JPH0639558B2 - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物

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JPH0639558B2
JPH0639558B2 JP10086286A JP10086286A JPH0639558B2 JP H0639558 B2 JPH0639558 B2 JP H0639558B2 JP 10086286 A JP10086286 A JP 10086286A JP 10086286 A JP10086286 A JP 10086286A JP H0639558 B2 JPH0639558 B2 JP H0639558B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はプライマーを使用しなくてもポリウレタンとの
密着性がすぐれたプロピレン系重合体組成物に関する。
さらにくわしくは(A)(1)プロピレン系重合体に(2)分子
中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、かつヒドロキ
シル基を含有する有機化合物および(3)有機過酸化物を
処理させることによって得られる変性プロピレン系重合
体、(B)プロピレン系重合体、(C)ムーニー粘度が20〜10
0である無定形エチレン−プロピレン共重合体ならびに
(D)高密度エチレン系重合体からなるプロピレン系重合
体組成物に関するものであり、剛性、低温耐衝撃性など
の機械的特性がすぐれているばかりでなく、プライマー
を使用しなくてもポリウレタンとの密着性が良好であ
り、しかも耐候性がすぐれており、さらに外観性が良好
なプロピレン系重合体組成物を提供することを目的とす
るものである。
従来の技術 プロピレン系重合体(プロピレン単独重合体、プロピレ
ン共重合体)は周知のごとく、成形性がすぐれているの
みならず、機械的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐油性およ
び耐薬品性のごとき特性が良好であるため、広く工業的
に製造され、自動車、電機器具、電子機具などの工業部
品および日用品として多方面にわたって広く利用されて
いる。しかし、分子内に極性基を有さない(いわゆる非
極性)ためにポリウレタンとの密着性がよくなく、その
ために種々の点について問題がある。そのことについ
て、一例として広く利用されている自動車用バンパーに
ついて説明する。
バンパーとして従来から金属製あるいはポリウレタン製
のものが広く使われている。近年、自動車の軽量化、コ
ストダウン志向の下でプロピレンを主成分とするプロピ
レン系重合体(プロピレン単独重合体、エチレン−プロ
ピレンランダムまたはブロック共重合体)またはプロピ
レン系重合体を主成分とする組成物からつくられたバン
パーが広く利用されている。このバンパーは車両に装着
するさいに成形物の表面にあらかじめシボを施し、塗装
することなく原着のまま使用されている場合も少なくな
い。しかし、さらに鮮かさ、高級感をもたせるためにバ
ンパーにポリウレタン系塗料の塗装を施して車両に装着
されている場合が少なくなく、その割合は自動車の高級
化志向の下でさらに高まりつつある。
しかしながら、前記のごとくプロピレン系重合体は分子
内に極性基を有さないために化学的に極めて不活性な高
分子物質であるため、ポリウレタンを塗装するにあた
り、一般にはあらかじめ成形物を電気的処理法(たとえ
ば、コロナ放電処理法、プラズマ処理法)、機械的粗面
化法、火炎処理法および酸素またはオゾン処理法のごと
き表面処理法によって処理する方法がよく知られてい
る。さらに、これらの表面処理に先だって、表面をあら
かじめアルコール、芳香族炭化水素などの溶剤で洗浄す
ることが推薦されている。さらに、トリクレン、パーク
ロルエチレン、ペンタクロルエチレンおよびトルエンの
ごとき有機溶剤中に沸点に近い温度で成形品を浸漬また
は溶剤蒸気中に暴露する方法も知られている〔たとえ
ば、高木謙行、佐々木平三編集、“プラスチック材料講
座、ポリプロピレン樹脂”第216頁ないし第219頁、昭
和44年、日刊工業新聞社発行〕。しかし、これらの方法
はいずれも、処理するための装置が必要であるばかりで
なく、それらの処理に可成りの時間を要する。
さらに、成形物(バンパー)にプロピレン系重合体と接
着可能なプライマーを下塗りし、上塗りとしてポリウレ
タン塗料を塗布しているのが現実である。すなわち、プ
ライマー下塗り→焼付け→ポリウレタン塗装→焼付け
(2コート2ベークまたは3コート2ベーク)の工程を
経なければならず、この塗装工程に長時間(通常、約1
時間30分)必要としている。そのためにこのポリウレタ
ンが塗布されたバンパーを製造するには塗装サイクルが
長く、大量生産を困難にしているばかりでなく、コスト
高となっている。
そのほかの自動車部品、三輪車部品、電機器具部品、電
子器具部品などを製造するさい、プロピレン系重合体を
使用し、ポリウレタンを塗布するさいにも、塗布方法は
異なるが、以上と同様な問題がある。
一般にバンパーなどに使われるポリプロピレンまたはそ
の組成物は耐候性を強化するために紫外線吸収剤、紫外
線安定剤、酸化防止剤などを任意の処方で組合せて添加
したものが用いられている。しかし、実車で数年を経る
と、成形品の表面が変色したり、チョーキングまたはク
ラツクなどが発生し、現状では不充分である。さらに、
耐候性が良好なバンパーグレードの要請は、自動車の一
層の高級化志向や気候の悪い地方での使用比率が高まる
につれてその傾向が強まりつつある。
そこで、その対策として従来の耐候性処方を増量または
新しい添加剤を追加することも考えられるが、これらを
単に増量または追加すると、成形時に外観性のトラブル
(たとえば、表面の光沢ムラや白化など)の原因や、成
形後に成形品の表面に増量または追加した添加剤がブリ
ードし、外観を悪化したり、また実車による長期使用に
よって成形品の表面が白化するなどの種々の問題があ
る。
また、前記工業部品および日用品の分野において、前記
の機械的特性にすぐれているばかりでなく、プライマー
を使用しなくともポリウレタンとの密着性が良好であ
り、しかも耐候性がすぐれており、その上外観性が良好
であるプロピレン系重合体組成物が要望されている。
発明が解決しようとする問題点 以上のことから、本発明はこれらの問題点(欠点)がな
く、すなわちプロピレン系重合体が有する種々の機械的
特性(たとえば、衝撃強度、剛性)を保持するかあるい
は向上させるばかりでなく、成形性が良好であり、かつ
耐候性にもすぐれ、同時にプライマーを使わなくてもポ
リウレタンとの密着性が可能であり、しかも外観(とり
わけ、光沢性)が良好であるプロピレン系重合体組成物
を得ることである。
問題点を解決するための手段および作用 本発明にしたがえば、前記問題点は (A)(1)プロピレン系重合体またはプロピレン単独重合体
とエチレン−プロピレン系共重合ゴムとの混合物100重
量部に (2)「分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、か
つヒドロキシル基を含有する有機化合物」(以下「ヒド
ロキシル系化合物」と云う)0.1〜50重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜20重量部 を処理させることによって得られる変性プロピレン系重
合体、 (B)プロピレン系重合体、 (C)ムーニー粘度〔ML1+4、(100℃)〕が20〜100であ
り、かつプロピレンの含有量が20〜50重量%である無定
形エチレン−プロピレン共重合体 ならびに (D)密度が0.935g/cm3以上である高密度エチレン系重
合体 からなる組成物であり、組成物中に占める高密度エチレ
ン系重合体の組成割合は3.0〜25重量%であり、変性プ
ロピレン系重合体、プロピレン重合体および無定形エチ
レン−プロピレン共重合体の合計量100重量部に対する
ヒドロキシル系化合物の割合はモノマー単位として0.01
〜10.0重量部であり、かつ変性プロピレン系重合体とプ
ロピレン系重合体の合計量中に占める変性プロピレン系
重合体の組成割合は5〜90重量%であり、組成物中に占
める変性プロピレン系重合体の組成割合は少なくとも3.
0重量%であり、かつ無定形エチレン−プロピレン共重
合体の組成割合は1.0〜35重量%であるプロピレン系重
合体組成物 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)変性プロピレン系重合体 本発明の変性プロピレン系重合体は後記のプロピレン系
重合体およびプロピレン単独重合体とエチレン−プロピ
レン系共重合ゴムとの混合物にヒドロキシル系化合物お
よび有機過酸化合物を処理されることによって得られる
ものであり、その製造方法については特開昭58-154732
号公報明細書に詳細に記載されている。
(1)プロピレン系重合体 本発明の変性プロピレン系重合体を製造するために使わ
れるプロピレン系重合体はプロピレン単独重合体、プロ
ピレンを主成分とするエチレンおよび/またはα−オレ
フィンとのブロック共重合体ならびにプロピレンを主成
分とするエチレンおよび/またはα−オレフィンとのラ
ンダム共重合体からえらばれる。これらのブロック共重
合体でもランダム共重合体でもエチレンおよびα−オレ
フィンの共重合割合はそれらの合計量として多くとも20
重量%(好ましくは、15重量%以下)である。また、α
−オレフィンの炭素数は4〜12である。該α−オレフィ
ンの代表例としては、ブテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルヘキセン−1およびオクテン−1があげられる。
これらのプロピレン系重合体は工業的に生産され、多方
面にわてって利用されているものである。また、これら
のプロピレン系重合体の物性および製造方法はよく知ら
れているものである。
また、該プロピレン系重合体のかわりに、プロピレン単
独重合体に後記のエチレン−プロピレン系共重合ゴムを
後記の組成割合で混合したものも使用することができ
る。このさい、使用されるエチレン−プロピレン系共重
合ゴムは、エチレンおよびプロピレンを主成分とするも
のである。このエチレン−プロピレン共重合ゴムは後記
の無定形エチレン−プロピレン共重合体があげられる。
後記の共重合ゴムの場合でも、多元共重合ゴムの場合で
も、プロピレンの含有量は20〜50重量%である。また、
ムーニー粘度〔ML1+4、(100℃)〕は10〜50であり、
10〜40が好ましく、特に15〜40が好適である。ムーニー
粘度が10未満のエチレン−プロピレン系共重合ゴムを用
いると、成形性は良好であるが、後記のウレタン塗料と
の密着強度の改善が充分でない。一方、50を越えたもの
を使うと、成形物の表面にフローマークなどが発生し、
外観上好ましくない。
本発明の変性プロピレン系重合体を製造するにあたり、
前記プロピレン単独重合体およびこのエチレン−プロピ
レン系共重合ゴムの合計量中に占めるエチレン−プロピ
レン系共重合ゴムの割合は通常多くとも40重量%であ
り、1〜40重量%が望ましく、とりわけ2〜35重量%が
好適である。プロピレン単独重合体およびエチレン−プ
ロピレン系共重合ゴムの合計量中に占めるエチレン−プ
ロピレン系共重合ゴムの割合が40重量%を越えると、塗
膜との密着強度は良好であるが、成形物の表面にフロー
マークが発生するのみならず、光沢性が低下する。
このプロピレン系重合体のメルトフローレート(JIS K7
210にしたがい、条件14で測定、以下「MFR(2)」と云
う)は成形性、得られる組成物の機械的特性などの欠点
から、通常0.01〜100g/10分であり、0.01〜80g/10
分が好ましく、特に0.02〜60g/10分のものが好適であ
る。
(2)ヒドロキシル系化合物 さらに、ヒドロキシル系化合物は少なくとも一個の不飽
和結合(二重結合、三重結合)を有し、かつヒドロキシ
ル基を含有する化合物である。この代表的なものとして
は、二重結合を有するアルコール、三重結合を有するア
ルコール、一価または二価の不飽和カルボン酸と非置換
二価アルコールとのエステル、該不飽和カルボン酸と非
置換三価アルコールとのエステル、非置換四価アルコー
ルとのエステルおよび非置換五価以上アルコールとのエ
ステルがあげられる。
(3)有機過酸化物 また、有機過酸化物は一般にラジカル重合における開始
剤および重合体の架橋剤として使われているものであ
り、1分間の半減期が100℃以上のものが好ましく、と
りわけ130℃以上のものが好適である。上記の温度が100
℃以下のものでは、その取り扱いが難しいばかりでな
く、使用した効果もあまり認められないから望ましくな
い。
(4)混合割合 本発明の混合物を製造するにあたり、プロピレン系重合
体100重量部に対するヒドロキシル系化合物の混合割合
は0.1〜50重量部であり、0.2〜30重量部が好ましく、特
に0.3〜20重量部が好適である。プロピレン系重合体100
重量部に対するヒドロキシル系化合物の混合割合が0.1
重量部以下では、密着性の改良効果が不十分である。一
方、50重量部以上使用したとしても、使用量に応じた密
着性の改良効果が認められず、むしろプロピレン単独重
合体が有する本来の特性がそこなわれるために好ましく
ない。
また、プロピレン系重合体100重量部に対する有機過酸
化物の混合割合は0.01〜20重量部であり、0.05〜10重量
部が望ましく、とりわけ0.1〜7重量部が好適である。
プロピレン系重合体100重量部に対する有機過酸化物の
混合割合が0.01重量部以下では、密着性の改善効果が低
いばかりでなく、混合物の密着強度の耐久性も低下す
る。一方、20重量部以上では、該重合体が有する本来の
すぐれた機械的特性が低下するため、いずれの場合でも
望ましくない。
(5)変性プロピレン系重合体の製造方法 本発明の変性プロピレン系重合体を製造するには、以上
のプロピレン系重合体、ヒドロシシル系化合物および有
機過酸化物を以上の混合割合で処理(加熱)させること
によって製造することができる。このさい、プロピレン
系重合体、ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物を
混合させながら処理してもよいが、あらかじめこれらを
ドライブレンドで混合するか、または比較的低温(ヒド
ロキシル系化合物が反応しない温度)で混練し、得られ
る混合物を後記のごとく加熱させることによって得られ
る。
処理を高い温度で実施すると、プロピレン系重合体が劣
化することがある。しかし、使用されるプロピレン系重
合体とヒドロキシル系化合物とがグラフト重合するため
に用いられる有機過酸化物が分解する温度で実施しなけ
ればならない。以上のことから、使われる有機過酸化物
の種類によって異なるが、この処理は一般には160〜300
℃(好ましくは、170〜280℃)において実施される。
前記ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物の一般式
や代表例ならびに混合方法および処理方法などについて
は特開昭58-154732号公報明細書に詳細に記載されてい
る。
(B)プロピレン系重合体 また、本発明の組成物をこの変性プロピレン系重合体と
ともに用いられるプロピレン系重合体はMFR(2)を除き、
前記変性プロピレン系重合体を製造するさいに使用した
プロピレン系重合体と同種である(しかし、変性プロピ
レン系重合体を製造するさいに用いたものと同一である
必要はない)。これらのプロピレン系重合体のうち、ブ
ロック共重合体およびランダム共重合体が好んで使用さ
れる。
このプロピレン系重合体のMFR(2)は通常1.0〜100g/10
分であり、1.0〜80g/10分が望ましく、とりわけ2.0〜
60g/10分が好適である。MFR(2)が1.0g/10分未満の
プロピレン系重合体を使うならば、前記変性プロピレン
系重合体との混練性が悪いばかりでなく、得られる組成
物の成形性がよくない。一方、100g/10分を越えたプ
ロピレン系重合体を使うと、得られる組成物の機械的強
度がよくない。
(C)無定形エチレン−プロピレン共重合体 さらに、本発明において使用される無定形エチレン−プ
ロピレン共重合体のムーニー粘度〔ML1+4、(100
℃)〕は20〜100であり、20〜80が望ましく、とりわけ3
0〜75が好適である。ムーニー粘度が20未満の無定形エ
チレン−プロピレン共重合体を使うならば、成形性は向
上するが、成形物のゲートカートするさいなどに層隔離
が発生する場合もあり、トラブルの原因となることがあ
る。一方、100を越えたものを用いると、混練り時に他
の組成成分と均一な分散が困難になるのみならず、たと
え均一な組成物が得られたとしても、成形物の表面にフ
ローマーク、ウエルドラインなどの目立が激しくない、
外観の良好な成形物が得られない。さらに、この共重合
体のプロピレンの含有量は一般には20〜50重量%であ
り、25〜45重量%のものが望ましく、とりわけ25〜40重
量%のものが好適である。この無定形エチレン−プロピ
レン共重合体はゴム的特性を有するものであり、工業的
に生産され多方面にわたって利用されているものであ
り、その製造方法についても広く知られているものであ
る。
該無定形エチレン−プロピレン共重合体はエチレンとプ
ロピレンとを共重合させることによって得られる共重合
ゴムならびにエチレンとプロピレンとを主成分として、
1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよび3,3−ジ
メチル−1,5−ヘキサジエンのごとき二個の二重結合を
末端に含有する直鎖もしくは分岐鎖のジオレフィン、1,
4−ヘキサジエンおよび6−メチル−1,5−ヘプタジエン
のごとき末端に含む直鎖もしくは分岐鎖ジオレフィンま
たはビシクロ〔2,2,1〕−ヘプテン−2(ノルボルネ
ン)およびその誘導体(たとえば、エチリデンノルボル
ネン)のごとき環状ジエン炭化水素のような二重結合を
有する単量体を少量(一般には、10重量%以下)共重合
させることによって得られる多元共重合ゴムに大別され
る。
(D)高密度エチレン系重合体 また、本発明において使われる高密度エチレン系重合体
は、密度が0.935g/cm3以上のエチレン系重合体であ
り、0.935g/cm3ないし0.980g/cm3のものが好まし
く、0.935〜0.975g/cm3のものが好適である。該エチ
レン系重合体は一般にエチレンの単独重合体およびエチ
レンとα−オレフィン(炭素数は、一般には3〜12個、
好適には3〜8個)との共重合体である。好適なα−オ
レフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、4−メチルペンテン−1およびオクテン−1があ
げられる。
この高密度エチレン系重合体のメルトフローインデック
ス〔JIS K7210にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR
(1)」と云う〕は一般には0.5〜100g/10分であり、0.5
〜80g/10分のものが好ましく、とりわけ1.0〜60g/1
0分のものが好適である。MFR(1)が0.5g/10分未満の高
密度エチレン系重合体を用いると、混練時に均一に分散
させることが難しいばかりでなく、得られる成形物の表
面にフローマークの発生の原因となる。一方、100g/1
0分を越えたエチレン系重合体を使用すると、やはり混
練時に均一に分散することが困難であり、しかも得られ
る組成物の耐衝撃性がよくない。
(E)組成割合 本発明において得られる組成物中に占める高密度エチレ
ン系重合体の組成割合は3.0〜35重量%であり、3.0〜20
重量%が好ましく、5.0〜20重量%が好適である。得ら
れる組成物の高密度エチレン系重合体の組成割合が3.0
重量%未満では、得られる組成物の耐衝撃性の改良効果
が乏しいばかりでなく、成形物の外観がよくない(とり
わけ、光沢性が満足すべきものではない)。一方、25重
量%を越えると、得られる組成物の耐熱性が満足すべき
ものではない。
また、前記変性プロピレン系重合体とプロピレン系重合
体との合計量(総和)中に占める変性プロピレン系重合
体の組成割合は5〜90重量%であり、10〜80重量%が望
ましく、とりわけ20〜60重量%が好適である。変性プロ
ピレン系重合体とプロピレン系重合体との合計量に占め
る変性プロピレン系重合体の組成割合が5重量%未満で
は、組成物とポリウレタンとの密着性が乏しい。一方、
90重量%を越えると、低温における耐衝撃性が不足す
る。
さらに、組成物中に占める変性プロピレン系重合体の組
成割合は少なくとも5重量%であり、5〜20重量%が好
ましく、特に5〜15重量%が好適である。組成物中に占
める変性プロピレン系重合体の組成割合は5重量%未満
では、組成物とポリウレタンとの密着性がよくない。
また、組成物中に占める無定形エチレン−プロピレン共
重合体の組成割合は1.0〜35重量%であり、2.0〜35重量
%が望ましく、とりわけ3.0〜35重量%が最適である。
組成物中に占める無定形エチレン−プロピレン共重合体
の組成割合が1.0重量%未満では、組成物の低温におけ
る耐衝撃性がよくない。一方、35重量%を越えた場合で
は、低温における耐衝撃性がすぐれているが、曲げ弾性
率(剛性)が低く、これらのバランスの点においてよく
ない。
さらに、変性プロピレン系重合体、プロピレン系重合体
および無定形エチレン−プロピレン共重合体の合計量10
0重量部に対するヒドロキシル基を含有する有機化合物
の割合はモノマー単位として0.01〜10.0重量部であり、
0.1〜10.0重量部が好ましく、殊に0.2〜5.0重量部が好
適である。これらの重合体の合計量100重量部に対して
ヒドロキシル基を含有する有機化合物の割合が0.01重量
部未満では、得られる組成物とポリウレタンとの密着性
が不足する。また、10.0重量部を越えたとしても、さら
に密着性を向上することができない。
(F)組成物の製造、成形方法など 本発明の組成物を製造するには、前記変性プロピレン系
重合体、プロピレン系重合体、無定形エチレン−プロピ
レン共重合体および高密度エチレン系重合体を前記の組
成割合の範囲内になるように通常のオレフィン系重合体
の分野において実施されている混合方法を適用して均一
になるように混合すればよい。このさい、同時に全組成
成分を混合してもよく、組成成分の一部をあらかじめ混
合し、いわゆるマスターバッチを製造し、このマスター
バッチと残りの組成成分を混合してもよい。このさい、
オレフィン系重合体に一般に配合(添加)されている
熱、酸素または紫外線に対する安定剤、金属劣化防止
剤、可塑剤、難燃化剤、滑剤、充填剤、着色剤、帯電防
止剤および電気的特性改良剤のごとき添加剤を組成物の
物性が本質的に損なわない範囲で組成物の使用目的に応
じて配合してもよい。
このようにして得られる組成物は通常ペレット状に成形
され、それぞれの熱可塑性樹脂の分野において一般に行
なわれている射出成形法、押出成形法などの成形方法に
よって所望の成形物に製造される。
前記の組成物を製造するさいに溶融混練する場合でも、
成形する場合でも、使われる重合体の融点よりも高い温
度であるが、熱分解しない温度である。これらのことか
ら、一般には180〜300℃(好適には、190〜250℃)で実
施される。
一般に、オレフィン系重合体はポリウレタンとの密着性
が極めて悪いためにオレフィン系重合体またはその組成
物の成形物にポリウレタン塗料を塗布する場合、あらか
じめプライマーを塗布・乾燥し、ポリウレタン塗料を塗
布しなければならない。しかし、本発明のプロピレン系
重合体はポリウレタンとの密着性がすぐれているため、
成形物の表面にプライマーを塗布しなくとも、成形物の
表面に直接ポリウレタンを塗布することができる(プラ
イマーを使用すると、一層密着性が向上する)。
実施例および比較例 以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、曲げ弾性率はASTM
D790にしたがって測定し、アイゾット衝撃強度はASTM
D256にしたがって測定した。また、塗膜密着強度は平板
試験片(厚さ2mm、130×130mm)を1,1,1−トリクロル
エタンの蒸気中に30秒間置き、充分乾燥させた後、ハイ
ウレタン塗料(日本ピーケミカル社製、商品名R257、ソ
リッド)を乾燥時の厚さが20〜30ミクロンになるように
塗布した。約15分間放置した後、ウレタン塗料(日本ピ
ーケミカル社製、商品名、R266、ワッカートップ)を乾
燥時の厚さが30〜40ミクロンになるように塗布し、90℃
において30分間乾燥した。ついで、恒室温(温度23℃、
湿度65%)中で48時間放置させた。得られた塗布物(試
験片)を10mm幅に切断し、試験片の樹脂部より塗膜の一
部(約10mm)を強制的に剥離させた後、残りの密着部を
引張試験機を用いて50mm/分の速度で塗膜に対して逆方
向(180度)に引張り、剥離強度を測定することによっ
て求めた。さらに、光沢性は前記平板試験片をJIS K-71
05にしたがって測定した。また、耐候性試験は前記平板
試験片を50mm×50mmに切断し、サンシャイン・ウェザオ
メータ(スガ試験機製)を使ってブラックパネル温度が
83℃および降雨条件が12分/60分の条件で照射し、それ
ぞれの照射時間で取り出し、サンプルの外観の変化を観
察し、その結果を下記のように示す。
◎:変化なし ○:わずかにチョーキング発生 △:クラック発生 ×:激しくクラック発生 なお、実施例および比較例において使った変性プロピレ
ン系重合体、プロピレン系重合体、無定形エチレン−プ
ロピレン共重合ゴム、高密度エチレン系重合体、その他
の組成成分の物性、製造方法などを下記に示す。
〔(A)変性プロピレ単独重合体〕
変性プロピレン単独重合体として、MFR(2)が0.5g/10
分であるプロピレン単独重合体85重量部とムーニー粘度
(ML1+4、100℃)が20の無定形エチレン−プロピレン
共重合体15重量部に3.0重量部の2−ヒドロキシエチル
メタアクリレートおよび0.7重量部の2,2′−ビス(第三
級−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンをあらか
じめヘンシェルミキサーを使って5分間ドライブレンド
を行なった。得られた混合物をベント付押出機(径65m
m、シリンダー温度160〜200℃)を使って混練させるこ
とによって得られたもの(以下「変性PP」と云う)を使
用した。
〔(B)エチレン−プロピレンブロック共重合体〕 エチレン−プロピレンブロック共重合体として、MFR(2)
が9.1g/10分であるエチレン−プロピレンブロック共
重合体〔エチレン含有量8.8重量%、以下「PP(A)」と云
う〕、MFR(2)が6.0g/10分であるエチレン−プロピレ
ンブロック共重合体〔エチレン含有量10.1重量%、以下
「PP(B)」と云う〕、MFR(2)が100g/10分であるエチレ
ン−プロピレンブロック共重合体〔エチレン含有量8.5
重量%、以下「PP(C)」と云う〕を使った。
〔(C)プロピレン単独重合体〕
プロピレン単独重合体として、MFR(2)が10g/10分であ
るプロピレン単独重合体〔以下「PP(D)」と云う〕を用
いた。
〔(D)エチレン−プロピレンランダム共重合体〕
エチレン−プロピレンブロック共重合体として、MFR(2)
が13g/10分であるエチレン含有量が3.1重量%である
エチレン−プロピレンランダム共重合体〔以下「PP
(E)」と云う〕を使用した。
〔(E)無定形エチレン−プロピレン共重合体〕
無定形エチレン−プロピレン共重合体として、ムーニー
粘度〔ML1+4、(100℃)〕が35である無定形エチレン
−プロピレン共重合体〔プロピレン含有量27重量%、以
下「EPR(a)」と云う〕およびムーニー粘度〔ML1+4
(100℃)が15である無定形エチレン−プロピレン共重
合体〔プロピレン含有量27重量%、以下「EPR(b)」と云
う〕を使用した。
〔(F)高密度エチレン系重合体〕
高密度エチレン系重合体として、密度0.945g/cm3であ
るエチレン−ブテン−1の共重合体〔MFR(1)0.7g/10
分、以下「HDPE(1)」と云う〕および密度が0.960g/cm
3であるエチレン単独重合体〔MFR(1)20g/10分、以下
「HDPE(2)」と云う〕を使った。
〔(G)安定剤〕
各種安定剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジンセバケート〔以下「安定剤(1)」と云
う〕、2(3−第三級−ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール〔以下
「安定剤(2)」と云う〕およびテトラ〔メチレン−3−
(3,5−ジ第三級−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン〔以下「安定剤(3)」と云う〕
を使った。
実施例1〜13、比較例1〜3 第1表にそれぞれの配合量が示されている変性プロピレ
ン系重合体、プロピレン系共重合体、(PP系樹脂とし
て)、無定形エチレン−プロピレン共重合体、プロピレ
ン単独重合体(PP系樹脂として)、高密度エチレン系重
合体および0.3重量部のタルク(平均粒径2.0ミクロン、
結晶化核剤として)をスーパーミキサーを使って5分間
混合した。得られた各混合物をベント付二軸押出機(シ
リンダー温度180〜200℃、径30mm)を用いて混練させな
がらペレット(組成物)を製造した。各ペレットを5オ
ンスの射出成形機を使用して平板(厚さ2mm、130×130
mm)ならびに曲げ弾性率測定用試片およびアイゾット衝
撃強度測定用試片を製造した。得られた各試片の塗膜密
着強度、アイゾット衝撃強度(測定温度−20℃)および
曲げ弾性率の測定ならびに光沢性試験、耐候性試験を行
なった。それらの結果を第2表に示す。
以上の実施例および比較例の結果から、本発明によって
得られるプロピレン系重合体組成物は、機械的強度(曲
げ弾性率、耐衝撃性)がすぐれているばかりでなく、加
工性が良好であり、さらにポリウレタンとの密着性につ
いてもすぐれていることは明白である。さらに、最も特
徴のある効果は、熱、酸素および紫外線に対する安定剤
を加えることにより、相乗効果とも云える効果を発揮す
るのみならず、外観性(光沢性)も良好であることは明
らかである。
発明の効果 本発明によって得られるプロピレン系重合体組成物は、
従来のプロピレン系重合体組成物に比べて、下記の如き
効果を発揮する。
(1)加工性および成形性が同等か、それ以上である。
(2)耐候性が前記のごとく相乗効果を発揮して良好であ
る。
(3)ポリウレタン塗料との密着性がすぐれており、ポリ
ウレタン塗料を表面に塗布させることによってプライマ
ーの下塗り工程を省略することができる。
(4)光沢性が良好であり、成形品の部分的塗装を実施し
たとしても、外観が良好な製品を得ることができる。
(5)一般に実施されている活性化処理法(たとえば、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理法、紫外線処理法)を成形
物の表面に施すことによって、ポリウレタン塗料との密
着性を一層満足すべき程度にすることが可能である。
本発明のプロピレン系重合体組成物は以上のごとき効果
を発揮するために多方面にわたって利用することができ
る。代表的な用途として、自動車のバンパー、バンパー
コーナーなどの外装部品、ドアーライナーなどの内装部
品およびフェンダーのごとき二輪車部品などがあげられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−64848(JP,A) 特開 昭60−55052(JP,A) 特開 昭62−257946(JP,A) 特開 昭62−119243(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)プロピレン系重合体またはプロピレン
    単独重合体とエチレン−プロピレン系共重合ゴムとの混
    合物100重量部に (2)分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、かつ
    ヒドロキシル基を含有する有機化合物0.1〜50重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜20重量部 を処理させることによって得られる変性プロピレン系重
    合体、
  2. 【請求項2】プロピレン系重合体、
  3. 【請求項3】ムーニー粘度〔ML1+4、(100℃)〕が20
    〜100であり、かつプロピレンの含有量が20〜50重量%
    である無定形エチレン−プロピレン共重合体 ならびに
  4. 【請求項4】密度が0.935g/cm3以上である高密度エチ
    レン系重合体 からなる組成物であり、組成物中に占める高密度エチレ
    ン系重合体の組成割合は3.0〜25重量%であり、変性プ
    ロピレン系重合体、プロピレン系重合体および無定形エ
    チレン−プロピレン共重合体の合計量100重量部に対す
    るヒドロキシル基を含有する有機化合物の割合はモノマ
    ー単位として0.01〜10.0重量部であり、かつ変性プロピ
    レン系重合体とプロピレン系重合体の合計量中に占める
    変性プロピレン系重合体の組成割合は5〜90重量%であ
    り、組成物中に占める変性プロピレン系重合体の組成割
    合は少なくとも5.0重量%であり、かつ無定形エチレン
    −プロピレン共重合体の組成割合は1.0〜35重量%であ
    るプロピレン系重合体組成物。
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