JPH0636117Y2

JPH0636117Y2 - 高強度石膏ボード

Info

Publication number: JPH0636117Y2
Application number: JP1988108240U
Authority: JP
Inventors: 茂雄柴田; 誠堀田; 靖雄志村
Original assignee: 三井東圧化学株式会社
Priority date: 1988-08-19
Filing date: 1988-08-19
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2003-08-19
Also published as: JPH0230424U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、高強度石膏ボードに関し、特に石膏ボードの
曲げ破壊強度を向上させる為の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来、石膏ボードの曲げ破壊強度を向上させるために、
その石膏芯材にガラス繊維を混入する方法が採用されて
きたが、必要な強度が得られる量のガラス繊維を石膏芯
材に均一に分散させることは困難である上、多量にガラ
ス繊維を用いるとボード用紙と石膏芯材との接着が不完
全となり、却って強度向上が妨げられるという問題点が
あった。

又、一般に、石膏ボードの曲げ破壊強度は主としてボー
ド用紙の強度と石膏芯材との接着力に支配されるので、
仮に石膏芯材自体の曲げ強度を多少向上させたとして
も、ボード用紙と芯材部との接着強度が十分でないと曲
げ破壊強度はほとんど向上しない。

又、ガラス繊維入りの石膏ボードは高価となる上、廃棄
物となったとき公害問題を生じるおそれがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は叙上の観点に立ってなされたものであって、そ
の目的とするところは、強大な曲げ破壊強度を有する高
強度石膏ボードを提供することにある。

〔問題点を解決する為の手段〕

而して、上記の目的は、板状の石膏芯材と、上記石膏芯
材の全表面を覆うようにそれに強く密着したボード用紙
（表紙及び裏紙）と、上記ボード用紙の少なくとも一部
を覆うように強く接着された金属箔とから成る高強度石
膏ボードによって達成される。

〔作用〕

叙上の如く構成することにより、紙と石膏芯材との接着
とを阻害するガラス繊維を使用せずとも、曲げ破壊強度
を向上させることができる。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の詳細を具体的に説明する。

第１図乃至第４図は、それぞれ本考案にかゝる高強度石
膏ボードの互いに別異の実施例を示す断面図、第５図
は、従来公知の石膏ボードの断面図である。

第５図に示す従来の石膏ボードは、石膏芯材部１の材料
となる石膏スラリーを表紙２及び裏紙３とにより包み、
これを一体に成形、乾燥して成るものである。

而して、第１実施例では、第１図に示した石膏芯材部
１、表紙２及び裏紙３から成る石膏ボードの裏紙３に金
属箔４を強固に接着して曲げ破壊強度を増強するもので
あり、更に第２図に示す第２実施例では、金属箔４は表
紙２に接着されている。

又、第３図に示した第３実施例では、石膏芯材１、表紙
２及び裏紙３から成る石膏ボードの全表面に金属箔４を
配するものである。

更に又、第４図に示した第４実施例では、石膏芯材１
は、その表面として使われる側の両側辺部が中央部より
薄肉となるようその間に傾斜部を設けて美観を高めてい
る。

この石膏ボードは、その裏紙３の全体と表紙２の一部が
金属箔４で被覆されているものである。

尚、本考案に於いては、表面に塗装、又はメッキにより
化粧を施したり、表紙２と金属箔４との間に別の紙又は
不燃紙を介在させることも推奨されるものである。

本考案にかゝる石膏ボードを製造する一方法は、常法に
より石膏スラリーを表紙２と裏紙３とで包んでボード状
に成形、乾燥し、その後に裏紙３に金属箔４を接着剤を
用いて張り合わせるものである。

又、更に推奨される方法としては、一面に金属箔４を接
着したボード用紙を表紙として用いて、上記と同様に石
膏スラリーを包んで成型、乾燥する方法がある。即ち、
通常の工業的な石膏ボードの製造の際に用いられている
表紙に代わりに、予め金属箔が接着されているボード用
紙を用いる他は常法と同様にして製造してもよい。この
場合、乾燥工程を短縮する為、微細な孔を多数明けた金
属箔を使用することが推奨される。

而して、金属箔４としては、厚さが５〜100μ、望まし
くは20〜50μのもので、表面をNi、Znなどでメッキ処理
を行なった鉄箔や、ステンレス箔、アルミ箔、銅合金
等、及びそれらの表面に塗装等で化粧したもの、作業性
を良くする為に金属箔の裏側に不燃紙等を張り合わせた
もの、スラリーの乾燥を良くする為微細孔を多数設けた
もの等が利用できる。

金属箔４の厚みが５μ以下となると曲げ強度が充分に高
められず、又、逆に100μ以上となると作業性が阻害さ
れるので金属箔４の厚みは５μ以上100μ以下、望まし
くは20〜50μ程度とすることが推奨される。

本考案にかゝる高強度石膏ボードは、金属箔によって曲
げ破壊強度が強化されており、そのため利用できる範囲
が拡大され、又、少なくとも一方の面が金属箔によって
被覆されている為、これを内装用に使用する場合は磁
性、静電気防止、電磁波シールド、耐火性等の付加機能
を利用できるものである。

以下、実施例により説明する。

〔実施例〕

JIS A6901に規定する石膏ボードＡ（厚さ12mm、長さ273
0mm、幅910mm）に、平均厚さ25μの鉄箔に表面化粧し、
更にその裏面に不燃紙（坪量250g/m²）を接着剤で張り
合わせた軟鋼箔シートをエマルジョン系接着剤で張付
け、各々第１図乃至第４に相当する石膏ボードＢを得
た。

これらの石膏ボードＡ（比較例）、Ｂ（本考案品）の曲
げ破壊荷重を測定し、表１に示す結果を得た。

この表より石膏ボードＡ、Ｂの曲げ破壊荷重を比較する
と本考案にかゝる石膏ボードＢは、公知の石膏ボードＡ
の約２倍の曲げ破壊荷重を示した。

試験方法;JIS A1408に規定する３号試験体による。

試料厚さ;12mm 〔考案の効果〕本考案は、叙上の如く構成されるので、高い曲げ破壊強
度と共に、磁性、静電気防止、電磁波シールド、防火性
等の付加機能を有する石膏ボードが得られるので、本考
案を実施すれば実用上の効果は極めて大である。

尚、本考案の構成は、叙上の実施例に限定されるもので
はなく、本考案の目的の範囲内で自由に設計変更できる
ものであって、本考案は上述の説明から当業者が想到し
得る総ての変更実施例を包摂するものである。

【図面の簡単な説明】第１図乃至第４図は、それぞれ本考案にかゝる高強度石
膏ボードの互いに別異の実施例を示す断面図、第５図
は、従来公知の石膏ボードの断面図である。１……石膏芯材２……表紙３……裏紙４……金属箔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】板状の石膏芯材（１）と、上記石膏芯材
（１）の全表面を覆うように強く密着したボード用紙
（表紙２、裏面３）と、上記ボード用紙の少なくとも一
部を覆うように強く接着された金属箔（４）とから成る
高強度石膏ボード。
【請求項２】金属箔がメッキ処理された鉄箔である請求
項１記載の高強度石膏ボード。
【請求項３】金属箔がステンレス箔である請求項１記載
の高強度石膏ボード。
【請求項４】金属箔がアルミ箔である請求項１記載の高
強度石膏ボード。
【請求項５】金属箔が銅合金箔である請求項１記載の高
強度石膏ボード。
【請求項６】金属箔が表面に化粧のための塗膜を有する
請求項１記載の高強度石膏ボード。
【請求項７】金属箔の厚みが５〜100μである請求項１
記載の高強度石膏ボード。
【請求項８】金属箔が多孔質であり通気性を有する請求
項１記載の高強度石膏ボード。