JPH06347090A - 風呂装置の追焚制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風呂装置の追焚制御方法に関し、追焚によっ
て浴槽の湯温を上昇させた時に入浴者が熱く感じたり、
ぬるく感じたりすることなく、しかも、設定湯温を変更
すること無しに快適な湯温に追焚することのできる追焚
制御方法を提供することを目的とする。 【構成】 設定湯温Ｔ₀ に従って浴槽の湯の追焚を行な
う風呂装置において、前記設定湯温Ｔ₀ よりも所定温度
だけ低いしきい湯温Ｔ_THを設定し、追焚開始時の浴槽の
湯温が前記しきい湯温Ｔ_THよりも低い場合には前記設定
湯温Ｔ₀ になるように追焚を行ない、追焚開始時の浴槽
の湯温が前記しきい湯温Ｔ_THよりも高い場合には当該追
焚開始時の湯温よりも一定温度だけ高い湯温になるよう
に追焚するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、設定湯温に従って浴槽
の湯の追焚を行なう風呂装置の追焚制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、追焚機能を備えた全自動式の風呂
装置においては、設定湯温Ｔ₀ と設定水位Ｈ₀ を入力し
た後、リモコンの自動スイッチを押すことにより給湯を
開始し、浴槽の湯が設定水位Ｈ₀ になった時点で給湯を
停止するとともに、注湯した湯温が放熱などによって設
定湯温Ｔ₀ よりも下がっているような場合には追焚して
設定湯温になるように沸かしていた。

【０００３】また、入浴中にお湯がぬるいと感じたとき
や、前日の残り湯を沸かし直すときなどには、リモコン
の追焚用スイッチを押して追焚用バーナを点火し、浴槽
の湯温を図４に示すように前記設定湯温Ｔ₀ よりも所定
温度（例えば２℃）だけ高くなるように追焚していた。
これは、人によって温度の感じ方が異なること、お湯の
温度が体に奪われることなどを考慮したもので、追焚す
るお湯の温度を設定湯温よりも２℃程度高くしてあげれ
ば、誰もが熱いと感じることなく満足して入浴できるも
のと考えたことによる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の風呂装置におい
ては、追焚時にはいずれの場合においても、図４に示し
たように設定湯温Ｔ₀ よりも一定温度（図４では２℃）
だけ高い温度となるように追焚制御していた。しかしな
がら、お湯が熱いとかぬるいとかの感じ方には個人差が
大きく、さらに、お湯につかっている間に体がその温度
に慣れてくると、同一人であっても熱い、ぬるいの感じ
方が変わってくる。

【０００５】例えば、入浴中の湯温が設定湯温Ｔ₀ より
も３℃低い時にぬるいと感じて追焚を行った場合（図４
の）、設定湯温Ｔ₀ よりも２℃高い温度に沸き上げる
ので、追焚開始時と完了時のお湯の温度差は５℃とな
り、この５℃の温度差を非常に熱いものと感じてしま
う。この結果、入浴者は追焚が完了する前にリモコンの
追焚スイッチを切り、途中で追焚を中止するようなこと
がしばしば行われていた。

【０００６】一方、上記とは逆に、入浴中の湯温が設定
湯温Ｔ_A よりも例えば１℃高い時にぬるいと感じて追焚
を行った場合（図４の）、湯温がたった１℃上昇した
ところでバーナが消火されて追焚が完了するため、湯温
は設定湯温Ｔ₀ よりも２℃高いにもかかわらず、ぬるい
と感じてしまう。したがって、入浴者はリモコンを操作
して設定湯温を高い温度に設定し再び追焚をやり直した
りしているが、この一旦上げた設定湯温Ｔ₀ を下げるこ
とを忘れて翌日に最初からお湯を沸かした場合、お湯が
熱くなりすぎ、水を入れて湯温を下げねばならないなど
の不具合が生じていた。

【０００７】また、従来においては、設定湯温Ｔ₀ より
も２℃以上高い湯温（図４の）でぬるいと感じた時に
追焚を行おうとしてもバーナが点火せず、設定湯温Ｔ₀
を変更するなどの操作が必要となる。加えて、前日の残
り湯を追焚によって沸かし直したりする場合には、この
変更した設定温度Ｔ₀ よりもさらに２℃高い温度に追焚
してしまうため、さらに熱くなりすぎるという問題があ
った。

【０００８】本発明は、上記事情に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、追焚によって浴槽の湯温
を上昇させた時に入浴者が熱く感じたり、ぬるく感じた
りすることなく、しかも、設定湯温を変更すること無し
に快適な湯温に追焚することのできる風呂装置の追焚制
御方法を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の追焚制御方法は、設定湯温に従って浴槽の
湯の追焚を行なう風呂装置において、前記設定湯温より
も所定温度だけ低いしきい湯温を設定し、追焚開始時の
浴槽の湯温が前記しきい湯温よりも低い場合には前記設
定湯温になるように追焚を行ない、追焚開始時の浴槽の
湯温が前記しきい湯温よりも高い場合には当該追焚開始
時の湯温よりも一定温度だけ高い湯温になるように追焚
することを特徴とするものである。

【００１０】

【作用】図１を参照して本発明の原理を説明する。本発
明の追焚制御方法は、風呂を沸かすためにリモコンなど
から湯温Ｔ₀ が設定されると、この設定湯温Ｔ₀ よりも
一定温度（例えば２℃）だけ低い温度からなるしきい湯
温Ｔ_THを設定する。そして、追焚に際しては、追焚開始
時の湯温が前記しきい湯温Ｔ_THよりも高いか低いかによ
って追焚完了の湯温を変え、追焚を行なうようにしたも
のである。

【００１１】すなわち、追焚開始時の湯温が前記しきい
湯温Ｔ_THよりも低い場合（図１の〜）には、追焚完
了時の湯温が設定湯温Ｔ₀ になるように追焚を行ない、
一方、追焚開始時の湯温が前記しきい湯温Ｔ_THよりも高
い場合（図１の〜）には、追焚完了時の湯温がそれ
ぞれの湯温よりも一定温度（例えば２℃）だけ高い湯温
となるように追焚するものである。

【００１２】本発明は、このように追焚制御する結果、
しきい湯温Ｔ_THよりも低い湯温に慣れている場合には追
焚完了後の湯温は通常時の適温たる設定湯温Ｔ₀ とされ
るので、追焚完了後の湯温を熱いと感じることが無く、
また、しきい湯温Ｔ_THよりも高い湯温に慣れている場合
には追焚完了後の湯温は一定温度（例えば２℃）だけ上
昇されるので、追焚完了後の湯温をぬるいと感じること
が無くなり、快適な追焚を行なうことができる。また、
追焚開始時の湯温が設定湯温Ｔ₀ よりも高い場合（図１
の、）でも、従来のように湯温Ｔ₀ を設定し直す必
要なく追焚を行なうことができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図２は本発明方法を適用して構成した全自動式風
呂装置の一実施例のブロック図である。

【００１４】給湯装置１は、給湯用熱交換器４、追焚用
熱交換器５およびホッパー６を備えている。給湯装置１
に水を供給するための給水管７は、入水温センサ８、入
水量センサ９を介して給湯用熱交換器４の水導入口側に
接続されているとともに、水落し込み弁１０を介して前
記ホッパー６に接続されている。

【００１５】また、給湯用熱交換器４の出湯口側は出湯
温センサ１１を介して湯水混合弁１２の湯導入口側に接
続され、該湯水混合弁１２の水導入口側には給湯用熱交
換器４の水導入口側から分岐された分岐管１３が接続さ
れている。さらに、該湯水混合弁１２の混合湯出口側
は、混合湯温度センサ２７、湯落し込み弁１４を介して
ホッパー６に接続されているとともに、外部配管１５を
介して蛇口などの外部注湯栓に接続されている。

【００１６】一方、追焚用熱交換器５の湯導入口側は、
循環ポンプ１６、戻り切換弁（四方弁）１７、圧力セン
サ１８、追焚用温度センサ１９を介して追焚用循環路２
の戻り管２０に接続されている。また、追焚用熱交換器
５の出湯口側は、往き切換弁（三方弁）２１を介して追
焚用循環路２の往き管２２に接続されている。

【００１７】往き切換弁２１の他の弁口は、注湯量セン
サ２３を介してホッパー６に接続されているとともに、
排水切換弁（三方弁）２４を介して戻り切換弁１７に接
続されている。さらに、排水切換弁２４の他の弁口はホ
ッパー２に接続されている。

【００１８】制御部２５は、給湯装置全体の動作を制御
するとともに、後述する本発明の追焚制御を行なうため
のマイクロプロッセッサ（ＣＰＵ）や赤外線送受信器な
どを内蔵した電気回路である。また、リモコン２６は、
制御部２５との間で種々の信号の授受を行なうワイヤレ
ス方式あるいはワイヤード方式の遠隔操作装置であっ
て、各種の操作ボタン（図示ぜず）やプザー、表示器な
どを備えている。

【００１９】次に、前記実施例における本発明の追焚制
御の動作例を説明するが、その前に、図１の実施例の風
呂装置における給湯から湯沸かし完了までの動作を簡単
に説明する。

【００２０】まず最初に、リモコン２６を操作して浴槽
３に注湯する湯の水位Ｈ₀ とその湯温Ｔ₀ とを入力し、
制御部２５に設定する。いま、一例として、水位Ｈ₀ ＝
４０ｃｍ、湯温Ｔ₀ ＝４２℃に設定したものとする。

【００２１】次いで、リモコン２６の自動スイッチ（図
示なし）を押すと注湯が開始され、制御部２５は給湯用
熱交換器４のバーナーを点火するとともに、各給湯経路
の弁を開き、入水温センサ８と入水量センサ９の検知出
力に基づいてバーナの熱量を演算し、注湯用熱交換器４
から所定温度の高温湯を出湯し、混合湯温度センサ２７
で監視しながら湯水混合弁１３において水を混合するこ
とにより前記設定湯温Ｔ₀ ＝４２℃からなる湯を作り、
ホッパー６に供給する。

【００２２】ホッパー６に供給された湯は、まず最初
に、戻り切換弁１７と浴槽３間の空気を抜くために、排
水切換弁２４、戻り切換弁１７、圧力センサ１８、追焚
用温度センサ１９、戻り管２０を経て、浴槽３に注湯さ
れる。戻り切換弁１７と浴槽３間の空気抜きが終了する
と、戻り切換弁１７が閉じられ、ホッパー６の湯は、注
湯量センサ２３、往き切換弁２１、追焚循環路２の往き
管２２を経て、浴槽３に注湯される。

【００２３】圧力センサ１８は浴槽３内に溜まっていく
湯の圧力を検出し、制御部２５に送る。制御部２５はこ
の圧力センサ１８から送られてくる圧力を水位に変換
し、浴槽３に注湯される湯の水位を監視する。そして、
浴槽３内の水位が前記設定水位Ｈ₀ ＝４０ｃｍに達する
とバーナーを止め、給湯経路の各弁を閉じて注湯を停止
するとともに、リモコン２５のブザーなどを鳴らし、沸
き上がったことを報知する。

【００２４】なお、実際には、前記設定水位Ｈ₀ まで注
湯された段階で追焚用温度センサ１９によって浴槽３内
の湯温を測定し、給湯経路からの放熱や浴槽からの自然
放熱のために湯温が設定湯温Ｔ₀ よりも下がっているよ
うな場合には追焚用熱交換器５を用いて設定湯温Ｔ₀ ま
で追焚するが、この動作については通常の風呂装置と同
じであるのでその説明は省略する。

【００２５】次に、図３のフローチャートを参照し、本
発明の追焚制御について説明する。前述のようにして浴
槽３内の湯が沸き上がり、入浴している最中に、お湯が
ぬるくなったと感じてリモコン２６の追焚用スイッチ
（図示なし）を押すと（ステップＳ１）、制御部２５は
前記設定湯温Ｔ₀ ＝４２℃よりも一定温度（例えば２
℃）だけ低い温度を、追焚制御のためのしきい湯温Ｔ_TH
＝４０℃として設定するとともに（ステップＳ２）、追
焚用循環ポンプ１６を駆動し、浴槽３内の湯を追焚循環
路２を通じて循環させながら追焚用温度センサ１９でそ
の湯温を検出する（ステップＳ３）。

【００２６】そして、制御部２５は、前記測定された湯
温と前記設定したしきい湯温Ｔ_TH＝４０℃とを比較し
（ステップＳ４）、測定された湯温がしきい湯温Ｔ_THよ
りも低い時は、浴槽３内の湯が設定湯温Ｔ₀ になるよう
に追焚を行ない（ステップＳ５）、一方、測定された湯
温がしきい湯温Ｔ_THよりも高い時は、浴槽３内の湯温が
当該測定された湯温よりも一定温度（例えば２℃）だけ
高い湯温となるように追焚を行なう（ステップＳ６）。

【００２７】すなわち、制御回路２５は、ステップＳ４
において湯温の判定がなされると、追焚用熱交換器５の
バーナーを点火し、浴槽３内の湯を追焚循環路２の戻り
管２０、追焚用温度センサ１９、圧力センサ１８、戻り
切換弁１７、追焚用循環ポンプ１６、追焚用熱交換器
５、往き切換弁２１、追焚循環路２の往き管２２の経路
で循環させながら追焚を行なう。

【００２８】追焚用温度センサ１９は循環する浴槽３内
の湯の湯温を検出し、制御部２５に送る。制御部２５
は、この追焚用温度センサ１８から送られてくる湯温を
監視し、前記ステップＳ４において湯温がしきい湯温Ｔ
_THよりも低いと判定されている時は、湯温が設定湯温Ｔ
_TH＝４２℃に達するまで追焚を行ない（ステップＳ
５）、設定湯温Ｔ_TH＝４２℃に達した時点で追焚を完了
する。

【００２９】また、前記ステップＳ４において湯温がし
きい湯温Ｔ_THよりも高いと判定されている時は、前記測
定された湯温よりも２℃だけ高い湯温になるまで追焚を
行ない（ステップＳ６）、当該湯温に達した時点で追焚
を完了する。

【００３０】分かり易くするために、具体的な値を挙げ
て説明すると、例えば、測定された湯温がしきい湯温Ｔ
_TH＝４０℃よりも例えば１℃低い３９℃であったものと
すると、この場合にはステップＳ５の判定によって湯温
が設定湯温Ｔ₀ ＝４２℃になるようにバーナを追焚制御
する。この時の追焚による温度上昇は３９℃から４２℃
への３℃だけであり、しかも、最終湯温はもともと快適
な湯温として設定している４２℃であるから、入浴者は
この３℃の温度上昇によって熱すぎると感じるようなこ
とはない。

【００３１】一方、測定された湯温がしきい湯温Ｔ_TH＝
４０℃よりも例えば１℃高い４１℃であったものとする
と、この場合にはステップＳ６の判定によって当該測定
湯温４１℃よりも２℃だけ高い４３℃になるようにバー
ナを追焚制御する。この２℃という温度上昇は、快適な
湯温としての許容可能な温度差内であるから、入浴者は
この２℃の温度上昇によって熱すぎると感じるようなこ
とはない。

【００３２】さらに、測定された湯温が設定湯温Ｔ₀ ＝
４２℃よりも例えば１℃高い４３℃においてぬるいと感
じて追焚を行ったような場合でも、ステップＳ６の判定
によって２℃だけ高い４５℃になるようにバーナを追焚
制御する。したがって、この時の湯温は２℃だけ上昇す
るだけであるから、熱くなり過ぎるというようなことが
なく、快適な湯温を楽しむことができる。

【００３３】また、前記した２℃の温度上昇でもぬるい
と感じるような場合には、何度でも追焚ボタンを押すこ
とにより、設定湯温Ｔ₀ を変更することなしに、その都
度、湯温を現在よりも２℃づつ上げていくことができ
る。したがって、４３℃や４４℃でもぬるいと感じるよ
うな熱湯好きの人でも満足のいく追焚を行なうことがで
きる。

【００３４】なお、この種の風呂装置においては、風呂
の許容上限温度（例えば５０℃）を設定しておき、追焚
スイッチを押しても湯温がこれ以上には上がらないよう
に制御することがその安全上から望ましい。

【００３５】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の追焚制御方
法によるときは、追焚開始時の湯温がしきい湯温よりも
高いか低いかによって追焚温度を自動的に変えるように
しているので、追焚によって湯温がぬるく感じられた
り、あるいは熱く感じられたすることがなくなり、常に
快適な追焚を行なうことができる。

【００３６】また、追焚に際していちいち設定湯温を変
更する必要がないので、翌日に風呂を沸かす場合など
に、設定湯温が変わってしまって熱かったり、ぬるかっ
たりするようなことがなくなり、快適な入浴を楽しむこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の追焚制御方法の原理説明図である。

【図２】本発明の実施例のブロック図である。

【図３】前記実施例における本発明の追焚制御動作のフ
ローチャートである。

【図４】従来の追焚制御方法の説明図である。

【符号の説明】

１ 給湯装置 ２ 追焚循環路 ３ 浴槽 ４ 給湯用熱交換器 ５ 追焚用熱交換器 １６ 追焚用循環ポンプ １８ 圧力センサ １９ 追焚用温度センサ ２０ 戻り管 ２２ 往き管 ２５ 制御部 ２６ リモコン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 設定湯温に従って浴槽の湯の追焚を行な
   う風呂装置において、前記設定湯温よりも所定温度だけ
   低いしきい湯温を設定し、 追焚開始時の浴槽の湯温が前記しきい湯温よりも低い場
   合には前記設定湯温になるように追焚を行ない、 追焚開始時の浴槽の湯温が前記しきい湯温よりも高い場
   合には当該追焚開始時の湯温よりも一定温度だけ高い湯
   温になるように追焚することを特徴とする風呂装置の追
   焚制御方法。