JPH06345424A - 炭酸バリウムおよびその製造方法 - Google Patents

炭酸バリウムおよびその製造方法

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JPH06345424A
JPH06345424A JP5142305A JP14230593A JPH06345424A JP H06345424 A JPH06345424 A JP H06345424A JP 5142305 A JP5142305 A JP 5142305A JP 14230593 A JP14230593 A JP 14230593A JP H06345424 A JPH06345424 A JP H06345424A
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barium
ammonium
barium carbonate
chloride
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JP5142305A
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Koichi Otsu
晃一 大津
Masao Sato
征男 佐藤
Takashi Oba
隆 大場
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    • C01F11/18Carbonates
    • C01F11/186Strontium or barium carbonate
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2002/00Crystal-structural characteristics
    • C01P2002/70Crystal-structural characteristics defined by measured X-ray, neutron or electron diffraction data
    • C01P2002/72Crystal-structural characteristics defined by measured X-ray, neutron or electron diffraction data by d-values or two theta-values, e.g. as X-ray diagram
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
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    • C01P2004/60Particles characterised by their size
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平均粒径が0.2〜3μmであり、かつ酸化
チタンと混合して900〜1450℃で焼成したとき、
未反応炭酸バリウムが存在しない反応性を有する炭酸バ
リウムである。この炭酸バリウムは、塩化バリウムと炭
酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムとの反応
後、生成した炭酸バリウムを、副生する塩化アンモニウ
ムと共に、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウ
ムの存在下で熟成して製造される。 【効果】 本発明の炭酸バリウムを使用すると、電子材
料の原料として高純度なチタン酸バリウムを提供でき
る。また、不純物としての塩素の含有量が大幅に低減さ
れた高純度炭酸バリウムが簡単に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、とくに電子材料の原料
として好適な炭酸バリウムおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】電子
部品の一つであるチタン酸バリウム・セラミックコンデ
ンサー、主に積層コンデンサーを小型化、高性能化する
ためには、ばらつきのない安定した電気特性を確保する
必要がある。このためには、原料の1つである炭酸バリ
ウムも高純度品を使用することが必要である。
【0003】炭酸バリウムの工業的製法としては、従来
より、重晶石(BaSO4 )をカーボンで還元焙焼し、
中間体として硫化バリウムを得、これに炭酸ナトリウム
または炭酸アンモニウムを反応させるか、あるいは炭酸
ガスを直接吹き込んで反応させるなどの方法が知られて
いる。これらの反応式を以下に示す。
【0004】
【化1】 BaSO4 + 4C → BaS + 4CO BaS + Na2 CO3 → BaCO3 + Na2 S BaS + (NH4)2 CO3 → BaCO3 + (NH4)2 S BaS + CO2 + H2 O → BaCO3 + H2 S ところが、原料となる重晶石に含まれるバリウムと同じ
アルカリ土類金属に属するストロンチウム、カルシウム
などの不純物が炭酸バリウム製造時に不純分として炭酸
バリウム中に包含される。また、中間体として硫化バリ
ウムを使用するので、硫化バリウムの持っている硫黄分
も生成する炭酸バリウム中に不純物として包含されやす
い。とくに、硫黄分はチタン酸バリウムの製造時に酸化
されて硫酸バリウムとなり、チタン酸バリウム中に不純
物として残る。
【0005】これらの不純物はいずれもチタン酸バリウ
ム・コンデンサーの電気特性に悪影響を与えるため、で
きる限り除去することが望まれる。これらの不純物を除
去して炭酸バリウムを高純度化する方法としては、一般
に、重晶石を還元して得た硫化バリウムに塩酸を加え、
バリウム、ストロンチウム、カルシウムをそれぞれ塩化
バリウム、塩化ストロンチウム、塩化カルシウムに変
え、これらの化合物の水に対する溶解度が違う性質を利
用して、再結晶を繰り返すことにより、ストロンチウム
含有量およびカルシウム含有量の少ない塩化バリウムを
得る方法が採用されている。
【0006】このようにして精製された塩化バリウム
を、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムと反
応させて、炭酸バリウムを得る。反応式を下記に示す。
なお、反応は通常、水溶液中で行われ、炭酸水素アンモ
ニウムの場合はpHが一定になるようにアンモニウムガ
スを反応液に吹き込みながら反応させる。
【0007】
【化2】BaCl2 + (NH4)2 CO3 → BaCO3 + 2NH4 Cl ─(1) BaCl2 + NH4 HCO3 + NH3 → BaCO3 + 2NH4 Cl ─(2) しかしながら、塩化バリウムを使用して得られる炭酸バ
リウムは、不純物として塩素を含有しており、この塩素
を水洗のみで除去するのは困難であった。すなわち、上
記(1) または(2) の反応において、反応終了後、常法で
は、生成した炭酸バリウムをろ過、水洗し、炭酸バリウ
ム粒子の表面および内部に存在する不純物を除去する
が、塩素は水洗をいくら繰り返しても、ほとんど含有量
を低減させることができない。
【0008】一方、塩素が残存した炭酸バリウムを使用
してチタン酸バリウム・コンデンサーを製造すると、コ
ンデンサーに電圧がかかったとき、この塩素がコンデン
サーの電極に用いる銀や銀−パラジウム合金の中に塩素
イオンとして溶け込むと同時に、銀もイオン化して、チ
タン酸バリウムの誘電体層の中に移動する。この量が多
いと、チタン酸バリウムの誘電体層の中で銀が析出する
ため、電流が流れ、コンデンサーとしての機能が失われ
る結果となる。
【0009】ところで、炭酸バリウム中の塩素を低減さ
せるには、塩化バリウムを水酸化バリウムに変え、再結
晶を繰り返して塩素およびナトリウム含有量の少ない水
酸化バリウムを得た後、その水溶液に炭酸ガスを吹き込
み、高純度あるいは超高純度の炭酸バリウムを得る方法
が知られている。この方法の反応式を以下に示す。
【0010】
【化3】 BaCl2 + 2NaOH → Ba(OH)2 + 2NaCl Ba(OH)2 + CO2 → BaCO3 + H2 O しかし、この方法では、工程数が増えるため、生産コス
トは前述したいずれの方法に比べても非常に高くなり、
採算的に工業的生産には不利であった。
【0011】また、従来の方法で得られた炭酸バリウム
を高純度酸化チタンと混合し、900〜1450℃で焼
成したとき、炭酸バリウムの反応性が低いため、生成し
たチタン酸バリウム中に未反応炭酸バリウムが残存する
という問題がある。このような未反応炭酸バリウムの存
在は、チタン酸バリウム・コンデンサーとしての期待し
た電気特性が得られないため、未反応炭酸バリウムがし
なくなるまで、焼成温度を上げるか、あるいは焼成時間
を長くする必要がある。
【0012】ところが、このような操作は、チタン酸バ
リウムの結晶粒子の不均一化を招き、結果として電気特
性が劣ったものしか得られない結果となる。本発明の主
たる目的は、上述の技術的課題を解決し、酸化チタンと
の反応性にすぐれた炭酸バリウムを提供することであ
る。本発明の他の目的は、塩素含有量が大幅に低減され
た炭酸バリウムを簡単な工程で容易に得ることができる
炭酸バリウムの製造方法を提供することである。
【0013】本発明のさらに他の目的は、生成される炭
酸バリウムの粒径を容易に制御することができる炭酸バ
リウムの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記
反応式(1)または(2) で表される塩化バリウムと炭酸ア
ンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムとの反応後、生
成した炭酸バリウムを、副生する塩化アンモニウムと共
に、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムの存
在下で熟成することにより、不純物としての塩素の含有
量が大幅に低減された炭酸バリウムが簡単に得られると
いう新たな事実を見出し、本発明に係る炭酸バリウムの
製造方法を完成するに到った。
【0015】さらに、かかる本発明の製造方法よって得
られる炭酸バリウムは、平均粒径が0.2〜3μmであ
り、かつ酸化チタンと混合して900〜1450℃で焼
成したときに未反応炭酸バリウムが存在しない反応性を
有するという新たな事実を見出した。従って、本発明に
係る炭酸バリウムを使用すれば、未反応炭酸バリウムを
含有しない高純度のチタン酸バリウムを低コストで得る
ことができる。
【0016】ここで、平均粒径を0.2〜3μmとした
のは、以下の理由による。すなわち、平均粒径が0.2
μmより細かいと粉体の二次凝集が進むため、通常使用
される分散機では均一に分散させることが困難になる。
未分散の二次凝集した炭酸バリウムが残ることは、未反
応の炭酸バリウムが残ることにつながり、得られるチタ
ン酸バリウム・コンデンサーの誘電率等の電気特性にも
悪影響を与える。一方、平均粒径が3μmより大きい
と、チタン酸バリウムの単結晶粒子の好ましい平均粒径
である0.5〜1.5μmの範囲を維持することが困難
になる。炭酸バリウムの平均粒径は、好ましくは0.7
〜1.7μmであるのがよい。
【0017】また、本発明において、炭酸バリウムと酸
化チタンとを反応させる焼成温度を900〜1450℃
としたのは、以下の理由による。すなわち、焼成温度が
900℃より低いと、反応に時間がかかるために生産性
が悪く、実用的でない。一方、1450℃を超えると、
生成したチタン酸バリウムの結晶粒子が不均一化しやす
いという問題がある。焼成温度は1000〜1350℃
であるのがより好ましい。
【0018】かかる900〜1450℃の焼成温度での
焼成時間は、炉内の反応物の量によって変動し、反応物
の量が少ない場合には均一に熱がかかるので、少ない時
間でよい。炭酸バリウムの消失の確認は、後述の実施例
に記載のごとくX線回折によって行うことができる。
【0019】本発明における「反応性」とは、粒度分布
が均一であるために均一反応が可能であること、および
製造過程において熟成、乾燥などによる熱履歴をできる
だけ回避することにより反応活性点が粒子表面に残って
いることを意味する。本発明の前記製造方法は、生成さ
れる炭酸バリウムに上記反応性を付与するに充分であ
り、しかも不純物としての塩素の含有量が大幅に低減で
きるという効果がある。
【0020】また、本発明では、前記熟成条件を変える
ことにより、炭酸バリウムの粒径をも簡単に制御するこ
とができる。本発明における塩化バリウムと炭酸アンモ
ニウムまたは炭酸水素アンモニウムとの反応に際して
は、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムを塩
化バリウムに対して過剰量、好ましくは塩化バリウム1
モルに対して1.01〜3モル、より好ましくは1.0
4〜1.6モルで加えるのが好ましい。これは、後の熟
成工程において必要な炭酸アンモニウムまたは炭酸水素
アンモニウムを残存させるためである。
【0021】また、過剰量を添加して反応させるに代わ
りに、炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムを
塩化バリウム対してほぼ等モル量添加して反応を行わ
せ、ついで炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウ
ムを添加して熟成させるようにしてもよい。このときの
熟成時での炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウ
ムの添加量は反応時の添加量との合計が、前記過剰量と
ほぼ同量になる量であればよい。
【0022】反応は通常、水溶液中で60〜80℃で約
5〜15時間加熱することによって完結する。また、反
応で副生した塩化アンモニウムを除去して熟成を行う
と、たとえ炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウ
ムの存在下でも塩素量を低減できないので、反応が終了
した反応液はそのまま熟成に供するのが好ましい。すな
わち、水よりも塩化アンモニウム溶液のほうが炭酸バリ
ウムの溶解度が大きいので、反応時のばらつきによって
生成した微細な炭酸バリウムが塩化アンモニウム溶液に
溶解して、粒子の大きい炭酸バリウムとなって析出す
る、いわゆる溶解−析出が起こる過程で炭酸バリウム中
に取り込まれている塩素を放出するためである。
【0023】炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニ
ウムの添加量は上記範囲内で任意に選択しうるが、この
炭酸塩の添加量は熟成時の温度条件と関係しており、こ
れらの炭酸塩の量が少ないと熟成温度を上げなければ、
炭酸バリウム中に含有される塩素量を低減できない。ま
た、逆に炭酸塩の添加量を増やすと、熟成温度が低い条
件で塩素含有量を低減させることができる。
【0024】熟成は、加熱下、好ましくは約30〜95
℃、より好ましくは60〜80℃程度の温度で、3〜2
0時間、好ましくは5〜15時間行うのがよい。熟成温
度は前記した炭酸塩との相関関係を考慮して前記範囲内
から選択される。熟成温度が30℃より低いときは、熟
成時間が長くなって生産効率が低下すると共に塩素の除
去も不十分となりやすい。逆に、熟成温度が95℃を超
えるときは、反応液の突沸現象が起こり危険であり、ま
た炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムの分解
揮散が起こり安定した品質(すなわち粒度や塩素含有量
にばらつきのない製品)が得られない。
【0025】熟成して得られる炭酸バリウムの平均粒径
は、前記のごとく約0.2〜3μm程度、なかんづく
0.7〜1.7μm程度であるのが好ましい。本発明で
は、温度、時間などの加熱熟成の条件を変えることによ
り、炭酸バリウムの粒径を上記範囲内に入るように任意
に制御することができる。すなわち、熟成温度が高いほ
ど、また熟成時間が長いほど、平均粒径の大きな炭酸バ
リウムが得られ、逆に熟成温度が低いほど、また熟成時
間が短いほど、平均粒径の小さい炭酸バリウムが得られ
る。このような粒径制御は酸化チタンとの混合性や反応
性のうえで重要である。すなわち、炭酸バリウムと酸化
チタンとからチタン酸バリウム・コンデンサを得る反応
は下記反応式に従って進行する。
【0026】
【化4】BaCO3 + TiO2 → BaO・Ti
2 + CO2 このとき、炭酸バリウムおよび酸化チタンのそれぞれの
粒子は大きさがほぼ同じものを使用すると、均一に混合
でき、そのため反応性が向上し、均一な反応生成物が得
られる。
【0027】
【実施例】つぎに実施例をあげて本発明の炭酸バリウム
およびその製造方法を説明する。 実施例1 濃度が66.2g/リットルの炭酸水素アンモニウム水
溶液14.7リットルを調製し、これにアンモニウムガ
スを吹き込んで吸収させpHを9.8に調整した。つい
で、温度を30℃に保って35リットルの反応容器に入
れ、この中に温度60℃で濃度が142g/リットルの
塩化バリウム水溶液15リットルを70RPMで攪拌し
ながら、45分間かけて添加し、反応させた。このと
き、前記炭酸水素アンモニウムの量は塩化バリウム1モ
ルに対して1.2モルである。
【0028】反応終了後、60℃に昇温し、この温度で
攪拌速度13RPMにて攪拌しながら15時間以上加熱
熟成した。そして、加熱熟成による塩素含有率の変化を
熟成開始から5時間ごとに測定した。その結果を図1に
示す。塩素含有率はJISK−1415(塩化物試験方
法)にて測定した。また、塩素含有率の測定と並行し
て、加熱熟成による炭酸バリウムの平均粒径の変化を同
様にして測定した。その結果を図2に示す。粒径は、得
られたスラリーをろ過水洗し、含水ケーキを170℃に
て乾燥後、一次粒子が破壊されない程度に粉砕して炭酸
バリウムの粒子を得た後、島津製作所製の粉体比表面積
測定装置「SS−100型」を用いて空気透過法(恒圧
通気式)にて測定した。実施例2および3濃度が77.
2g/リットルおよび88.2g/リットルの炭酸水素
アンモニウム水溶液を同量だけ使用したほかは実施例1
と同様にして炭酸バリウムをそれぞれ得、その塩素含有
率および平均粒径を測定した。その結果を図1および図
2にそれぞれ示す。なお、炭酸水素アンモニウムの量
は、塩化バリウム1モルに対して実施例2で1.4モ
ル、実施例3で1.6モルである。 比較例1 濃度が55.2g/リットルの炭酸水素アンモニウム水
溶液を同量だけ使用したほかは実施例1と同様にして炭
酸バリウムを得、その塩素含有率および平均粒径を測定
した。その結果を図1および図2にそれぞれ示す。な
お、炭酸水素アンモニウムの量は塩化バリウム1モルに
対して1.0モルである。
【0029】これらの実施例および比較例において、6
0℃で15時間加熱熟成したときの塩素含有量の減少率
と平均粒径の変化率を表1に示す。
【0030】
【表1】 図1〜図2および表1から、実施例1〜3のように、塩
化バリウムに対する炭酸水素アンモニウムのモル比が高
いほど、塩素含有率が低く、逆に炭酸バリウムの粒径は
大きくなることがわかる。これに対して、塩化バリウム
に対する炭酸水素アンモニウムのモル比が1である比較
例1では、塩素含有率および粒径はほとんど反応直後と
変わっていない。 実施例4〜6および比較例2 熟成温度を80℃としたほかは実施例1と同様にして炭
酸バリウムを得、その塩素含有率および粒径を測定し
た。その結果を図3および図4にそれぞれ示す。また、
これらの実施例および比較例において、80℃で15時
間加熱熟成したときの塩素除去率と平均粒径の変化率を
表2に示す。
【0031】
【表2】 図3〜図4および表2から、80℃で加熱熟成した場合
にも、前記と同様に塩化バリウムに対する炭酸水素アン
モニウムのモル比が高いほど、塩素含有率が低く、逆に
炭酸バリウムの粒径が大きくなることがわかる。また、
60℃で加熱熟成したときの塩素除去率と80℃で加熱
熟成したときのそれとを図1と図3および表1と表2と
で比較したとき、80℃での熟成のほうが高い除去効果
が認められる。 実施例7 比較例1と同様にして塩化バリウムに対して炭酸水素ア
ンモニウムを等モル量で反応させた後、濃度が55.2
g/リットルの炭酸水素アンモニウム水溶液3リットル
を反応液に添加し、実施例1と同様にして60℃で攪拌
しながら15時間加熱熟成を行った。なお、炭酸水素ア
ンモニウムの総添加量は実施例1と同じく塩化バリウム
に対して1.2モルである。
【0032】加熱熟成後、得られた炭酸バリウムの平均
粒径は1.1μmであり、塩素含有率は0.035%で
あった。 実施例8 実施例6において、80℃で9時間加熱熟成して得た平
均粒径1.5μm、塩素含有率0.011%の炭酸バリ
ウムを、高純度酸化チタン(東邦チタニウム社製)と反
応させてチタン酸バリウムを作成するにあたり、100
0℃で焼成したとき、X線回折で炭酸バリウムのピーク
が消失の有無を調べた。試験は下記の条件下で行った。 (1) 原料の配合 炭酸バリウム 40.0g 高純度酸化チタン 16.8g 純水 120g ジルコンビーズ(径1.7mm) 60g 分散剤 2.4g (分散剤は花王(株)製の「ポイズ532A」の5gに
純水45gを加えて希釈したものを使用した。) (2) 分散操作 上記(1) の配合物を300ccのガラス容器に入れ、分
散機(Red Devil 社製) で60分間分散させた。 (3) ビーズの分離 網目の径が1mmであるスクリーンに分散液を通し、ビー
ズを分離した。 (4) 乾燥 105℃の恒温乾燥機で24時間乾燥した。 (5) 粉砕 乾燥物をメノウ製の乳鉢で5分間解砕した。 (6) 焼成 得られた粉砕品4gを磁製るつぼ5ccに入れ、100
0℃で2時間の条件で焼成して、チタン酸バリウムを得
た。焼成後、生成物についてX線回折を行い、炭酸バリ
ウムのピークの有無を確認した。 (7) 結果 生成物のX線回折を図5に示す。 比較例3 実施例8で得た炭酸バリウムに代えて、平均粒径1.3
6μm、塩素含有率0.015%の市販炭酸バリウムを
使用したほかは、実施例8と同様にして、酸化チタンと
混合し1000℃で2時間焼成を行った。反応生成物の
X線回折を図6に示す。
【0033】図5および図6から、比較例3では炭酸バ
リウムのピークの存在が認められるのに対して、実施例
8で得た炭酸バリウムでは、炭酸バリウムのピークが完
全に消失しており、反応性に優れていることが確認され
た。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の炭酸バリウム
は、平均粒径が0.2〜3μmであり、かつ酸化チタン
と混合して900〜1450℃で焼成したときに未反応
炭酸バリウムが存在しない反応性を有するので、高品質
のチタン酸バリウム・コンデンサーの製造に好適に使用
できるという効果がある。但し、本発明の炭酸バリウム
はチタン酸バリウムの製造原料に限定されるものでな
く、他の種々な用途にも適用可能であることはいうまで
もない。
【0035】また、本発明の炭酸バリウムの製造方法に
よれば、塩素含有量が大幅に低減された炭酸バリウムを
安価にかつ容易に得ることができる。さらに、生成され
る炭酸バリウムの粒径を容易に制御することができるの
で、混合性および反応性に優れた高品質の炭酸バリウム
が容易に得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における60℃での加熱熟成で
の熟成時間と塩素含有率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例における60℃での加熱熟成で
の熟成時間と炭酸バリウムの平均粒径との関係を示すグ
ラフである。
【図3】本発明の実施例における80℃での加熱熟成で
の熟成時間と塩素含有率との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例における80℃での加熱熟成で
の熟成時間と炭酸バリウムの平均粒径との関係を示すグ
ラフである。
【図5】実施例8において1000℃で焼成したときの
X線回折を示すグラフである。
【図6】比較例3において1000℃で焼成したときの
X線回折を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.2〜3μmであり、かつ酸
    化チタンと混合して900〜1450℃で焼成したとき
    に未反応炭酸バリウムが存在しない反応性を有すること
    を特徴とする炭酸バリウム。
  2. 【請求項2】塩化バリウムと炭酸アンモニウムまたは炭
    酸水素アンモニウムとを反応させた後、生成した炭酸バ
    リウムを、副生する塩化アンモニウムと共に、炭酸アン
    モニウムまたは炭酸水素アンモニウムの存在下で熟成す
    ることを特徴とする炭酸バリウムの製造方法。
  3. 【請求項3】前記炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アン
    モニウムを塩化バリウムに対して過剰量を添加して反応
    を行わせ、ついで熟成する請求項2記載の炭酸バリウム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アン
    モニウムを塩化バリウムに対して等モル量添加して反応
    を行わせ、ついで炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アン
    モニウムを添加して熟成する請求項2記載の炭酸バリウ
    ムの製造方法。
  5. 【請求項5】前記熟成の条件を変えて、炭酸バリウムの
    粒径を制御する請求項2記載の炭酸バリウムの製造方
    法。
JP5142305A 1993-06-14 1993-06-14 炭酸バリウムおよびその製造方法 Pending JPH06345424A (ja)

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