメカニズムによる定着フィルムの走行異常
は直ちに補正されるが、もしユーザーがシングルコピー
(タイミングチャートで2枚目以降なし)を連続して行
なうと、定着フィルムは領域(h−i)から領域iの方
向に向かって変位してゆき、定着フィルムが損傷を受け
る虞れがある。
【0148】図24は第3実施例を示すタイミングチャ
ートである。
【0149】前記第1実施例では、1枚目の記録材の定
着動作の終了を検知した時刻t6 で分岐電路1eの通電
(加熱体駆動回路III の駆動)を開始したが、本実施例
では記録材が定着ニップ部に突入する時刻t4 から加熱
体駆動回路III を駆動する。而して、本実施例によれ
ば、1枚目通紙中は分岐通電されるので、前記第1実施
例よりも1枚目の加熱体1の通紙部昇温が少なくて済
む。又、1枚目の記録材の定着ニップ部突入前に全発熱
領域を均一に加熱するので、初期の定着フィルム走行異
常や1枚目の記録材の端部定着不良は発生しない。
【0150】ここで、加熱体1の変形例を図25に示
す。図25において、1aはアルミナ基板等のヒータ基
板、1f,1gはそれぞれA3幅、A4幅に対応する有
効発熱長k,iをそれぞれ有する発熱体である。加熱体
1の左端には電極4aが設けられており、発熱体1f,
1gの右端にはそれぞれ電極4b,4cが設けられてい
る。そして、電極4b,4cにはそれぞれ加熱体駆動回
路k,iが連結されている。
【0151】そぎに、第4実施例に係るタイミングチャ
ートを図26に示す。
【0152】本実施例では、分岐電路を設けるのではな
く、使用可能な通紙サイズに応じた複数の発熱体(分岐
電路なし)を設ける。
【0153】而して、1枚目の記録材の定着動作終了ま
では最大サイズ幅の発熱体(ここでは、発熱体1f)を
加熱体駆動回路kをONすることで発熱させ、1枚目の
記録材の定着動作終了を検知した時刻に加熱体駆動回路
kをOFFし、略同じ時刻に、使用する記録材サイズに
対応する(ここでは、A4サイズ)の発熱体1gを、加
熱体駆動回路iをONすることで発熱させる。
【0154】第1実施例では分岐電路の分岐端での放熱
が大きく、局所的に定着不良が発生する虞れがあるが、
本実施例では分岐電路がないため、均一で良好な定着性
が得られる。 <第5発明>次に、第5発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0155】図27は第1実施例を示す加熱体の部分表
面図であり、本実施例では同材質で同一厚さの発熱体1
bと分岐電路1d,1e,1f,1gが設けられている
が、発熱体1bの幅は1.5mm、各分岐電路1d〜1
gの幅は3.0mmに設定されている。
【0156】従って、各分岐電路1d〜1gの単位長さ
当りの抵抗値は発熱体1bのそれの2倍となり、分岐電
路1d〜1gの単位長さ当りの発熱量Q1と、その分岐
位置から非通紙側の発熱体1bの単位長さ当りの発熱量
Q2との間には次式:
【0157】
【数1】Q1<Q2 の関係が成立する。このため、分岐電路1d〜1gの過
昇温が抑えられ、定着フィルムの熱的ダメージが解消さ
れるとともに、ヒータ基板1aの割れや発熱体1b及び
分岐電路1d〜1gの断線が防がれる。図28に第2実
施例を示すが、本実施例では発熱体1bと分岐電路1
d,1e,1f,1gの幅と厚さを同じに設定したが、
分岐電路1d〜1gの抵抗値(1.5×10-4Ω・c
m)を発熱体1bの抵抗値(3.0×10-4Ω・cm)
とすることによって、分岐電路1d〜1gの単位長さ当
りの発熱量Q1を、その分岐位置から非通紙側の発熱体
1bの単位長さ当りの発熱量Q2よりも小さく(Q1<
Q2)抑えている。
【0158】又、図29に第3実施例を示す。尚、図2
9は加熱体1の断面図である。
【0159】本実施例では、発熱体1bと分岐電路1
d,1e,1f,1gの材質と幅は同じに設定されてい
るが、分岐電路1d〜1gの厚さ(20μm)を発熱体
1bの厚さ(10μm)の2倍とすることによって、分
岐電路1d〜1gの単位長さ当りの発熱量Q1を、その
分岐位置から非通紙側の発熱体1bの単位長さ当りの発
熱量Q2よりも小さく(Q1<Q2)抑えている。
【0160】而して、以上の第2及び第3実施例におい
ても前記第1実施例と同様の効果が得られる。 <第6発明>次に、第6発明を添付図面に基づいて説明
する。
【0161】図30は第6発明の第1実施例に係る加熱
体1の表面図であり、本実施例では同材質、同一厚さ及
び同一幅(1.5mm)の2本の発熱体1A,1Bを両
者の間に1.5mmの間隔をあけて長さ方向に平行に配
置している。
【0162】而して、通電開始時は電極A−B間に通電
し、一方の発熱体1Aの温度を急速に立ち上げ、該発熱
体1A側の裏面に当接した不図示の温度センサーで検知
した温度が所定の温調温度に達した後、更に電極B−C
間も通電を開始し、両発熱体1A,1Bを所定の温調温
度に保つ。
【0163】上記によれば、加熱体1の立上り時間の短
縮化を図り、且つ立上り後は良好な定着性を得ることが
できる。
【0164】図31に第6発明の第2実施例を示すが、
本実施例においては、間隔1.0mmで長手方向に平行
に配設された2本の発熱体1A,1Bの一方1Aの幅を
2.0mmとし、他方1Bの幅を1.0mmに設定して
いる。
【0165】而して、通電開始時は電極C’−D’間に
通電し、加熱体1の温度を急速に立ち上げ、加熱体1が
温調温度に達した後は、電極A’−B’間も通電する。
こうすることにより、加熱体1の立上り時間の短縮を図
り、且つ良好な定着性を得ることができる。
【0166】ところで、本実施例において、通電前の加
熱体1の温度によって発熱体1A,1Bに選択的に通電
するようにしても良い。
【0167】即ち、図32に各通電時の立上り時間と加
熱体温度との関係を示すが、同図において温調温度をT
3 、記録材が定着装置に突入する時間をT0 とする。加
熱体1の温度TがT0 ≦T<T1 のときに電極C’−
D’間に通電して立ち上げると、加熱体1はT0 より少
ない時間で温調温度まで昇温する。その後、電極A’−
B’間も通電することにより、十分な定着性を得ること
ができる。
【0168】又、加熱体1の温度TがT1 ≦T<T2 の
ときは、電極A’−B’間に通電して立ち上げることに
より同様に良好な定着性を得ることができる。
【0169】更に、加熱体1の温度TがT2 ≦Tのとき
には電極A’−B’,C’−D’間に通電する。この場
合も良好な定着性を得ることができる。
【0170】次に、第6発明の第3実施例を図33に示
す。
【0171】図33は加熱体1の表面図であり、本実施
例においても2本の発熱体1A,1Bが適当な間隔をあ
けて長手方向に並行に配されているが、一方の通電発熱
体1Aはその中央部、両端部の幅がそれぞれ2,0m
m、3.0mmに設定されており、他方の通電発熱体1
Bは同一幅1.5mmに設定されている。
【0172】而して、通電開始時は電極C”−D”に通
電し、加熱体1を急速に立ち上げ、加熱体1が温調温度
に達した後は、電極A’−B’間にも通電することによ
り、加熱体1の立上り時間の短縮を図り、且つ良好な定
着性を得、加熱体1の非通紙域の異常昇温を防止するこ
とができる。 <第7発明>次に、第7発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0173】図34は本発明の第1実施例に係るシーケ
ンスの特徴を最もよく表わしているグラフで、供給する
電力と時間との関係及びそれに伴う加熱体の温度変化を
示す。
【0174】スイッチONと同時に加熱体に電力が供給
されるが、このとき加熱体には電力を供給していない状
態から、加熱体に予め設定された必要、且つ最大の電力
を2段階に分けて供給する。
【0175】上記により、抵抗発熱体にかかる負荷は軽
減され、加熱体の温調温度に到達する時間を非常に長く
することなく、定着性も良好なものとなる。
【0176】尚、入力電圧の切り換えの時間は加熱体の
最適温度への到達時間や定着性等の条件によって設定さ
れる。図34では加熱体に入力する予め設定された必
要、且つ最大の電力を1000W、加熱体の定着に最適
な温度を200℃としたが、この数値は参考であり、定
着装置の構成によって最適な値を選択することができ
る。又、記録材1枚目の定着開始後から定着終了時まで
のシーケンスは従来例と同様である。
【0177】次に、第7発明の第2実施例を図35に基
づいて説明する。
【0178】図35は第2実施例に係るシーケンスの特
徴を最も良く表わしているグラフであって、供給する電
力と時間との関係及びの温度変化を示している。
【0179】スイッチONと同時に加熱体1に電力が供
給されるが、このとき加熱体には電力を提供していない
状態から、加熱体に予め設定された必要、且つ最大の電
力を数段階に分けて供給する。図35は3段階に分けて
電力を供給するようにした例を示す。このときの各段階
の電力量及びその電力を供給する時間は定着性の条件等
から決定される。
【0180】而して、本実施例によれば、抵抗発熱体1
bにかかる負荷は軽減され、加熱体1の最適温度に到達
する時間を非常に長くすることなく、定着性も良好なも
のとなる。
【0181】尚、図35では加熱体に入力する予め設定
された必要、且つ最大の電力を1000W、加熱体の定
着に最適な温度を200℃としたが、この数値は参考値
であり、定着装置の構成によって最適な値を選択するこ
とができる。又、記録材1枚目の定着開始後から定着終
了時までのシーケンスは従来例と同様である。
【0182】又、図36図に第7発明の第3実施例を示
す。
【0183】図36は本実施例のシーケンスの特徴を最
もよく表しているグラフで、加熱体に供給する電力と時
間の関係及び加熱体の温度変化を示す。
【0184】スイッチONと同時に加熱体に電力が供給
されるが、このとき、加熱体には、電力を供給していな
い状態から、加熱体に予め設定された必要、且つ最大の
電力を連続に無段階に供給する。このときの時間と電力
量の関係は定着性等の条件により決定される。尚、図3
6は例として時間と電力量との関係が線形でない場合を
示した。
【0185】而して、本実施例においても、抵抗発熱体
に一度に大電力をかけることにより生ずる該抵抗発熱体
への負荷は軽減され、加熱体の最適温度に到達する時間
を非常に長くすることなく、定着性も良好なものとな
る。
【0186】尚、図36では加熱体に入力する予め設定
された必要、且つ最大の電力を1000W、加熱体の定
着に最適な温度を200℃としたが、この数値は参考値
であり、定着装置の構成によって最適な値を選択するこ
とができる。又、記録材1枚目の定着開始後から定着終
了時までのシーケンスは従来例と同様である。 <第8発明>次に、第8発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。
【0187】図37は本発明に係る定着装置のシーケン
スを示す図であり、同図に示すように、本実施例では走
行駆動されている定着フィルムが何らかの原因で制御範
囲を超えた場合、定着装置の全ての駆動及び加熱体への
通電を停止する。
【0188】即ち、先ず定着装置以外の動作を停止し、
次に定着装置外部へ記録材が排出されたのを不図示のセ
ンサーで検知した後、加熱体への通電をOFFし、同時
に駆動ローラを停止し、定着フィルムの回転を停止す
る。つまり、未定着トナー像を全て定着させてから、記
録材を定着装置外部へ排出することで、未定着トナーが
定着フィルムや加圧ローラ等に付着するのを防止してい
る。
【0189】次に、第8発明の第2実施例を図38に基
づいて説明する。尚、図38は定着装置60の側面図で
ある。
【0190】本実施例においては、定着フィルム7の走
行駆動制御に異常が発生した場合、記録材Pの先端が排
紙ローラ149に侵入することが不図示のセンサーで検
知されると、加熱体1への通電をOFFし、定着フィル
ム7の駆動を停止するとともに、加圧ローラ10を図示
矢印方向(下方)へ移動させて記録材Pの加圧を解除
し、排紙ローラ149のみを駆動することによって、未
定着トナー像Taを担持した記録材Pを定着装置60外
へ排出する。従って、記録材Pに担持された未定着トナ
ー像Taが定着ニップ部を通過する際、未定着トナーが
定着フィルム7や加圧ローラ10に付着してこれらを汚
染するという問題が解消される。
【0191】又、図39に第8発明の第3実施例を示
す。
【0192】図39は定着装置60の側面図であり、本
実施例においては、定着フィルム7の走行駆動制御に異
常が発生した場合、加熱体1への通電をOFFし、定着
フィルム7の駆動を停止した後、不図示のクラッチによ
って駆動ローラ8の回転を逆転(図示矢印方向)させる
ようにしている。従って、本実施例によれば、未定着ト
ナー像Taを担持した記録材Pを定着装置60から給紙
側に排出することができ、前記第1及び第2実施例と同
様の効果が得られる。
【0193】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、第1発明に
よれば、分岐電路の発熱制御手段の作用によって加熱体
の長手方向温度分布が均一化するため、発熱体の温度分
布の均一化、温度差によるフィルム寄り制御、加熱体の
非通紙部の過昇温の制御等を図ることができる。
【0194】第2発明によれば、複数枚の同一サイズ記
録材に連続して同一画像を定着する場合、1枚目の記録
材の大きさの検知に基づき、2枚目以降の記録材の定着
の際に記録材の大きさに対応して加熱体の配熱が制御さ
れるため、加熱体の非通紙部の過昇温が制御され、加熱
体や発熱体の熱損に伴う耐久寿命の低下、定着フィルム
や加圧部材の耐久性低下、定着フィルムの走行不安定化
等が防止される。
【0195】第3発明によれば、加熱体の記録材通過領
域(通紙部)と記録材非通過領域(非通紙部)との温度
差が小さく抑えられ、定着フィルムの走行性の不安定化
及び加熱体の非通紙部の昇温が防がれる。
【0196】第4発明によれば、加熱体への通電開始か
ら所定時間内は、加熱体の長手方向の単位長さ当りの通
電発熱量が該加熱体の長手方向の発熱幅全域に亘って略
均一とされるため、加熱体の長手方向温度分布に起因す
る定着フィルムの走行異常や記録材端部の加熱不良の発
生が防がれる。
【0197】第5発明によれば、分岐電路の昇温が抑え
られ、定着フィルムへの熱的なダメージが解消されてヒ
ータ基板の割れや発熱体及び分岐電路の断線が防がれ
る。
【0198】第6発明によれば、複数の発熱体が選択的
に通電制御されるため、立上がり時間の短縮化を図りつ
つ、良好な定着性を得ることができる。
【0199】第7発明によれば、加熱体に電力を供給し
ていない状態から短時間で加熱体を記録材の定着に最適
な温度に高めることができ、且つ記録材1枚目の定着を
良好なものとし、更には加熱体にかかる負荷を軽減して
該加熱体の長寿命化を実現することができる。
【0200】第8発明によれば、定着フィルムの走行駆
動制御に異常が発生したときには、定着装置内にある記
録材を定着装置外に排出した後、駆動及び通電の全てが
停止されるため、定着フィルムや加圧ローラ等の未定着
トナーによる汚れの問題が発生せず、オフセットの発生
や定着フィルム等の耐久性低下が防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の第1実施例に係る加熱体の制御ブロ
ック図である。
【図2】本発明に係る定着装置の構成図である。
【図3】定着フィルムの断面図である。
【図4】画像形成装置の構成図である。
【図5】第1発明の第2実施例に係る加熱体の制御ブロ
ック図である。
【図6】第1発明の第3実施例に係る加熱体の制御ブロ
ック図である。
【図7】第1発明の第3実施例に係る加熱体の断面図で
ある。
【図8】第2発明の第1実施例に係る加熱体の制御ブロ
ック図である。
【図9】第2発明の第2実施例に係る加熱体の制御ブロ
ック図である。
【図10】加熱ローラと加圧ローラの構成図である。
【図11】B4版記録材に対応する移動型加熱体の位置
図である。
【図12】A4版記録材に対応する移動型加熱体の位置
図である。
【図13】B5版記録材に対応する移動型加熱体の位置
図である。
【図14】長さの異なる5本の加熱体を加熱ローラに組
み込んだ状態を示す断面図である。
【図15】第3発明の第1実施例に係る加熱体の表面図
である。
【図16】第3発明の第1実施例に係る通電シーケンス
とそのときの加熱体温度の変化を示す図である。
【図17】第3発明の第2実施例に係る加熱体の表面図
である。
【図18】第3発明の第2実施例における加熱体温度の
変化を示す図である。
【図19】第3発明の第3実施例における加熱体温度の
変化を示す図である。
【図20】第4発明の第1実施例に係る加熱体の構成図
と該加熱体の通電制御回路ブロック図との合成図であ
る。
【図21】操作パネルの構成図である。
【図22】第4発明の第1実施例に係る定着装置の動作
を示すタイミングチャートである。
【図23】比較例に係るタイミングチャートである。
【図24】第4発明の第3実施例に係る定着装置の動作
を示すタイミングチャートである。
【図25】第4発明の第4実施例に係る加熱体の制御ブ
ロック図である。
【図26】第4発明の第4実施例に係る定着装置の動作
を示すタイミングチャートである。
【図27】第5発明の第1実施例に係る加熱体の部分表
面図である。
【図28】第5発明の第2実施例に係る加熱体の部分表
面図である。
【図29】第5発明の第3実施例に係る加熱体の部分表
面図である。
【図30】第6発明の第1実施例に係る加熱体の表面図
である。
【図31】第6発明の第2実施例に係る加熱体の表面図
である。
【図32】第6発明の第2実施例における通電時の立上
り時間と加熱体温度との関係を示す図である。
【図33】第6発明の第3実施例に係る加熱体の表面図
である。
【図34】第7発明の第1実施例に係るシーケンス図で
あって、供給電力と加熱体温度変化の関係を示すグラフ
である。
【図35】第7発明の第2実施例に係るシーケンス図で
あって、供給電力と加熱体温度変化の関係を示すグラフ
である。
【図36】第7発明の第3実施例に係るシーケンス図で
あって、供給電力と加熱体温度変化の関係を示すグラフ
である。
【図37】第8発明に係る定着装置のシーケンスを示す
図である。
【図38】第8発明の第2実施例に係る定着装置の側面
図である。
【図39】第8発明の第3実施例に係る定着装置の側面
図である。
【図40】従来の定着装置の構成図である。
【図41】従来の定着装置における加熱体の断面図であ
る。
【図42】加熱体(加熱ローラ)の通紙部と非通紙部の
温度を示す図である。
【図43】従来の加熱体への電力供給方法を示すシーケ
ンス図である。
【符号の説明】
1 加熱体 1a ヒータ基板 1b 抵抗発熱体 1c ガラスコート層 1d〜1g 通電用電極 5a〜5d 温度センサー 6 可変抵抗体 7 定着フィルム 8 駆動ローラ 9 テンションローラ 10 加圧ローラ 13 加熱体駆動回路 14 発熱制御装置 15 操作パネル 16 メモリ 17 電源 18 抵抗可変装置 19 紙幅センサー 20 伝導部材 21 伝導部材駆動回路 50 MPU(マイクロコンピュータ) 60 定着装置 P 記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草加 健作 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する定着装置において、前記加熱体は、記録
    材の移動通過方向と直交する方向の両端部に通電用電極
    を有する抵抗発熱体と、該抵抗発熱体から分岐してこれ
    と平行に配される複数の分岐電路と、該分岐電路の発熱
    制御手段を含んで構成されることを特徴とする定着装
    置。
  2. 【請求項2】 前記加熱体は、前記定着フィルムの長手
    方向の位置に応じて前記加熱体の長手方向温度分布を制
    御する制御手段を有することを特徴とする請求項1記載
    の定着装置。
  3. 【請求項3】 加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する定着装置において、複数枚の同一サイズ
    記録材に連続して同一画像を定着する場合、1枚目の記
    録材の大きさを検知し、2枚目以降の記録材の定着の際
    に記録材の大きさに対応して前記加熱体の配熱を制御す
    る制御手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する装置であって、前記加熱体は、記録材の
    移動通過方向と直交する方向の両端部に通電用電極を有
    する抵抗発熱体と、該抵抗発熱体の長手方向に沿う途中
    部の少なくとも1箇所から分岐して選択的に通電制御さ
    れる分岐電路を含んで構成される定着装置において、記
    録材が定着ニップ部外を移動通過しているときには、所
    定の時間、前記加熱体の抵抗発熱体のみに通電すること
    を特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する装置であって、記録材の移動通過方向と
    直交する方向について、複数の寸法の記録材を加熱処理
    可能であり、加熱体の長手方向に関する単位長さ当たり
    の通電発熱量を加熱体の長手方向位置に関して変化させ
    る切換手段を有し、記録材が定着ニップ部を通過する加
    熱体の長手方向位置に応じて、加熱体の長手方向の単位
    長さ当りの通電発熱量を変化させる切換手段を有する定
    着装置において、前記加熱体への通電開始から所定時間
    内は、加熱体の長手方向の単位長さ当たりの通電発熱量
    を該加熱体の長手方向発熱幅全域に亘って略均一にする
    ことを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱体に通電を開始してから1枚目
    の記録材が定着ニップ部を通過するまでの間は、加熱体
    の長手方向の単位長さ当たりの通電発熱量を該加熱体の
    長手方向発熱幅全域に亘って略均一にすることを特徴と
    する請求項5記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱体に通電を開始してから1枚目
    の記録材が定着ニップ部に突入するまでの間は、加熱体
    の長手方向の単位長さ当たりの通電発熱量を該加熱体の
    長手方向発熱幅全域に亘って略均一にすることを特徴と
    する請求項5記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記加熱体は、記録材の移動通過方向と
    直交する方向の両端部に通電用電極を有する抵抗発熱体
    と、該抵抗発熱体の長手方向に沿う途中部の少なくとも
    1箇所から分岐して選択的に通電制御される分岐電路を
    含んで構成されることを特徴とする請求項5,6又は7
    記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する装置であって、前記加熱体は、記録材の
    移動通過方向と直交する方向の両端部に通電用電極を有
    する抵抗発熱体と、該抵抗発熱体の長手方向に沿う途中
    部の少なくとも1箇所から分岐して選択的に通電制御さ
    れる分岐電路を含んで構成される定着装置において、前
    記分岐電路の単位長さ当たりの発熱量Q1とその分岐電
    路の分岐位置から非通紙側の抵抗発熱体の単位長さ当た
    りの発熱量Q2との間に、 Q1<Q2 の関係が成立することを特徴とする定着装置。
  10. 【請求項10】加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する定着装置において、前記加熱体は、記録
    材の移動通過方向と直交する方向に互いに平行に配され
    る複数の抵抗発熱体と、該抵抗発熱体を選択的に通電制
    御する制御手段を含んで構成されることを特徴とする定
    着装置。
  11. 【請求項11】加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する定着装置において、前記加熱体に電力を
    供給していない状態から、短時間に徐々なる電力増加を
    行なう手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  12. 【請求項12】前記加熱体に電力を供給していない状態
    から、短時間に数段階の電力増加を経ることを特徴とす
    る請求項11記載の定着装置。
  13. 【請求項13】前記加熱体に電力を供給していない状態
    から、連続的な無段階の電力増加を経ることを特徴とす
    る請求項11記載の定着装置。
  14. 【請求項14】加熱体に定着フィルムを接触させてこれ
    を移動せしめ、該定着フィルムの反加熱体側の面に記録
    材を密着させてこれを定着フィルムと共に加熱***置を
    移動通過させ、加熱体から定着フィルムを介して記録材
    に熱エネルギを与えることによって該記録材上の未定着
    画像を定着する定着装置において、前記定着フィルムの
    走行駆動制御に異常が発生したとき、当該定着装置内に
    ある記録材を外部に排出した後、駆動及び通電の全てを
    停止することを特徴とする定着装置。
JP16049892A 1992-06-19 1992-06-19 定着装置 Pending JPH063983A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16049892A JPH063983A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16049892A JPH063983A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH063983A true JPH063983A (ja) 1994-01-14

Family

ID=15716240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16049892A Pending JPH063983A (ja) 1992-06-19 1992-06-19 定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH063983A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9244401B2 (en) 2008-10-28 2016-01-26 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
CN109561527A (zh) * 2017-09-25 2019-04-02 东芝照明技术株式会社 加热器及图像形成装置
US10488794B2 (en) 2017-11-27 2019-11-26 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus that switches power supply to plurality of heating elements
JP2020115189A (ja) * 2019-01-18 2020-07-30 キヤノン株式会社 ヒータ、定着装置及び画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9244401B2 (en) 2008-10-28 2016-01-26 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
CN109561527A (zh) * 2017-09-25 2019-04-02 东芝照明技术株式会社 加热器及图像形成装置
JP2019060967A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 東芝ライテック株式会社 ヒータ及び画像形成装置
US10488794B2 (en) 2017-11-27 2019-11-26 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus that switches power supply to plurality of heating elements
JP2020115189A (ja) * 2019-01-18 2020-07-30 キヤノン株式会社 ヒータ、定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5171969A (en) Movable film fixing device with heater control responsive to selected sheet size
EP0483869B1 (en) Heating apparatus having heater with branch
US8391761B2 (en) Fixing device and image forming apparatus including fixing device
US6336009B1 (en) Image heating apparatus and heater for heating image
US8498547B2 (en) Fixing device, image forming apparatus, and method of connecting wires in fixing device
JP2004085698A (ja) 画像形成装置
JPH05135848A (ja) 加熱装置
JP2629980B2 (ja) 定着装置
JP4844267B2 (ja) 定着装置、及びこれを用いた画像形成装置
JP3478697B2 (ja) 加熱定着装置
JPH063983A (ja) 定着装置
JPH0580665A (ja) 像加熱装置
JP3848001B2 (ja) 加熱定着装置および画像形成装置
JP2006047630A (ja) 加熱体、定着装置及び画像形成装置
JPH11316507A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP2009139822A (ja) ヒータ、像加熱装置及び画像形成装置
JP2000131977A (ja) 定着装置
JPH0580604A (ja) 像加熱装置
JPH03194879A (ja) 定着装置
JPH04331967A (ja) ヒーター及び定着装置
JP2003084592A (ja) 加熱定着装置
JPH0553461A (ja) 画像形成装置
JP2851938B2 (ja) 定着装置
JP2751529B2 (ja) 加熱装置
JP2002207386A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置