JPH0639715B2 - 支持体への連続金属皮膜の形成方法 - Google Patents

支持体への連続金属皮膜の形成方法

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JPH0639715B2
JPH0639715B2 JP62093450A JP9345087A JPH0639715B2 JP H0639715 B2 JPH0639715 B2 JP H0639715B2 JP 62093450 A JP62093450 A JP 62093450A JP 9345087 A JP9345087 A JP 9345087A JP H0639715 B2 JPH0639715 B2 JP H0639715B2
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ケネス・ジェイ・クラバンド
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カンザス・ステイト・ユニバ−シテイ・リサ−チ・フアウンデ−シヨン
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/24Vacuum evaporation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01B1/02Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
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    • B22F9/02Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/102Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern by bonding of conductive powder, i.e. metallic powder

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は金ゾル類のようなコロイド状金属分散体から形
成した皮膜の形成方法に関し、更に詳細には連続導電性
層である沈着させた金属皮膜の形成方法に関する。
発明の背景 水溶液中のコロイド状金(金ゾル)は良く知られてい
る。これらのゾル類については適度によく理解されてい
て、該ゾル類はセラミックス、医学及び他の分野に用途
が見出されている。金ゾルはHAuCl4のようなハロゲン化
物塩類を還元することにより通常調製される。金の粒子
及び還元操作の副産物が水溶液中に残存する。コロイド
状粒子は還元操作後に溶液中に残存する吸着されたアニ
オン類、通常塩素イオンに依存して帯電した二重層のた
めに安定化される。ジルジェンソンス・ビー(Jirgenson
s,B);ストラウマニス・エム・イー(Straumanis,M.E)の
「コロイド・ケミストリー」、米国、ニューヨークのマ
ックミラン(MacMillan)刊(1962年)の第119
頁、第130頁、第258頁、第306頁を参照された
い。
ファラデー(Faraday)は金ゾルの最初の科学的研究を発
表した。Phil.Trans.(1857年)第147巻、第1
45頁。彼は通常AuCl3の水溶液をリンで還元した。し
かし、彼はまた金のワイヤをスパークさせる実験を行な
った。彼は金が元素状金として溶液中に存在し、色調は
粒子寸法に依存すると結論付けた。彼はまた電解質であ
るNaClを添加することにより凝集することを発見した。
また、他の研究者は水中での金属類のスパークを使用し
てPb、Sn、Au、Pt、Bi、Sb、As、Tl、Ag及びHgのゾルを
製造した。ミンデル(Mindel)らのJ.Am.Chem.Soc.(19
43年)65巻、第2112頁及び引用文献を参照され
たい。
非水性媒体中でのコロイド状金属類の調製には余り注意
が払われなかった。クリハラらのJ.Am.Chem.Soc.(19
83年)105巻第2574〜2579頁には油中水形
エマルジョン中の金コロイドが報告されている。水−ポ
リマー−溶媒システムもまた報告されている:レッドウ
ィズ(Ledwith)のChem.Ind.(ロンドン)(1956年)
の第1310頁。ブルメンコーン・ダブリュ(Blumencro
n W)のMed.Monatsschr(1957年)11巻、第89
頁。
金属コロイド類を調製し且つ安定化するための他の試み
は高分子吸着−安定化方法によるものである。ガム質の
ゼラチン状液体類、アルブミン、アイスランド苔、ラテ
ックス、ポリビニルピロリドン、抗体類、カーボワック
ス20M、ポリビニルピリジン及び種々のポリマー−水
/油−水混合物を含む種々の物質が使用されている。こ
れらの研究は金属コロイド類の「立体安定性(steric st
abilization)」(電子的安定性と共に)もまた重要であ
ることを明確に示す。ヒルトゼル(Hirtzel)らの「コロ
イダル・フェノメナ:アドバンスド・トピックス(Collo
idal Phenomena:Advanced Topics)」ノエス出版(NoyesPu
bs.)(米国、ニュージャジー州)(1985年)第88
〜97頁を参照されたい。
高減圧下で原子状金属蒸気を発生させ、有機溶媒中に蒸
気状金属を捕捉するための方法及び装置が知られてい
る。この目的に使用することができる原型装置はクラバ
ンデ(Klabunde)らのInorg.Synth.19巻(1979年)
の第59〜86頁に記載されている。クラバンデの装置
は金属蒸気を用いる有機化学反応に使用することができ
る:クラバンデのアカウンツ・オブ・ケミカル・リサー
チ(Accounts of Chemical Reserch)8巻(12)(19
79年)の第393〜399頁。また、溶媒和金属のス
ラリーを形成し且つ触媒を調製するために該装置が使用
された。クラバンデ及びマードック(Murdock)タナカの
J.Org.Chem.44巻(1979年)の第3901〜39
08頁;マツオ及びクラバンデのJ.Org.Chem.47巻
(1982年)の第843〜848頁;及びクラバンデ
及びタナカのJ.Mol.Catal.21巻(1983年)の第5
7〜79頁を参照されたい。金属スラリーは溶媒及び分
散した金属の凍結母材を加温し、加温中に金属原子をク
ラスター化し且つ沈澱した固体類を形成することにより
形成した。触媒を調製するためには、溶媒和金属を触媒
支持体の存在下で沈澱させ、それによって該支持体に金
属を沈着させた。クラバンデの装置及びそれを使用する
方法が安定なコロイド状分散体類を製造できることはこ
れまで知られていなかった。これとは反対に、上述のク
ラバンデ及びタナカ(1983年)の報文の第59頁に
記載されているように、「有機媒体中での金属原子のク
ラスター化は常に疑似有機金属性である金属粉末を導
く」ものと思料されていた。
キムラ及びバンドーは数種の方法により有機溶媒中で金
属コロイド類を調製することを試みたことを報告してい
る:Bull.Chem.Soc.Jpn.56巻(1983年)第357
8〜3584頁。ガス流−溶液トラップ法として記載さ
れている1つの操作はサスペンド用溶媒としてエタノー
ルを使用すれば、数種の金属から安定なコロイド状分散
体が得られることを報告している。キムラ及びバンドウ
は個々のコロイド状金属粒子を研究する目的で金属分散
体を製造することを探求した。粒子の顕微鏡写真を得る
ために、金属分散体の標本を「炭素フィルムにより補強
されたコロイド状フィルムにより被覆されたCuグリッ
ド」上に滴下した(第3579頁、第2欄、第2〜3
行)。彼等の論文に報告されている顕微鏡写真により説
明されているように、彼等は個々の粒子を観察し且つ測
定しようとした。コロイド状分散体類の実際の用途は記
載されていなかった。
我々が知る限りでは、連続金属皮膜がコロイド状金属粒
子の有機溶媒分散体から形成することができることは教
示または提唱さえされていない;非水性金属ゾルを調製
するためのより直接的で且つ好都合な方法が望ましいも
のとして認識されている。特に有用な方法は(1)金属塩
還元工程の回避、すなわち他の試薬により汚染の防止;
(2)有機溶媒を分解する放電操作の回避;及び(3)高分子
安定化の必要性を回避できることにある。そのような方
法は純粋な非水性金属コロイド類を提供することがで
き、使用する高価な金属類を効率的に使用できるはずで
ある。上述のコロイド類は多くの方法に技術的に価値が
あるであろう。
本発明は極性有機溶媒中の金属原子類の溶媒和クラスタ
ー類の安定なコロイド状分散体を支持体表面に塗布し、
そこから溶媒を揮発させる場合には、該分散体は連続フ
ィルム形成特性をもつとの知見に1部基づくものであ
る。上述の安定な分散体は溶媒中に捕捉された蒸気状金
属から形成することができる。金属粒子は有機溶媒によ
り溶媒和されており、それによって該金属粒子は非反応
性であり、環境温度すなわち室温で安定なサスペンジョ
ンのままである。遷移金属類、重金属類及び貴金属類を
含む種々の金属類が上述の皮膜形成用分散体を調製する
ために使用できる。
例えば、単原子金属の蒸気を高減圧下で形成し、有機溶
媒が金属原子と実質上非反応性である温度で選択された
有機溶媒と接触させることができる。これにより金属原
子は溶媒中に捕捉され分散される。金属蒸気と溶媒蒸気
との共沈着操作を使用でき、溶媒蒸気は急速に凝縮され
凍結状態に変換される。別法として、金属原子を溶媒の
凝固点に近い温度のような低温に維持した液相溶媒中に
捕捉することができる。高溶媒/金属比を使用して非常
に希薄な金属分散体を形成する。金属原子を捕捉後、溶
媒(凍結状態または液体)を通常金属原子の金属クラス
ター(粒子)への凝集を制御すると同時に金属粒子の溶
媒和を促進する速度で、安定なコロイド状分散体が得ら
れるまで加温する。
上述のように、金属粒子の溶媒和したクラスターの分散
体は単に溶媒を揮発し且つ分散体を濃縮することによっ
て該クラスターを連続フィルムまたは連続層として沈着
させる点に特徴がある。金属粒子のクラスターを沈着さ
せると、それらは成長して支持体上の連続導電性層とな
る。沈着した金属質フィルムのこれらの特性は皮膜を加
熱して残留する溶媒を除去することにより更に改善する
ことができる。強磁性金属を使用すると、磁性をもつ金
属質皮膜を形成することができる。溶媒和金属クラスタ
ーのフィルムまたは皮膜は電気的用途、電子的用途及び
磁石的用途に使用するためのプラスチック支持体上に形
成することができる。
本発明に使用する安定なコロイド状金属分散体は遷移金
属類、重金属類及び貴金属類を含む大多数の金属から調
製することができる。分散体を形成するために使用する
金属類は原子番号21〜32、39〜50または72〜
82の金属から選択することができる。これらの金属類
は上述の原子番号の順にスカンジウム、チタン、バナジ
ウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジ
ルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、イン
ジウム、錫、ハフニウム、タンタル、タングステン、レ
ニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タ
リウム及び鉛である。好適な金属は貴金属すなわち銀、
金及び白金を包含する。本発明の目的に特に有用である
と思料される他の金属は鉄、パラジウム、銅、亜鉛、カ
ドミウム、インジウム、ゲルマニウム、錫及び鉛であ
る。2種または3種以上の金属を同時に使用することが
できる。該金属類は合金混合物から一緒に気化すること
ができ、また、2個または3個以上の気化用るつぼそれ
ぞれ中で個々の金属を別個に使用することもできる。
本明細書に使用する術語「溶媒」は通常溶媒と呼ばれる
有機質液体に関するものであるが、「溶媒」は本発明の
目的のためには金属溶液ではなく金属分散体を調製する
ために使用される。本発明において、使用される「溶
媒」は選択された金属と強固な錯化合物を形成するもの
が好ましい。一般に、極性有機溶媒は非極性溶媒より金
属原子と強い錯化合物形成力をもつ。例えば、10〜5
5の範囲内の誘電率をもつ極性有機溶媒が特に好適であ
る。該溶媒はアセトン、メチルエチルケトン、エタノー
ル及びプロパノール等のようなケトン類及びアルコール
類を包含する。特定の金属及び溶媒の金属と錯化合物を
形成する能力に依存して、例えばジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トリ
エチルアミン、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等
を含む他の多くの溶媒を使用することができる。エーテ
ル類例えばジエチルエーテルのような弱極性溶媒は通常
効果的ではなく、トルエン及びペンタンのような非極性
炭化水素溶媒類は通常本発明の安定なコロイド状分散体
を形成する際に使用するためには錯化合物形成力が弱す
ぎる。安定な分散体が低誘電率の溶媒を用いて形成でき
ない場合には、高誘電率の溶媒を選択しなければならな
い。
金属蒸気類を形成し且つそれらを高減圧及び低温条件下
で有機溶媒と接触させるために既知の装置を使用するこ
とができる。特に、Inorg.Synth.19巻(1979年)
第59〜86頁にクラバンデらにより記載された装置を
使用することができる。この装置は上記文献の記載から
容易に組立てることができる。クラバンデの装置は減圧
ポンプと接続する減圧フラスコを備え、高減圧状態を維
持することができる。該フラスコの中央には抵抗加熱発
熱体をもつ金属気化用るつぼが備えられている。溶媒を
導入し且つ溶媒を側壁に向かわせるためにシャワーヘッ
ド型挿入口が備えられている。該フラスコの外側にはフ
ラスコに液体窒素冷却を適用するための取外し可能なジ
ャケットまたはジュワー壜が備えられている。操作中
に、溶媒は入口で気化され、フラスコの内壁上で蒸気状
金属原子と共に共凝縮される。この凝縮及び冷却は前記
壁上に蓄積する金属原子と溶媒の凍結母材を生ずる。気
化及び凝縮が完了した後、フラスコの冷却を中止し,フ
ラスコを室温へ徐々に加温する。
別法として、回転式金属原子反応器例えばトロバップ・
インダストリーズ(Torrovap Industries)(カナダ国、
オンタリオ州、マークハム)より販売されているトロバ
ップ(Torrovap)を使用することができる。この装置は回
転するように設置されている反応容器を備え、反応容器
内を高減圧状態にし且つ液体またはガスを導入するため
の接続管が備えられている。金属を気化するための電気
抵抗加熱器がフラスコ内の固定支持体上に設置されてい
る。フラスコの外側には液体窒素冷却、ドライアイス冷
却等を適用するための取外し可能な冷却手段が備えられ
ている。操作の1つの型において、液体有機溶媒を容器
に装填して低部帯域にプールを形成する。容器が回転す
ると、溶媒は内面周辺を流れ、溶媒は金属蒸気へ露出さ
れる。溶媒は回転式容器の低部帯域の液体プールに再収
集される。他の操作型において、有機溶媒は金属の気化
中にフラスコへ連続的に装入することができ、液体また
はガスとして供給され、容器の内面上で固体形態(凍結
状態)で共凝集される。
コロイド状金属分散体を調製する際に、特定の操作条件
を守らなければならない。金属蒸気は高減圧条件下で室
内に発生させなければならない。圧力は10-2トール以
下、好適にはこれよりかなり低い圧力とすべきである。
約10-5トール〜約10-6トールのような10-4トール
以下の圧力が好適である。上述のような高減圧条件下
で、離散した原子形態で気化された金属は該金属が有機
溶媒と接触し、有機溶媒により捕捉されるまで前記原子
形態を維持することができる。好ましくは強極性有機溶
媒である有機溶媒は実質上金属原子と非反応性である、
すなわち溶媒が金属原子と相互作用するが、溶媒分子中
の化学結合を破壊しない温度とすべきである。操作は金
属蒸気と溶媒蒸気の共凝縮並びに直後凍結を含む場合に
は、溶媒との化学反応は有効に防止される。しかし、溶
媒の凍結は必須ではない。溶媒を溶媒凝固点の5〜50
℃以内の温度、好ましくは溶媒凝固点の10〜25℃以
内の温度で液体形態に維持する場合には、金属原子/溶
媒相互作用もまた抑制される。捕捉した金属原子が使用
する温度で溶媒と反応することが観察される場合には、
溶媒の温度をその凝固点近くまで更に低下させるか、ま
たは必要であれば凝固点以下まで低下させる。2種また
は3種以上の異なる金属を気化する場合には、排気した
室は多数の気化用るつぼを備えることができる。
金属に対して過剰の溶媒が必須である。分散体は高溶媒
/金属比の使用を必要とするコロイド状金属粒子の非常
に希薄は濃度を含有すべきである。重量比を基準とし
て、金属1部あたり少なくとも30〜1000部の溶媒
を使用することができる。
好適には、溶媒/金属比は所定の金属モル数の分散体を
調製するために選択される。例えば、金属濃度は0.001
モル〜0.06モル程度の低い範囲であることができる。し
かし、時には0.1モルまでの金属濃度であることができ
る。現在、好適な金属濃度は0.02〜0.09モルの範囲であ
る。最適な溶媒/金比は個々の溶媒及び金属に依存する
であろう。調製した分散体が分散した金属の濃度が高す
ぎるために充分な安定性に欠ける場合には、安定性は分
散体を形成する際の金属モル数を低減し、それによって
溶媒/金属比を増加することによって改善することがで
きる。通常、分散体を約0.09モル〜約0.1モルに濃縮す
ると、分散させた粒子は不安定になり、環境温度(すな
わち25〜30℃)で沈澱を生ずる。溶媒和金属クラス
ターは沈澱の引き金となる濃度に到達すると、沈澱を形
成して金属が実質上不在である上澄液を生ずる傾向にあ
る。このメカニズムは皮膜を形成する際に有用である。
実質上離散した原子形態の金属原子を捕捉した後、凍結
状態または非常に冷たい状態にある溶媒を環境温度すな
わち室温(20〜25℃)に徐々に加温する。非常にゆ
っくり加温すれば、金属の溶媒和を促進し且つ化学反応
が最小限になることが観察された。最大許容加温速度は
個々の装置、金属、溶媒及び捕捉条件に依存する。クラ
バンデ型装置を用いる場合には、−196℃での液体窒
素凍結状態から25℃の温度までの加温を1.5〜2.5時間
で行なえば、安定な分散体を得ることができる。反対
に、30分またはそれ以内に液体窒素凍結状態から室温
まですれば、通常金属の沈澱が得られる。
クラバンデ装置を用いる適当な加温操作は以下の通りで
ある:減圧ポンプへの接続管を閉じてフラスコを高減圧
状態のままとする。液体窒素ジュワー壜をフラスコの外
側から除去して室内から熱を移動させることによって溶
融させる。熱が室内から移動する時に、フラスコ内壁上
の溶媒及び分散された金属原子の凍結母材は該壁から徐
々に離れ、撹拌器を備えるフラスコの底部帯域へ滑落す
る。撹拌器はゆっくり回転し、溶融が進行するにつれて
母材のスラッシュを液体へ変換する。この方法におい
て、安定な分散体は通常約2時間で得られる。窒素のよ
うなガスでフラスコを充満することは熱の移動によりフ
ラスコ内の加温を促進するために勧められない。
室温に到達した後、分散体を取出すことができ、環境条
件下(すなわち25℃)で少なくとも1〜2時間安定な
ままである。使用する金属及び溶媒に依存して、25℃
で少なくとも12〜24時間にわたり安定性を得ること
ができる。ある分散体は室温で実質上永続的に安定であ
る。溶媒和金属粒子は分散した状態を維持することがで
きる。コロイド状粒子の寸法は溶媒が金属と効率的に錯
化合物を形成するならば非常に臨界的なものとは思われ
ない。金属原子の若干の会合及びクラスター化が生ずる
こともある。通常、コロイド状粒子の寸法は1〜30nm
の範囲内である。観察される代表的な寸法は3〜10nm
の範囲内にあり、時として20nmまでである。粒子寸法
の測定は観察の個々の方法に依存するであろう。粒子寸
法は電子顕微鏡測定によりほぼ正確に測定されるものと
思われる。
金属粒子の溶媒和クラスターは粒子を帯電して電気泳動
により測定されるように負電荷をもつことが観察され
た。しかし、分散体の安定性は主に他の反応または金属
粒子同志の会合から反応性金属粒子を保護するクラスタ
ーの溶媒和特性によるものである。
本発明のための溶媒和金属分散体の重要な特性は溶媒を
揮発する際に金属フィルムを形成できることにある。金
属皮膜を受けるのに適した支持体表面に該分散体を噴霧
するか、滴下するか、または該表面に分散体の液体層を
形成するために適当な他の方法により前記分散体を前記
表面に塗布することができる。次に、溶媒を室温で揮発
させることができ、また、促進揮発を使用することもで
きる。溶媒を揮発させると、金属粒子が被覆される表面
へ沈着し、該表面上にフィルムを形成する。更に、本発
明のコロイド状分散体からこの方法で形成された金属フ
ィルムの一般的な特性はフィルムが導電性であることに
ある。導電性は200〜300nm程度の薄いフィルムで
も観察することができる。得られたフィルムは反射する
金属質の外観をもつ。
溶媒を除去するための室温での揮発は上述の特徴をもつ
金属フィルムを中間形成することになる。しかし、若干
の残存する溶媒は金属皮膜と結合して残存しているであ
ろう。これは溶媒和部位よりなるものと思料される。こ
の残存する溶媒は皮膜を例えば100℃またはそれ以
上、500℃までの温度に加熱することにより除去する
ことができる。揮発可能な溶媒の除去が完了すると、金
属皮膜の連続性及び導電性は通常かなり改善できる。し
かし、最終皮膜は金属凝集物または粒子内に捕捉されて
いるか、または化学的に結合している少量の有機溶媒及
び/または溶媒断片をなおも含有するであろう。炭素含
量により測定されるような上述の残留物質の量は1%以
下、例えば0.1〜0.5%の炭素含量であることができる
が、より多量に存在することもある。残留溶媒除去前
に、皮膜は通常1.5〜2.5%またはそれ以上の炭素を含量
するであろう。
皮膜形成用に選択される金属は磁性を付与するものでも
よい。この目的に使用できる強磁性金属は鉄、コバルト
及びニッケルを包含する。
本発明のコロイド状分散体、その調製方法及び金属皮膜
を形成するためのそれらの使用方法を以下の実施例(以
下、特記しない限り単に「例」と記載する)により更に
説明する。
例1−通常技法 共沈着金属原子(蒸気)反応器または回転式金属原子
(蒸気)反応器を使用することができる。クラバンデら
Inorg.Synth.19巻(1979年)第59頁;及びエ
ム・モスコビッツ(M.Moskovits)及びジー・オジン(G.Oz
in)編、ウイレー・インターサイエンス(Wiley Intersci
ence)刊のクライオケミストリー(Cryochemistry)(19
76年)の第61頁、チームス(Timms)の「テクニック
ス・オブ・プリペアレーティブ・クライオケミストリー
(Techniques of Preparative Cryochemistry)」を参照
されたい。金属は熱るつぼまたはほどから気化し、金属
蒸気は反応器の冷却されている内壁上に有機溶媒分子の
蒸気(過剰の)と同時に凝縮される。液体窒素冷却を使
用し、それによって捕捉された金属原子と溶媒の凍結母
材を反応器の底部に収集する。共沈着が完了した後、金
属の気化を停止し、有機溶媒の挿入口を閉鎖する。
凍結母材を約2時間の期間にわたり徐々に加温する。徐
々に加温する操作は安定な分散体を得るために臨界的な
ものである。例えば、加温は以下のようにして行なうこ
とができる:(a)容器を減圧系統から隔離する。(b)液体
窒素ジュワー壜を取り外し、空のジュワー壜を容器周囲
に設置する。(c)容器にまだ残存する減圧下で容器を実
験室環境中で放温する。(d)母材を溶解する際に、磁気
撹拌棒によるゆっくりとした撹拌を開始する。(e)室温
に到達したら、容器を純粋な窒素で充満し、コロイド状
溶液を減圧を使用することによりサイホンで吸い取る。
ゆっくりとした加温操作を使用することにより、過剰の
有機溶媒中にサスペンドした小粒子のコロイド状溶液が
得られる。コロイド状粒子は金属原子の溶媒和クラスタ
ーである。例えば、アセトン中の金は室温でいつまでも
安定なサスペンジョン/分散体を生ずる。代表的な例に
おいて、0.3gの金及び50mlのアセトンが共凝縮され
ている。気化した金の約70%が溶媒和帯域に到達して
おり、安定なコロイド状溶液として残存する。種々の極
性有機溶媒が表Aに記載するように金と好都合に使用さ
れている。
透過電子顕微鏡(TEM)研究による粒子寸法は10〜
300Å(1〜30nm)の範囲内であった。しかし、光
量子相関分光分析法(PCS、レーザー光分散法)によ
る測定ではより大きな粒子寸法(190〜750nm)が
得られた。また、プラズマ吸収分光分析法(PAS)で
もより大きな粒子寸法(65〜75nm)が得られた。溶
液中で弱い粒子の凝集が生じていると推定される場合に
は、これらの異なる値は一致させることができる。すな
わち、PCSは大形の弱く結合した粒子の存在に非常に
鋭敏である;PASは光量子励起に影響を及ぼす原子団
の集合的な効果のために余り鋭敏ではない。しかし、T
EMは互いに弱く相互作用することがある主として球状
粒子の正確なより小さい寸法を示す。
更に、他の金属類も同様に挙動する。安定なコロイド状
溶液はPd−アセトン、Pd−エタノール、Zn−アセトン、
Cd−アセトン、Cu−アセトン、In−アセトン、Sn−アセ
トン及びPb−アセトンから得られる。
例2−コロイド状溶液のフィルム形成特性 コロイド状溶液は金属粒子及び溶媒(及び溶媒の有機質
断片)のみからなる。ハロゲンイオンまたは他の物質の
ような汚染物質は存在しない。これらのコロイド状粒子
は粒子の成長が適正な条件下で継続できるという意味で
「生きているコロイド(Iiving colloids)」である。従っ
て、これらのコロイド状溶液は揮発により溶媒を除去す
る際に金属状のフィルムを生ずる。金属質の外観の導電
性フィルムは塩化ナトリウム結晶、ガラス、銅または炭
素を被覆した銅のような支持体上に金属有機質コロイド
溶液を滴下し、溶媒を揮発することによって得ることが
できる。フィルムはAu−アセトン、Au−エタノール、Au
−ジメチルホルムアミド、Au−ジメチルスルホキシド、
Au−テトラヒドロフラン、Au−トリエチルアミン、Pd−
エタノール、Pd−アセトン、Ag−アセトン、Zn−アセト
ン、Cd−アセトン、In−アセトン、Sn−アセトン及びPb
−アセトンから好都合に調製される。
Au−アセトン、Au−エタノール、Pd−アセトン及びAg−
アセトンから形成されたフィルムの導電率を測定する
と、通常半導体範囲内、すなわち珪素金属と同様の導電
率である。この方法で形成されたフィルムは導電性であ
るが、純粋な金属よりはかなり劣る。フイルムのこのよ
り高い抵抗率は加熱により部分的に除去することができ
る多量割合の有機溶媒の混合によるものであり、有機溶
媒を除去すれば、抵抗率は低下する。
シリコーンラバー接着剤樹脂により縁取りしたガラス板
上に安定なアセトン溶媒和コロイド状金(Au)を滴下する
ことによりフィルムを調製した。アセトンを揮発させ、
フィルムを長方形へ裁断し、抵抗率を測定すると以下の
結果が得られた:フィルムの厚さ=4.5μm、抵抗値=
46Ω−cm2、抵抗率ρ(Ω・cm)=1.8×10-2。これ
は金自体のρ=2.4×10-6(Ω・cm)と比較すること
ができる[CRC ハンドブック・オブ・ケミストリー
・エンド・フィジックス(CRC Handbook of Chemistry a
nd Physics)第65版、CRCプレス(CRC Press)(Boca
Raton FL)1984〜85、F38頁及びE51頁]。
従って、Au−アセトンからの金フィルムは有機物質の混
入のために7000倍も導電率が低い。溶媒の除去はコ
ロイド状粒子をフィルムに成長させる。しかし、強固に
吸着したアセトン及び恐らく少量のアセトン断片または
テロマーもまたフィルムに残存し、フィルムの導電性に
影響を及ぼす。
例3−加熱の際のフィルムの挙動 TEM研究のために、Au−アセトン及びPd−アセトンの
コロイド状溶液を使用して炭素で被覆した銅格子上にフ
ィルムを調製した(例2に記載する滴下−揮発法により
調製した)。TEMによる試験は金属粒子の絡み合った
鎖を示した。
150℃へ加熱すると、これらの鎖は有機物質(主とし
てアセトンであるが、若干の水、ブテン化合物及び二酸
化炭素も含まれる)の揮発によりかなり架橋した。50
0℃へ加熱すると、より多量の有機物質が揮発し、それ
によって、TEMによりフィルムはより滑らか且つより
連続的であることが観察された。
加熱の際に失われる有機物質の量はPd−アセトン系につ
いての以下に記載する炭素及び水素の分析値により証明
される。
例4−温度及び光に対する感度 アセトン溶媒和金コロイドの試料を沸騰状態及び凍結状
態にした。室温に戻す際に、コロイドは安定性なままで
あり、凝集は生じなかった。これらの結果は立体的安定
化(溶媒和)が非常に重要なメカニズムであることを示
す。帯電により安定化したコロイドを上述のような極端
な温度条件下にすると、通常凝集する。ビッケリー・ジ
ェー・アール(Vickery.J.R.):Dept.Sci.Ind.Res.Repor
t Food Investigation Board1929(1930)、2
4;また、Chem.Abs.25巻(1931年)の第582
0頁を参照されたい。最初、紫黒色のアセトン溶媒和し
た銀(Ag)コロイド溶液は灰色に変色し、Agは3〜4日に
わたり室内光に露出されると、スポンジ状の灰色塊とし
て沈澱した。しかし、暗所においては、コロイド溶液は
いつまでも安定なままであった。
例5−熱支持体上のフィルム 滴下−揮発法(例2)を使用して、加熱した炭素被覆銅
格子上にAu−アセトン及びPd−アセトンを滴下すること
によりフィルムを調製した。25℃及び160℃の温度
を使用した。160℃の支持体は急速溶媒揮発のために
急速に被覆された。連続的で導電性をもつフィルムが得
られた。
例6−噴霧被覆 高圧不活性噴射剤を使用してAu−アセトンまたはPd−ア
セトン溶液を噴霧することにより、平坦なガラス支持体
上に非常に平滑に分散されたフィルムを得た(吹付塗装
と同様の操作による)。
例7−合金コロイド状溶液 溶媒としてアセトンを使用し、同じるつぼからAuとPdを
気化させることにより、Au−Pd合金のコロイド状サスペ
ンジョンを得た。電気泳動特性(電気セル中のアノード
へのコロイド状粒子の移動速度)がPd−アセトンまたは
Au−アセトンの特性とは異なるために隣接するAu−Pd粒
子が形成されたことが明らかとなった。これらの結果を
以下に要約する。
mm/時間(12.6ボルト) Au−アセトン 5.0 Pd−アセトン 3.3 Au−Pd−アセトン 10.0 上述の結果はこれらのコロイド状粒子の他の重要な特性
を示すものであった。上述のコロイド状粒子は恐らく準
備操作中に反応器容器の壁から徐々に得られる若干の負
の電荷を所持している。また、異なる電気泳動値は粒子
を特徴付けるものである(個々の装置について特異的で
あることか明らかである)。
例8 トロバップ・インダストリーズ(カナダ国、オンタリオ
州、マークハム)から購入した「トロバップ」回転式金
属原子反応器(TVP−800型)を使用して有機金属
コロイドの調製を行なった。2種の気化技法の1つを使
用してコロイド状サスペンジョンを調製した。共凝縮技
法と呼ばれる第1の技法は原理的に上述のようなクラバ
ンデの装置を使用する方法と同様である。この場合にお
いては、金属及び有機溶媒を同時に気化し、排気した回
転式ガラス反応器容器の内壁上に共沈着させる。金属の
気化はるつぼ中を電気抵抗加熱するか、または他の手段
すなわち電子衝撃加熱、レーザー加熱、誘導加熱等によ
り行なうことができる。有機溶媒は外径3mm(1/8イ
ンチ)のステンレス鋼製管を介して導入され、溶媒を気
化するために作用する加熱したシャワーヘッド組体へ導
かれる。金属蒸気流及び溶媒蒸気流を互いに直角に導
き、ガス層の衝突/反応を最小限にする。凍結した固体
母材としての2種の成分の共凝縮は外側の浴からの液体
窒素冷却により行うことができる。一旦、共凝縮が完了
したら、冷却浴を下げて、凍結母材を減圧下で室温へ徐
々に加温することによって融解する。得られたコロイド
状溶液を反応器から取り出し、大形粒子の除去を促進す
るセライトフィルターを通して過する。表Bに要約し
た金属−溶媒の組合せはトロバップ装置による共凝縮を
使用して得られた安定なコロイド状分散体である。
第2技法は高減圧下での有機液体への金属蒸気析出を包
含する。この場合においては、反応開始時点で有機質液
体を反応器の底部にプールする。この液体のフィルムを
フラスコの回転作用によりガラス反応容器の内面の上部
へ引き上げる。液体の蒸気圧は冷却浴を使用して所定の
温度(凝固点以上)に冷却することによって10-3トー
ル以下に維持される。金属を上向きに減圧気化し(上述
のように)、別個の原子を液体有機質フィルム中に凝縮
し、次に凝集してコロイド状粒子を形成する。金属の析
出中に液体フィルムは回転作用により連続的に新たに補
充され、それによって液体中にコロイド状金属が徐々に
造られる。反応の終了時点で、得られたサスペンジョン
を減圧条件下に保持し、室温へゆっりと加温し、次に
過して大形粒子を除去する。安定なコロイド状サスペン
ジョンが得られる。
第2技法の別法では、金属を減圧下で気化し、気化した
金属を不活性ガス(すなわちヘリウムまたはアルゴン)
により***媒のプールへ運ぶ。
この操作を長く続けると、溶媒のプールへ金属の通過中
大量の金属析出による損失が起こるにも拘わらず、上述
のように皮膜を造ることができる分散体を得ることがで
きる。
本例に記載したように調製した金属粒子の有機溶媒分散
体すなわちクラバンデ法により調製された有機溶媒分散
体は金属粒子のコロイド状クラスターを溶媒和する。上
述の有機溶媒分散体は通常室温で安定であるが、溶媒の
揮発により濃縮されると、該分散体は不安定になる。揮
発による濃縮が進行すると、溶媒和したクラスターは沈
澱し、支持体正面に沈着させることができ、該クラスタ
ーは互いに成長して連続した導電性相を形成することが
できる。残留溶媒の1部分は加熱により除去することが
できるが、溶媒及び/または溶媒断片の痕跡量は金属相
に付随して残存することがある。しかし、金属相はハロ
ゲンイオン及び非有機質溶媒汚染物類のような汚染物質
が不在である。それ故、皮膜は所望でない汚染物が実質
上不在である導電性相よりなり、実質上金属と少量の極
性溶媒またはそれらの有機質断片のみからなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上への連続金属皮膜の形成方法にお
    いて、 (a)原子番号21〜32、39〜50及び72〜82
    をもつ金属から選ばれた金属の蒸気状金属を極性有機溶
    媒中に捕捉し前記溶媒で錯化して凍結母材とし、捕捉し
    た金属原子を沈殿させることなしに前記溶媒を室温へ徐
    々に加温することにより極性有機溶媒中の金属原子の溶
    媒和クラスターの安定なコロイド状分散体を調製し、 (b)被被覆支持体を前記安定なコロイド状分散体と接
    触させ、溶媒を分散体から揮発させて前記分散体を不安
    定となし溶媒の揮発が進むにつれて溶媒和金属クラスタ
    ーの沈殿形成を徐々に進行させて前記支持体上に溶媒和
    金属クラスターの沈殿を沈着させ、 (c)前記接触と溶媒の揮発とを、前記溶媒和金属クラ
    スター沈着層が導電率により連続層であることを示し、
    支持体上に溶媒和クラスターの連続層が形成されるまで
    継続する 工程を包含する支持体上への連続した金属皮膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】金属が鉄、パラジウム、銅、亜鉛、鉛、
    銀、カドミウム、インジウム、ゲルマニウム、錫、白
    金、金及びそれらの混合物からなる金属の群から選ばれ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】金属が金である特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  4. 【請求項4】有機溶媒が10〜55の誘電率をもつ特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】溶媒がケトン及びアルコールからなる群か
    ら選択される特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】溶媒がアセトン及びエタノールからなる群
    から選択される特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】分散体は実質上汚染物を含まず、金属と有
    機溶媒とだけからなり、沈着した層も同様に汚染物を含
    まない特許請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】分散体は少なくとも0.02モルの金属濃度を
    もつ特許請求の範囲第1項記載の方法。
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